インタビュー
“推し活”道 第7回:弟と一緒に芝居を学び,筋トレに料理に4Gamer愛! 俳優 熊谷魁人さんが語る“ストイックな素顔”と“ミャクミャクなギャップ”
4Gamer女子部(仮)の新企画「“推し活”道」,略して“じょぶかつ”では,女性向けコンテンツなどで活躍する人物に注目し,インタビューをとおしてパーソナルな魅力をお伝えしていきます(不定期掲載)。第7回のゲストは,「あんさんぶるスターズ!THE STAGE」の「Ra*bits」紫之 創役や,「舞台『刀剣乱舞』」の泛塵(はんじん)役などで活躍する俳優の熊谷魁人さんです。
ちょっと意外なXでの投稿写真や,筋トレなどのストイックな趣味,さらにアニメやゲーム,4Gamer愛(!)まで,穏やかな見た目からは想像できないギャップが満載。ご本人提供の写真とともに,ぜひ熊谷さんの魅力にハマってください!
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熊谷魁人さんのInstagram
熊谷魁人さんのX
熊谷魁人さんのTikTok
初めての舞台は小学5年生。
プロデビューは半裸で舞台を行進!?
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。実は熊谷さんとは別の現場でご一緒したことがありまして,お会いするのは今日が2回目なんですよね。暑い中ありがとうございます!
熊谷魁人さん(以下,熊谷さん):
いえいえ,こちらこそよろしくお願いします!
4Gamer:
では,さっそく始めたいと思います。先ほど雑談で出てきましたが,熊谷さんは長野県のお生まれなんですね。
熊谷さん:
はい,長野県の南箕輪村というところです。僕は「舞台『刀剣乱舞』」で泛塵という刀剣男士を演じたのですが,泛塵は真田幸村の刀で,上田市がゆかりの地なんですよ。でも,南箕輪村から上田市へは3時間かかるので,東京に行くほうが近いという(笑)。
4Gamer:
確かに,長野県は縦にめちゃくちゃ広いイメージがありますよね。
熊谷さん:
そうなんです。南箕輪村は山に囲まれた田舎で,松ぼっくりがモチーフの「まっくん」というゆるキャラがいるんですが,なんとゆるキャラグランプリで最下位になったんですよ……! 松ぼっくりと言いながら黄色いし,とうもろこしみたいに見えるしで,かなり謎なキャラです(笑)。
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4Gamer:
これはまたインパクトがありますね。その南箕輪村には,いつごろまで住んでいたんですか。
熊谷さん:
高校を卒業して18歳か19歳くらいまでです。僕は小学校のときから舞台をやっていて,上京したのも劇団に入ったのがきっかけでした。
4Gamer:
早くから演劇に触れていたんですね!
熊谷さん:
芸能の道を夢見ていた弟に誘われたんです。僕はお兄ちゃんだけど消極的な性格で,弟についてまわっているような子どもでした。弟とは2歳差で,その後は弟も俳優になり,今は東京で一緒に住んでいます。
4Gamer:
Xでもよくご一緒の写真をUPされたりしていますよね! では,長野時代の劇団や舞台についてもう少し詳しく教えてください。
熊谷さん:
東京にある劇団昴(すばる)の演出家さんが長野までいらして,プロと市民の共同公演という企画をされることになったんです。その新聞記事を見た弟が「一緒にやろうよ」と誘ってくれて。
それで,小学5年生で初舞台を経験しました。演目は「アルプスの少女ハイジ」のミュージカルで,原作には出てこないんですが,弟と一緒に“ペーターの弟役”を演じました。
そのときの舞台のカーテンコールで,笑顔のお客さんたちから拍手を受けたことが衝撃だったんです。ふと,「ああ,ずっとこれをやっていきたいな」「僕はきっとこれを続けるんだろうな」という気持ちになりました。
4Gamer:
すてきな経験ですね……! でも,もともと消極的な子だったのなら,緊張はしませんでしたか。
熊谷さん:
いえ,しませんでした。実は僕,子どものころはたくさん習い事をしていたんですよ。弟はアイドルになりたくて、一緒にダンスを習っていたんです。
そのおかげでステージに上がる機会も多くて,キッズダンスで賞を獲るくらいガッツリ活動していました。だから舞台には慣れていたのかもしれません。
ありがたいことに,両親は小さいころから「好きなことをやってみなさい,全力で応援するから」と言ってくれていて,僕も弟もそうやって背中を押してもらってきたんです。
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4Gamer:
素晴らしいです。とはいえ,もともと熊谷さんは役者を夢見ていたわけではないんですよね。ほかに小さいころ,なりたかったものはありましたか。
熊谷さん:
お肉屋さんです(笑)。なぜかというと,当時の親友がボクシング選手になりたいと言っていたので,その子においしいお肉をいっぱい食べさせてあげたくて……。だから僕は昔から,自分発信ではなく,誰かがきっかけで何かをするような子どもだったんだと思います。
4Gamer:
すごく思いやりと優しさのあるお子さんだったということではないでしょうか。ちなみに本企画では,ちょっと甘酸っぱいお話もうかがうことになっているのですが……ズバリ,モテましたか? もし初恋の思い出もあれば,合わせて聞いてみたいです。
熊谷さん:
ズバリ,僕のモテ期は保育園時代だったんですよ(笑)。僕のことを好きと言ってくれてた子がクラスに6人くらいたんですが,その中の1人の子が僕の知らないうちに「私が魁人くんと付き合ってる!」と言い出して。でも,いろいろな子からバレンタインのチョコをもらったりしていたら,ある日,その子から呼び出されて「魁人くんって最低!」って平手打ちされたんです。
4Gamer:
えっ,そんなドラマみたいなことが!
熊谷さん:
その子はTVドラマでも観て影響されたのかもしれませんが,今でも記憶に残っている出来事です。で,その平手打ち事件があったあと,また別の女の子が「私が付き合う」みたいなことになって。
4Gamer:
いやあの,保育園でもう付き合う付き合わないっていう話になるんですか……!?
熊谷さん:
僕自身は恋愛って何なのかとかはまったく分からなかったんですけどね。「女の子って大人だなあ」なんて思ってました(笑)。
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4Gamer:
驚きました……。では,学生時代のクラブ活動や部活はどんなことを?
熊谷さん:
子どものときは小児ぜんそく持ちだったので,運動ができなかったんです。中学では吹奏楽部に入って,アルトサックスを担当していました。その後,高校くらいでぜんそくの症状が良くなったので,フェンシング部に入りました。
実は長野ってフェンシングがすごく栄えていて,僕の高校も世界大会に行くようなところだったんです。フェンシングを選んだのは,当時は地域劇団に入っていたので,殺陣の参考になるかなと。強豪校だったので活動はキツかったですが,揉まれていくうちに楽しくなりましたね。
4Gamer:
劇団の活動と並行となると,余計に大変ですよね。それでは,実際に役者を目指す道に進んだ経緯をお聞かせください。
熊谷さん:
その後も共同公演に何度か出させていただきましたが,本格的に役者を目指そうと思ったのは,虚構の劇団(主催:鴻上尚史氏。2022年に解散)に入ってからですね。
当時,鴻上さんの本を読んで「すごい人がいる! この人の下で学びたい」と思って,オーディションに応募しました。
4Gamer:
そうだったんですね。では,プロとしての初舞台も虚構の劇団だったのでしょうか。
熊谷さん:
はい。虚構の劇団で2015年に上演した「ホーボーズ・ソング HOBO'S SONG 〜スナフキンの手紙Neo〜」(リンク)が,デビューと言っていいと思います。僕はアンサンブルで,女優の佃井皆美さんや,俳優のオレノグラフィティさんと共演させていただきました。
4Gamer:
その舞台が2015年9月ということは,まさに今がちょうど10周年のタイミングなんですね! その後も数々の作品に出演されていますが,やはり最初の舞台は印象に残っていますか。
熊谷さん:
そうですね。鴻上さんのもとで学びたかったから,めちゃめちゃ嬉しかったです。
しかし,稽古では怒れてばかりの日々でした。よく演劇の巨匠の蜷川(幸雄)さんは灰皿が飛んできたりして怖いと聞くのですが,そう言ったことはなかったんですけど同じくらい怖いのではないかと思いますね。
だけど,1番最初から厳しい環境で演技を学べたことは今になってすごく良かったと思っています。
ちなみに,僕が演じたのは兵士の役でした。馬場という名前の隊長が幻覚作用のあるキノコか何かを食べてしまい,ブリーフ一丁で身体をテカテカにさせ,髪をオールバックにした僕たち兵士の幻覚を見るシーンがあったんです。
4Gamer:
稽古はシリアスですが,めちゃくちゃシュールですね!?
熊谷さん:
そうなんです。当時は梅津瑞樹くん(「舞台『刀剣乱舞』」山姥切長義役ほか)も同じ研修生だったので,一緒に並んで舞台で行進しながら,半裸で「馬場,最高!」ってセリフを叫んでました(笑)。
趣味は筋トレ,役に合わせて身体を作る。
ゲームも大好きで4Gamer愛がすごい……!
4Gamer:
では,ここからは現在の熊谷さんについて深掘りしていきたいと思います。趣味や,最近のマイブームはなんですか。
熊谷さん:
やっぱり筋トレになっちゃいますかね。3年半くらい続けているのですが,きっかけはコロナでした。お仕事ができなくなってしまったころ,身体がなまるのもよくないし,何か動かなきゃと思って,自重トレーニング(ダンベルやマシンなどを使わないトレーニング)を始めたんですよ。
今は24時間営業のフィットネスに通ってます。そのとき出演している作品と役柄に合わせて,鍛える部位を変えるんです。それこそ「刀ステ」のときは,足腰を重心に鍛えていましたね。360度回転する劇場(IHIステージアラウンド東京。現在は閉館)だったこともあって……。
4Gamer:
ステアラは懐かしいですね! 私もよく覚えている作品です。
熊谷さん:
ありがとうございます! あそこは“リノ”(リノリウムの床材)が敷けない劇場だったんですよ。それだと床の硬さがダイレクトに足に伝わってきて,痛いし疲れも溜まってくるんです。それもあって,下半身をしっかり鍛えていました。
4Gamer:
なるほど……!
熊谷さん:
今は「あんステ」(「『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Blessing Moment-」)が控えているので,逆に筋肉がついて身体が大きくならないよう,絞るほうにシフトチェンジしています。
有酸素を多めにしたり,ダンスを踊るシーンもあるので,コアマッスルを鍛えるためにプランクをしたりしていますね。
最近はYouTube様々という感じで(笑),いい鍛え方や食事制限のやり方がたくさん観られるので,いろいろと試したり工夫したりしています。
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4Gamer:
興味深いですね。この「じょぶかつ」で役者が本業の方にお話をうかがうのは初めてなので,すごく新鮮です。私自身も運動不足が気になりつつ,筋トレは全然続かないんですが,アドバイスはありますか。
熊谷さん:
リーズナブルなジムでもいいので契約しちゃうのはアリかも……。家でやるだけだと僕もサボっちゃうし,「お金を払ってるから行かないともったいない」がモチベーションになることもあるので,空間や環境も大事かなと思います。
4Gamer:
確かにそうですね。食事制限についてはいかがですか。
熊谷さん:
最近は甘味料も気になるようになったので,無味無臭みたいなプロテインに変えたんですが,やっぱり味気なくて我慢が必要ですね(笑)。
それから,「水抜き」もやっています。1日に水を3リットルくらい飲むことで,老廃物などを排出して身体を絞る方法です。ボクシングの選手なんかも取り入れているらしいですね。
ただ,短時間で大量に水を飲むと水中毒の危険があるので,気をつけながら少しずつ飲むようにしています。
4Gamer:
すごいですね……! 私も見習わないと。あと,料理もご趣味だとうかがっていますが。
熊谷さん:
僕,三大欲求の中では食欲が一番強いんです。1日の締めくくりはおいしいものを食べてから寝ないと気がすまない性格なんですが,夜遅いとお店がやっていないこともありますよね。
だったら自分でおいしくてヘルシーなものを作ろうと思って,YouTuberさんのレシピを観たりしながら料理しています。以前はスパイスから作るカレーにハマっていて,専門店でスパイスを買い揃えたりもしていました。
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4Gamer:
本格的ですね! 一緒に住んでいる弟さんに作るときもありますか。
熊谷さん:
もちろん,弟がいるときは2人分作ります。弟は家事全般が苦手なので,できるだけ僕が担当してるんです。
4Gamer:
家にいるときのお2人はどんな雰囲気なんですか? 喧嘩をされることはあるんでしょうか。
熊谷さん:
すごく疲れているときはお互い静かになったりもしますが,喧嘩はほとんどないですね。原因もくだらないことで……僕がけっこうちょっかいを出すタイプなんですが,ベタベタもするので,「やめろ!」と言われて,そこで僕がムッときてバチバチする,みたいな(笑)。
そういえば,小さいころは僕に腕力で勝てなかった弟が,僕の苦手なもので対抗してきたんですよ。例えば,カブトムシとか虫を持ってきたり……。
それから,今は大好きなんですが,昔は「もののけ姫」の映画が怖くて。僕が2階にいるときに,1階でそれを流して階段を降りられないようにするという,ちょっとした策士でしたね。
4Gamer:
喧嘩するほど……というやつかもしれません。SNSからも仲の良さが伝わってきますし。
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熊谷さん:
弟の綾馬(りょうま)も僕と同じで食べることが好きなので,休日には一緒においしい店めぐりやショッピングに出かけたりしています。お互いにいろいろな相談ごともしますし,幼いころから一緒にダンスやお芝居をしてきたのでお仕事の話もよくしますね。
最近は弟がアイドルを卒業して俳優を始めたのでお芝居のことを兄として少しだけアドバイスをしたり,一緒に台本を読んだりして……(笑)。
本当に弟がいて良かったなと思います。もし僕が1人っ子だったら,もっと内側にこもる人間になっていたんじゃないかなって。
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4Gamer:
趣味の話に戻りますが,子どものころからアニメやゲームは好きでしたか。
熊谷さん:
めちゃめちゃ好きでした! アニメだと特に「ケロロ軍曹」が大好きで,原作も読んでいました。でも,子どものころの実家はケーブルテレビを契約していなかったし,田舎なのでチャンネルも少なくて,観られない番組が多かったんですよ!
それで,わざわざ朝早く自転車でおじいちゃんの家に行って,見終わったらおじいちゃんとおばあちゃんと少し会話してバイバイする,という感じで過ごしていました。
4Gamer:
すてきな思い出ですね,ほっこりします。
熊谷さん:
当時はジャンプ作品のほとんどがテレ東だったので,逆に僕は子どものころジャンプを買ったことがなく,コロコロ派でした(笑)。アニメは最近観たやつだと,「タコピーの原罪」ですかね。
4Gamer:
おお……私は原作だけ読んでアニメは観ていないのですが,熊谷さんはどうでしたか。
熊谷さん:
僕は逆に原作を読まずにアニメを観たので,「えっ」ってなりました(笑)。でも,皆さんのお芝居が本当に素晴らしくて……あんなに話数は少ないのに,あれほど衝撃を与えられるのはすごいなと思いました。
漫画は大人になってからジャンプ作品を読むようになって,「ダンダダン」や「チェンソーマン」あたりが好きですね。
4Gamer:
ジャンプ作品を2.5次元舞台化することも多いですし,お仕事に関わる可能性もありますよね。それでは,ゲームはどんなものを遊んでいましたか。
熊谷さん:
子どものころは,主にNINTENDO 64とPlayStation 2でよく遊んでいました。64の本体は限定のピカチュウバージョン(外部リンク)で,ピカチュウの足がリセットボタンになっていたりするんですよ。これで「マリオカート」「スマッシュブラザーズ」「ボンバーマン」など,家族で一緒に遊べるゲームを楽しんでいましたね。
PS2では「キングダム ハーツ」が大好きでした。でも,当時は小学生だったのでなかなかクリアできなくて……ゲームは好きなくせにちょっと下手なんです(笑)。
4Gamer:
そうなんですね。最近はどんなゲームを遊んでいるのでしょうか。
熊谷さん:
実は少し前,Nintendo Switchを買ったんですよ。Nintendo Switch 2ではなくて初代のほうを(笑)。
4Gamer:
なぜ今!?
熊谷さん:
去年の誕生日に買ったんですが,ちょうどまだ「2」は発表されていない時期で……(笑)。Switchでは「モンスターハンター」や「マリオパーティ」で遊んだりしています。どちらかというと,みんなでワイワイ遊ぶのが好きなのかもしれません。でも,インディー系のゲームをやることもあって,「UNDERTALE」とかもプレイしました。
もし好きなゲームを3つに絞るなら……まずは「ロックマン」シリーズですね。中でも「流星のロックマン」,そして「ポケモン」シリーズ,もう1つは「イナズマイレブン」です。「イナイレ」はド世代でした。新作(「イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード」/2025年11月発売予定)を東京ゲームショウで試遊しに行ったくらい好きなので,ちょっと難しそうでしたが(笑),とても楽しみにしています。
4Gamer:
お話をうかがっていると,すごくゲームがお好きなのが伝わってきますね。
熊谷さん:
実は今日,お伝えしたかったことがあるんです。僕,4Gamerさんのことが本当に大好きで。今回インタビューのお話をいただいたときは,「えっ,4Gamerさんが僕に!?」って驚いたし,めちゃめちゃ嬉しかったんです。
4Gamer:
えっ! そうなんですか!?
熊谷さん:
杉田智和さんとマフィア梶田さんが出演していた「4Gamer TV〜突然!ブッピGAN!〜」という番組が大好きで,小さいころに何度も観ていました。特にお料理回が好きです! 杉田さんがジョジョ立ちっぽいポーズで始まるやつです(笑)。
4Gamer:
いや,びっくりです。これは記事に残したいですね!(笑)
熊谷さん:
4Gamerさんのロゴが見られる場所があれば教えてください!
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あなたは熊谷さんのXを見たことはありますか?
謎のミャクミャクや呪怨コスプレについて聞く
4Gamer:
熊谷さんとお会いするにあたって,どうしても聞きたかったことがあるんです。Xのミャクミャクなんですが……。
熊谷さん:
ああ,あれですね(笑)。「あれは何なんだ?」ってことですよね。
4Gamer:
そうです。インタビューに際して熊谷さんのXのアカウントを探したのですが,本当にご本人なのか最後まで疑っていました(笑)。私も親しくさせていただいている声優の高坂知也さんがフォローされていたので,「本物だー!」と。
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熊谷さん:
最初にミャクミャクが発表されたときは,「怖い」「気持ち悪い」という反応が多かったじゃないですか。でも次第に「キモかわいい」という雰囲気になってきて,僕自身もなんとなく愛着が湧き始めたんですよね。
ちょうど前の事務所を辞めてXを開設したタイミングでもあって,「何か面白いことをやりたいな」と思っていたので,「じゃあコスプレして写真を撮ってみようかな」と考えたんです。
たしかそのころ,ミャクミャクのフェイク画像が流行っていたんですよ。観光地の顔はめパネルのようなもので,あれを参考にして,顔を青く塗って全身タイツを着てみようと思いました。
4Gamer:
そうなんですか……。しかもあれ,どこか屋外で撮影されてましたよね?
熊谷さん:
はい! ロケ撮影という感じで,弟に手伝ってもらいながら,撮影するのに必要な機材やメイク道具や衣装など一式持っていって撮影しました。あのメイクも野外でささっとしました(笑)。
僕は肌管理にもこだわっているので,日焼け対策も兼ねて「今日のUV予報」として毎日投稿したら面白いかなと思い,続けることにしたんです。
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4Gamer:
いやあの,「あれは何なんですか?」という質問ではありましたが,ここまで聞いてもなお熊谷さんのことが分かりません!(笑)
熊谷さん:
(笑)。まあ,何か面白いことをやりたい人間なんですよ。かといって一発芸がいいわけではないんですが,昔から人を驚かせたり笑わせたりするのが好きなんだと思います。
4Gamer:
驚いたといえば,Xのヘッダー(※現在は変更)が「呪怨」のとしおくんですよね。
熊谷さん:
あれはInstagramライブで怪談を配信したとき,本職の方にはかなわないので,何か一つフックが欲しいなと思って考えたものなんです。ライブ前日のミャクミャクUV予報をわざとバグったような感じにして,当日のライブでは「熊谷魁人さんは呪われたので,としおくんが生放送をやります」という物語性を持たせてみました。
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4Gamer:
なるほど……。
熊谷さん:
としおくんに関しては,俳優仲間のゆづ(星元裕月さん)に「どうしたの?」と聞かれたり,なのっくすくん(宮崎 湧さん)には「今度魁人に会ったら抱きしめる。お前はすごい」と言われたり,周りの反応が面白かったです(笑)。
あとは,多方面から「(『呪怨』に)出演するの?」と聞かれることもありました。そんな予定はまったく無いんですが,現在公開中のVシネマ版「呪怨」公式アカウントから「いいね」をもらえて,めちゃくちゃ嬉しかったです。「これはもう観に行かないと!」と思いました。
4Gamer:
それはすごい! いいご縁がつながるといいですね。
それにしても,私の中で2.5次元系の役者さんって,やっぱりご自分を美しく見せようとか,かっこよく映るようにとか,そういう意識が強いイメージがあるんですよ。もちろんご自身が作品でもあるわけなので,それは当然ですし,とても大切なことだと思います。
でも,実際に熊谷さんもInstagramではそこまで奇抜なことをやられていないのに,Xになると急に様子がおかしくなるのが「なんで!?」と(笑)。だからこそ,ぜひお話をうかがってみたいと思い,今回の取材につながりました。
熊谷さん:
確かに,周りからは物静かそうとかミステリアスなイメージがあると言われることも多いです。でも,本当はけっこう変なんですよ。自分でも「変人だな」って思います(笑)。
4Gamer:
そのキーワードはなるべく避けていたのですが,ついにご本人の口から(笑)。ちなみに,今後やってみたいコスプレはありますか。
熊谷さん:
ダーティー版ディズニーのような雰囲気の作品「ハズビン・ホテル」に登場する「アラスター」というキャラが大好きなので,挑戦してみたいですね。Amazonプライムビデオで観られるので,ぜひ皆さんにもおすすめです。
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4Gamer:
熊谷さんは,周りからどんな人だと言われることが多いですか。
熊谷さん:
ちょっとだけ人見知りなところがあるせいか,ミステリアスとか物静かな人というイメージを持たれることが多いみたいです。でも,しっかり話すようになると「面白いやつだな」と思ってもらえることが多いですね。人と打ち解けるのはわりと早いほうなので,仲良くなるまでそんなに時間はかからないと思います。
4Gamer:
今日もたくさんお話をうかがっていて,すごく楽しい方だというのが伝わってきます! では,自分では自分をどんな人だと思いますか。得意なことや不得意なことなどもあればぜひ。
熊谷さん:
うーん,自分でもやっぱり変なやつだと思います(笑)。あとは,いろいろ計画を立ててしっかりやろうとは思うんですが,面倒くさがりな部分もあって……。なんとか自分を鼓舞してますね。「やればできる子」だとは思います!
4Gamer:
いやでも,一旦ミャクミャクは置いておいて(笑),すごくきっちりした方という印象を受けています。人と打ち解けるのは早いというお話でしたが,1人でいるのと,人と一緒に過ごすのではどちらが楽しいでしょう。
熊谷さん:
1人の時間も好きですが,こうやって人と会話するのも大好きなんです。だから,どっちもほどよくあると「僕は幸せだなあ」と感じますね。どちらかというと年上の方にかわいがっていただくことが多くて,「刀ステ」でお世話になった一路真輝さんには,たまにお食事をご一緒させていただいています。
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4Gamer:
すてきなご縁ですね! それでは,例えば「明日から3日間オフです!」となったら,どう過ごすのが理想ですか。
熊谷さん:
寝るのも大好きなんですよね……でも,3日間ずっとゴロゴロするのももったいないので,旅行に行きたいです! 仙台で牛タンを食べたり,京都で観光しておいしいものを食べたりしたいですね。
なので,地方で公演するときはいつもめちゃくちゃ事前に調べます。少し遠くてもおいしいもののためなら足を伸ばしますし,並ぶのも苦ではないです。
4Gamer:
いいですね! これまでに地方で食べておいしかったものを教えてください。
熊谷さん:
「あんステ」の博多公演で,「Ra*bits」のメンバーとモツ鍋を食べに行ったんですが,あれは本当においしかったです。臭みがなくて,肉厚でプリプリしていて,「やっぱり本場は違うな」と思いました。あとは,豚骨ラーメンもめちゃくちゃおいしかったです。
役者 熊谷魁人さんがこれから目指すこと。
芸能界で理想の俳優は?
4Gamer:
もし役者になっていなかったら,何をしていたと思いますか。
熊谷さん:
たぶん僕は会社員にはなれないと思います。だから本当に,いまそういうお仕事をされている方を尊敬してます。学生時代はいろいろアルバイトはしていたんですけどね。カラオケ屋さんや,薬局で品出しやレジとか。そういえば実家にいたころ,道の駅みたいなところでも働いたことがあります。
4Gamer:
おお,それは珍しいバイトですね。
熊谷さん:
若い人たちってみんな田舎から出ていっちゃうじゃないですか。それもあったのか,店長さんから「次の店長になってくれないか」って言われたことがありましたね。
4Gamer:
きっと真面目に働かれていたからこそですね。それでも,自分には役者が一番だと。
熊谷さん:
天職だと思います。皆さんが日々忙しい中で僕の作品を観てくださることで,笑顔になったり,少しでも活力になってもらえたら嬉しいですし……。SNSの投稿にしても,ちょっとでも口角が上がってくれたらなと(笑)。皆さんの日常に色を添えられるような俳優でいたいなと思います。
4Gamer:
いいですね。目標にしたり好きだったりする俳優さんはいらっしゃいますか。
熊谷さん:
早乙女太一さんと森山未來さんです。僕は劇団出身なので,周りにも劇団☆新感線が好きな人は多かったですし,僕自身も大好きなんです。「髑髏城の七人」という作品があって,その公演に出演されていた早乙女太一さんは,殺陣はもちろん一流ですし,舞も本当に美しくて……。
さらに,天魔王を演じる森山未來さんが,毒を口移しするシーンがあるんですが,あの場面での2人がとても色っぽくて。「この人たちみたいな役者になりたい」と強く思いました。
4Gamer:
「髑髏城の七人」といえば,私は鈴木拡樹さんが天魔王役だった公演を観に行ったのを思い出しました。宮野真守さんも出演されていて,劇場はさっきもお話に出たステアラでしたね。
熊谷さん:
いいなあ,現地で観られたのはうらやましい! 本当に素晴らしい舞台でしたし,殺陣も圧巻で,僕もああいうところを目指していきたいです。
4Gamer:
それでは,もし今誰でも会えるとしたら,会ってみたい役者さんはいますか。日本に限らず,存命でもそうでなくても。
熊谷さん:
チャップリンですね。中学生のときだったか,学校の行事でチャップリンの無声映画を観たんですよ。セリフはないのに面白いし,笑えることがすごいなと思いました。
僕,やっぱりお芝居で一番難しいのって笑いだと思うんです。だからチャップリンに会えたら,「笑いとは」について聞いてみたいです。
4Gamer:
なるほど。では役者として,今後挑戦してみたい役はありますか。
熊谷さん:
少し前から,悪役をやってみたいなと思うようになっていたんです。そうしたら,そういう役がちらほら増えてきました。
やっぱり悪役がしっかりしていないと作品が成り立たないですし,魅力的な悪役は作品の価値を上げますよね。やりがいのある役どころだなと思っています。
あと,それこそ「ダンダダン」が舞台化したら,オカルンとかジジとかやりたいです。ジジなんてパンイチになるし(笑)。
4Gamer:
パンイチでの舞台はすでにご経験がありますしね……!
熊谷さん:
初舞台の経験が原体験というわけではないですが,つい「これをやったら面白そう」と考えてしまうのは,自分の根本としてあるのかもしれません。恥ずかしいとは思わないし,人と違うことをやれるのがいいし,楽しいなって思うんです。
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4Gamer:
本当に,子どものころは消極的だったのが信じられないようなお話ですね(笑)。ちなみに,声優のお仕事に興味は?
熊谷さん:
めちゃくちゃあります。声優さんと朗読劇をやらせていただいたりもしましたし,俳優をやりつつ声優のお仕事もやれたらいいなとは思います。なかなか難しいんですけどね。
4Gamer:
最近は2.5次元俳優の方がキャラクターの声も担当することもありますし,ぜひ声優としての熊谷さんも観てみたいです。では,今後挑戦してみたいことはありますか? お仕事でもそれ以外でも。
熊谷さん:
スカイダイビングをやってみたいです!
4Gamer:
チャレンジャーですね! さっきコスプレの話が出ていましたが,そちらも期待しています。そういえば,もうすぐハロウィンですしね。
熊谷さん:
確かにそうですね。でも,実は今年のハロウィンは「あんステ」の公演初日と重なっているんですよ。だから,あらかじめ撮影しておかないと……そろそろ何か考えます(笑)。
4Gamer:
楽しみにしています。では最後に,ファンや読者に向けてメッセージをお願いします。
熊谷さん:
熊谷魁人という人間を初めて知った方も,すでに知っている方もいらっしゃると思いますが,僕はこの記事を読んだ皆さんが感じている通りの変人です(笑)。やっぱり俳優は普通の人間では面白くないと思っているので,これからも皆さんを楽しませることをやっていけたらと思います。
今後は,応援してくれる皆さんとご一緒できる機会を設けたいですし,何かを作っていけたらと考えていますので,変わらず見守っていただけたら嬉しいです。今回のインタビューで僕を知ってくれた方は,ぜひSNSをフォローしていただけたら幸いです。
この取材中にも許可をいただいて少しだけ録画をさせていただいたのですが,TikTokも始めていると思いますので! なんだかちょっとおかしなやつがいるなと興味を持っていただけたら……。
10月には「あんステ」もありますし,ぜひ観に来ていただけたら嬉しいです。今日はありがとうございました!
4Gamer:
本日はありがとうございました!
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――2025年8月22日収録
反射で答えて! 一問一答コーナー
Q01.朝起きて最初にすることは?
歯磨きです!
Q02.夜寝る前にすることは?
足のマッサージです。特に創くん役は足が見えるので,最近はマストでやっています。細くなれ〜! って(笑)。
Q03.スマホの待受けは何ですか?
Ra*bitsのイラストです!
Q04.今,一番好きな,またはハマっている食べ物は?
好きな食べ物はすき焼きです。具は肉です(笑)。ハマっているのはサラダかな……。ロメインレタスが好きで,ボールいっぱいのサラダを食べるようにしています。ドレッシングにもハマっているので,地方に行ったときは現地でしか買えないものを買って楽しんでいますね。
Q05.好きな食べ物は最初に食べる? 最後に取っておく?
最初に感動を味わいたいので,最初に食べる派です!
Q06.実は,◯◯が苦手なんです……!
食べ物だとセロリです。それ以外だと鯉のぼりですね……。実家にいたころ,ワンちゃんを飼っていたんですが,嵐の日に散歩していたら,荒れ狂う鯉のぼりを見てトラウマになりました。
Q07.口癖またはついやってしまうクセはありますか。
口癖は「〜だら」とか「〜ずら」。方言なんですが,「疲れた」の意味の「ごしたい」もよく言います。クセは腕を組むことかな?
Q08.自分を動物に例えると?
小型犬と言われることが多いです。自分でもそう思います。
Q09.好きなファッションの系統やお気に入りアイテムは?
ブランドだとYohji YamamotoやY-3みたいな,近未来的でかっこいい感じが好きです。今日もY-3の靴を履いてきました!
Q10.最近一番感情が揺さぶられた出来事は?
東京ドームで開催された久石 譲さんのコンサートです。昔は苦手だったけど,今は大好きな「もののけ姫」の「アシタカせっ記」を聴いて泣きました。
Q11.電話派? メール派?
メール派ですね。電話だと相手のことを考えて話を急がなきゃって思っちゃうんですが,文字のほうがよく考えてから書けるので。
Q12.1億円あったらどうしますか。
えっ,どうしよう!? そうだなあ……世界中を旅行してみたいです。
(「行ってみたい場所は?」の質問に)海外だとモン・サン・ミッシェルか,「ケロロ軍曹」の影響でイースター島(笑)。国内なら沖縄がいいですね。
Q13.もし「◯◯屋さん」になれるとしたら?
たまにですがお菓子を作ったりするので,ケーキ屋さんをやってみたいです。
Q14.生まれ変わるとしたら何になりたい?
自分になりたいです。
Q15.世界中,過去も含めて誰にでもインタビューできるとしたら?
さっきも話に出たチャップリンか,蜷川幸雄さんです。
Q16.好きな人のタイプは?
一緒にいて楽しいなって思える人です。心が通じあえる人がいいですね。
Q17.魔法使いに「願いを3つだけ叶える」と言われたら?
1つ目は,家族と一緒に住める家が東京に欲しいです。
2つ目は時間。
3つ目は経験したことのない経験ができるチャンスが欲しいです!
〜おまけ〜
インタビュアーたまおが感じた熊谷さんの印象
インタビューでも話しましたが,最初に熊谷さんのXを見たとき,本当に本人かどうか最後まで疑っていました。
初めて別現場でお会いしたときの穏やかな印象と,Xでの青塗りのミャクミャクがどうしても結びつかず,「これが本人なら絶対にインタビューで深掘りしてみたい」と思って編集部から打診していただいたところ,快くOKしてくださったという経緯がありました。しかも溢れ出る4Gamer愛まで……! 編集長,見てますかー!!
それにしても今回のインタビューで思ったのですが,長時間お話していても,ほとんど“変わった人”オーラがにじみ出てこないんです。とても気さくでにこやかで,と思いきやときおり飛び出してくる面白エピソードや発言にこっちがびっくりするみたいな……。
それがなんとも不思議で,めちゃくちゃ読めないというか,奥深い方だなという印象を受けました。ぜひ皆さんも,普段の熊谷さんのすてきな自撮りと奇抜なコスプレを見比べて,温度差で風邪を引いてください。
ちなみにインタビューは2時間を超え,ここには載せきれなかった楽しいお話がまだまだたくさんありました。ということで,ぜひまたこういう機会ができたら嬉しいなと思っている次第です。今後の活躍も楽しみにしております!!