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この肉德(ムチムチ感)なインタビューも見れし。「MIRESI:視えない未来」アートディレクターのヒョルラ氏とお話
この美少女たちの肉感は絶対見れし。「MIRESI:視えない未来」は絶望的な世界で,インパクトある大腿部を押し出す[TGS2025]
![この美少女たちの肉感は絶対見れし。「MIRESI:視えない未来」は絶望的な世界で,インパクトある大腿部を押し出す[TGS2025]](/games/939/G093947/20250925066/TN/043.jpg)
東京ゲームショウ2025で,スマイルゲートの新作タイトル「MIRESI:視えない未来」を試遊してきた。本作は,滅亡の危機に瀕した世界を救う少女たちと“議員(主人公)”の物語を描くRPGで,シリアスな空気感と臀部の張りが強い。
本作は,「勝利の女神:NIKKE」「セブンナイツ2」などの開発に参加したスタッフたちが立ち上げた会社,CONTROL9が開発するサブカルチャーRPGだ。リリース予定は2026年とされている。
ゲームとしては“設置キャラクターを動かせるタワーディフェンス”といったところ。タイムトラベルを主題とした物語と世界観は,上記レポートを読んでもまだまだ理解に及ばないであろう深さだ。
そして最大の特徴が,美少女たちのビジュアルにある。
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この肉感的な下半身だけでも,どのようにキャラクターを見せていくゲームなのかが推して測れるだろう。そして本ビジュアルのキーワードは,韓国語で“肉德(ゆっとく)”と呼ばれる概念にある。
果たして,この語にはどのような意味が内包されているのか? もしも知りたくば,一応ゆっとくけど最後まで見れし。
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まずは答えから見れし
4Gamer:
美少女の下半身がとても鮮烈ですが,そういうゲームですか?
ヒョルラ氏:
そういうゲームです。
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4Gamer:
なるほど。理解しました。
では,あらためて自己紹介からお願いします。
ヒョルラ氏:
ヒョルラ(ペンネーム)と申します。以前はSHIFT UPで「デスティニーチャイルド」のキャラクターデザインを担当し,「勝利の女神:NIKKE」のアートディレクターを経て,今はCONTROL9で「MIRESI:視えない未来」のアートディレクターとして参加しています。
4Gamer:
タッチの雰囲気がよく分かる経歴ですね。
当のMIRESIは,どのようなゲームでしょうか。
ヒョルラ氏:
ストーリーの主題は“タイムトラベル”です。未来管理局に所属するプレイヤーが,美少女たちと一緒に時空と時間を行き来しながら,世界の滅亡をくい止めようと活動するRPGとなります。
5vs.5のバトルは,敵味方の位置が重要になります。基本はオートで進行しつつ,各キャラクターのターンがきたらスキルを選択する,いわばリアルタイムターン制のバトルシステムです。
アート面については,これまでの市場であまり見られなかった,セクシーなニーズに沿うようなデザインを目指してきました。
4Gamer:
TGSでは,美少女とのフィールドデートも楽しめましたが。
ヒョルラ氏:
はい。特定のフィールドでキャラクターを操作し,クエストを進行したり,人物同士の会話を楽しんだりしてもらう機能もあります。こちらはキャラクターたちとの親愛を深めていくコンテンツですね。
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4Gamer:
開発規模としては,リッチなPCゲームといったところですか。
ヒョルラ氏:
基本はグラフィックスを含め,PCで最高のパフォーマンスを出せるように設計しています。またモバイルも予定していて,スマートフォンでも表現を損なわないよう,最適化を施していきます。
4Gamer:
ヒョルラさんは,どのような経緯で開発に参加したのでしょう。
ヒョルラ氏:
私はSHIFT UPを離れ,前職でLINE Gamesにいたのですが,ちょうどひと息ついたタイミングで,弊社の代表2名から声をかけられたんです。そこで本プロジェクトの概要を聞かされました。
当初はあまり深く考えていなかったのですが,代表らから「ヒョルラさんのアートが必要不可欠なんです」と言われました。アートを自由に表現できる機会になりそうだったので,開発力の可能性などもいろいろ加味して,参加することを決めたんです。
4Gamer:
頼まれたときは,期待されてうれしかったですか。
ヒョルラ氏:
うーん,正直に言っていいのか分からないのですが,私が追求してきたアートは現状,大衆的とはいいがたいんですよね。そのため,MIRESIでもすり合わせが求められましたし,代表2名からもたくさんサポートしてもらってきたおかげで,なんとか形にできました。
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4Gamer:
大衆的じゃないというのは,ビジュアルがセクシーすぎるから? 昨今(の韓国で)はNIKKEがまさに,抵抗感を薄めている気もしますが。
※一方で,韓国ではまだまだ「世間的な目が厳しい」と,夏ごろにNIKKEのディレクターのユ・ヒョンソク氏からも聞かされたが
ヒョルラ氏:
そうですね。セクシーなビジュアル自体は,私もNIKKE以降に世間の目が緩和していっている実感があります。
ただ,彼らや私が追求している“肉德(ゆっとく)”の概念は,そういうのとはまた別に,ゲーム市場ではあまり大きく支持されてこなかったアートスタイルです。そうした意味で大衆的ではないという話で。
4Gamer:
その,ゆっとく? というのはどのような意味で。
ヒョルラ氏:
日本語で表すと,ムチムチ感とか肉感的とかでしょうか。僕がイラストレーターとして長いこと研究してきた表現です。
4Gamer:
つまり,商業的な意味合いで定評のある武器とは言いづらかった,グラマーなアートを振りかざすチャレンジなんだと。
ヒョルラ氏:
そうですね。そういう意味では今回は挑戦になります。
4Gamer:
表現としては,どこからどこまでと線引きするのは難しいでしょうが,人を選ぶようなビジュアルを目指しているのでしょうか。
ヒョルラ氏:
いえ,ストライクゾーンは広めに設けようと考えています。
例えば,エンデやイツカ,レモンは大衆的な美少女キャラクターのプロポーションです。一方で,ティエリアのように肉体美を強めたキャラクターで,コアのファン層に訴求できればと考えています。
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4Gamer:
MIRESIはプロローグ時点で,パッと見で理解しきるのは困難であろう,実に複雑な設定と世界観が練られていました。
この点,ヒョルラさんは資料を読んですぐに理解できましたか。
ヒョルラ氏:
なんとか理解しました(笑)。タイムトラベルを基盤とする世界観とあって,最初は読み解くのが難しいところもありますが,アートディレクターとしてじっくりと向き合っていきました。
作中には,時代や文明が異なるいくつもの世界が登場します。アート面もコンセプトとデザインの一貫性を考えるのは大変でしたね。
4Gamer:
となると,世界ごとに見た目もガラッと変わるんですか。
※作中には「第一時代」「第二時代」など様相の異なる世界がある。主人公は滅亡が決まってしまった世界の“やり戻しできる地点”に飛ぶ
ヒョルラ氏:
はい。TGS会場では「ユグドラシル」や「時空の回廊」の世界をお披露目しましたが,作中では時代ごとに風体を変えます。
メインキャラクターにしても,エンデはファンタジーな魔術師。イツカはギャルな忍者。ティエリアはSFなシスターと,この3人だけでもコンセプトが多種多様であると分かってもらえるはずです。
4Gamer:
確かに。ついでに,1人ずつこだわりを教えてもらえますか。
ヒョルラ氏:
分かりました。
まずエンデは,冷静知的でクールな印象の美少女です。一方,彼女はユグドラシル(いわゆる木の属性)と密接に関係した存在です。
そのため,デザインコード(視覚的なルール)で考えると,いわばエルフ的な記号に近いのですが,単に緑系で彩色するとキャラクターがあまり立ちませんでした。そこでキャラクター性をうまく出せるよう,彼女に似合う色合いを意識し,最終的に青色を基調としました。
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4Gamer:
だから葉っぱが青いんですね(スキル演出で青色の葉が乱れ飛ぶ)。
続いてイツカは。
ヒョルラ氏:
イツカは現代的なギャル×伝統的な忍者という,真逆な性質を兼ね備えた少女です。目標は「このキャラの魅力を確実に見せること」と「忍者の代表的なアイテムを華やかに見せること」でした。
自分アピールが強いギャルと,隠密を求められる忍者とのかけ合わせにはとても難儀しましたが,最終的に衣服や小物でバランスを整えていき,ギャルと忍者の間の子を探っていきました。
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4Gamer:
その結果が,ジャケットにくノ一装束。
最後にティエリアは。
ヒョルラ氏:
ティエリアは思っていたよりも簡単にデザインできましたね。コンセプトのSF的なサイボーグ(身体が機械化されている)と,敬虔なシスターの要素が明確だったため,組み合わせやすかったです。
シスター服はそれだけで記号的な分かりやすさがあったため,そこにサイボーグ要素をちょいちょい加えることで完成させました。
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4Gamer:
キャラクターデザインについては,アートチームと物語・設定のチームでなにか言い合ったりはありましたか。
ヒョルラ氏:
たくさんあります。しょっちゅうぶつかってます。ですから,互いになにを求めているのかをよく話し合い,それぞれが理解し合って合意できるよう,双方の説得には本当に力が注がれてきました。
最終的に「これはとてもいい!」と納得し合えるようになるまで,けっこうな時間をかけてきましたね(笑)。
4Gamer:
それだけ人物と世界をすり合わせているんでしょうね。
あと,キャラクター数はどれくらい描くのでしょう。本作は10人くらいの限られたヒロインをめでるタイプなのか,あるいは,100人くらいお出しして好みを見つけてもらうタイプなのか。
ヒョルラ氏:
10人よりも多く,100人よりは少ないです。
ローンチ時点では,20キャラクターほどを準備できればなと。
4Gamer:
ゲーム内では各キャラクターに2Dイラスト(キャラクターのカードデザインなど),3Dモデル(バトルなど),さらにアドベンチャーパート中のイベントスチルもありますが,すべて完備していきますか。
ヒョルラ氏:
その予定です。あと,まだ確定とは言えませんが,主人公とキャラクター,プレイヤーの皆さんと美少女たちの縁を深められるよう,イベントストーリーなどで互いのつながりを深めたいと考えています。
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4Gamer:
2D素材はすでに文句なしの魅力を発揮している一方,ゲーム内の3Dモデルはまだまだ硬い印象を受けました。
このままだとビジュアル表現も損ないそうとまで言ってしまいますが,モデリングは現状で完成ではなく,最適化を検討していますか?
ヒョルラ氏:
はい。そこは私たちも認識している課題です。
3Dモデルに関しては現在,TGSにどうにか間に合わせただけの開発初期段階となります。ステータスでいえば,「まだ赤ちゃんがよちより歩きしだした段階」なんですよね。
そのため,3D表現は大きく向上させる見込みですし,目標としては「2Dイラストと見間違えるような3Dモデル」を追求します。
4Gamer:
となると,ビジュアルの隙もなくなりそうですね。
ヒョルラ氏:
ぜひ期待していてください。
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4Gamer:
本作は総じて,「これがMIRESIの絵だ」と言わんばかりにアートを立たせているのが伝わってきます。これは意識してのことでしょうか。
ヒョルラ氏:
そうです。皆さんにそう思ってもらいたくて,これまで「MIRESIのアートとはなんぞや?」を練り上げてきました。
結論は2つ。まずサブカルチャー系アートの特徴として,顔の表現やデフォルメの仕方を整えました。もう1つはセルアニメーションをキーワードとした“線”と“面”で,これらの差を際立たせ,身体の暴力的なシルエットを感じ取ってもらえるデザインを探りました。
ほかにもディテールがあって密度の高い彩色法や,激しいカラー感のコントラストなどを組み合わせて,多くの方々に「これぞMIRESIの絵だ」と思ってもらえるイラストを目指しています。
4Gamer:
作家性がそこにたどり着くまで,時間はかかりましたか。
ヒョルラ氏:
うーん。MIRESIに関しては膨大な時間はかかっていませんね。試行錯誤の過程はものすごく多かったですが。
というのも,私はNIKKEのときが最も葛藤していました。結果だけ見れば,技術的にはすぐにできたことだったんですけれど。
4Gamer:
それというのは?
ヒョルラ氏:
あのころは,自分のイラストとサブカルチャー系アートのすり合わせにずいぶんと悩んでいました。このままの自分の絵でいいのかと。
ただ,時間が経つにつれ,自分なりのやり方が見えてきて……とにかく悩んで,時間をかけて,自分が変わらないといけないと分かった。そのせいか,アートへの理解度もちょっとだけ上がって。最近は「どう描けばいいか」の答えまでスムーズに達しやすくなった気がします。
4Gamer:
個人的な壁を乗り越えたわけですね。
ヒョルラ氏:
そうですね,はい。きっとあの時間があったから,今回はそこまで時間がかからなかったんでしょうね。
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4Gamer:
ちなみにタイトル名のMIRESIとは,どんな意味なのでしょう。
ヒョルラ氏:
韓国語で「未来を見る視野」といった意味ですね。サブタイトルにもあるとおり,時間や未来を連想させるためのワードです。
4Gamer:
そこなんですが,日本語でも崩した口語表現だと「見れし=見ろよ」的な意味があるとは知っていましたか? それこそ,言葉づかいがちょっとだけ乱暴な,イツカが口にしそうなギャル風の言葉です。
ヒョルラ氏:
え,そうなんですか? 知らなかったです。
たぶんタイトル名を決めた人も知らないじゃないかな(笑)。
4Gamer:
なので「視えない未来って言ってるけど見れし」「おまえ今日の新ストーリーさっさと見れし」「サーバー落ちて見れねーし!」などなど,コミュニティではスラング化するんじゃないかと今から予想しています。それくらい,日本人には音の響きがキャッチーなんですよね。
ヒョルラ氏:
よかった。そう思っていただけたなら,私たちもうれしいです。
4Gamer:
それでは最後の質問に。本作は2026年のリリース後,理想として,ゲーム業界でどんな立ち位置を目指したいですか。
ヒョルラ氏:
私たちが最も重要視している価値観は,オリジナリティです。大衆的な作品として,より多くの方々に遊んでもらえるよう心がけつつも,プロジェクト全体で磨き上げたゲームシステムと,独自のアートスタイルの両方で,業界の新しい道を歩んでいきたいです。
最終的には,ほかのどんなゲームとも比較できない,ゲーム業界の新たな1作品を生み出せればと思っています。
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