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「違う冬のぼくら展」が池袋PARCOで開催中。ところにょり氏&企画を手がけたPARCO GAMESと講談社ゲームラボに見どころを聞いた
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開催前日の10月9日に行われた内覧会では,本企画を手がけたPARCO GAMESの石井健斗氏,企画協力として携わる講談社ゲームラボの片山裕貴氏,そしてところにょり氏に案内してもらいながら会場を回ることができた。そのときに聞いた話とともに,イベントの内容を紹介していこう。
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PARCO ART公式サイト「違う冬のぼくら展」情報ページ
「違う冬のぼくら」×「都市伝説解体センター」クリエイター&パブリッシャ対談。個人開発とチーム開発,それを支える出版系パブリッシャの話

TGS 2025で講談社ゲームラボが配布した「ゲームラボマガジンVol.2」巻頭特集の“延長戦”。ところにょり氏とハフハフ・おでーん氏に加えてパブリッシャとして関わる片山裕貴氏と林 真理氏に参加してもらい,関西インディー,インディ―ゲームの個人&チーム開発の違い,パブリッシャの考えなどを話してもらった。
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会場に入ってまず目を引くのは,ところにょり氏の開発デスクを再現したスペースだ。チェアの種類やディスプレイの比率など細部は実物と異なるものの,「ほぼほぼこのまま」だという。
その再現度は氏自身も「(ここに座って話をしていると)リラックスしすぎて,いい受け答えができないかもしれない」と笑っていたほど。2台のMacBookを並べ,1人で交互に操作してテストプレイをしていたという作業の様子が思い浮かぶ。
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隣に並ぶ本棚には,実際に氏の自宅から持ち込まれた書籍が並ぶ。上段には作品に直接影響を与えたというSF作品や「Stand by Me」などが,そして下段には,文学好きの氏が好んで読んできたものや学生時代に課題や授業などで触れていた日本文学の古典や戯曲など,さまざまなジャンルの文庫がぎっしりと並ぶ。
書棚を見せるというのは,自身の内面をさらけ出すような行為でもある。恥ずかしくなかったかを尋ねると,「ここが今回の展示でいちばん恥ずかしいです」と笑いながら,「でも,創作のルーツや考え方が一番出ている場所でもあるので,見てもらう意味はあると思いました」と語ってくれた。
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筆者も文学好きということもあり,とくに下段の並びには強い親近感を覚えた。まるで自分の本棚を見ているようで,「自分のは見せたくないけど,人の本棚はつい見ちゃいます」と話すと,ところにょり氏も「僕もそれがあるので分かります(笑)。今回は全部の本を並べているわけではないので,だからこそそういう人に“どこを端折ったか”を見抜かれるんじゃないかと気になってました」と笑って話してくれた。
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展示の中でも特に注目したいのが,企画書の展示だ。講談社ゲームクリエイターズラボへの応募時――まだ「1行もコードが書かれていない」段階の企画書をもとに,製品版へと至る過程を年表と照らし合わせて見ることができる。
「企業の作品だと,こういう資料はまず公開されないと思います。でも一人で作っているからこそ出せた」と氏は語る。ゲームの設計書を一般公開すること自体が貴重で,インディー開発者にとっては企画段階の構成を学ぶ好例にもなりそうだ。
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展示されている企画書は情報量が多く,ところにょり氏自身も「全部読むと大変なので,気になる部分を斜め読みするくらいで」と笑って説明する。
企画書は,自分がこのゲームをどう面白く表現しようとしていたのかを確認するための原点であり,発売後のプロモーションなどでも見返すことがあるという。展示用に整え直された今回の資料は,本人としても「もともとのExcelベースの設計書よりも視覚的に見やすくまとまっています」と話していた。
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物販コーナーも見応え十分だ。前回のポップアップストアで好評だったラインナップに加え,新作グッズが多数登場する。
「違う冬のぼくら」ではパステル調の色合いを中心に,女性ファンや配信視聴者層にも手に取りやすい文具・雑貨を展開。一方で「違う星のぼくら」では,あえて“グロテスク”な要素を前面に出したアクリルキーホルダーなどのアイテムを用意している。
石井氏は「多少のネタバレはあるが,来場者はすでに遊び込んでいる前提。思い出の一品として手に取ってもらえるはず」と話した。
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片山氏は「『違う冬のぼくら』は2人で遊ぶゲームなので,1人でプレイしなおして“あのシーンだけ見返す”ことが難しい。手のひらサイズの詩集のような冊子で,一緒に遊んだ人との時間をそっと思い出してもらえたら」と話してくれた。これはところにょり氏も「手元に持っておきたい。一冊ほしいです」と話すほどのクオリティで,ゲームをプレイした人ならゲットしておきたい一品だ。
なお入場特典として,両作のキービジュアルを使ったトレーディングカード(全4種・ランダム)も用意されている。
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会場の奥には,展示と物販を隔てるように設けられた“細い通路”がある。作品の世界をイメージした空間で,表側と裏側の対比によって「ふたつの世界の視点の違い」というゲームの根幹にある部分を体験できる仕掛けだ。
作中で印象的なシンボルマークを使った軽いギミックもあり,石井氏によれば「気づいた人がそっと見つけて,そこから広まっていくような」イメージで設計しているそうだ。案内板などの“誘導”を極力減らし,プレイヤーが歩きながら自然に気づく構造はまさにこの作品らしい。
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さて今回の企画展だが,主催のPARCO GAMESだけでなく,講談社ゲームラボもテーマ設計や内容づくりに深く関わっているという。
展示会実施のきっかけとなったのが,2025年1月に同じ池袋PARCOで開催された「違う冬のぼくら」のPOP UP SHOP。2024年8月にPARCOで開催された「ヨカゼの公園」展で「いつか一緒に何かやりたいですね」と言葉を交わした両社が行ったPOP UP SHOPは予想以上の反響を呼び,次の展開として「展示」という形で作品世界をより深く体験できる企画が立ち上がった。
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今回の展示テーマを提案した石井氏は,もとよりところにょり氏の作品のファンで,「一人で開発からイラスト,シナリオまで手がけているクリエイターの“開発環境”を,一ファンとして知りたい。そのまま見せる展示ができたら面白いんじゃないか」との発想が,今回の企画の出発点だったという。
そこに片山氏の「ゲームの世界にもう一度浸りたいというプレイヤーの気持ちに応えられる場所を作りたい」という思いが重なって,本展示の方向性が固まったそうだ。
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企画の進行は両社が密に協力して進められた。単なる「提案と承認」ではなく,それぞれが作品に向き合いながら何度も議論を重ねて形にしていったという。
石井氏は「最後の最後まで細部を詰めていました。途中からはところにょりさんにもしっかりと関わっていただけて,開催日直前まで細かく調整していました」と振り返る。
ところにょり氏も「当初は託すつもりで,入り口のあいさつ文にも“何もしてません”と書くつもりでした。でも気が付けば,開場直前まで本棚の本の並び変えをしていました」と笑って話す。
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最後に,ところにょり氏に今回の企画展への思いを改めて聞いた。
氏は「『違う冬のぼくら』は,2人でプレイして“会話が生まれる”こと自体をゲームの本質として考えています。自分が作ったものはそのきっかけに過ぎなくて,作り手が前面に出るのは少しおこがましい気がしていました」と話す。
つまり,“ゲームを遊ぶ”という行為はプレイヤー同士の関係性の中で完成する体験であり,作り手の意図はその導線のひとつにすぎないという考えだ。
それでも今回,自らの作業デスクや本棚,企画書を展示したのは,「発売から2年が経ち,プレイしてくれた人たちの考察もいろいろ出そろってきたと思うし,そういう人たちに“作り手が何を考えていたか”をクローズドな場でなら共有してもいいと思えたから」だという。
「これが正解というつもりはないけれど,作品の裏にある思考の断片を感じ取ってもらえたら」と,その思いを語ってくれた。
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「違う冬のぼくら展」は,池袋PARCO本館地下2階 特設会場にて,2025年10月10日〜11月3日まで開催中。だ。
Information
イベント期間:2025.10.10 - 2025.11.3
会場:本館B2Fイベントスペース
入場料:500円(税込)
チケット購入URL:https://eplus.jp/bokura_exhibition/
主催:株式会社パルコ/PARCO GAMES
協力:講談社ゲームクリエイターズラボ、ところにょり
その他
営業時間:11:00〜21:00
※最終日は18:00閉場
※10月11日(土)はイベント開催のため17:00閉場
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