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「仁王3」プロデューサーインタビュー。9割超から好評を得た体験版で,リリースに向けてやるべきことが明確に[CJ2025]
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2025年6月5日の「State of Play」でタイトルが発表され,同時にPS5向けα体験版がサプライズ配信されてからおよそ2か月。その後もさまざまな形での情報発信が行われており,8月1日から4日まで中国・上海で開催されたChinaJoy 2025ではステージイベントが実施され,8月3日には体験版に寄せられたフィードバックデータも公開されている(公式サイトの該当ページのリンク)。
“戦国死にゲー”の最新作「仁王3」が発表に。体験版も本日配信

コーエーテクモゲームスは本日(2025年6月5日)配信された,「State of Play 2025.6.5」にて,“戦国死にゲー”の最新作「仁王3」を発表し,体験版をサプライズ配信した。2026年発売とのことだ。※8:20頃,プレスリリースを追加しました
そんな“戦国死にゲー”としてもおなじみの仁王シリーズ最新作について,ChinaJoy会場でプロデューサーの柴田剛平氏にインタビューを行った。中国での反響や体験版に関するユーザーフィードバックについて話を聞いたので,その内容をお届けしよう。
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「仁王3」公式サイト
「仁王3」体験版インプレッション。サムライとニンジャを切り替えつつ戦う本作は確かに「仁王」であり,同時に「仁王」とは違った何かだ

「仁王3」の体験版が2025年6月5日に期間限定で配信されている。ダークな和の世界観と幅広いビルド,奥深いやり込みで知られた「仁王」シリーズの最新作は,「仁王」的なプレイフィールを持ち,我々が思っても見なかった進化を遂げた作品だった。体験版を1時間ほど試遊できたので,インプレッションをお届けしていこう。
[インタビュー]「仁王3」で目指すのは,サムライとニンジャの「転心」やオープンフィールドといった新しさと「仁王」らしさの両立
![[インタビュー]「仁王3」で目指すのは,サムライとニンジャの「転心」やオープンフィールドといった新しさと「仁王」らしさの両立](/games/916/G091606/20250603034/TN/012.jpg)
日本を舞台としたダーク戦国アクションRPG「仁王3」がついに発表された。5年ぶりの続編発表に喜んでいるファンも多いだろう。まだまだ謎の多い「仁王3」について,キーマンであるTeam NINJAのゼネラルプロデューサーである安田文彦氏と,プロデューサーの柴田剛平氏に話を聞いた。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。ChinaJoy会場の雰囲気はいかがですか。
柴田剛平氏(以下,柴田氏):
何かこう,パワーを感じましたね。各ブースの造形物がすごくて,競い合っているようで。
ゲームに対する勢いや,今後の成長を予感させるような雰囲気を感じました。
4Gamer:
「仁王3」は全世界に向けてリリースされるタイトルですが,その中の1つである中国の市場やプレイヤーをどのように見ていますか。
柴田氏:
近年中国では,特にアクションゲームやアクションRPGのジャンルで非常にいいゲームが作られていますし,同時にそこへの注目がすごく集まっていると感じています。
4Gamer:
確かに「黒神話:悟空」は大ヒットしましたし,今年のChinaJoyにもそれに続こうとする新作が数多く出展されていて,来場者の注目を集めていると感じます。
柴田氏:
「仁王3」体験版のデータで見ても,日本以外のアジア地域のプレイヤー数が非常に伸びていたんです。
今までも感じてはいたことですが,中国のみなさんのゲームに対する興味がさらに強くなっているように思います。
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4Gamer:
数字として表れているんですね。このインタビューの前に,中国メディアの合同インタビューがあったと聞いていますが,そちらの雰囲気はいかがでしたか。
柴田氏:
予想以上に仁王シリーズに対して興味を持って,プレイしていただけていると感じました。中には「仁王は最高のゲームだと思います」とわざわざ伝えてくださる方もいらっしゃって。
そこは何ていうんでしょうね,ちょっと愛を感じると言ったら大げさかもしれませんが,「好きだからこういうことを聞きたい」というような思いを感じられました。
4Gamer:
その反応を聞くと,データは間違いなさそうですね。
その体験版では,総合評価を「とても良かった」「良かった」としたプレイヤーが90.9%にもなったそうですが,それに対する率直な感想を聞かせてください。
柴田氏:
めちゃくちゃうれしいです。ここで不評だったら無理にでもすぐ修正版を出さなきゃいけないかとドキドキしていたので。
ニンジャスタイルの追加やオープンフィールドなど,本当に新しいチャレンジをしているので,そこに反発があることも心配していました。もちろん改善や修正を要望されている部分もありますが,全体的にすごく好意的に受け止めていただいている方が非常に多くて,そこは本当にうれしかったですね。
4Gamer:
好評の理由はいくつかあると思いますが,大きいものとしては何になるでしょうか。
柴田氏:
今回大事にしていたのが,新しいチャレンジはするけれども,仁王の楽しさ,「これは仁王だね」という感覚は絶対崩しちゃダメだよねという考えですね。
保守的な意味ではなく,そこをしっかり維持したうえでで新しいことにチャレンジしたことがよかったのかなと思います。
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4Gamer:
その「仁王らしさ」にもいろいろあると思いますが,具体的に挙げるとしたら何になるでしょうか。
柴田氏:
密度だったり,達成感だったりといったところです。これまでの仁王はミッション制で,それによって緊張感がしっかり保たれたゲーム性になっていたと思っていますが,オープンフィールドになっても緊張感があるものにできたのではないかと思っています。
オープンの自由度とともに緊張感もある,といういいバランスが取れたところですかね。
4Gamer:
仁王シリーズの作品は日本が舞台で,有名な武将なども登場します。日本のプレイヤーにとってはなじみ深くて,世界設定や人間関係などもすんなり入ってくると思いますが,世界に向けて発信するうえで,物語やキャラクター設定で意識していることはありますか。
柴田氏:
「仁王3」で公表できる部分でいうと,主人公が将軍になろうとしている設定がそれに当たるかなと思います。
アメリカのドラマ「SHOGUN 将軍」がヒットしましたけれど,未熟な若者が成長して侍のトップになるということは,ほかの国であれば王を目指すことなので,普遍的なテーマになると思っています。
4Gamer:
それは確かに分かりやすいと思います。
柴田氏:
もう1つ,仁王をプレイして,登場人物に興味を持って調べたら,実在の人物であることが分かる……という経験は非常に強いと思っています。仁王はもちろんファンタジーですが,史実も大事にしているので。
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4Gamer:
その体験は日本人だと逆に難しそうですが,インパクトがありそうですね。
6月のインタビューでは,開発にあたって「ミスした際に,理不尽さを感じない」ものにすることを意識しているというお話がありました。これは難度設定にもつながると思うのですが,たとえばどんな作りであれば,理不尽さを感じないものになるのでしょうか。
[インタビュー]「仁王3」で目指すのは,サムライとニンジャの「転心」やオープンフィールドといった新しさと「仁王」らしさの両立
![[インタビュー]「仁王3」で目指すのは,サムライとニンジャの「転心」やオープンフィールドといった新しさと「仁王」らしさの両立](/games/916/G091606/20250603034/TN/012.jpg)
日本を舞台としたダーク戦国アクションRPG「仁王3」がついに発表された。5年ぶりの続編発表に喜んでいるファンも多いだろう。まだまだ謎の多い「仁王3」について,キーマンであるTeam NINJAのゼネラルプロデューサーである安田文彦氏と,プロデューサーの柴田剛平氏に話を聞いた。
柴田氏:
1つの例として「隙を作る」みたいなところがあります。プレイヤーが「その隙を突けば倒せそう」と分かって,攻撃しすぎると反撃を喰らう,みたいな。
ちゃんと冷静に見極めて,敵の出どころをうかがえるような瞬間をあえて作るといった感じです。
4Gamer:
自分も,敵の隙を突くときに欲張っては痛い目を見て反省することが多いので,それはよく分かります。
話は体験版のデータに戻るのですが,すでに90%以上のプレイヤーから好評を得ているとなると,これからどのあたりをブラッシュアップしていくのでしょうか。
柴田氏:
体験版は好評でしたが,決して100点満点ではないと思っています。
気になる部分についてはさまざまな声をたくさんいただいていて,我々も確かにそうだと思うところはいくつもありますから。
4Gamer:
お話しできる範囲でしたら,具体的な例をいただけないでしょうか。
柴田氏:
今回,転心にボタンを1つ割り当てた影響で,今までボタンの組み合わせで出していた技にスティック操作を入れました。スティックを入れながらのアクションはこれまでと違う手触りになったので,ボタン入力でも出せる設定を追加します。
また,敵もジャンプを使うため,空中の敵向けにちょっと違うアルゴリズムを入れたんですが,戦いづらいという声があったため,そのあたりにも手を入れます。
もちろん,体験版は本当に限られた範囲のものですので,そこから先に広がっている世界の部分をしっかり作り込んでいきます。面白いと思っていただけているところもブラッシュアップして,より満足度を高めたいと思います。
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4Gamer:
あまりにも体験版の時点で反応が好評だと,それはそれで今後に向けてのプレッシャーになったりもしませんか。
柴田氏:
そういう面もありますが,さきほどもお話ししたように,まずはうれしいことですし,チームをねぎらいたいです。
そのうえで,作っている側としては,「ここは成功だった」「ここは直さなきゃいけない」とやるべきことが明確になったと思います。
4Gamer:
確かに。基本的な部分に問題がなければ,作業もしやすそうですね。
リリースまではもう少し時間がありそうですので,プレイヤーとしては,例えば東京ゲームショウや,新たな体験版などで本作に触れる機会があればいいなと思うのですが,いかがですか。
柴田氏:
ゲームショウで何らかの発表は予定していますし,次の体験版についても,まだ決まってはいませんが,いろいろと検討しているところです。
4Gamer:
楽しみです。それではお時間のようですので,「仁王3」に期待している人に向けてのメッセージをお願いします。
柴田氏:
α体験版を本当に多くの方にプレイいただいて,非常に参考になる意見もたくさんいただき,ありがとうございました。
それをもとに改善を進めていって,体験版以上のクオリティで「仁王3」を完成させようと思ってますので,ぜひ楽しみにお待ちください。
4Gamer:
ありがとうございました。
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「仁王3」公式サイト
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- 編集部:荒井陽介
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