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1人の若者が世界をわたり,国に仕官するまで。中世風の世界を自由に冒険するサンドボックスRPG「歴史の終わり」リプレイ
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印刷2025/10/09 12:00

プレイレポート

1人の若者が世界をわたり,国に仕官するまで。中世風の世界を自由に冒険するサンドボックスRPG「歴史の終わり」リプレイ

 トライシステムが展開するインディーゲームレーベル・WorldMapによる新作PC用ソフト歴史の終わりの体験版が,2025年10月2日に公開された。

以下,操作や示している情報が分かるよう,マウスポインターをスクリーンショットに含めている
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 本作は個人ゲーム開発者の畳部屋氏の新作となる,“サンドボックス型ストラテジーRPG”を謳う作品だ。プレイヤーは無名の浪人となり,中世風の世界を自由に探索できる。身の振り方は完全に自由で,商人として財を成すことも,武将として名声をあげることも,盗賊として生きることもできるという。

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 みやこめっせで開催された「BitSummit the 13th」に,サンドボックス型ストラテジーRPG「歴史の終わり」のプレイアブルデモが出展されていた。「NOSTALGIC TRAIN」などで知られる畳部屋氏の3作目となるタイトルだ。今回,会場にいた氏に,本作のゲーム内容や,個人制作での苦労などについて聞いてみた。

[2025/08/13 17:00]

 といっても,壮大過ぎてピンと来ない人もいることだろう。というわけで今回は,旅の始まりから国に仕官するまでの流れを,ちょっとしたリプレイ風のプレイレポートとしてお届けしていく。ただし,一部シナリオのネタバレが含まれてしまうので,自分で最初から体験したい人は要注意だ。

「歴史の終わり」公式サイト



知識ゼロで広大な世界に飛び出す
とりあえず仕事を求めて大都市へ


 かつて,この世界には全土を支配する古代文明が存在した。飢餓と戦争を克服した偉大なる文明は,その知識を総動員して作り上げた科学技術を「オベリスク」へと刻み込み,それは永遠のものになると思われた。

 しかし,いつしか知識は忘れ去られ,文明は衰退していった。

 古代文明の名すら忘れられた未来。ふたたび訪れた騒乱を制した英雄は「神聖ルシュ帝国」を興し,世界に一欠片の安定をもたらした。その天下は900年にも及んだが,強権的な支配と腐敗により,支配はついに限界へと達しつつある。

初期時点での勢力は,衰退しつつある「神聖ルシュ帝国」,西の独立軍事勢力「エルデライン王国」,東方の遊牧民「パルク統一王国」の3つ。ゲームプレイの中で分裂や独立が発生する可能性もあるようだ
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 そんな世界を冒険する主人公は,最後の長命種ことアデル(名前変更可能)だ。長命種は“オベリスクの光”を見守る使命を帯びていたが,その光はいまや淡く,消え去ろうとしている。

 アデルを育てた老人によると,それは,100年後に世界が崩壊するサインだという。世界の最後を見届けるため,そして人類を救うため,アデルはたった1人で広大な世界へと飛び出していくことになる。

崩壊がなぜ起こるのか,どうすれば止められるのかも分からない。それを調査するのもプレイヤーの仕事だ
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 初期ステータスには合計180点前後が自動で割り振られ,そこに10点のボーナスポイントを自由に加えられる。初期値はランダムだが,プリセット「武力重視」「内政重視」「人心重視」のいずれかを選ぶと割り振りに偏りが生じる仕組みだ。初期値は何回でもリロールできるので,基本的には好きなステータスのキャラクターを作成できる。

 ひとまず,今回は内政重視のステータス割り振りを使いつつ,ボーナスポイントでそれを補填し,わりと平均的なキャラクターで遊ぶことにした。やりたいことを探すなら,器用貧乏なくらいが丁度いいだろう。

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 チュートリアルを終えると,さっそくマップに放り出された。世界に関する情報が一切ない状態なので,どうすればいいかも分からないが,老人いわく「魔女アシュベリーの元に行け」とのこと。ほかにあてもないので,とりあえず従って動いてみる。

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 アシュベリーは森の奥深くにおり,生き方と人間社会について教えてくれた。といっても,情報が大きく増えたわけではない。ざっくりと要約するなら「自由にしろ」といったところで,世界の崩壊を止めることについても,必ず達成しなければいけないわけではないらしい。

アシュベリーには世界を俯瞰して見る力こそあれ,世界を変える力はないとのこと。どこか達観したような印象を受ける
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 とはいえ,それ以外にこれといった目的もない。アシュベリーによると,戦闘や商売などの活動を通じて「名声値」を得れば,国家に仕官できるとのこと。どの国に加担するかはさておき,いろいろな仕事をこなしながら世界を見て回るのも悪くないだろう。

 マップ情報は見事にスッカラカンだったが,アシュベリーのおかげで主要都市の情報が記録された。一番近いのは神聖ルシュ帝国の首都にあたる「リデル」なので,まずはそちらに向かうことに。

直接訪問したり,位置情報を聞いたりした集落や建物はマップに書き加えられる。人口や兵力といった要素も提示されるが,まだ利用方法が分からない要素も多い
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 ちょいと調べてみると,名声を高める手段はいろいろあるらしい。しかし,現状は盗賊狩りで食えるほど強くはないし,配下を揃えるお金も,商売をする知識もない。単身でできることといえば,民間の依頼を地道にこなすことくらいだろう。ということで,ギルドに行って依頼を眺めてみる。

 3つの依頼が並ぶが,難度が一番低いのは商品輸送とのことだったので,それを引き受ける。輸送先は「古ルシュのギルド」で,成功報酬は300ディナール(お金の単位)。初期資金が800ディナールなので,初仕事としてはそこそこの金額だろう。

 ……で,古ルシュってどこにあるの?

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特産品を輸送して大儲けを狙う
お金がなければ何も始まらない!


 目的地の名前は分かったが,マップを闇雲に歩き回って探すのはさすがに無理がある。出発前にどうにか手がかりを掴まねばならない。

会話の中で位置が特定できた都市と建物は,どんどんマップに加えられる。こうやって都市をまたぐ依頼に対処していけば,少しずつ世界に詳しくなれるだろう
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 情報といえば酒場が定番ということで突撃すると,酒場の主人が「ここから北の方角」と丁寧に教えてくれた。それからマップを開いてみると,帝都リデルのすぐ近くに古ルシュのアイコンが自動で置かれているではないか。なるほど,こうやってマップを開拓していくわけだ。

実は酒場には依頼を受ける前にも行っていたのだが,その際には情報を得られなかった。酒場の主人としても,目的を持たない相手にどんな情報を提供すべきかが判断できないのだろう
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 さっそく荷物を持って出発したら,わずか2日間で古ルシュまで到着した。古ルシュは神聖ルシュ帝国の旧首都で,その建築には優美な装飾が施されている。しかし,あまり整備は行き届いていない様子で,漆喰はひび割れて欠け落ち,舗装の状況も良くない。

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 そうした様子を眺めていると,ルシュ家の家宰を名乗る人物が声をかけてきた。晩餐会に用いる調度品が劣化しつつあり,リデル産の銀食器が必要になったのだという。家宰自身はリデル産の商品を小馬鹿にしている様子だったが,自前で作るのは難しいらしい。

 このやり取りで,古ルシュがどんなポジションにある都市なのかがハッキリと理解できた。かつては栄華を誇った首都だったが,支配の長期化にあたって貴族の利権が形骸化し,この都市は経済活動の中心から外されたのだ。商業機能のほとんどはリデルに移り,ここには気位の高い“古き良き市民”と貧民のみが残る,といった具合だろう。

 大きな都市にはそれぞれ歴史があり,それを感じさせるイベントが用意されている。各都市が単なる記号ではなく,厚みのある世界を冒険している感覚を深く味わえるので,こういった要素がしっかりと作り込まれていると嬉しくなってしまう。あ,銀食器は気が向いたら買ってくるね。

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 住人の気風はちょっと鼻につくが,ともあれ最初の商品輸送は成功。このまま帰還すれば報酬を得られるが,まだ期限には猶予がある。できればもうちょっと稼いでおきたいので,ギルドで商品購入(木材)の依頼を受けてみた。

 古ルシュの酒場では情報を得られなかったが,近くの村で聞き込みをしてみたところ,北西には“森の街”と呼ばれる「アルマナ」が存在するという噂が耳に入る。データを見ると特産品は木材とのこと。ビンゴだ!

これだけ離れていると,食料の消費量もバカにならない。自動移動を行うと効率的に移動してくれるほか,必要な食料数も提示してくれるので,それに合わせて物資を用意しよう
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 アルマナはほぼ大陸の端にあり,かなり遠かったが問題なく到着。さっそく木材を買い込もうとするが,ここで所持品の重量制限にひっかかった。言われてみれば当たり前のことなのだが,大量の木材を個人で運べるわけがない。

各アイテムには重量が設定されており,食料は1単位ごとに1重量,木材は1単位ごとに8重量となる。主人公個人では20重量までしか持ち運べないので,3単位の木材を担ぐと食料を持てなくなってしまう
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 というわけで,酒場で新たな人員を雇うことにした。戦闘用でない人員は「担夫」と呼ばれ,戦力にはならないものの,重量制限を大幅に緩和してくれる。

 問題は資金だ。雇用に320ディナールが必要なだけでなく,日数に応じて必要な食料が増え,さらに給与まで発生する。今回の報酬は700ディナールと多めではあるものの,往復の期間を考えれば効率がいいとは言えない。うーむ,長距離移動はあまりワリが良くないのだろうか。

 と,ここまで考えたところで「依頼以外の商品も売り買いしていい」という事実を思い出す。木材が一般素材ではなく“特産品”であり,これほど離れた場所からの買付を余儀なくされているのであれば,古ルシュに運べば相当な金額になるのではないだろうか。

 担夫を雇ったことで最大70重量まで運べるようになったので,食料と木材をたくさん買い付ける。3つあれば依頼達成のところ,8つの木材を背負って古ルシュに向かうことにした。トラブルなく到達できれば,最初の資金難を切り抜けられるかもしれない。

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この世界には危険がいっぱい
商売には身を守る術も必要不可欠


 トラブルが発生した。古ルシュに達する直前,ライレア・ザンデを名乗る野盗に攻撃を受けたのだ。

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 戦闘シーンは,見下ろし型の3Dアクション形式で展開される。主人公はプレイヤーが操作でき,配下のメンバーは自動で戦うことになる。相手の側面や背後とれば有利に戦えるが,それは人数が揃っていた場合の話だ。主人公はギリギリでちょっとだけ戦闘が可能だが,担夫はまったく戦えない。この状態で正面から殴り合うのはさすがに無謀だろう。

 どうにか誤魔化せないかと,メニューを漁って操作を試してみたが,どうやら“逃走”という選択肢は見当たらず,被害を減らすにはさっさと降伏するしかないらしい。仕方なく降伏すると,所持していた木材8つをまるごと略奪されてしまった。え,木材8つ全部!?

あまりに無慈悲なポップアップ。ショックすぎて,この画面からしばらく動けなかった
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 ヤバい。この時点で,依頼達成の期限まで約17日だ。古ルシュからアルマナまで,片道で7日はかかる。さらに,戦闘で負傷した状態では「士気」が低下し,それにより移動速度が大幅に下がってしまう。ただでさえ時間がないのに,休養して回復せねばならない。

 そもそも,木材を余分に買ったので金がない。当座の資金を用意するため,最初の依頼(リデルで受注した商品輸送)を報告し,ついでに銀細工を買い付けて古ルシュの家宰に叩きつける。これでどうにか700ディナールを用意できた。ひどい自転車操業である。

 とはいえ,一応準備はできた。移動速度は重量などの要因で変化するので断言はできないが,最速で往復すればギリギリで間に合うかもしれない。想定外のトラブルさえなければ,なんとかリカバーできるはずだ!

本作では1年を4つの月(春,夏,秋,冬)で示しており,冬を越すと次の年となる。そして,回復が完了したのは夏の19日で,依頼の期限は秋の13日だった
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 トラブルはなかった。秋の5日にアルマナに到着し,古ルシュでこっそり買っておいた鉱石を売り払う。これで一気に資金繰りがマシになったので,木材をまたちょっと余分に買い,とんぼ返りに古ルシュへと走る。今度はじっくりと画面を凝視し,盗賊を避けて進んでいった。

鉱石は1単位で6重量。仕入れ時には60ディナールだったものが,アルマナでは143ディナールの超高額で販売できた。これで余裕ができる
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 かなりギリギリだったが,依頼期限の当日に古ルシュに到着。ギルドに達成報告を行い,無事に700ディナールの報酬を獲得した。

 さらに,余剰に買い付けた木材を売却。こちらはなんと,70ディナールもの高額がつけられた。ちなみに,購入時の金額は1単位につき8ディナールである。その粗利率,実に88.57%! 食料や給与などの経費をさっぴいても余裕で超黒字だ。

 今回は移動速度を維持するために余剰をあまり持てなかったが,これを大量輸送すればお金の問題は一気に解決するのではなかろうか。こ,これは依頼なんぞ受けている場合ではない。これでひと儲けしてやろう。

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 だが,このままのメンバーで活動するのは心もとない。超高価な木材を大量輸送している無武装の集団など,野盗にとっては鈍足かつ逃走しないメタルスライムみたいなものだろう。

 古ルシュには(予想通り)まともな兵隊がいなかったので,帝都リデルに行って「ルシュ歩兵」「ルシュ弓兵」を兵士として迎え入れる。統率力が低いためか,部隊の最大人数は4人と少なめだが,それでも野盗対策には十分だ。

 また,彼らは戦闘員ではあるものの,ある程度は積載力(重量制限を緩和する数値)を持ち,輸送にも役立ってくれる。彼らを率いて長距離輸送を行い,その合間に達成しやすい依頼を処理していくことで,資金力を高めていく作戦だ。

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 この考えは見事にハマり,なかなか快適に活動ができた。そうしてしばらくすると,エルデライン王国のグラハムを名乗る人物が「科学学院派」に加わってほしいと声をかけてくる。

 そういえば,もともと勢力に属するのが目標だったことを,ここで思い出す。いくらか依頼を達成し,襲ってくる野盗を倒していたら,いつのまにか名声は十分に高まっていたのだが,金を稼ぐのが楽しすぎて士官先を探すという目標を忘れてしまっていた。

 オベリスクには古代の科学技術が刻まれているとのことなので,科学学院派につけばその真実に接近できるかもしれない。渡りに船ということで,サクッとOKを出すことにした。これで,アデルは正式にエルデライン王国の“武将”となったわけだ。

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 これからは所属勢力から給与が支払われるが,同時に王からの命令「主命」が発せられ,それを達成しなければ勢力内での地位が下がってしまう。最初の主命は「農業開発」で,指定された都市について開発に従事せねばならない。

 ここでマップを見ると,目標地点「快楽の街エシュリ」が大陸の真反対にあることが判明。そして期限はあと18日である。それが分かった瞬間,大量の食料を買い込んだ主人公一行は,新たな目標地点へと走り出すのであった。

特定の勢力に所属すると,その配下にある都市がすべてマップに記載される。特産品なども全部確認できるので,そういった意味では非常に便利だ
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 といったところで,プレイレポートはいったん区切りとしよう。体験としては非常に濃密でありながら,ゲーム内では1年しか経過していない。体験版では2年目到達までプレイ可能で,製品版ではこれが100年間楽しめるという。

 まったく知識のない状態から世界を開拓し,独自に作戦をたてて生き方を探っていく体験は,掲げられた“サンドボックス型ストラテジーRPG”というジャンル設定に完璧にそぐう内容だった。世界設定や,それを深掘りできるシステムもうまく構築され,そこに息づく世界を深く感じ取れる。

ひと月が経過するごとに,世界崩壊に向けて進む世界の状況が提示される。「憎悪」と「分断」が高まるほど世界は壊れていくが,これを止める手段はまだ分からない
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 コンテンツが非常に多く,触れられなかった要素はまだまだ多い。街で生活する個人との交流や,統治者としての活動を深めていけば,また違った側面も見えてくるはずだ。体験版の範囲内だけでも相当に遊びごたえがある作品なので,興味を持った人はぜひ自分で遊んでみてほしい。


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