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[インタビュー]「モンスターハンターパズル アイルーアイランド」が1周年! アイルーのデザインに無限に苦労してきた数年間
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印刷2025/06/25 07:00

インタビュー

[インタビュー]「モンスターハンターパズル アイルーアイランド」が1周年! アイルーのデザインに無限に苦労してきた数年間

 アイルー×パズル×島づくりを魅力とした,カプコンのスマホゲーム「モンスターハンターパズル アイルーアイランド」iOS / Android。以下,モンハンパズル)が,2025年6月27日にサービス1周年を迎える。

画像ギャラリー No.039のサムネイル画像 / [インタビュー]「モンスターハンターパズル アイルーアイランド」が1周年! アイルーのデザインに無限に苦労してきた数年間

 本作は名称通り,「モンスターハンター」シリーズの世界観を用いたパズルゲームだ。モンハンおなじみのネコ風な獣人「アイルー」とマッチ3パズルに挑戦し,モンスターたちに荒らされた島を復興していく。

 記念すべき1周年では,スマホ畑の同胞「モンスターハンターNow」とのコラボ第2弾をはじめ,各種キャンペーンやラギアクルス希少種の襲来イベントなど,さまざまな施策が予定されている。

画像ギャラリー No.012のサムネイル画像 / [インタビュー]「モンスターハンターパズル アイルーアイランド」が1周年! アイルーのデザインに無限に苦労してきた数年間

 今回は,本作が周年にたどり着くまでの道のりを,プロデューサーの和田貴志氏と,ディレクターの安村恵一氏にインタビューしてきた。
 アイルーのデザインはどうするべきか。パズルをよりおもしろくするには。今に至るまでになかなかに試行錯誤があったそうな。

 また昨今は,シリーズ最新作「モンスターハンターワイルズ」が誇張なしの大旋風を巻き起こしたばかり。シリーズ全体の気運が高まっている今,モンハンパズルはどのような道を進んでいくのか?

 さっそく聞いてみるニャ!

左からプロデューサーの和田貴志氏,ディレクターの安村恵一氏
画像ギャラリー No.001のサムネイル画像 / [インタビュー]「モンスターハンターパズル アイルーアイランド」が1周年! アイルーのデザインに無限に苦労してきた数年間

いくつか設定資料ももらったので,散りばめていくニャ!
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 カプコンは,スマートフォン向け新作パズルゲーム「モンスターハンターパズル アイルーアイランド」を,6月27日にリリースする。マッチ3パズルの手軽さと,可愛いアイルーの活躍が同時に味わえる本作の魅力をレポートする。

[2024/06/26 12:00]

「モンスターハンターパズル アイルーアイランド」公式サイト

「モンスターハンターパズル アイルーアイランド」ダウンロードページ

「モンスターハンターパズル アイルーアイランド」ダウンロードページ



「母に勧められるモンハンができた」


4Gamer:
 モンハンパズルの1周年,おめでとうございます。
 まずはお二方の簡単な自己紹介をお願いします。

和田貴志氏(以下,和田氏):
 プロデューサーを務める,和田と申します。

安村恵一氏(以下,安村氏):
 ディレクターの安村です。今日はよろしくお願いします。

4Gamer:
 こちらこそ,よろしくお願いします。
 はじめに,リリースから1年経った今の心境はどうでしょう。

和田氏:
 率直に言って,うれしい限りです。モバイルゲーム市場は年々激化してきていますが,なかでもパズルジャンルは激戦区だと思いますので,こうして1周年を迎えられて本当によかったです。
 昨年はゲームアワード「Google Play ベスト オブ 2024」で,ピックアップ&プレイ部門の大賞をいただけましたが,あれが開発一同の励みになり,今日までがんばり続けてこられました。

4Gamer:
 パズルゲームは切り口がさまざまですが,ジャンルとしてはとくに定番化が求められると言いますか。立ち位置の確保が大切ですもんね。
 まあ,それこそが最も難しいミッションではあるものの。

和田氏:
 そうですね。
 なので,本作ではとくに差別化を意識してきました。

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4Gamer:
 安村さんのほうはいかがでしょう。

安村氏:
 私も,こうやって1年続けられてよかったなと思っています。
 競合タイトルがひしめくジャンルでやっていけていることが非常にうれしく,プレイヤーの皆さんにはとても感謝しています。

4Gamer:
  直近のモンハンシリーズの動向として,「モンスターハンターワイルズ」の存在が大きかったと思います。
 その点,本作も“ワイルズ発売前後の熱狂”の影響は受けたのでしょうか? いきなりアクティブユーザーが増えたとか。

和田氏:
 いえ,むしろ,ワイルズの発売直後はアクティブユーザーがちょっと下がりました。「たぶんみんな,ワイルズやってるんだろうなあ」みたいな傾向が数値に反映されていたので(笑)。

安村氏:
 そりゃみんなワイルズで忙しいよね,みたいな感じでしたね(笑)。

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4Gamer:
 ああ,よく考えるとそうなるのやも……(笑)。
 まあそれでもいい追い風になっただろうとしつつ,あらためて制作の経緯から教えてください。企画の立ち上げはいつごろでしたか。

和田氏:
 起案自体は,かれこれ5年くらい前のことです。
 僕らはもともとモバイル向けのパズルゲームを作っていたので,その強みを生かして,新しいパズルゲームを作りたいと考えていました。
 ただ,日本のモバイルゲーム市場だけを見ると,想定されるシェアが限られてしまいます。そこで「カプコンのIPを使い,グローバルで打って出ていけるものにしたい」と考えたのが事のはじまりでした。

4Gamer:
 グローバル展開が前提だったんですね。

和田氏:
 ええ。なかでもパズルゲームは老若男女のユーザーさんに親しまれているうえ,グローバルで見たときに女性層が多いことで知られています。
 そしてチーム内でさまざまなカプコンのIP候補を議論していくなかで,当時グローバルで認知を高めていた「モンスターハンター:ワールド」があり,なかでもアイルーの見た目や仕草がとても愛らしかったのです。このアイルーと遊べるパズルゲームがあったら,モンハンを知る知らないに関わらず,言語の壁も超えて多くの方々に楽しんでいただけると確信して,アイルーをフィーチャーすることにしました。

4Gamer:
 モンハンワールドは,シリーズの海外人気を飛躍的に高めていましたもんね。それゆえにグローバル狙いになったという一面は?

和田氏:
 いえ,僕らの市場戦略が合致したというのが最大の理由ですね。

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4Gamer:
 方向性に関しては,最初からカワイイ系で決めていましたか。

和田氏:
 こちらも悩みました。当時,社内でコンペしたときはリアル路線のカッコいい系とカワイイ系を両方用意していました。
 しかし検討した結果,自分たちの経験を生かし,さまざまな年代・性別の方々に遊んでもらいたくて,カワイイ系を選んだわけです。

4Gamer:
 本家の世界観を原液のまま投じると,どうにもマッシブな雰囲気になるでしょうしね。ある意味で海外ではウケそうな気もしますが。

和田氏:
 それも一案としては考えたんですけどね。

安村氏:
 モンハンの人気は,やはり男性層の支持が根強いです。
 ですが,モンハンらしい狩りの印象をそのまま押し出すと,パズルのファン層とは食い違う恐れがあったんです。

4Gamer:
 女性ファンの多いパズルゲームだからこそ,カワイイ系にしたと。
 昔の作品ですが,スピンオフの「モンハン日記 ぽかぽかアイルー村」などもカワイイ系で,本家とは切り口が違いましたもんね。

安村氏:
 そうですね,アイルー村もまた違った切り口でしたね。

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4Gamer:
 さて,そうしたコンセプトが固まったあと,パズルゲームを作るにあたってはどのようなものにしようと考えたのでしょうか。

和田氏:
 僕がプロデューサーとして安村に言ったことは一つだけ。「パズルが絶対的におもしろいゲームにしてほしい」と頼んだことです。
 いかにIPが魅力的でも,パズルゲームはやはりパズル部分がおもしろくないとダメです。そこをおざなりにしないよう,安村には企画段階からおもしろさを要求するよう伝えました。実際,そこがうまくいったから,プレイヤーの皆さんに好感を持っていただけたのだと思っています。

4Gamer:
 その点,おもしろさを要求された安村さんはどうでしたか。
 とても分かりやすい反面,強烈な難問に思えますが。

安村氏:
 当時はまず,市場で人気のマッチ3パズルを片っ端から研究しました。パズルゲームで大切なのは「気持ちよさ」でして,ピースの落下速度や落下後の挙動など,細やかな手触り感はとくに重要視しました。
 そのうえでパズルのルールやシステムは,さまざまな人気作品の優れた要素をいいとこ取りしようとしました。さらに私たちなりの独自性として,「斜め移動」や「ニャンダフルタイム」などを紆余曲折のうえで編み出した感じです。設計にはかなり気を配りましたね。

4Gamer:
 斜め移動って珍しい部類ですもんね。

安村氏:
 そうですね。斜めはあまり見ないですよね。これはマッチ3パズルの不満点の1つに,「動かせる場所が限定される」という点があったため,操作の自由度を高めることで解消しようと思ったんです。

4Gamer:
 ここまでの開発はどれくらいのチーム規模でやっていたんですか。

和田氏:
 具体的には言えませんが,けっこう少数規模です。

4Gamer:
 ちょうど半年くらい前に,「スヌーピードロップス」の10周年インタビューをさせてもらったんですが,開発チームが「モンハンパズルの開発はけっこう手伝いました」と言っていましたが,どうでしたか?

和田氏:
 はい。けっこう手伝ってもらいました(笑)。
 そもそも僕らは「スヌーピードロップス」の立ち上げに参加していて,僕はチームリーダーとして,彼らと一緒に仕事をしていたんです。今も両チームともに,近くに座って仕事している環境ですしね。

安村氏:
 私も「スヌーピードロップス」の開発初期に,プログラマーを担当していました。2人ともローンチ後,チームメンバーとは分かれて,以降は別のパズルチームとしてやってきたんです。

「スヌーピードロップス」
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4Gamer:
 なるほど。そうなると,カプコン内でもモバイル向けパズルの素養がかなり磨かれている精鋭と言えそうですね。
 他方で,パズルの精鋭チームらしい悩みとして,「みんなパズル慣れしすぎて初心者の気持ちを思い出せない」などの問題はありましたか。

安村氏:
 ありました。パズル制作の担当者が,開発段階でパズルがうまくなりすぎて,気付けば難しすぎるものが生まれてしまったこともあります。
 私が理想としたのは,海外でよく見るパズルゲームのように「チュートリアルは控えめで,まずは1回失敗して覚えてもらう」といった触れば分かるゲームでしたが,それでも初心は大事にしてもらいました。

4Gamer:
 ここまでの話で「海外」というワードが多々出てきましたが,実際のところ,リリース後の各地域での反響はどうだったのでしょう。

和田氏:
 日本での反響はもちろんですが,欧米やアジア圏など,海外のさまざまな地域から良い反応をいただけました。モンハンと言えばアクションがウリですが,アイルーのカジュアルなパズルという僕らなりの思いが,世界中の方々に好意的に受け止めてもらえた実感があります。

安村氏:
 パズルゲームのファンからは「斜め移動ってすごい」といった,独自性に対するコメントをたくさんもらえています。
 それと海外のモンハンファンが,「やっと母親に勧められるモンハンが出てきた」といったコメントもしてくれていましたね。

4Gamer:
 あー,本家モンハンはゲームとしては本格派ですもんね。
 多くの人は,母親に勧める想像すらできないでしょうし。

安村氏:
 なので,そこは思いが伝わったと言えるかもしれません。

4Gamer:
 では,なかなかの手応えを得られた1年間だったと。

和田氏:
 はい。課題はまだまだありますが,手応えはありました。


アイルーのデザインは無限大だった


4Gamer:
 ゲームの主題はパズルですが,「島づくり」もありますよね。
 このパズル×島づくりの二段構えにした理由はなんでしょう。

安村氏:
 単にパズルを遊んでもらうだけのゲームだと,今の市場で勝負できないだろうと思ったのが本音です。それに,せっかくモンハンを題材にしているのに,世界観を表現しないのももったいないので,「アイルーたちがワイワイと暮らす生活を眺められる要素」を同時に考えました。

4Gamer:
 確かに,パズルだけだとシンプルになりますもんねえ。

安村氏:
 本作はモンハンシリーズの未経験者にも届けたかったので,モンハンならではの世界観を知ってもらうことも大切にしました。

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4Gamer:
 パズルのピースにも,モンハンのいろんなアイテムをあしらっていますよね。あれも最初から考えていたデザインですか。

安村氏:
 いえ。最初はパズルとしての視認性を大前提としつつも,モンハンとはまったく関係のないマークなどで制作していました。
 けれど,それだとモンハンっぽくないなと感じたため,「これはモンハンのパズルゲームだ」と一目見て分かるよう,原作のアイコンなどをフィーチャーすることにしたんです。

4Gamer:
 個人的には「ブーメラン」や「角笛」など,現行作では存在感が薄れている品々も取り入れられていたのがおもしろかったです。

安村氏:
 そのあたりの道具は,最新作のハンターは使っていませんが,アイルーたちは今でも道具として活用しているからですね。

4Gamer:
 そっか。オトモアイルーたちは使ってましたね。
 本作の人気はやはり,パズル部分が強いんですか。

安村氏:
 お声の大半はパズルゲームに集約されていますね。ひたすらパズルを遊ばれている方々も多くいらっしゃいます。
 その一方で,手隙のときに遊んでいただけている方々もいて,ユーザー層は数値上において,わりと2極化している気がします。

4Gamer:
 パズルゲームはやり込み勢はもちろんですが,日々の生活でフラッと遊んでくれるカジュアル層も大事と言われますものね。そういう人たちがついてくれるだけで,運営も安心感が出てくるでしょうし。

安村氏:
 そうですね。それはあると思います。

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和田氏:
 反応という話だと,アイルーたちの「衣装」もけっこうな反響がありました。着せ替え要素は,僕らも気合を入れて作ったところです。

4Gamer:
 衣装のデザインは,原作のオトモアイルー装備をアレンジしたものも多いですよね。このあたり,デザイナーはどう考慮したんですか。

安村氏:
 モンハンファンもパズルファンも間口が広いため,男性向けでも女性向けでもあり,そのどちらにも偏りすぎないようバランスを取っています。例えばモンハンシリーズの装備って,見た目が重厚で,尖ったパーツも多めです。原作ではそれが魅力的に映りますが,モンハンを知らない人にも気に入ってもらえるよう,なるべく丸く,柔らかくを目指しました。
 あとは色味もです。原作の装備品は渋い色もあったりするので,本作では必要に応じてポップにし,シルエットを目立たせています。

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4Gamer:
 思い返すと,見た目は派手でも,色味は渋めでしたね。
 最終的にカラーリング機能でどうこうできるとはいえ,多くのハンターは落ち着いた色合いのコーディネートを選びがちですし。

安村氏:
 ですから,アイルーたちに着せたいと思ってもらえる,モンハンパズルなりの世界観になじむかっこよさ,かわいさ,ときにはユニークさを大切にしています。もちろんモデル崩れも起きないよう心がけています。

4Gamer:
 あ,そういえば,本作は「アイルー自体のデザイン」も違いましたね。アイルーをどういうデザインにするかも,議論はあったんですか。

和田氏:
 むしろ,そこが一番気にしていたポイントでしたね。
 配信当初は賛否両論がありましたが,最終的に「カワイイ」と言ってくださるお声が多くて,僕らもすごく安心できました。

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4Gamer:
 二等身か三等身か。原作寄りにするかデフォルメにするか。
 選択肢も無数にあったでしょうね。

安村氏:
 ええ。デザインの方向性は,グローバルで受け入れてもらえることを目指して,開発早期からユーザーアンケートを取ってきました。
 当初はそれこそ,カワイイ系の方向性にしつつ,モンハンワールドのアイルーのプロポーションを再現しようかと考えたこともありましたが,アイルーってかなり猫背なんですよ。どこかリアルさが残ってしまうため,これは難しいかもとなりまして。

4Gamer:
 確かに。原作の世界だとかわいらしく見えても,単体でフィーチャーしたなら生々しく見えるのかも。

安村氏:
 最終的には,ユーザーアンケートでいろんなプロポーションを見てもらい,最も反応がよかったものをベースにしました。
 そこからもアゴのラインなどを細かく調整し,いろんなものをくっつけたり外したりして,ようやく今のアイルーにたどり着けたんです。

和田氏:
 本当に微調整を重ねましたよね。社内のいろいろな部署でテストプレイしてもらうかたわら,デザインへの意見もたくさんもらうようにしていました。「スヌーピードロップス」のチームにもアイルーを見せて,「これカワイイと思う?」とかって聞いたりもしましたし。

4Gamer:
 ちなみに,シリーズの開発チームからコメントを受けたりは?

和田氏:
 しっかり監修してもらっています。
 最終的に「カワイイ」と評価してもらえました。

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4Gamer:
 ちゃんと監修という形で連携しているんですね。
 このほか,ビジュアル面でのこだわりはありますか。

安村氏:
 いっぱいあります。島内で動いているアイルーたちの動作もこだわりましたし,あとは建物ですね。多くの方々はなにげなく見てくださっているかと思いますが,どの建物も細部まで作り込んでいるんです。
 道場の水墨画なんかは,描き込みがすごいんですよ。

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4Gamer:
 ズームすると意外な発見があると。

安村氏:
 はい。パズルに集中していると流し見になってしまうかと思いますが,島を眺めるとき,細かいところにもぜひ目を向けてみてください。

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4Gamer:
 ついでに,開発中の没アイデアなどはありますか。

和田氏:
 開発中の話ですが,チームメンバーが「3人称視点の操作機能」を作っていたんですよね。島内でアイルーを3人称視点で操って,島中を練り歩くみたいな遊びです。
 正直,それの見た目はけっこうよくて,ゲームへの没入感も高かったんです。ただ,操作性の課題やターゲット層の属性,なにより「これをできることで,なにをさせるのか」という根本的な必要性が抜けていたため,そのときはプロデューサー判断でボツにしました。

4Gamer:
 課題はあれど,それ自体は楽しそうな機能ですね。場合によっては1人称視点でもいいですし。VRとかも検討したくなりそうな。

安村氏:
 そうですね。あとはパズル的な遊びや,鬼ごっこなどのコンテンツを用意しているとよかったんですけど。
 まあ,担当者には申し訳なかったですね。おもしろくなりそうな可能性は感じられたので,またいつか浮上するかもしれませんが。

和田氏:
 さらにグレードアップした提案を楽しみにしてます(笑)。

4Gamer:
 時間が経つと,没になったアイデアも輝いてくると「スヌーピードロップス」のチームの方々が言っていました。
 将来のためにも,温め続けてもらいましょう。


僕らはモンハンのサブラインを行く


4Gamer:
 今季の1周年キャンペーンの目玉はなんでしょう。

和田氏:
 大きくは「モンスターハンターNow」とのコラボです。こちらは2025年1月に続く,第2弾開催となります。
 イベントは6月26日から7月30日までの期間,前後半スケジュールで2回実施します。期間中は特別ストーリーを提供するほか,パズルでピッケルを獲得して秘境を探索すると,アイルーの衣装やチャーム,住人アイルー「センパイ」を招くことができます。
 また,クエストをクリアすることで,「モンスターハンターNow」側のアイテムと交換できるコードも発行します。各日程の詳細は公式サイトからたどれる1周年記念特設サイトをご確認ください。

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4Gamer:
 コラボ以外のキャンペーン類はどうですか。

和田氏:
 コラボ以外にも,1万円分のAmazonギフトカードを贈る「1周年記念SNSキャンペーン」をはじめ,レウス亜種パーカー&キャップが手に入る「1周年記念ログインボーナス」の提供,ジェムとブースターのお得なセット「1周年パック」の販売も行います。
 それと,7月4日からは協力撃退レイドに「ラギアクルス希少種」が再登場しますので,来月も続けてご期待ください。

レウス亜種パーカー&キャップ
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協力撃退レイド「ラギアクルス希少種」
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4Gamer:
 ラギアクルスというと,ちょうど“ワイルズの匂わせ”で話題のモンスターですが。この選択にはとくに他意はなく?

安村氏:
 他意,はないですね。

4Gamer:
 他意はないけど,たまたまラギアクルスだった?

安村氏:
 そうです。たまたま(笑)。

4Gamer:
 なるほど。答えは年内に分かるのでしょうか。
 1周年後の次はすぐに夏が訪れますが,真夏の施策はどうですか。

和田氏:
 夏以降もいろいろなイベントやキャンペーンを予定しています。なかでも,まだ詳しくは言えませんが,コラボイベントを準備中です。

4Gamer:
 またコラボがあるんですね。

和田氏:
 ぜひ楽しみにしていてください。

安村氏:
 あとは,1周年でモンハンパズルに触れていただける人たちのために,過去のイベント衣装などを復刻する機会も設けるつもりです。

復刻イベントの一部衣装
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4Gamer:
 ゲーム面はどうでしょう。なにか拡張を予定していたりは。

安村氏:
 検討しています。これまでと違う遊びを用意できればと思っていて,例えばローグライクモードであったり,サバイバルモードであったりと,新しいパズル体験をしてもらえる要素を検証中です。

4Gamer:
 遊びの幅も広げていくんですね。

安村氏:
 そうです。そこはしっかりと考えていきます。

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4Gamer:
 それでは締めの前に,こんな質問も。
 カプコンの従来のアプリ展開は遠慮なしに言うと,モンハンや逆転裁判のアプリの展開をはじめ,「ロックマンX Dive」のスマッシュヒット,サービス11年目の「スヌーピードロップス」などと粒はそろっていましたが,“カプコンのアプリと言ったらコレ”的な顔役となると,「モンスターハンターNow」までは不在だった印象です。
 この認識は正直に,どうですか。

和田氏:
 あくまで個人的にですが,おっしゃられる意味は分かります。そのうえで,モバイルゲーム市場は拡大し続けてきましたし,モバイル畑の開発者としては,それでも続けていくべきだろうと考えていました。
 僕らはこれまで1つずつチャレンジを積み重ねてきました。今回ならグローバルへのチャレンジを考えて,そのために必要な知見を過去のノウハウからつなげてきた,といったスタンスと言えます。

4Gamer:
 とはいえリリース当初,プレッシャーはありませんでしたか?

和田氏:
 当然ありました。今もです(笑)。
 それでもやっぱり続けることに意義を感じていたので,1周年にこぎつけられたことがとてもうれしいんです。

4Gamer:
 現代のスマホゲームは,サービスを1年続ける重さが年々変わってきていますしね。1周年というだけで称えられてしかるべきかと思いますし,モンハンパズルも昨今のモンハン旋風を受けられるようなら,すでに軌道に乗ったと言えるのではないでしょうか。
 そのうえで,カプコンは地位も盤石な「モンスターハンターNow」,さらに未知の新作「モンスターハンターアウトランダーズ」も控えて,現在はモバイル市場へのモンハン再攻勢が予想されています。
 そんななか,本作はモンハンIPアプリ群の一角として,今後はどのようなポジションに立っていきたいのでしょうか。

和田氏:
 僕らはもとから「モンハンIPのサブラインを進む」という意識でした。シリーズの間口を広げることで,ブランディングを強化していく。そうした考えのもとでやっています。先ほど触れましたが,モンハンは女性にも手に取られている一方,人気の比率は男性が多いです。僕らはそこのイメージを中立にしたいなと思っているんです。
 ですから,モンハンどころかカプコンも知らない老若男女に,「カワイイ猫のキャラクターのパズルゲーム」から入っていただき,その先でモンハンやカプコンのことを知ってもらえたら感激です。
 「モンスターハンターNow」とも別の路線で,そういった作用を生むのが,今後のモンハンパズルならではの使命だろうと考えています。

4Gamer:
 納得しました。モンハンの一角として期待しておきます。
 それでは最後に,一言ずつメッセージをお願いします。

和田氏:
 モンハンパズルは配信当初から,非常に多くの反響をいただけて,これまで遊んでくださっている方々には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございますと,チームを代表してお伝えします。
 そして,1周年を機にモンハンパズルを知っていただいた方々や,これから遊んでくださる方々にも,誰でも楽しめるパズルをお届けするべく,僕らは日々努力を続けていきたいと思います。
 このゲームから,モンハンやカプコンのことを知っていただき,ファンになっていただけたら,とてもうれしいです。

安村氏:
 私も,誰でも楽しく遊べるパズルゲームを目指してきたので,ぜひとも手に取ってプレイしてもらいたいです。
 子供も大人も,ご高齢の方々でも気軽に楽しめますので,皆さん,ぜひいろんな人に勧めていただければありがたいです。

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