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印刷2025/07/04 18:09

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「『魁 三国志大戦』が切り拓くゲーム開発の新時代」聴講レポート。先行リリースやトークン上場を経た現在地を,西山泰弘氏ら開発陣が語る

 国内最大規模のスタートアップカンファレンス「IVS2025」の2日目となる2025年7月3日,京都市勧業館 みやこめっせ内のステージで「『魁 三国志大戦』が切り拓くゲーム開発の新時代」と題したセッションが行われた。
 
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 セッションには,スゴロックスの代表取締役である西山泰弘氏,double jump.tokyoのCOOである松谷幸紀氏が登壇し,Oasysのディレクターである満足 亮氏がモデレーターを担当した。

西山泰弘氏
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 西山氏は,セガ在籍時に「三国志大戦」シリーズを手掛け,「西P」の愛称で知られる。セガから独立後,double jump.tokyoが開発する「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」PC / iOS / Android)のプロデューサーに就任した。

 松谷氏のdouble jump.tokyoは,2018年に設立されたブロックチェーンゲーム専門の開発会社だ。「My Crypto Heroes」や「ブレイブ フロンティア ヒーローズ」の開発を経て,セガからライセンスを受けた「魁 三国志大戦」を開発し,パブリッシングも自社で行っている。

 満足氏のOasysは,日本発のゲーム特化型ブロックチェーンとして2022年にトークンを発行。バンダイナムコ研究所,セガ,Ubisoftなど,ゲーム会社を中心に,さまざまな企業がバリデータとして参画している。
 ゲーム特化の取り組みは「魁 三国志大戦」を集大成とし,今後は日本IPや文化的資産のトークン化を軸とするフェーズ2に移行するという。

 プロデューサー,開発会社,ブロックチェーンの運営会社と,「魁 三国志大戦」のステークホルダーがつどった今回のセッションだが,4Gamerでは,西山氏のインタビュー記事を掲載している。そちらと重複する内容は割愛するので,当該記事もあわせて参照してほしい。

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 double jump.tokyoは,軍勢カードバトルゲーム「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」を2025年4月30日に「先駆け!リリース」する。本稿では,プロデューサーの西山泰弘氏と開発統括の坂本康朗氏に,本作のゲームデザインや,対戦ゲームへのこだわり,先駆けリリースの意図などを語ってもらった。

[2025/04/25 12:00]

 基本的な説明を終えたあと,西山氏はゲーム内マーケット「登用市場」を紹介した。これはNFTの武将カードをプレイヤー間で売買できる,ブロックチェーンゲームならではの機能だ。今のところ,高いカードは売れず,安いカードはすぐ売れるので,需要と供給に応じて,適正価格が自然に形成されているという。

 松谷氏は,本作のゲームトークン「SGC」を6月13日にBinance Alphaを含む海外10取引所に上場したことを報告した。時間の関係で詳細は語られなかったが,大規模な上場にはかなりの苦労があったようだ。

 上場以降,SGCの価格は下落トレンドが続いており,現在のレートで1SGCが約0.09円となっている。時価総額が想定を下回っていることを松谷氏は認めていた。
 しかし,流動性を示す指標である,時価総額比の24時間出来高は非常に高く,これは期待値の表れだという。課題は,ゲーム体験において,トークンの使い道を作っていくことだと語られた。

 西山氏は,「SGC/Staking限定カード」「大会ベッティング機能」「装飾(カスタム)機能」「集団(ギルド)機能」を具体的な今後の使い道として挙げる。なかでも,三国志の武将を女体化して,イラストレーターのさいとうなおき氏が描き下ろしたSGC/Staking限定カードには注目してほしいと期待を寄せる。
 
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 「魁 三国志大戦」のこだわりとしては,プレイヤーと共にサービスを育てる「共創文化」が挙げられた。コミュニティ報酬制度を整備し,動画配信や記事作成などの活動に対して,SGCPというポイントが付与される。このポイントはSGCに変換でき,価値のあるものだという感覚をプレイヤーに持ってもらえているそうだ。

 攻略wikiはプレイヤーが自主的に運営している。遊びの幅を狭めることへの懸念から,開発チームは「強いデッキ」を発信しにくいが,プレイヤーにとっては必要な情報なので,補ってもらえて助かっていると,西山氏は語る。

 また,プレイヤーの意見に基づき,フレンド対戦には「時間無制限モード」が追加された。西山氏は「相手が寝落ちしたときのデメリット」を考えてしまうが,プレイヤーにとっては「初心者に教えるときに必要な機能」だったというわけだ。開発者目線では思いつかない,プレイヤー目線で本当に必要なものが,共創文化から生まれている。

松谷幸紀氏
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 松谷氏は,「My Crypto Heroes」や「ブレイブ フロンティア ヒーローズ」におけるトークン発行の経験から,価値が高くても流動性がなければ意味がないことを学んだと,あらためて流動性の大切さを強調する。
 最もこだわった流動性の確保では一定の成果を得たが,初動で価値を上げる設計や,マーケティングの難しさも実感したとのこと。

 しかし,仮に半年前に戻れたとしても,「これをしておけばよかった」という具体的な何かがあるわけではないので,「正直なところ,ベストプラクティスはまだ分からない」と語られた。

 トークン価格の低下は,本作だけでなく,ほとんどのブロックチェーンゲームに共通する問題だ。華やかな「Oasys Special Event」(関連記事)が実施された2023年のIVSと比べると,今年のIVSではブロックチェーンゲームというジャンル自体の存在感が薄れている。

 一方で,2023年に課題とされていた「ウォレット導入の難しさ」はほぼ解消され,ゲーム自体のクオリティも上がってきたように思える。各社は確実にノウハウを積み重ねている。

 順風満帆ではないものの,現在地を認識し,少しずつ階段を登っていこうという姿勢が感じられたセッションだった。
 
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