
プレイレポート
[プレイレポ]「ドンキーコング バナンザ」は“壊して進む”が面白い! 地下世界を破壊と変身で道を切り拓く,ワイルドかつ爽快な3Dアクション
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言わずと知れた任天堂の看板役者であるドンキーコング(DK)が,不思議な歌声を持つ少女・ポリーンを相棒に,地下世界のはるか奥にある“星の中心”を目指す旅が描かれる。驚異的な身体能力を持つDKが,各層によって異なる特徴を持つ地下世界を自由に破壊しながら縦横無尽に駆け回る爽快さが魅力だ。
“破壊”というとなにやら物騒な感じもあるが,そこはドンキーコングシリーズ。ワイルドながらもコミカルな表現,アーティスティックで色鮮やかなビジュアル,そして“壊すこと”があらゆるものにつながっている面白さが追求された,素晴らしいアクションゲームに仕上がっている。
そんな本作を発売前にプレイできたので,本稿では“壊して進む”が魅力の本作の面白さをお届けしていこう。
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「ドンキーコング バナンザ」公式サイト
いろいろ壊せてドラミングできて,今度のドンキーコングはなんか“コング感”がすごい! 「ドンキーコング バナンザ」をプレイ[Switch 2先行体験]
![いろいろ壊せてドラミングできて,今度のドンキーコングはなんか“コング感”がすごい! 「ドンキーコング バナンザ」をプレイ[Switch 2先行体験]](/games/897/G089771/20250403047/TN/020.jpg)
今度のドンキーコングは3Dアクション! 任天堂が2025年7月17日に発売を予定しているSwitch 2用ソフト「ドンキーコング バナンザ」は,思わずDKと一緒にドラミングしたくなるような“掘って壊して,見つけて進む”が楽しいゲームだった。
想像以上に行動の中心となるもの
……それは“破壊”と“バナナ”だ!
黄金のバナナ「バナモンド」という,世紀の大発見に沸くインゴス島。そこに訪れたバナナ大好きドンキーコング(DK)だったが,突然襲った大嵐に巻き込まれ,地下に飛ばされてしまう。
そこでDKが出会うのが,特別な歌声を持つ少女・ポリーン。「バナナがたくさんほしい」というDKの願いと「地上に帰りたい」というポリーンの願いをかなえるため,ふたり(ひとりと1匹?)はタッグを組み,どんな願いも叶うといわれる星の中心を目指していく。
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道中で出会う相棒のポリーンは,13歳の少女である。
ポリーンといえば,ドンキーコングやマリオのゲームではおなじみの女性の名前だ。初期は“レディ”と名前で登場し,さまざまなゲーム展開といろいろな経緯を経てポリーンという呼びかたに。近年のゲームであれば,「スーパーマリオ オデッセイ」に登場するニュードンクシティの市長であるポリーンが印象的だ。
もともとポリーンといってもゲームによってちょっと違う存在ではあったが,今回のポリーンは13歳の少女。いままでのイメージとそして最近親しんでいたポリーンが大人の女性(市長)だったこともあり,いろいろ予想外で驚かされる。
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これはまったく新しいドンキーコングの話の始まりか? それとも別の世界線の話なのか? とほかの作品とのつながりは気になるところではあるけど,とにかくこの変わったコンビは,それぞれの目的のため星の中心を目指すことになる。
星の中心は地中深くにあるので,中心を目指すというのはつまりどんどん地下へと潜っていくことを指す。地下世界は,深さによって景色が変わる奇妙な場所だ。階層ごとに荒野,原生林,海のリゾートなど,まったく違う景色が広がっている。
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本作での基本行動はとにかく“破壊”である。建物の壁,天井,床はもちろん,地面に草木,足場や看板,モニュメント,さらに一部のNPC(?)など,世界の土台となっているようなところ以外は基本的にすべて破壊できる。
事前にNintendo Directなどで公開されていたムービーを見てはいたが,実際にそれを体験してみると予想を超える破壊可能範囲だと驚く。よくゲームとして破綻しないように作れたものだと。
この破壊の感覚は,実に気持ちいい。Nintendo Switch 2 に搭載されたHD振動2の本領発揮といったところだ。
いろいろ壊せてドラミングできて,今度のドンキーコングはなんか“コング感”がすごい! 「ドンキーコング バナンザ」をプレイ[Switch 2先行体験]
![いろいろ壊せてドラミングできて,今度のドンキーコングはなんか“コング感”がすごい! 「ドンキーコング バナンザ」をプレイ[Switch 2先行体験]](/games/897/G089771/20250403047/TN/020.jpg)
今度のドンキーコングは3Dアクション! 任天堂が2025年7月17日に発売を予定しているSwitch 2用ソフト「ドンキーコング バナンザ」は,思わずDKと一緒にドラミングしたくなるような“掘って壊して,見つけて進む”が楽しいゲームだった。
しかも,コントローラのB,X,Yボタン……つまりジャンプのアクションが設定されたAボタン以外は,“破壊”のアクションをするボタンである。つまり,なんかいろいろばしばしボタンを押しているだけでも,存分に破壊の爽快さを味わえるのだ。
移動が大変になるほど壊しまくってしまったときでも安心。壊した地形のリセットも,マップ画面からボタンひとつで行える。もちろん,新たな気持ちで破壊をしたいときにもおすすめだ。
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今から,この景色を破壊します |
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ボコッ! バコッ!! |
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アーチのような壁全体と左側上部の建物,その下にあった土台の岩が消えたことがお分かりいただけるだろうか。もっと時間をかければ,さらにさっぱりした画面にできてしまう |
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破壊の感覚は実に楽しいが,DKに地元の土地を破壊されまくっている住人の皆さんの反応が気になってしまうのは,筆者だけではないはずだ。
でも,安心してほしい。驚くほどみんな気にしていないのだ。破壊の衝撃にちょっとびっくりするくらいで,「俺の村を壊しやがって!」などと怒る人(人間はほぼ出てこないけど)は皆無。「パワフル〜!」などと褒めてくれさえする。
DKが行う破壊に対しての怒りや喪失感はまったくない世界なのである。むしろ物語的には,DKが破壊することは救済につながる行動だったりもする。破壊するとみんなが助かる。バナナも手に入るし,たぶんポリーンは地上に帰れるのだろう。いいことずくめだ。
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破壊がどうして皆の救済やゲームの攻略につながるのか? ここからはそれを紹介していこう。
冒険の舞台となるフィールド上には,メインのストーリーを追っていける黄色い吹き出しの「!」マークが表示されていて,これを追いかけ発生するイベントをこなしていれば,物語は進行する。
階層ごとにそこの住人たちが抱えている問題を解決し,DKとポリーンの行く手を阻む「ヴォイドカンパニー」からの刺客を倒す(もしくは彼らとの直接対決に勝利する)と,次の階層につながる巨大トンネル「シンクホール」が開いて,先に進めるという仕組みだ。
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物語の本筋を追う以外にも,フィールドには多様な仕掛けや,さまざまなミニゲームに挑める「遺跡チャレンジ」のポイントが散りばめられており,探索の楽しみには事欠かない。
チャレンジの先に待っているご褒美は,もちろんDKが大好きなバナモンドだ。地下世界のさまざまな場所に隠されているバナモンドを集めていくと,5本で1スキルポイントに変換され,DKのさまざまなスキルを開放できる。
たとえば,体力ゲージであるハートの数を増やしたり,DKの破壊する力を強くしたりするほか,特殊な技も習得可能だ。
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フィールドを破壊していると,アイテムなどの購入に使えるゲーム内通貨のゴールドや,アパレルショップでDKやポリーンの衣装と交換できる化石などを掘り起こすことがある。
さらに,バナナや化石のありかが示された地図を入手することも。バナモンドや化石はかなりの数が存在するので,適当にそのあたりを破壊するだけで偶然見つかったりもするが,コンプリートを目指すとなると地図の存在がありがたい。
クリアするとバナモンドが手に入る遺跡チャレンジは,ルールや種類も豊富なミニゲームが遊べるのだが,これももちろんDKの破壊を軸としたものになっている。適度な難度でゲームのリズムに乗って気持ちよくプレイできてこれまた楽しい。
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アクションの見逃せないポイントとして,「バナンザ変身」についても触れておきたい。メインシナリオが進んでいくと,ポリーンの歌のチカラでDKがさまざまな姿に変身し,その見た目に応じた能力を一定時間得られる。
例えば,「コングバナンザ」ならよりDKが強く,大きくなるし,「シマウマバナンザ」なら,通常は歩くことのできない水上や薄氷の上を走り抜けられる。「ダチョウバナンザ」は翼で空を滑空したり,気流に乗って高いところに飛び上がったり,卵の爆弾を落としたりと,攻略に役立つのはもちろん,冒険をエキサイティングにしてくれるパワーアップがたくさんある。
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ゲームの進めかたとしては,楽しく破壊しまくりながらバナモンドや化石を集めたり,チャレンジを進めたりと,気になったところから好きなように進めていくのがいいだろう。おそらく,そんな自由な進めかたを推奨するようなつくりになっている。
遺跡チャレンジは,物語を進めるうえではいったん無視しても構わないし,あとからワープで前の階層に戻ってバナモンドや化石をコツコツ集めたっていい。ファストトラベルは階層だけでなく,各エリア内のチェックポイント間でも行えて,移動にストレスはない。
たくさんの遊具が設置された広い公園で好きなように遊んでいるうちに強くなり,自然とゴールへの道が近くなっていく……というような感覚だ。また,その流れは実にリズミカルで,アップテンポの音楽に乗ってビートを刻んでいるような楽しさがある。
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個人的な推しポイントのひとつは,360度回転し,角度も変えてみることができるマップを閉じたとき,カメラの向きもマップ内で向いていた方向になっていることだ。
本作のマップは高低差が大きく,DKの破壊によって景観が変わりやすいので,自分がどこにいるか,どの方向を向いているかを掴みにくい場合もある。しかしこの仕様により,マップでは位置確認したけれど,閉じてみたら自分がどこを向いているのかが分からなくなって,もういちどマップで確認する,ということがなくなった。小さな配慮だが,これはプレイのしやすさに大きく寄与していると感じる。
ほかにも,ファンキーでイケてる長老たち,ノリノリで最高のBGM,別荘で一休みしているときに聞けるポリーンとの雑談など,推したいポイントはたくさんある。オブジェクトの“大きさ”の表現も秀逸で,TVモードはもちろん携帯モードやテーブルモードでも「大きい!」という迫力を感じられる。
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たくさんのお楽しみ要素に横のつながりがあり,それらを楽しさのままに遊んでいればクリアに近づいていくというデザインが素晴らしい。一歩進むごと,ワンアクションごとに楽しんでもらいたいという制作陣の心意気が感じられる,爽快,痛快,スピード感満載の,多くの人に勧めたい作品だ。
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「ドンキーコング バナンザ」公式サイト
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ドンキーコング バナンザ
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