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中国のゲームショウ「ChinaJoy 2025」開幕! イベント規模の堅調な拡大により“TGSと比肩”。真夏のアツアツ上海に740社以上出展[CJ2025]
中国最大級のゲームショウ「ChinaJoy 2025」(CJ2025)が,上海新国際博覧中心で開幕した。会期は本日2025年8月1日から4日まで。4Gamer取材陣も現地を練り歩き,異国のゲームに舌鼓を打っている。
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今年で第22回開催となるCJ2025では,「Gather What You Love!」(好きなものを集めよう!)をスローガンに,ゲーム以外のサブカルチャー分野がさらに強化された。ちなみに昨年のCJ2024は「毎年30万人を超える」のうたい文句で,36万7000人の来場者を集めたという。
今年の出展社数は740社以上に及び(6月の記者発表会時点),うち237社が海外企業だという。昨年の出展社数が約600社だったことを踏まえると,CJのイベント規模は順調に拡大している。
補足として,今年9月の東京ゲームショウ2025の出展社数は,7月8日時点で国内473社と海外299社を合わせた772社。公式発表の数字はTGSが上回っているが,今年度をもって名実ともに比肩したと評せる。
また,BtoBだけなら“海外企業の比率が45.2%”にも達するとし,グローバルイベントとしての特色も明確に高まってきている。
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念のための解説として,CJ2025の会場となる上海新国際博覧中心をイメージしやすいよう,今年も敷地面積を記しておこう。
・幕張メッセ
敷地面積:21万平方メートル
・上海新国際博覧中心
敷地面積:30万平方メートル
・東京ドーム
建築面積:46万平方メートル
会場の構造は幕張メッセと同じく,複数の巨大ホールで区切られ,来場者はホール間を歩き回る。ただし,上海新国際博覧中心のほうは“敷地中央にライブや野球ができそうなデッカい芝生エリア”が……あった。
というのも,今年は敷地中央に新たなホールが(昨年よりも)新設されていた。まあ,そちらは出展場所ではなくスタッフの休憩所扱いだったため,CJ2025の規模が増したわけではない。来年はどうか分からないが。
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本題の出展模様に関しては,おなじみのTencentが少々話題になっている「LIGHT OF MOTIRAM」を押し出し,NetEaseが武侠オープンワールドアクションRPG「風燕伝:Where Winds Meet」や,Bungieがライセンスアウトした「Destiny: Rising」を送り出した。
PlayStationブースでは,Sony Interactive Entertainment Shanghai(SIE上海)のゲーム開発振興プログラム「China Hero Project」が継続されており,「Lost Soul Aside」「Exiledge」「Unending Dawn」といった(少なくとも見た目は)一線級の3Dゲームが展示された。
このほか,「黒神話:悟空」ばりの注目度を集める3Dアクション「影之刃零(Phantom Blade Zero)」が大行列を作り,人気の高さを示した。
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日本的には,Perfect Worldの「Tower of Fantasy(幻塔)」を手がけたスタジオの新作「NTE: Neverness to Everness」,Pearl Abyssが2025年内に(やっと!)配信する「紅の砂漠」あたりも注目作か。
ほかにも「ドールズフロントライン2:エクシリウム」や「鳴潮」といった(あちらで言うところの)サブカルチャーゲームをはじめ,SNKの新作格闘ゲーム類やポケットピアの「パルワールド」,クラシックな姿が懐かしい「ラテールプラス」,かなりの注力を感じさせる「明末:ウツロノハネ」などが出展された。
Seasun Gamesの「Mecha BREAK」も相変わらずのロボロボしさだ。
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ハードウェアもTCLやZOL,ソニーのeスポーツブランド「INZONE」などが出展している。車メーカーも例年通り存在感がある。さらにAIロボットの特設サッカースタジアムで,ロボ同士の試合も行われていた。
さらにフィギュアをはじめとする展示も,相変わらず単独イベント級の大規模だ。編集部の同僚いわく「あっちは金属フレーム大好きで,そのくせサイズも価格もバグってる」と言わしめる,尖りに尖ったロボット類のメタルフィギュアなどがズラリと展示されている。
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CJと同時開催されている関連イベントは,中国デジタルエンターテインメント会議(CDEC)と,中国ゲーム開発者会議(CGDC)だ。
前者のCDECでは,4Gamer的に縁が深いthatgamecompanyのジェノヴァ・チェン氏をはじめ,数々の大手メーカーの副社長をはじめとするキーマンたちが,広く大きな視野でスピーチを行う。
個人的には,大手保険会社だという中国平安保険 蘇州支店の副支店長が語る「保険がゲーム業界の急成長を牽引」なる講演は,なにがキモなのか興味津々だ。レポートはしないと断言してしまうが。
後者のCGDCでは,RPGやSTG,インディーゲームや技術関連などの6つテーマを敷き,ゲーム開発者らが連日講演を行う。こちらにはコーエーテクモゲームスの「真・三國無双 ORIGINS」プロデューサーの庄 智彦氏と,アートディレクターの吉田俊哉氏も講演に参加する。
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このほか,熾烈な名物イベント「コスプレスーパーリーグ」は今年も開催される。こちらは計12部門に対し,37都市での予選に参加した約3万人のコスプレイヤーのうち,予選通過者2000人が決戦の場に現れる。
さらにダンサー向けのコンテストも予定されており,こちらには300人以上の出場者がステージに現れるようである。
また,ゲーム以外でもAI技術関連の出展が目立つ。若手クリエイター向けの施策としても,さまざまなジャンルのアーティストを招き,ステージやサイン会,ライブパフォーマンスなどが実施される。
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CJはゲームやハードウェア以外にも,これらすべてに「分かりやすく注力」してきたことで,ユーザー層の間口拡大につなげてきたのだろう。その結果,前述のとおり出展社数ではTGSにほぼ並んだわけだ。
もちろん,両イベントの実数値はまだ不明ではある。だが,ゲームだけにとどまらないイベント形態で,着実な成功を重ねていることは,先んじて開催された中国のイベント「BiliBili World 2025」でも証明された(リアルのアイドル・声優のステージイベントで,ゲームとはあまり縁がなさそうなユーザー層にトレンドを作らせた,など)。
この点は,日本のイベント事業者も参考になるところがあるのかもしれない。まあ,付け焼き刃でやっても火傷するだけかもだが。
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4Gamerでは引き続き,CJ2025で気になった作品を取材していく。8月初旬のお祭り模様にお付き合いいただければ謝謝(シェシェ)だ。
4Gamer「ChinaJoy 2025」記事一覧
「ChinaJoy 2025」公式サイト
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