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印刷2025/09/28 13:02

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やっと「ホテル・バルセロナ」にチェックイン(&デストロイ)できるぞ! SWERY氏に,本作の魅力と制作にかけた想いを改めて聞いた[TGS2025]

 開発状況を追いかけ,「実在した!」なんてノリで話題にしてきた「ホテル・バルセロナ」PC / PS5 / Xbox Series X|S)が,2025年9月26日に発売された。

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 本作は,White OwlsのSWERY(末弘秀孝)氏と,グラスホッパー・マニファクチュアのSUDA51(須田剛一)氏が手がけた“横スクロールハードコアスラッシャーアクション”だ。「好きな人は好き!」と語られる二人の組み合わせらしく,挑戦的なアクション性と難しさを守りつつも,遊びやすさを重視した難度調整と救済措置を備え,「ちょっと雰囲気が気になるなら遊んでみてよ!」と言いたくなる作品だ。

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 東京ゲームショウ2025ではGraphブースに出展され,そこにSWERY氏本人も姿を見せた。発売を祝いつつ,あらためて本作の魅力や開発の舞台裏について話を聞いた。

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4Gamer:
 まずは発売おめでとうございます。
 今日はまだ発売前日ですが,記事の載るころには出ているはずなので先にお伝えします!

SWERY氏:
 ありがとうございます。
 いいですね(笑)。うれしいです。

4Gamer:
 SWERYさんにはBitSummitを中心に,定期的にお話する機会をいただいてましたが,ついに発売される日が来たんだなと。
 今回はGraphのブースで出展ということで,どういう経緯でこの形になったのですか。

SWERY氏:
 GraphさんはそれこそBitSummitで会ったところから始まり,これまでほかのゲームでもいっしょだったこともあって,信頼できるパートナーなんです。

 BitSummitの出展は,パブリッシャのCULT GamesがNeon Noroshiさんとやっていたんですが,CULT Gamesはデジタルイベントのほうで大変だったので,Graphさんにお願いしました。

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4Gamer:
 開発側が能動的に動けるのが,インディーらしさを感じますね。
 それこそBitSummitのようにご自身でブースに立っているのを見て,そのあたりもインディーっぽいと思いました。

SWERY氏:
 ちょうど発売日と重なっていたこともあって,リアルで皆さんの温度を感じたいなっていう気持ちがありました。
 さすがに全日は参加できないんですが,家でじっと反応を見るだけでは耐えられないなあと。

4Gamer:
 今回はいよいよ発売ということで,あらためてホテル・バルセロナがどんなゲームかを聞きたいと思います。
 これまで「実在した!」とかそういう話ばっかりしてしまったので,「こういうゲームです」ってちゃんと届けられていないんじゃないかと。

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[2024/07/21 15:28]
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「ホテル・バルセロナ」は実在した! のあとの話――SWERY氏に開発状況とゲームイベントに“出ること/遊びに行くこと”について聞いてきた[BitSummit]

「ホテル・バルセロナ」は実在した! のあとの話――SWERY氏に開発状況とゲームイベントに“出ること/遊びに行くこと”について聞いてきた[BitSummit]

 「ホテル・バルセロナ」は実在した――そんな勢いで取材したあの日から1年。今年(2025年)もBitsummitの開場でSWERY氏にお話をうかがうことに。すると本作の現状から,世界各地のイベントを巡り,BitSummitへの“凱旋”で体験して思った“ゲームイベントに出ること / 遊びに行くこと”に話が広がった。

[2025/07/22 15:58]

SWERY氏:
 いえいえ,そんなことないですよ(笑)。

 ホテル・バルセロナは,凶悪なシリアルキラーたちが巣くう不気味なホテルと,その周辺を舞台とした2Dアクションです。難しさや,やりごたえみたいなのが大事なものの1つになっています。

 でも一方で,雰囲気やアートが好きだって言ってくれる方もたくさんいて,すごくうれしかったんですが,Steamで体験版を出したら「難しすぎてクリアできない」という声をいただきました。

4Gamer:
 「そこそこ手応えを感じながらストーリーメインで遊びたい」みたいな。

SWERY氏:
 ええ。ですのでストーリーを楽しみたいという方も遊びやすくなるように,イージーモードをさらに易しく調整し,救済措置も作り込みました。

4Gamer:
 その救済措置とは。

SWERY氏:
 イージーの場合,3回死ぬと救済アイテムとして,ボス戦に再挑戦できる「友情チケット」か,一度だけその場で生き返る「身代わり人形」のどちらかを必ずもらえます。

 また,チェックポイントのような感じで,ステージにある扉をくぐるたびにHPが少し回復し,先に進みやすくなるようにしています。

4Gamer:
 多くの国内外のイベントに試遊出展されてきましたが,日本とほかの国で,難度への反応やプレイヤー層に違いはありましたか。

SWERY氏:
 難度についてはどちらも「難しい!」という反応ですね。
 意外だったのは,日本では女性が興味を持って遊んでくれていることです。欧米だと僕の作品のファンや,高難度アクションが好きなグループで来られる方が多く,男性の既存ファンが多い印象です。

 どのあたりを気に入っていただけたのかは気になりますね。女性主人公のキャラクター性なのか,アートの雰囲気などが響いているのか,興味があります。

4Gamer:
 コラボ相手の須田剛一さんとは先日トークイベントもされていました。ゲームができてからどのような話をしましたか。

SWERY氏:
 発売で終わりではなく,今後も継続してアップデートを行うことについて話しました。もちろん「せっかくのコラボ作品だし売れたらうれしいね」という話もしましたが,それよりもファンに楽しみ続けてもらいたい気持ちが大きくて。

 今は須田さんが「ROMEO IS A DEAD MAN」でとても忙しいので,頻繁にキャッチボールするのが難しい時期ではあります。
 文通みたいにときどき手紙のようなやり取りをして,会えたときに一気に話す,という温度感です。

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[2025/08/18 18:00]

4Gamer:
 あらためて,コラボしてみてどうでしたか。

SWERY氏:
 面白かったのが,僕はミステリー寄り,須田さんはサスペンス寄りなんだなと気付いたことです。
 須田さんの作品は“冒頭の裏切り”で早めにエンジンをかけ,驚きのまま結末を見るサスペンス型。コロンボなどのように,最初に犯人がわかっている類型ですね。

 僕の作品は“謎を追い続け,最後にどんでん返しでひっくり返る”ミステリー型なんです。ホテル・バルセロナでは,どうやったら最初にプレイヤーの心を掴めるかいろいろ考えていたんですが,二人のゲームをあらためて比べて「そういうことか」となり,2つをミックスして早めにエンジンがかかるように作りました。

4Gamer:
 面白いですね。私はおふたりのゲームファンでいろいろな作品をプレイしてきましたが,言われてみると「確かに」と感じます。

SWERY氏:
 これに気付いたことって大きくて,ホテル・バルセロナのためにもなったし,これからの自分自身のゲーム作りにもいい影響があるなと思いました。
 長くゲームを作っていますが,まだこういう発見があるので,やっぱりゲームを作るのって面白いし,まだまだできるなって感じました。

4Gamer:
 それでは,ゲームプレイの基本的な部分を教えてください。

SWERY氏:
 本作はホラー映画への愛とパロディを詰め込んだローグライクでありつつ,須田さんのお題で“スラッシャーのアクション”が入っています。単なる数値の強化だけでなく,アクションの手触りそのものが良くなっていく成長をベースにしています。

 面白い要素が「スラッシャーファントム」ですね。ステージの途中で死んでやり直しになったら,その動きをするファントムが登場します。

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4Gamer:
 レースゲームのタイムアタックで出てくるゴーストみたいな。

SWERY氏:
 はい。ファントムには攻撃の当たり判定があって敵を引きつけるので,意味のない動きばかりと思っていたら,ときに攻撃が敵に当たってピンチを越えられたり,共闘になったりする。これがよくできていて,能動的に何度も繰り返し遊べるんです。

 今回こういうアクションゲームを作っていて感じたのが,バトルアクションって実は受動の感覚なんですよね。自分でキャラを動かすから一見能動的に思えるんですが,「待つ」ことや「見る」ことが大事なので。
 だから「スラッシャーファントム」って,ファントムの動きが能動的なのか,受動的なのかという部分でも面白いんです。

4Gamer:
 確かに。パリィみたいなものは分かりやすいですが,敵との距離を見てジャンプして踏む……というのも「敵が近づく」というのがあっての行動ですね。
 1つ前のプレイの動きは今のプレイにとってなんなのか。その動きを見てとった行動が,次のファントムになったときどうなるのか。そう考えると面白いですね。

SWERY氏:
 そうなんです。逆に,アドベンチャーって“自分から探索を始めないと何も進まない”,本質的に能動性が必要なジャンルなんですよね。ゲームを作りながら,そいういう部分もいろいろ考えられたのは大きな発見でした。

4Gamer:
 続いて,ストーリーの骨子を教えて下さい。

SWERY氏:
 本作の主人公は,連邦保安官の「ジャスティン」で,彼女の中にはサイコの殺人鬼「ドクター・カーニバル」が取り憑いています。

 ジャスティンはある理由で“全米中の殺人鬼が集う”とされるホテル・バルセロナに入るのですが,そこで全員を倒さないと出られない状況になってしまいます。物語では殺人鬼との戦いや,「なぜカーニバルが取り憑いているのか」が描かれます。

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 ストーリーは,プレイヤーが二人の言い分を客観視できるように意識して作りました。
 今までの僕のゲームは,プレイヤーがキャラクターに自分を投影する形でしたが,今回はあえて違う二人を見せることで,プレイヤーが第三者として意見を持てるようにしました。

 これには今のSNSのような感覚があると思います。誰かの言い合いや事件を傍観して,自分の立場をどちらに寄せるか,なんとなく決めていく。他人の物語を“無料で”見ている感覚に近いんじゃないかなという気持ちで。

4Gamer:
 いいですね。自分のことじゃないのに好き勝手言って……というものに対する皮肉というかユーモアが。
 そんなゲームの舞台で,タイトルにもなっているホテルの名前ですが,舞台はアメリカなのになんでバルセロナなんでしょうか。

SWERY氏:
 これは須田さんが「名前はバルセロナ。タイトルに入っていたらバルセロナが呼んでくれて,出張としてスペインに行けるかもしれない」と言い出したのが理由です(笑)。

4Gamer:
 遊びに行きたいから! でもこれが実際に呼ばれたんですよね。

SWERY氏:
 ええ。須田さんは行けなくて僕だけでしたけど(笑)。

4Gamer:
 BitSummitでもお話を聞きましたが,そこでカタルーニャ語対応が決まったと。

SWERY氏:
 あの話をもう少し詳しく話すと,言語文化を守る運動にゲームの力を借りたい,みたいのがあったんです。
 スペインでは若い世代ほどスペイン語(標準語)を使い,カタルーニャ語が使われなくなっているそうなんです。

4Gamer:
 カタルーニャ語は公式の場での使用が禁止された過去もあるので,同列に語るのはちょっと違うかもしれませんが,日本でも大阪の若い人たちは標準語を話す……みたいな話はありますね。

SWERY氏:
 僕はこの「言語の文化を守る」ことにゲームが力になれるかもしれないと,承諾しました。
 言語対応にはいろいろな国や地域の言葉を入れてという声があるんですが,言い回しやニュアンスの確認が大変で,簡単に追加できないんです。

4Gamer:
 SWERYさんや須田さんのゲームは,日本語としても独特の言い回しや表現が多いので,別言語となると監修が大変そうです。

SWERY氏:
 まさにそういった理由もあって対応しきれないので,お声がけがあってもすべてやるのではなく,どう意味があるかを考えます。今回の件については,そこに確かな意味を感じました。

4Gamer:
 開発のこれまでを振り返ってみてどうですか。

SWERY氏:
 2020年前半は「Deadly Premonition 2」の仕上げをしながら企画を進めてプリプロを。2021年は「The Good Life」の仕上げがあって,須田さんとスラッシャー要素を入れていく話をしました。
 2022〜23年は「デスゲームホテル」と並行して本作を仕上げていく。常に別のなにかがありましたが,そういうなかで作り上げてきたのだなあと思います。

 コロナ禍もあって特殊な開発でしたが,その時期だからこそ“ぶつからず,人に優しく”を意識できたと思います。

4Gamer:
 最後に,ゲームファンへメッセージをお願いします。

SWERY氏:
 2019年のイベントで冗談のように始めた「ホテル・バルセロナ」ですが,6年かけてじっくり“開業準備”をしてきました。後半は大好きなお酒も抜いて完全に調整し,ストーリーを楽しみたい方へ向けたイージーの調整もなんとか形にしました。

 発売日だけで終わらず,その後のアップデートも考えています。ぜひ手に取って,挫けずに遊んでもらえたらうれしいです。
 ――チェックイン・アンド・デストロイ。

4Gamer:
 ありがとうございました。そして最後にあらためて,発売おめでとうございます!

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 なおこのインタビューの直後,4Gamer.netブースのステージでもゲームについて語ってもらっている。その模様はこちらの記事でぜひチェックを!

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 2025年9月25日に開幕した日本最大のゲームイベント「東京ゲームショウ2025」の4Gamerのブースでは,さまざまなコラボや展示に加え,ステージイベントも実施された。今回はその中から,SWERY氏×須田剛一氏による新作「ホテル・バルセロナ」のトークショウ&ゲームプレイの模様をお届けする。

[2025/09/26 16:26]


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