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印刷2025/11/15 12:41

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「BIOHAZARD Survival Unit」のリリースを控える橋本真司氏が,グローバルIP時代におけるプロデューサーの役割を語る[G-STAR 2025]

 韓国で開催中のゲームイベント「G-STAR 2025」の2日目(2025年11月14日),アニプレックス フォワードワークスルーム代表の橋本真司氏による講演「グローバルIP時代におけるプロデューサーの役割」が行われた。
 
画像ギャラリー No.001のサムネイル画像 / 「BIOHAZARD Survival Unit」のリリースを控える橋本真司氏が,グローバルIP時代におけるプロデューサーの役割を語る[G-STAR 2025]

 同氏は,バンダイ時代は「橋本名人」として知られ,スクウェア・エニックス時代は「FINAL FANTASY」シリーズなどをプロデュースしてきた。
 定年退職後はソニーグループに移り,現在は11月18日にリリースされる「BIOHAZARD Survival Unit」iOS / Android)のエグゼクティブプロデューサーを務めている。

 

プロデューサーとディレクターの関係性


 橋本氏はまず,プロデューサーとディレクターの関係性について語った。同氏によれば,ディレクターは「ダイヤの原石」であり,プロデューサーの役割はダイヤが輝けるように環境を整えることだという。
 「ディレクターにビジネスのスキームや予算管理を押し付けるのは難しい。そうした面倒なことを全部引き取るから,いいものを作ってくれというスタンス」と同氏は説明する。

 プロデューサーは,お金を借り,それに利子を乗せて返済し,次の投資を得るというサイクルを回し続けなければならない。
 一方で,そうしたプレッシャーがディレクターに波及すると,ゲームの根幹が揺らいでしまうことがある。「利益を確保したい投資家や会社と,いいものを作りたいディレクターとの間で板挟みになるが,花開くまで耐え忍ばなければならない」と,プロデューサーの苦労が語られた。
 
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グローバル展開の方法


 橋本氏は,グローバル展開の方法についても言及した。「BIOHAZARD Survival Unit」は,韓国のJOYCITYが開発を担当したが,海外企業といちからスマホゲームを作るのは,同氏にとって初めての経験だったという。
 「ずっと日本にいると分からないが,国によってノウハウは全然違う。コンシューマがメインの国もあれば,スマートフォンやPCがメインの国もある」と各国の違いを強調した。

 グローバル展開を実現するには,「それぞれの国で味方を作ること」が重要だという。必ずしも社員である必要はなく,フリーランスでも構わない。「自分にとっての味方を世界中に作っていく。人数の多さではなく,仕事しやすいパートナーを見つけることが重要」と語られた。
 
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納期を守ることの重要性


 橋本氏は,納期を守ることの重要性も指摘する。「1か月スケジュールが延びると,その分の給料を支払わなければならず,損益分岐点が変わってしまう。納期がずれることがプロジェクトにとって最大の危機になる」と説明する。
 「あと1か月あれば,すごくいいものになるという話は100万回聞いた」と苦笑しながらも,延期すればするほどコストが上がり,プロデューサーの首を絞めることになると述べた。

 一方で,数多くのタイトルを手掛けてきた中で,「もう少し粘ればよかった」といまだに後悔しているものもあるそうだ。納期とクオリティの狭間で,プロデューサーは常に難しい判断を迫られている。

 また,プロデューサーが管理すべき要素として,橋本氏は「ヒト・モノ・カネ」を挙げる。とくに重要なのが「キャスティング」だ。
 ここでいうキャスティングとは,声優やタレントだけでなく,プログラマー,ディレクター,キャラクターデザイナーなど,チーム全体の人選を指す。数百人規模のチームでは,セクションごとにリーダーを決め,彼らと毎週打ち合わせを行い,プロジェクト全体を把握していくという。

 「ほぼ毎日相談される。一人ひとりの悩みを,チーム全員分聞かなければならないので,スタートからゴールまで本当に長い旅だ」と,プロデューサーの宿命を語った。

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これからゲーム業界を目指す人へ


 橋本氏は,これからゲーム業界を目指す人に向けて,「プロデューサーの責任は重いが,全体が見渡せるので楽しい。完成して売れたときの喜びは何物にも代えがたい」と,やりがいを強調する。
 世界中のイベントに参加する中で,「あのソフトに出会って,人生が変わった」と言われたこともあるという。「自分が関わったコンテンツが役に立ち,人生の励みになったと言われたときは,やっててよかったと思う」と語った。

 一方で,現在のゲーム業界の厳しさにも触れた。「昔は5タイトル中,1つや2つ失敗しても次のチャンスがあったが,今は未来の保証がない」と,シビアな現実を指摘する。それでも,「保証がないから辞めるのか。やりたくて業界に入ったのだから,精神的に負けてはダメだ」と,諦めない姿勢の重要性を訴えた。

 講演の最後に,橋本氏は「プロデューサーに最も大切なのは,人とのコミュニケーション能力」だと述べた。「100億単位のプロジェクトでは,行ったことがない,話したことがないと言っている場合ではない」という。

 世界中のファンに届けるためには,プロデューサーが現地に行って直接状況を把握することも求められる。「教えてもらうこともできるが,自分で見たほうがいい。プロデューサーの行動力とコミュニケーション能力はすごく重要だ」と強調し,講演を締めくくった。

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