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日本上陸を控えるAAA級MMORPG「逆水寒」の開発者にインタビュー。非Pay to Winの課金システムや,最新AIの活用が特徴[TGS2025]
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本作は,同社傘下のZhurong Studioが手掛けるMMORPGだ。中国の北宋時代を舞台とし,温瑞安氏の武侠小説シリーズ「四大名捕」の「逆水寒」を原作としている。
中国では,2018年にPC版,2023年にモバイル版がリリースされ,収益面でもトップクラス。NetEase Gamesを代表するタイトルのひとつとなっている。
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9月26日から日本初のクローズドβテストも始まったいま,海外チーフプランナーを務めるMumu氏(Ford Zheng氏。顔出しはNGとのこと)にインタビューしてきたので,その模様をお届けしよう。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは,逆水寒について簡単に説明してもらえますか。
Mumu氏:
逆水寒は,次世代のオープンワールドMMORPGで,最先端のAI技術を豊富に取り入れています。現在,中国大陸,香港,マカオ,台湾でサービスしていて,今年中に日本を含むグローバル向けにリリースする予定です。
4Gamer:
中国での反響はどうですか。
Mumu氏:
多くの若い世代にとって,初めてのMMORPGとなり,高い評価を得ています。とくに,戦力と関係のない外観中心の課金システムと,さまざまな遊び方ができる自由度の高さが人気です。
4Gamer:
Pay to Winではないということですか?
Mumu氏:
はい。主な収益はコスチュームで,いわゆるPay to Winの要素はありません。無料コスチュームも1000種類以上ありますが,有料のものも飲み物1本分の価格から用意しています。
4Gamer:
その形式で,これほどの収益をあげているのは驚きです。
先ほど,ブースで行われたファッションショーは,中国の伝統的な衣装が中心でした。ゲーム内の衣装も,伝統的なものに限定されていますか。
Mumu氏:
世界観に沿った衣装はもちろん,SF系,かわいい系,セクシー系,学生服など,さまざまなスタイルのコスチュームを提供しています。すべてのコスチュームは,色の変更や形の調整が可能で,プレイヤーの想像力次第で無限のバリエーションが生まれます。
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4Gamer:
ブースでは,ゲームも体験してきました。最も驚いたのは,ダンジョンの途中で,3DアクションRPGから2Dプラットフォーマーにスタイルが変わったことです。あのダンジョンの特別な仕様ですか。
Mumu氏:
はい。あれは,ダンジョン「秋岚画院」の演出で,水墨画の世界を表現するために特別に2D表現を採用しました。
4Gamer:
素晴らしい演出でした。それ以外も,全体的にグラフィックスの華やかさが印象に残りました。
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4Gamer:
一方で,すでにサービス中のゲームだからか,体験できるコンテンツの量が多く,何をするか決めるのが難しかったです。すべてをプレイする時間がない人に,おすすめの遊び方はありますか。
Mumu氏:
自由度の高さが魅力なので,特定のコンテンツを挙げるのは難しいですが,時間がない人でも楽しめる設計になっています。
デイリーミッションは最短2〜3分で完了し,ミッション内容を自分で選択できます。戦闘が好きな人はダンジョン系を,そうでない人はハウジングや写真撮影のミッションをプレイするのがおすすめです。
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4Gamer:
ストーリーについても聞きたいです。武侠小説を原作としているそうですが,中国の人はみんなが知っているような小説なんでしょうか。
Mumu氏:
もともと人気の小説ですが,割合で言えば「ゲームの成功によって,原作を知った人」のほうが圧倒的に多いです。小説をもとに世界観を構築していますが,ゲーム内のストーリーは99%がオリジナルなので,原作を知らなくても問題ありません。
4Gamer:
正直なところ,逆水寒(Sword of Justice)という表記を見るたびに,若干の違和感があります。3つの漢字の印象と,直訳すると「正義の剣」な英名がつながりません。
中国では,逆水寒という言葉に,慣用的な意味があるんでしょうか。
Mumu氏:
逆水寒は,原作小説における剣の名前で,英名のSword of Justiceは,それを反映しています。
漢字の意味は変わらないので,中国人がタイトルを読んで抱く印象と,日本人がタイトルを読んで抱く印象は近いと思います。「正義」や「剣」を強く意識することはなく,IPの名称として認識されています。
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4Gamer:
PC版とモバイル版は,どちらのほうがプレイヤーが多いですか。
Mumu氏:
多くのプレイヤーが昼はモバイル,夜はPCという形で遊んでいるので,回答が難しいです。データは完全に連携されていて,同じアカウントでプレイできます。
4Gamer:
「最新AIの活用」を押し出していますが,具体的にはどのような部分に使用していますか。
Mumu氏:
キャラクターメイク,NPCとの会話,表情・モーション,音声,動画生成など,さまざまな場面でAI技術を活用しています。
AIはプレイヤーを代替するものではなく,支援するものです。プレイヤーがやらなくてもいい作業を,AIが代わりに行ってくれるので,プレイヤーはゲーム本来の楽しさに集中できます。
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4Gamer:
アップデート計画を教えてください。
Mumu氏:
小規模なアップデートを毎月,シーズンアップデートを2か月ごと,大規模アップデートを4か月ごと,年次アップデートを年1回実施しています。多くのコンテンツはプレイヤーの声から生まれており,プレイヤーが望む機能を積極的に実装していきます。
4Gamer:
先行する中国版と比べて,グローバル版のリリース時期が遅れていることには,どうアプローチしますか。
Mumu氏:
すべてのコンテンツをグローバル版に実装すると,膨大な量になってしまうので,段階的に開放していきます。
ただし,中国版で評価の高かった技術や,優れたゲームプレイ,人気のコスチュームなどは,グローバル版でも早めに提供する予定です。
4Gamer:
日本のプレイヤーへのメッセージをお願いします。
Mumu氏:
9月26日からクローズドβテストが始まります。楽しんでプレイし,ご意見やフィードバックを送っていただけると嬉しいです。
東京ゲームショウのあとも,新情報を継続的に発表していきます。正式リリースを迎えられる日が楽しみです。
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「逆水寒(Sword of Justice)」公式サイト
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