超能力推理ADV「Staffer」シリーズ最新作「Staffer Retro」を紹介。シチリアに舞台を移し，前作を超えるボリュームと演出を実現［BIC2025］

　韓国のインディーゲームイベント「Busan Indie Connect Festival 2025」（BIC 2025）に出展されていたTeam Tetrapodの最新作「Staffer Retro: 超能力推理クエスト」を紹介しよう。
　本作は，推理アドベンチャーゲーム「Staffer」のメインシリーズとしては2作め，スピンオフを含めると4作めとなるタイトルだ。

「Staffer Retro: 超能力推理クエスト」公式サイト

　舞台は，2023年にPC版がリリースされた「Staffer Case: 超能力推理アドベンチャー」から数か月後のイタリア・シチリア島。主人公「ヴェリータ」をはじめとする新たな登場人物と，前作のキャラクターたちが物語を織りなしていく。
　今回は捜査官ではなく，レトロショップの商人たちの視点で物語を描いており，日常的な雰囲気が特徴的だ。しかし，その平和な雰囲気は途中で暗転し，ダークな展開へ変化するという。


　デモ版をプレイしたところ，まず目を引いたのは大幅に強化された演出だ。テキストを読み進める通常シーンでもキャラクターが動き，カットシーンのアニメーションはさらに豪華になっている。


　ストーリーは，デモ版をプレイした限りでは超能力に関するものは少なかったが，ところどころに超能力の存在を匂わせるシーンがあり，デモ版のラストでは「ステップ」「マナ」など，シリーズファンにはおなじみの用語も登場した。


　イベントでは，Team TetrapodのCEOであるLee Heesang氏にインタビューできたので，その模様をお伝えしよう。

4Gamer：
　昨年は「Staffer Reborn」を紹介してもらい（関連記事），ありがとうございます。日本に帰ってから「Staffer Case」と「Staffer Reborn」をプレイしましたが，とても面白かったです。

Lee Heesang氏（以下，Lee氏）：
　ありがとうございます。

4Gamer：
　あれから，2025年3月に「Dice Eater: 超能力推理カードゲーム」のアーリーアクセス版がリリースされましたが（正式リリースは6月），今回の「Staffer Retro」も新作です。かなりのハイペースですが，どうやって開発しているんですか。

Lee氏：
　スピンオフは同時進行することもありますが，メインシリーズは1作品に集中して開発しています。メインシリーズまたはスピンオフを1年に1作品出すことを目指しています。

4Gamer：
　「Staffer Retro」の制作はいつ始めましたか。

Lee氏：
　「Staffer Reborn」の開発が終わったタイミングで，シナリオを書き始めました。


4Gamer：
　「Dice Eater」では，カードゲームと推理アドベンチャーを組み合わせましたが，ファンからの反応はどうでしたか。

Lee氏：
　シリーズのファンからは元のスタイルを望む声もありましたが，新規のプレイヤーからは斬新な試みだと評価してもらえました。これは，私たちにとって実験的なスピンオフでした。

4Gamer：
　「Staffer Retro」では新しい要素を加えていますか。

Lee氏：
　これまでの機能をベースにしながら，新しい要素も入れる予定です。まだ詳細は明かしていないのですが，日常的な雰囲気から暗い展開に反転するストーリーと関連して，すでに決めた答えを修正できるようなシステムを導入する予定です。

4Gamer：
　推理システムに変更はありますか。

Lee氏：
　前作の感覚を維持しながら，操作性を大幅に改善しました。ビジュアル面でも，実際の文書を見ているような感覚を味わえるように工夫しています。

　また，今回の舞台はステッパー（超能力者）が少なく，超能力を使える道具「ステップ」が多い環境なので，それらを中心に物語が展開します。


4Gamer：
　開発で苦労した点を教えてください。

Lee氏：
　前作の繰り返しになってしまう懸念がありましたので，前作の良い部分を残しつつ，全体的な雰囲気や進行に新しい要素を加えることが最も難しかった点です。

4Gamer：
　「Staffer」シリーズは，ファンからかなり注目されていると思いますが，チームの規模に変化はありましたか。

Lee氏：
　昨年は6人でしたが，現在は9人に増えました。今回は他社との提携も積極的に検討しており，これまで以上の規模で進行しています。これからは，もっと短いスパンで，より良い作品を出せるよう努力していきます。


4Gamer：
　リリース時期について教えてください。

Lee氏：
　基本的なシステムはほぼ完成していますが，前作同様に複数言語のボイスを入れたいと考えています。また，マルチプラットフォームでの展開を予定しているので，2026年春以降のリリースを目指しています。

4Gamer：
　最後に，ファンへのメッセージをお願いします。

Lee氏：
　私たちが作ったゲームに大きな関心をいただき，本当に感謝しています。これからもさらに完璧なゲームを目指して開発を続けていきます。

CEOのLee Heesang氏（左）と，Marketer＆CommunicaterのYun Junyoung氏（右）

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