プレイレポート
[プレイレポ]荒廃した世界で芽生える絆と恋。少女と人型兵器が運命に立ち向かう「悠久のティアブレイド」,Switch版をひと足先に体験
オトメイトの名作をNintendo Switchで楽しめる“オトメイト グラフィティ”シリーズの1作として,「悠久のティアブレイド for Nintendo Switch」が加わり,2025年8月7日に発売される。![]() |
本作は,最終戦争で荒廃した世界を舞台に,悠久のときを生きる少女と,彼女を守る人型兵器【ティアブレイド】,そして彼女と出会う少年たちの絆を描く,SFファンタジー×恋愛アドベンチャーだ。
2016年にPlayStation Vita向けに発売された本編「悠久のティアブレイド -Lost Chronicle-」と,翌年のファンディスク「悠久のティアブレイド -Fragments of Memory-」を1本にまとめて収録している。
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本稿では,本編「悠久のティアブレイド -Lost Chronicle-」を中心に,先行プレイの内容をレポートする。結末には触れていないが,物語の描写や画面写真を含むため,完全なネタバレを避けたい人はご注意を。
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青年たちとの出会いが,主人公の運命を動かす
本作は,最終戦争で荒廃し,大気汚染によって人類の寿命が著しく短くなった過酷な世界を舞台にしている。
主人公は,世界から隔離された巨大地下シェルター【ネオスフィア】で,管理AI【クレイドル】とともに約3000年を生きてきた古代人の少女だ。
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古代人が作った【ネオスフィア】は,豊かな自然と高度な文明に包まれた空間だが,現在そこに暮らしているのは主人公1人だけ。
隔離された世界で育った彼女は,どこかマイペースでピュアな性格をしており,儚げな印象も相まって,まさに“浮世離れした存在”といえる。
一方で,夏の暑さが苦手だったり,気になるものを集めたがったりと,好奇心旺盛で共感できる面も多く,とても魅力的な女の子だ。
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悠久の時間を管理AI【クレイドル】と過ごしていた彼女のもとに,外の世界から少年たちが現れたことで,物語は大きく動き出す。
物語は主人公だけでなく,ほかの登場人物たちの視点からも描かれる。
【ネオスフィア】の外には国が存在し,住人たちは“素質”によって管理されている。その制度から外れた者たちはスラム街で暮らしており,何でも屋を営む青年シュドもその1人だ。
ある日,彼のもとを,身なりの良い逃亡者アタルヴァが訪ねてくる。アタルヴァは探している人物がいると話し,道案内を依頼するのだった。
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明らかに厄介な依頼に最初は難色を示すシュドだが,アタルヴァから「古代人は地上を浄化できる」と聞き,大切な家族を救うため協力を決意する。
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政府軍に追われながらも【ネオスフィア】にたどり着いた2人は,ついに古代人の少女である主人公と出会う。
豊かな自然に包まれた【ネオスフィア】の環境に驚きつつ,目的の人物に出会えた喜びを見せるシュドとアタルヴァ。そして,【クレイドル】以外の存在と初めて会話を交わせた主人公の,うれしそうな表情も印象的だ。
主人公が長らく1人で過ごしてきたと知り,「外の世界に出るべきだ」と優しく背中を押すシュドの姿も心に残る。
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だが,平和な時間は長くは続かない。政府軍が追手としてロボットを差し向けてきたのだ。なんとも執念深い対応である。
主人公はロボットの攻撃にさらされ,絶体絶命の危機に陥る。そのとき,彼女を守るようにして純白の人型兵器【ティアブレイド】が姿を現す。そして,少年の1人が【ティアブレイド】に選ばれることになる──。
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少年たちとの出会いを通じて,人と別れることが“悲しい”という感情を思い出した主人公。彼女は,シュドの願う“地上の浄化”を実現するために,【ネオスフィア】の外へ出る手段を探し始める。
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【ネオスフィア】は何のために作られたのか,そしてなぜ主人公だけがそこに残されているのか。アタルヴァとは何者で,なぜ軍に追われているのか。次々と謎が浮かび上がり,物語の行方がますます気になる展開になっている。
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世界観も物語も重厚で,胸が痛むようなシーンも少なくない。しかし,コミカルな会話や胸がキュンとするような描写も多く,シリアス一辺倒ではない多彩な展開が楽しめる。物語の緩急を含め,ぜひ注目してほしい。
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【ネオスフィア】を歩き回って,気になる彼に会いに行こう!
恋の相手となるのは,運命的な出会いを果たしたシュドとアタルヴァ,そして主人公と同じ古代人であるヤジュルの3人だ。
シュド(CV:石川 界人)
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アタルヴァ(CV:寺島 拓篤)
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ヤジュル(CV:近藤 隆)
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シュドたちとの出会いもドラマチックだったが,ヤジュルとの邂逅はとくにインパクトが強く印象に残った。本人も自分の状態に驚いており,本作の文明レベルの高さを物語る象徴的なエピソードとなっている。
たくましく快活なシュド,不器用なお坊ちゃま系のアタルヴァ,女性好きな頼れる大人のヤジュル。三者三様の個性を持つ彼らとの交流を重ねるうちに,その魅力がますます際立っていく。
なお,本作は1人のルートだけでは物語の全貌が明かされない構成となっており,全員との恋模様を見届けたくなるような,奥行きのある作品に仕上がっている。
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さらに,主人公を長く支え続けてきた【クレイドル】との心温まるエピソードも用意されている。序盤ではロボットの姿をしているが,別の形態も登場するため,ぜひ注目してほしい。
クレイドル(CV:柿原 徹也)
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一方,政府軍には主人公に強い執着を見せる男,ロウの姿も。彼の願いは,なんと主人公と“ともに死ぬ”こと――。なぜ彼がそんな歪んだ想いを抱いているのか,その理由も物語の鍵になりそうだ。
ロウ(CV:松岡 禎丞)
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物語の途中では選択肢が登場し,相手に合ったものを選ぶと好感度が上昇する。好感度はエンディング分岐に影響するため,気になる相手に合わせた選択を意識してみよう。
好感度の上昇は「愛キャッチシステム」で視覚的に確認できるため,狙ったルートに進みやすい。また,クイックセーブ&ロードや既読スキップなどの便利な機能も充実しており,周回プレイも快適だ。
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加えて,【ネオスフィア】内部を自由に移動できる「散策モード」も用意されており,男性キャラクターとのイベントが発生することも。好感度を上げるチャンスなので,こまめにチェックしたい。
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【?】マークのある場所を訪れると,「ガラクタ」を拾うことができる。美しい造形のガラクタは,ただの収集品ではなく,世界観を深く知る手がかりにもなる。ぜひ積極的に集めてみよう。
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世界の歴史を紐解ける
「悠久のティアブレイド -Fragments of Memory-」
ファンディスク「悠久のティアブレイド -Fragments of Memory-」では,物語の出来事が歴史の断片【フラグメント】として年表形式でまとめられている。本編のネタバレを多く含むため,クリア後のプレイが推奨される。
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【フラグメント】を再生することで,物語を追体験でき,再生後には新たな【フラグメント】が開放されていく。「悠久のティアブレイド -Fragments of Memory-」でしか登場しないキャラクターも多数存在するので,すべてを開放し,物語の真相を確かめてほしい。
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各店舗にて,現在予約受付中だ。予約特典として,2016年発売の「悠久のティアブレイド -Lost Chronicle-」および2017年発売の「悠久のティアブレイド -Fragments of Memory-」の限定版パッケージイラストを使用した,通常版サイズのスリーブケースが付属する(数量限定)。
また,特典小冊子と復刻ドラマCDを収録した特装版も数量限定で登場。店舗別の特典も用意されているので,詳細は公式サイトをチェックして,気になる店舗で予約しよう。
「悠久のティアブレイド for Nintendo Switch」公式サイト
(C)IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY