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多数の韓国発インディーゲームが出展された「SEOUL X GYEONGGI GAME ALLEY 統合館展示エリア」まとめ。遊んで面白かった5作品をピックアップ[TGS2025]
もその1つだ。
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これは韓国のゲーム企業による共同出展エリアだ。実に17社もの企業が集結しており,韓国発のインディー作品が数多く出展されていた。今回はそれを片っ端から遊んでみたので,注目作品をピックアップして紹介しよう。
「東京ゲームショウ2025」公式サイト
「ELLIA」
Arcstar/発売時期:配信中![]() |
記憶と感情を失ってしまった少女と出会い,音楽を通じて心を取り戻していくリズムゲーム。画面横幅いっぱいに広がる3Dレールと“鍵盤”の区分けが存在しないノーツシステムが特徴で,「手前に来たノーツに触れる」というルールを守るだけで直感的に遊べる作品になっている。
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譜面自体が多少難しくとも,とにかくノーツがラインに到達した部分を触れればOKなので,初心者でも意外と対応ができた。手触りとしてはタッチパネルを用いたアーケード用リズムゲームに近く,画面全体がレールになっている関係で没入感が高い。
鍵盤がないため運指の自由度も高く,高難度の楽曲では工夫のしがいがありそうだ。会場では本作を開発するメンバーに高難度楽曲をプレイしてもらったが,ちょっと普通の音ゲーではなかなか見られない指の動きを見られた。上位プレイヤーの配信などがあれば,ぜひ運指を見たいところ。
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また,カスタマイズ性の高さも特徴の1つだ。レールの表示だけでも「角度」「高さ」「距離」「透明度」と,多彩な要素を細かく調整できる。自分の環境に合わせて楽しめるので,競技的にリズムゲームを遊ぶ人も満足できるだろう。大きなサイズのタブレットを持つ人は,ぜひ遊んでほしいゲームだ。
「ELLIA」公式サイト
「ELLIA」公式Xアカウント
「Doomed Otaku」(破滅のオタク)
KiwiSaurus/発売時期:未定![]() |
14日後に破滅が迫る引きこもりが,自身と向き合いながら問題の解決を目指すアドベンチャーゲーム。仲間の勢いに押されて海外グッズ共同購入の代表者となった主人公は,実に500万ウォン(約50万円)もの金額を受け取ったものの,それを使い込んでしまった。購入が締め切られる14日後まで,なんとかしてお金を集めなければならない。
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全力で日雇労働を巡ればギリギリで調達できそうな金額だが,主人公は重度の人見知りであり,見ず知らずの人と会話するにはSP(社会性ポイント)が必要になる。最初のSP上限は5で,1回の会話には2SPも消費されるので,なかなか目標に近付けない。
メタバース空間では自由に会話できるが,いればいるほど時間を浪費してしまううえ,仲間との会話では注文をしていないことを取り繕わなけれないけない。ただ,この空間内だけで実行できるアクションもあり,コンテンツの幅はかなり広いようだ。
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本作はオタクというより“ダメ人間”を描いた作品で,主人公のダメっぷりはちょっと通常の想像を超えた域にある。ただ,その心の動きにはリアリティがあり,ほんのちょっと自分と重なる部分があると,それだけで心に重石がのしかかるような辛さがある。
きらびやかに描かれるメタバース空間に対し,一貫してモノクロで描かれる現実世界など,そうした表現は意図的に行われているように感じられた。少し人を選びそうな作品だが,その挑戦的な表現は印象的だ。
「破滅のオタク」公式Xアカウント
「Dark Lord Saga」
NU SOFT/発売時期:未定![]() |
呪いによって力を失ってしまった「小さな大魔王」となって,力を取り戻す戦いに身を投じるパズルRPG。ステージは複数の色を持つ雑魚モンスターに混じって,複数の討伐目標モンスターが配置されている。雑魚モンスターを一筆書きする形で経路を描き,討伐目標に到達すれば攻撃できる仕組みだ。
ただし,雑魚モンスターには“色”の概念があり,一筆書きの際には同じ色を持つモンスター同士しかつなげられない。長くつなげるほど,終着点となる討伐目標モンスターを攻撃した際に与えられるダメージが増えるので,できるだけたくさんの雑魚を倒せるルートを考えなければいけない。
面白いのは,討伐目標モンスター自体も経路の1つとして使えるほか,特殊効果を持つオブジェクトが存在することだ。たとえば,経路の途中でカラーチェンジができる宝石を使えば,本来は実現できない長大なルートでの攻撃が可能になる。
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ただし,討伐目標のなかには「経路のモンスター数が一定数以上でなければダメージを与えられない」「ターン終了時に指定マスに攻撃を行う」といった効果を持つものもあり,きちんと考える要素も詰め込まれている。スマートフォン向けタイトルとのことで,正式リリースではバトル以外の要素がどうなるのかは,今後の情報を待とう。
NU SOFT 公式サイト
「Beat the Beat : Rhythm Action」
BePex/発売時期:配信中![]() |
謎の存在による“不協和音攻撃”で音楽が失われた世界で,ハーモニーを取り戻すために楽器の精「ミューズ」と共に戦うリズムアクションゲーム。上下に別れたラインに乗ってやってくるノーツ(敵)に合わせて画面をタップすれば,敵を撃破してステージを進められる。
カートゥーン風の3Dグラフィックスを活用した爽快感のある映像表現が特徴で,遊んで楽しく,見ていて気持ちの良いゲームだ。ラインが2つに絞られており,特殊なノーツもそれほど多くはないので,リズムゲームが不得意でも直感的に遊べるのは本作ならでは要素といえる。
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運営型のスマートフォン向けタイトルらしく,キャラクターによる特殊能力要素が多数盛り込まれているのも特徴だ。より高いスコアを狙う人は成功時に利益を得られるキャラクター,安定したクリアを目指したい人は失敗時のリカバリー能力を持つキャラクターを選ぶ,といった形で調整を行える。
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既存タイトルを例に挙げるなら「Muse Dash」に近い作品だが,サポート要素を本作は多く備えている。すでにリリース済みで,出展版は日本語にも対応していたので,興味を持った人は公式Xアカウントをチェックしてみよう。
「Beat the Beat : Rhythm Action」
公式Xアカウント
「LAPIN」
CFK/発売時期:PC版 配信中,Switch版 2025年10月9日発売![]() |
Studio Doodalが2023年にPC(Steam)版を発売したアクションアドベンチャーゲーム。2025年10月9日にNintendo Switch版が発売予定で,今回はSwitch向け移植を手掛けたCFKが出展を行っていた。
物語の主役は,人間の工事によって居場所を奪われてしまったウサギたち。プレイヤーは若きウサギ「リーベ」となり,新天地を求めてさまざまなステージを超えていくことになる。しかし,人間が支配する世界は危険に満ちており,そう簡単には先には進めない。
優しいタッチで描かれるグラフィックスからはほのぼのした印象を受けるが,本作は高難度のプラットフォームアクションである。方向性としては「セレステ」などの作品に近く,ジャンプや壁キックといったアクションを駆使し,入り組んだギミックを切り抜けていく必要がある。
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大きな違いは,アドベンチャー要素の重厚さだ。一緒に旅をしている仲間と会話をすれば親交が深まるが,NPCが抱く主人公への感情は複数種類が用意されており,どこまで話を聞くかによってその内容が変わる。会話が「これ以上は聞かないでくれ」という段階に至ってなお話しかけると,また違った感情が蓄積されていくわけだ。
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ストーリーが気になるので,どんどん先に進めたくなってしまう。攻略難度はかなり高いが,キャラクターと物語が挑戦のモチベーションへとつながるわけだ。4Gamerでは2022年に出展されたバージョンのプレイレポートを掲載しているので,詳細を知りたい人は合わせて確認しよう。
[TGS2022]かわいいウサギが主人公だけど,どこか考えさせられるものがある。そんな2Dプラットフォームアクション「LAPIN」(ラパン)を試遊してきた
![[TGS2022]かわいいウサギが主人公だけど,どこか考えさせられるものがある。そんな2Dプラットフォームアクション「LAPIN」(ラパン)を試遊してきた](/games/659/G065961/20220918069/TN/016.jpg)
TGS 2022のKOREA PAVILIONに試遊出展されていたPCゲーム「LAPIN」(ラパン)を紹介しよう。かわいいウサギが主人公だが,その背景や物語に考えさせるものがある,なんだか気になる2Dプラットフォームアクションだった。
Studio Doodal公式Xアカウント
ここで紹介したもの以外にも,現地にはさまざまなタイトルが出展されていた。以下には,出展タイトルの一覧を以下にまとめつつ,これまでに4Gamerが掲載した(本稿で扱わなかった)作品の記事を紹介しておく。興味のある作品を見つけたら,そちらも合わせて確認してほしい。
「Luna Hop」は臆病なウサギがソウルの街に色を取り戻していくパズルADV。現代の若者の不安と成長が描かれる[BIC2025]
![「Luna Hop」は臆病なウサギがソウルの街に色を取り戻していくパズルADV。現代の若者の不安と成長が描かれる[BIC2025]](/games/875/G087561/20250818041/TN/001.jpg)
韓国のインディーゲームイベント「BIC2025」に出展されていた「Luna Hop」は,美しいグラフィックスで再現されたソウルが舞台の3Dパズルアドベンチャーだ。開発のプロジェクトマネージャーを務めるチョン・ヘユン氏に本作のコンセプトや開発状況を聞いたので,その内容をお届けする。
背中越しの視点で,パリィや回避を駆使して戦うローグライクアクション「Lunaraxia: Magpie Sings of the World's End」[BIC2025]
![背中越しの視点で,パリィや回避を駆使して戦うローグライクアクション「Lunaraxia: Magpie Sings of the World's End」[BIC2025]](/games/937/G093718/20250818001/TN/028.jpg)
韓国・釜山で開催されたインディーゲームイベント「BIC2025」の会場で,Iron Deer Gamesが開発中の「Lunaraxia: Magpie Sings of the World's End」を体験した。本作はアートスタイルが特徴のローグライクアクションだ。
●出展タイトル一覧
タイトル | 関連リンク |
---|---|
Undercity: Creature Survival | iOS/Android |
ELLIA | Android |
Beat the Beat : Rhythm Action | iOS / Android |
worldon | 公式 |
Who's Next? | Steam |
Doomed Otaku(破滅のオタク) | Steam |
LUNA HOP | Steam |
Lunaraxia: Magpie Sings of the World's End | Steam |
Project Revenant | Steam |
LAPIN | 公式 |
RED STONE | 公式 |
ETERNAL RETURN | 公式 |
Other world Hair salon | - |
Dark Lord Saga | - |
METAL SLUG: RUSH | - |
AI Granprix | 公式 |
Sol's RNG | 公式 |
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