
プレイレポート
文章に“ない”を足し引きして解く論理パズルゲーム「黒くないカギで開かないドアはない」を紹介[BitSummit]
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本作は,個人ゲーム開発者のZeF氏が手がけるタイトルだ。氏は多数のパズルゲームを制作し公開しているクリエイターで,本作もunityroomにて無料版が公開されている。現在はボリュームを拡大したSteam版が制作中だ。
本作は ルール文で作られた世界を冒険するアクションパズルゲームだ。プレイヤーは,女神から“否定を操る力”を授けられた主人公を操り,囚われた姫を助けに行くためにさまざまなステージに挑戦する。
主人公が挑む各ステージにはゴールとなる扉とカギが設置されており,カギを取得した後に扉の位置まで移動すれば,ステージクリアだ。
しかし,この世界にはルール文があらゆるところに設置されており,各ステージはその内容に則って形作られているため,一筋縄ではゴールにたどり着けない。
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たとえば,「この空間にカギはない」「ゴールは存在しない」というルール文がステージ内に存在した場合,そもそもゴールとなる扉も,それを開けるカギも存在しないことになるため,クリアそのものができない。カギがあったとしても「カギは重くない」というルール文のせいで,取れるはずもない空中にプカプカ浮いていることもあるのだ。
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これらを打開するのが,主人公が女神から授けられた“否定を操る力”だ。これは,ルール文の中にある「ない」(否定)という言葉を足し引きできるという能力で,これを駆使して,ゴールへの道を切り開いていく。
たとえば,「ゴールは存在しない」という文から「ない」を引くと,「ゴールは存在する」という文になるので,ステージ上にゴールの扉が出現する。空中に浮かぶカギも「カギは重くない」という文から「ない」を取ってやると,「カギは重い」と世界のルールが書き換わり,カギが手の届く位置に落下するのだ。
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「赤の文は嘘である」といった具合にほかのルール文自体に影響を与えている文もあり,これを「赤の文は嘘ではない」と「ない」を足して書き換えることで,赤字で書かれた分をすべて肯定し,ルールを大きく変更することもできる。
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パズルゲームとして完成度はかなり高く,ステージ全体の構成を見つつ,どう「ない」を足し引きしていくかの逆算が非常に面白い。足場がルール文で構成されていることを使ったちょっと捻ったものなど,なるほどと思わされるギミックも多く,試遊版に存在した6ステージを楽しくプレイできた。
unityroomで公開されている無料版でもその魅力は十分に伝わるので,気になった人は以下のリンクから遊んでみて,Steam版をウィッシュリストに登録してほしい。
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「unityroom」Zef氏の公開タイトル一覧
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黒くないカギで開かないドアはない
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