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印刷2025/07/22 15:58

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「ホテル・バルセロナ」は実在した! のあとの話――SWERY氏に開発状況とゲームイベントに“出ること/遊びに行くこと”について聞いてきた[BitSummit]

 SWERYことWhite Owlsの末弘秀孝氏とSUDA 51ことグラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一氏のコラボによって誕生した「ホテル・バルセロナ」PC / PS5 / Xbox Series X|S)。独特の世界観を持つ個性的な作品で海外のコアなファンも多い2人による“横スクロールハードコアスラッシャーアクション”が,いよいよ2025年9月にリリースされる。

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 「『ホテル・バルセロナ』は実在した!」なんて勢いで取材(リンク)したBitSummit Driftから1年。2025年7月18日〜20日に開催された「BitSummit the 13th」にも本作は出展されており,再びSWERY氏に話を聞く機会を得た

 自身の作品を携えて国内外のイベントを巡るSWERY氏だが,BitSummitの「ぶらり旅スペシャル」での現場レポでも知られるように,会場を歩いてさまざまなゲームに触れる“現場主義”の人である。今回は「ホテル・バルセロナ」の最新状況に加え,ゲームイベントについていま感じていることも聞いてみた。

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[2024/07/21 15:28]

4Gamer:
 今年もBitSummitでお会いできてうれしいです。「ホテル・バルセロナ」がついに発売時期も発表になって,ゲーム開発はいまどのような状況なのだろうというのをまずお聞きできればと思います。

SWERY氏:
 「『ホテル・バルセロナ』は実在する!」なんて話をしたBitSummit Driftから1年,もうマスターはあがっています。
 でもね,昨日とか今日とかもBitSummitでゲームファンの皆さんがプレイしてくれているわけですよ。それで「あ,ここちょっと分かりにくいかな?」って気づくところもあれば,「こうしてくれたらもっと良くなるのに」みたいな声もいただくと,その声にお応えしないわけにはいかないですよね。

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4Gamer:
 それは可能なかぎり取り上げて発売時に反映したいと。

SWERY氏:
 まさにそのとおりで,いまはDay1パッチみたいな形で発売すぐに更新できると。ダウンロードしてもらうっていう手間をかけてしまうことにはなるんですが,それなら発売ギリギリまで調整できるところはしていきたいなって考えています。

4Gamer:
 この1年,開発はもちろんそれこそBitSummitのようなイベントでの出展や出演でも忙しかったのではないでしょうか?
 「今年もBitSummitでお会いできて……」なんていって,実はGDCでお会いしていたのですが(笑),海外のイベントもあちこち行っていましたよね?

SWERY氏:
 ですね。去年のBitSummitのあと,9月にはスペイン・バルセロナで開かれたゲームイベント「IndieDevDay 2024」に出展したんですよ。


4Gamer:
 おお,凱旋? じゃないですけど,バルセロナに。Devolver Disitalのような有名なインディーパブリッシャも参加するヨーロッパの大きなインディーイベントですね。

SWERY氏:
 ええ。このイベントに参加されている人たちはすごく熱心で,「ホテル・バルセロナ」にもいろいろな人がすごく一生懸命向き合ってくれました。
 メジャーなスタジオの開発者がいちゲーマーとしてプレイしにきて,「私はあなたのゲームのファンです。もっとよくなるようにダメ出しします」って厳しいフィードバックをくれたり(笑)。

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4Gamer:
 (笑)。ああでも,その雰囲気いいですね。伝わります。BitSummitもそうですけど,所属や立場関係なくゲームが好きなことでつながって,情報交換したり知識を共有しあったりができるような。

SWERY氏:
 そうそう。さらにイベントに出展したことがきっかけで,「ホテル・バルセロナ」はカタルーニャ語対応になりました。NPOの方から声をかけていただいて,正直びっくりしましたけど「こういう風にも広がっていくんだなあ」って思いました。
 あと,プレイした学生さんからの「御社でインターンしたいです」って申し込みもいっぱいありました。あちらではそういう文化があるんですが,これも驚いたけどうれしかったですね。

4Gamer:
 最近だと5月にアメリカ・アトランタで開催されたMomoCon 2025に須田剛一さんと一緒に参加していましたね。

SWERY氏:
 MomoConはその中心には日本のカルチャーもあるので,なんかこうすごくVIP待遇というか,スケジュールがしっかりと組まれていて,つねに通訳がついていて,とにかく丁寧なんですよ。
 今年で20年目ですごく大きなイベントになりましたが,それでいてお客さんとの近さはすごくあって。

4Gamer:
 ルーツにあるインディペンデントな部分,DIYな精神は持ちながら,ファンとクリエイターが近いからこその距離感みたいなところは大事にされているんですね。

SWERY氏:
 そうですそうです。ホテルのロビーで突撃されるとか,歩いているところを写真を撮られたり話しかけられたりとかががないんです。「この時間にサイン会やりますよ」って決まっているから,話をして写真を撮るならそこでっていう,イベントの文化が成熟しているのだなと感じました。

 だから逆に僕たちが困らせちゃうくらいな(笑)。僕や須田さんは「トラヴィスいるよ!」とか「フォレスト・ケイスンが苗木持ってる!」って,イベント会場で自分たちの作品のコスプレの人を見て嬉しくなっちゃって……。

4Gamer:
 声をかけそうになって相手が「あわわ,どうしよう」みたいな困惑を。

SWERY氏:
 いやほんとそうなんですよ。


4Gamer:
 そのとき須田さんとはゲーム自体についてどんな話をされていますか?

SWERY氏:
 このゲームにはすごく期待してくれてて,そしてWhite Owlsの開発にすごく信頼を寄せてくれています。僕自身「ホテル・バルセロナ」はこれまで作ってきた中でも最高傑作の一つだと考えていますし,そこは自信をもって須田さんやファンの皆さんのの期待に応えられると思っています。

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4Gamer:
 そして今年のBitSummitと。パブリックデイの初日を終えて(取材はパブリックデイ2日めの開場すぐ),今回はどのような感じでしたか?

SWERY氏:
 「去年遊べなかったから今年こそ!」と「去年も来たけど今年も来た!」っていう2つのパターンが多かったです。SNSとかで僕の在席時間を確認して,そこに合わせて来てくれる人もいて,ありがたいですね。
 一緒にプレイするところを見ながら,一回やられて立ち上がったら「ちょっと待って,ここからなんです」って席に戻すみたいなのが僕の仕事です(笑)。

4Gamer:
 本作は“死んで戻ってから”が本番というか,スラッシャーファントム(前のプレイヤー自身の動きが再現され,それを“タゲ取り”にしてゲームを進められるシステム)を体験してもらわないと,ですもんね。立とうとする人の肩を「ガッ!」と掴んで,優しい笑顔で「ここからですよ(ニコッ)」だけど肩を掴む力はめちゃ強いみたいな(笑)。

SWERY氏:
 そうそう,そういう気持ちというか。だから僕がいない間も,ちょっと人見知りなスタッフにも「そこは頑張って声かけをお願い! 逃がさないで!」って頼みました(笑)。

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4Gamer:
 この取材前から会場のあちこちで見かけましたが,SWERYさんは「ぶらり旅スペシャル」があるのはもちろん,こういうイベントはいろいろ見てまわっていらっしゃると思うのです。会場はどれくらい回れましたか?

SWERY氏:
 BitSummitはすごく大きなイベントになったので,限られた時間で隅から隅まで見るというのはなかなか難しくなりましたね。見に行ったらちゃんとプレイしたり話を聞いたりしたいと思うと……。
 それでも各賞のノミネート作品はひととおり見れましたし,あと久しぶりに出展している知り合いも多くてちょこちょこ回ってます。今日このあと安孫子武丸先生がいらっしゃるって聞いたので,会えるといいなあ。

4Gamer:
 えっ。ザクザクの「RD(リモート・ディテクティブ)の遠隔推理」ですか? 知らなかったです。
 このあと行けるかな……こういう情報交換ができるのもBitSummitな感じありますね(笑)。

 BitSummitの全体的な印象として,今年はどうでしたか?

SWERY氏:
 今年はすごく印象深かったですね。去年に続いて,みやこめっせの1階と3階を使った大規模なイベントになりましたが,どちらのフロアにも個人開発や小規模スタジオのインディーゲームが並んでいて。

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4Gamer:
 分かります。それがすごくよかったです。正直,前回は大手やオフィシャルセレクションが集まってる3階が“メイン会場”みたいに見えてしまっていたと思うんです。
 でも今回は,オフィシャルセレクションが2フロアに分かれたことでその印象がなくなりました。それに,学生作品や特殊コントローラといったエリアとの区切りも前ほどはっきりしていなくて,全部が横並びになってる感じが増しましたよね。

SWERY氏:
 そうですね。目当てのゲームをプレイしたら,その隣,そのまた隣……みたいに,「いろんなゲームにちゃんと触れていこう」っていう目的意識を持ってブースを巡っているお客さんが多くて。そういう意味でも,今回の配置はよかったと思います。
 もちろん,「全部は見きれないな」とか「この場所ちょっと損だな」って感じることもあるし,イベントがここまで大きくて密度があるものになったからこその課題もあると思います。出展する側としては,どうやって存在感を出すかは大きなテーマですね。

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4Gamer:
 個人出展の方が装飾を工夫して,ブースを目立たせたりしているのを見ると,本当にすごいなって思います。でも,そういう努力をみんなに求めちゃいけないとも思っていて。
 机にノートPC一台だけ置いて,作者が「これが俺の作品だ!」って足を組んで座っている……みたいな作品も自分の足と目で見つけるのが,リアルのインディーイベントの大事なところかなと。取材する側としては,ちょっと偉そうな言い方かもしれないけど,そういうゲームにもちゃんと光を当てるのが使命でもあると思うんです。

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SWERY氏:
 その言葉は,開発者にとってすごく嬉しいですね。
 いまはインディーゲームが当たり前の存在になってきていて,それを楽しむ人たちの姿勢もどんどん変わってきています。BitSummitはイベントが大きくなって出展数も増えたことで,そういった個性的な作品もまた戻ってきているような感覚もありました。
 そうした作品にも意識して見てくれるお客さんがいることや,会場を巡ってくれる姿を見ると,自分たちも背筋が伸びます。

4Gamer:
 それこそさっきのMomoConの話のような,BitSummitが育んだ文化みたいなものなのかなと思います。

SWERY氏:
 BitSummitがここまで大きくなったからこそ感じるのが,東京ゲームダンジョンみたいな,よりコンパクトだけど濃密なイベントの存在や,そういった場が増えてきていることの大切さですね。
 イベントによって集まる層も違うし,届けたい相手へのアピールの仕方も変わってくる。それぞれにちゃんと色があって,出展する側としても「自分のゲームにはこのイベントが合いそうだな」っていう選択肢が増えたことも大きいです。
 今回のBitSummitはそういうふうにいろいろ気づかされることが多かったですし,イベントとしては今後のベースになるような完成度だと感じましたね。

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4Gamer:
 最後にあらためて「ホテル・バルセロナ」の話をお聞きしますが,もうあと開発はぎりぎりまで調整してDay1パッチでそれを反映させるみたいな。

SWERY氏:
 そうですね。いつお酒を再開しようかなあという。

4Gamer:
 ん? お酒……?

SWERY氏:
 今で160日ちょっとになりますが,ずっとお酒を飲んでいないんですよ。
 アクション部分をしっかりチューニングしたくて,その期間お酒を断ってみたんです。それでもうひと段落とはなったのですが,健康になりすぎたじゃないですけどすごく調子いいのでそのまま継続していて。

4Gamer:
 ああ,SNSでも発信していましたね!(リンク) 私はお酒を飲んでごろごろしてゲームを遊ぶことが多いので,こういう話を聞くと頭が下がります。

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SWERY氏:
 いえいえ,どんな楽しみかたでも面白く遊べるようにしたいからこそやっていることで,遊ぶ人たちにはそれぞれの楽しみかたでゲームをプレイしてほしいです!

4Gamer:
 ゲーム完成となってお祝いのお誘いはこれから増えそうではありますね。

SWERY氏:
 ああーそうですね。どうなるだろう。
 お酒は好きなのですが,夜はちゃんと眠れるし,腰痛もなくなったし,なにより野菜がすごく美味しい(笑)。それで戻るタイミングが分からなくなっちゃってはいるのですが,最近のノンアルコール飲料は美味しいですからね。お酒の場では,同じお酒を飲んでいるように見えてノンアルコールを飲み,周りが酔っ払ってご機嫌になるのを楽しむことになるかなあと(笑)。

 何の話だという感じになりましたが,9月の発売に向けてギリギリまでいいものにできるようゲームに向かい合っています。発売を楽しみに待っていてください!

4Gamer:
 ゲームのことはもちろん,インディーゲームイベントの考えという貴重なお話までいただきありがとうございました! 気になる発売日の発表も楽しみにしています。

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「BitSummit」公式サイト

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