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ゼロ年代東京サブカル×訳アリ物件――「イタチの家渡り」は作者が“あのころの自分”を見つめ直し,時代を描いたアドベンチャー
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印刷2025/10/08 13:00

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ゼロ年代東京サブカル×訳アリ物件――「イタチの家渡り」は作者が“あのころの自分”を見つめ直し,時代を描いたアドベンチャー

 東京ゲームショウ2025で個人的に高い期待をもっていたのが,room6が制作中のアドベンチャーゲーム「イタチの家渡り」だった。

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 2000年代の東京サブカルチャーをテーマに,訳アリ物件に棲みついた怪異を“故郷へ還す”物語を描くという作品で,同時代に青春を過ごしたサブカルな人間として,発表時のトレイラーやスクリーンショットを見て「これ絶対好きなやつ!」と思ったからだ。


 主人公の大学生・イタチが挑むのは,心理的瑕疵物件──いわゆる“訳アリ物件”に住み込むアルバイト。1週間の簡単な生活確認で10万円が手に入るというおいしい仕事だが,物件には故人の未練が怪異「産土(うぶすな)」として残っている。イタチはその囮役として,不動産屋の田貫とともにその怪異を顕現させ,故郷へ還す使命を背負うことになる。

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 ゲームはポイント&クリック形式。今回の試遊では「百目鬼ベーシスト」エピソードの冒頭を体験できた。
 亡くなったバンドのベーシストが住んでいた部屋を探索し,調度品や遺留品からキーワードやアイテムを集めていく。やがて「名前」「出身地」「死因」という3つの核心を突き止めることで,産土を“あるべき場所”へと還すことが目的だ。

 短い試遊ながら,物語と探索が自然に絡み合う感触を得られた「イタチの家渡り」。2000年代サブカルの現場と怪異譚を結びつける発想はどこから生まれたのか? 会場で本作の開発者であるAchamoth氏に直接話を聞くことができた。

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4Gamer:
 TGS 2025の開幕直前に「イタチの家渡り」が発表されて,「えっ,絶対これ行かなきゃいけないやつじゃん!」ってなっていたらroom6さんから取材の案内をいただいて。開発者の方にお話しできるということで,会ったらまず絶対「路地裏,お好きですよね?」って聞こうと思ってたんです。

 そしたらもう,試遊を始めてすぐに「聞くまでもなかった」となりました。路地裏,絶対お好きですよね?

Achamoth氏:
 そうですね(笑)。もう冒頭から路地裏で,そこで寝ている主人公という始まりのとおりで。

4Gamer:
 スタートが路地裏だし,その路地裏表現がもう,これは好きな人に違いないと。私は路地裏が好きで,それで絶対大事というポイントが室外機なんですよ。突然段ボール……じゃなくて絶対室外機。
 それに塀の落書き,電柱やらあちこちに貼られて風化したステッカー,建物の裏の何だか分からない電気の配線みたいな。あの一シーンを見て,これはそれを知っている人が作っている本物の路地裏だ! と。

Achamoth氏:
 そこにここまで食いついていただけるとは,とてもありがたいです(笑)。

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4Gamer:
 ちょっとこのままだと話が別方向に飛んでっちゃいそうなのでちゃんとした話? に戻しますと,「イタチの家渡り」はいつから作り始めたゲームなんですか?

Achamoth氏:
 企画を会社に提出したのは2年くらい前の今ごろです。
 プログラマーとして墓場文庫さんの「都市伝説解体センター」の開発の手伝いをしていたころで,本格的な開発を始めたのはその作業が落ち着いたころからです。なので1年くらいですね。

4Gamer:
 room6の自社タイトルということですが,Achamothさんはどのあたりを担当されていますか?
 企画を出したとおっしゃっていたのと,路地裏の話の反応からしてもメインのクリエイターさんであることは十分に伝わっているのですが。

Achamoth氏:
 そうですね(笑)。企画立案からディレクターとして,さらにシナリオ,キャラクターデザイン,もちろんプログラミングも担当しています。
 開発チームは5人くらいで,優秀なメンバーに支えられながらどうにかここまできたという感じです。音楽はあだPさんにお願いしました。あっ,今会場でも流れているこれですね。

4Gamer:
 これぞなオルタナロックですね。なましびれしました。
 これは「実際にゲームをプレイして感じて!」という部分なので正直聞くのは野暮だと思うのですが,ゲームのテーマである「ゼロ年代の東京サブカルチャーを巡るオカルトサスペンス」というのはどうやって生まれたんですか?

Achamoth氏:
 まず“ゼロ年代”の方については,もともとこの時代が私の青春だったというのがあります。
 私はいわゆるバンギャでして。パンクファッションに身を包んでバンドを追っかけたりいろいろなライブに足を運んだりしていたんです。

4Gamer:
 分かります。というかちょっとお話しした感じで「知り合いかな?」みたいなのがありました。

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Achamoth氏:
 (笑)。それで,けっこう前からRPGツクールを使ってフリーゲームを作っていたんですが,自分の好きなものであるロック文化を題材にしたゲームなんかも個人で作っていて。
 1960年代〜70年代のイギリスや1980年代後半〜90年代前半のアメリカといった私が影響を受けたものを,私なりの表現でゲームという形で発表していました。

4Gamer:
 その話からだとイギリスのほうはモッズとロッカーズにパンク。アメリカのほうはシアトルあたりから空気が香ってきますね。USオルタナ/グランジな。これまでの活動を存じ上げていなくて申し訳ないのですが理解できます。

Achamoth氏:
 話が早いです(笑)。そうやって私が好きなUKのパンクやUSオルタナみたいなゲームを作ってきたのですが,ちゃんと私の青春時代である2000年代の東京のカルチャーをやるべきなのではないか? というのがこのゲームのアイデアの始まりにあります。

4Gamer:
 影響を受けたもの,好きなものを巡ってきて,今度はさらに直に触れたものをやろう。もっと自分に向き合おうと。

Achamoth氏:
 ええ。それで私はパンクファッションが好きなんですが,「この変な服はなんだろう」「これはどういう風に生まれたんだろう」と興味がわいて,そういうのを調べることもまた好きだったんですね。

4Gamer:
 分かります。ルーツであったりどう派生していくのかとか。

Achamoth氏:
 ええ,まさにそれで。そう調べているうち,2000年代の日本のカルチャーと欧米のカルチャーとのつながりに興味を持つようになったんです。
 それこそゴスロリのように,日本のオタク文化にはパンクのカルチャーが混ざり合っている部分がありますよね。両方が好きな者として,そのあたりを知らないという人たちにも知ってほしい,興味を持ってほしいという気持ちもあって,それをゲームで届けられないかなというのが,ゲームを作る理由の一つになりました。

4Gamer:
 気持ちはすごく伝わります。好きなことをむき出しにして作品に昇華するという。
 ではそこに心理瑕疵物件――いわゆる事故物件をテーマにしたオカルトがどう絡んでくるのかが気になります。

Achamoth氏:
 東京のサブカルチャーをすごく愛してる,ハマってる人って,東京生まれってわけじゃないと思うんですよね。
 どちらかというと,東京のカルチャーにあこがれている人。私自身も栃木の人間で,当時は宇都宮から東京のライブハウスに通っていたんですが,夢をもって上京して,小さな部屋に住んで,バンドをしたり憧れの場所で仕事をしたりという。

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4Gamer:
 ええ,ええ。

Achamoth氏:
 そうして夢を叶えた人,地元に帰った人,思っていた形とは違うけど東京に暮らし続けている人みたいに,いろいろな人がいると思います。
 そして……その中には,夢の途中で亡くなってしまった人もやはりいるわけだろうと。

 ゲームは“訳アリ物件”になった部屋に1週間住むというアルバイトをしている大学生・イタチを主人公に物語が進むんですが,訳アリ物件というのがまさに夢の途中で亡くなってしまった人が暮らしていた場所で。

4Gamer:
 ああ,直後に誰かを短期間住まわせて,告知義務をなくしてから本来のお客さんに貸し出す……みたいなうわさの。それと今までのお話がどう関わってくるのか気になります。

※実際は間に人が入っても物件が抱える心理的瑕疵が消えるわけではないため,原則として告知義務は継続して存在する

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Achamoth氏:
 イタチがバイトで住むことになる部屋には,故人となった前住人が遺した「産土(うぶすな)」という怪異が起きています。
 イタチはバイト先の不動産屋に利用されてというか,「産土」を顕現させるため住まわされるんです。

4Gamer:
 ひどい(笑)。

Achamoth氏:
 それでイタチには田貫という同居人がいて。田貫は不動産の社員で,怪異を“視る”ことができるんです。

4Gamer:
 ゲームはポイント&クリックで,その二人を切り替えながら部屋のあちこちを調べて怪異の原因を探り,それを祓うみたいな流れでした。

Achamoth氏:
 はい。これが正しくは「還す」という表現で。

4Gamer:
 亡くなった人をあるべきところにという意味の。

Achamoth氏:
 それもあるのですが,それが先ほどの地方から来た人の話にもつながるんですが,亡くなった人を故郷へ還して物件を解放するというのが目的なんです。

4Gamer:
 えっ!? なるほど。それにつながるのか……。

Achamoth氏:
 今回の試遊では亡くなったベーシストのエピソードですが,そのほかにメイドや原宿系など,いろいろなジャンルの「それが好きだった人」の部屋が出てきます。
 部屋で起きていることの全体像をつかむには,ただ部屋にいるだけではだめで,街に出て前の住人がどのような暮らしをしていたかを探らなければなりません。
 それでバンドマンならライブハウス,メイドならメイド喫茶,原宿系なら神宮橋みたいに,東京のサブカルスポットを巡っていく……というゲーム進行になります。

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4Gamer:
 なるほど。そうやって物語を追いながらも,ゲームのテーマである2000年代のサブカルチャーの歴史をプレイヤーがたどっていくと。すごい。
 冒頭の路地裏な話に戻る……というかけっこうここが本質だと思うのですが,試遊のエピソードのバンドマンの部屋がまた「俺住んでた!」ってくらいのリアルさで。
 というのも私がまさに北海道から上京してバンドをやって,2000年代に東京で青春を過ごしたという人間なんです。しかもベーシストだったから当事者感がすごくて。

Achamoth氏:
 なるほど。それでお話しが通じるわけですね(笑)。

4Gamer:
「懐かしいと思うのでぜひ撮影していってください!」と言われ,ご案内いただいたフォトスポット。当時に戻ったようだ……。案内どころか撮影までしてくれたAchamothさん,ありがとうございました
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 しかもこの部屋が高円寺じゃないですか。私が上京して一人暮らしを始めたのが高円寺のとなり町で,最初に住んだ部屋もまさにこういう部屋でした。だからまんまなんです,体験が。
 最初の発表で“このゲームはきっと自分の物語”だと感じて興味を持ったんですが,その大きな理由がこの部屋の絵のスクショを見たからで。それで試遊をして,部屋の玄関やコンロの感じとかを見て「見様見真似で自炊して,そのまま立ったままでメシ食ったなあ」なんて思いだしました。

Achamoth氏:
 インスタントラーメンは鍋で直ですよね。鍋ラーメン。

4Gamer:
 そうですそうです! 
 もう一瞬で,「あの時代の高円寺周りでこの辺だとしたら,家賃3万8000円〜4万くらい? いやでも四畳半で風呂なしトイレ共同,しかも訳アリならさらにそこから……」とか家賃相場でだいたいの家賃が想像できるくらいリアルに伝わるものがありました。

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Achamoth氏:
 ありがとうございます。先ほどお話ししたとおり,私自身は通いで東京に来ていたので一人暮らしはしていないのですが,周りの人の話とか当時のことをいろいろ調べたものとかから絵作りをしました。

4Gamer:
 バンドマンって高円寺あたりが拠点でも,住んでいるのは例えば西武新宿線沿線とか東武東上線の練馬のほうだったりもして。でも部屋の感じや生活って共通しているし,当時のバンドカルチャーを表す象徴としても高円寺という場所がすごくいいなと感じました。

 いわゆる中央線カルチャーですね。あの辺りは谷や沼,窪といった地名がたくさんあるとおり,路地裏・暗渠(あんきょ)な感じが,ちょっとこういったオカルトとも親和性があるなあと。絵的なところや色使いも独特でそんな雰囲気があって。


Achamoth氏:
 絵作りとしては漫画の描き方に近いと思います。
 元々の絵は白黒で表現しているのですが,でもそれだけでは絵変わりがないので,キャラクターの置かれた状況や心境などの表現では照明を入れてただの白黒ではなくしたり,エフェクトで不穏な雰囲気を出したりしています。

4Gamer:
 なんとなく“紙の質感”みたいなのを感じたのですが,なるほど。
 やっぱり当時のサブカルの文脈的なので,旧2ちゃんねるのオカルト版とか裏社会系とか,大島てるのサイトとか,とにかく怪しいモノをこういう部屋で夜な夜なPCで探る……みたいなのがあったと思うんです。
 ……と思うんですというか,自分がまさにそうで。で,除霊のとき,印を切るじゃないですけど,やっちゃうわけじゃないですか。

Achamoth氏:
 ええ,やっちゃいました(笑)。

4Gamer:
 Achamothさんが開発に関わった「都市伝説解体センター」の“解体”もそうですが,「やってくれたなあ!」っていう喜びというか安心感というかがそこにはありました。
 で,何が言いたいか分からなくなってきたんですが……。

Achamoth氏:
 (笑)。

4Gamer:
 そうだ。こういう自分が好きだったこと,通ってきたものを作品にするってすごい身を切ることというか,大変だと思うんです。若いころに尖っていたものに向き合うことの難しさというか。

Achamoth氏:
 ええ,分かります。そうですよね。

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4Gamer:
 同じく2000年代に青春を過ごしてきた者として,あれから20年近く経って自分もやっとそこを振り返られるようになって。
 尖りを丸めるつもりはないけど,それこそ今回のように自分の当時をオープンにして話せるのもなんかやっとで。今日は自己開示しすぎって感じでしたが。

Achamoth氏:
 (笑)。カルチャーの周期の話もありますけど,そういう振り返りには20年くらいないと難しいという話はありますよね。
 若かったからこその失敗や無茶,苦い思い出とかに向き合って,引いたところから考えられるのがやっとそこでというような。

4Gamer:
 いまだに胸をかきむしる気持ちになることたくさんだけど,という。
 でも今やっと,当時の話を「昔はよかったなー」じゃなくて,今も続いているカルチャーだったり,リバイバルで盛り上がってるものだったりを語り継ぐじゃないですけど,カルチャーだけではなくその時代を生きた人間の話を伝えるのは大事なんだよなと。

Achamoth氏:
 それはこのゲームでできたらと思っていたことです。
 ゼロ年代やロックが青春だった人たちの思い出に応えられるような作品でありたいし,違う世代にも届くものにしたい。当時の人たちの生き方や暮らしを通して「生き方」を描くような。

4Gamer:
 そのへんって普遍的なものがあると思うんです。若いころの悩みみたいなものって,時代関係なく,それこそインディーバンドの歌や歌詞のように。
 私はJoy DivisionとNew Orderが好きで,イアン・カーティスに「これは俺だ」みたいにすごく共感したんですね。でも彼は私が生まれる前にもうこの世にはいなかった。ニルヴァーナのカート・コバーン(コベイン)も,なんだこの人は! と知ったときにはすでに亡くなっていた。でも残した作品は確かに響いて影響されてという。

Achamoth氏:
 分かります。私もカート・コバーンが大好きですから。

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4Gamer:
 あと,当時はろくに帰省もしなかったけど,なんか故郷にも向き合えるようになって。産土のお話を聞いていて,なんだか響きました。

Achamoth氏:
 そのあたりは産土のアイデアのもとにもなっています。
 上京すると地元や故郷を意識的に遠くに置いてしまうけど,やっぱり東京でやっていくには,最初に地元で培ったプライドや育ててもらった価値観とか,そういうものを持って生活しているんですよね。
 説明が難しいんですけど,都会(東京)と地方(地元)の対立する部分と融合する部分みたいな,“どちらでもないもの”を感じたことを表現できたらと。

4Gamer:
 とにかくすごい勝手に“俺の物語だ”ってなって,チャレンジングなゲームだというのは発表の時点でなんとなく感じていましたが,その答え合わせができたような。すみません,けっこう一方的に話して変に期待度を上げてしまって。

Achamoth氏:
 いえいえ(笑)。

4Gamer:
 実際TGS2025に試遊出展してみて,どんな反応がありましたか?

Achamoth氏:
 今回のプレイアブルを遊んでいただいたことで,「ゲームとして面白い」「このスタイルで行ける」と思えるようなフィードバックをたくさんいただけました。
 一方でゲームプレイについては分かりにくい部分が目立っていたので,それはしっかり遊びやすさの面で調整していかなければと思いました。
 作品の雰囲気を残しながらゲームとしての面白さと,興味を持ってくれた同世代に響く部分を仕上げていきたいです。

4Gamer:
 気が早いですが,もうこれは完成記念でサブカルトークイベントをすべきだと思います(笑)。
 そこでぜひ今回の話の続きをと。それこそ高円寺のライブハウスとか,隣町の阿佐ヶ谷ロフトAとか。

Achamoth氏:
 (笑)。まずは良いゲームになるように開発を頑張ります。プレイアブルとして展示できるぐらいまでなんとか具現化できたので,あとは面白くしていかなければという気持ちで!

4Gamer:
 期待しています! ありがとうございました。

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