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MMO要素を盛り込んだオープンワールドシューターはどんなものになる? 「シンダーシティ」開発元のCEOにインタビュー[G-STAR 2025]
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印刷2025/11/18 19:00

インタビュー

MMO要素を盛り込んだオープンワールドシューターはどんなものになる? 「シンダーシティ」開発元のCEOにインタビュー[G-STAR 2025]

 韓国最大級のゲームショウG-STAR 2025のメインスポンサーであるNCSOFTが,大々的に出展しているタイトルの1つが新作シューター「シンダーシティ(CINDER CITY)」だ。

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 オープンワールド形式のマルチプレイシューターとのことだが,今回のプレイアブル出展はソロプレイのキャンペーンとなっていて,まだまだ謎が多い。そこで4Gamerでは,本作を開発するBigFire GamesのCEOであり,NCSOFTの副社長でもあるペ・ジェヒョン氏にインタビューを行った。

ペ・ジェヒョン氏
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 韓国で2025年11月13日〜16日に開催されているG-STAR 2025にて,NCSOFTは新作「シンダーシティ」をプレイアブル出展している。ジャンルは“オープンワールドタクティカルシューター”だが,今回体験できたのはソロプレイのキャンペーン。パッケージゲームのようなしっかりと作り込まれたソロプレイが楽しめた。

[2025/11/15 11:26]



4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 まず,本作を手掛けるBigFire Gamesは,どのようなスタジオなのでしょうか。

ペ・ジェヒョン氏:
 NCSOFTの100%子会社で,シンダーシティを作っていたチームがそのまま移籍した会社になります。

4Gamer:
 シンダーシティは,NCSOFTとしては珍しいシュータージャンルですが,どういったコンセプトで開発がスタートしたのでしょう?

ペ・ジェヒョン氏:
 幼い頃からシューターが好きで,ずっと作りたいとは思っていたんです。もともと私は,「リネージュ」「リネージュ2」「The Tower of AION」「ブレイドアンドソウル」など,ずっとMMORPGの開発に携わってきました。そして,次の作品をどうするかずっと悩んでいたのですが,そのなかで,MMOとシューターが混ざったゲームはどうだろうと思ったのが,本作を開発したきっかけです。

 いろいろな時代が混ざったゲームにしたら面白いんじゃないかと世界観を作っていったのですが,開発中,TJ(NCSOFT CCOのキム・テクジン氏)と話していて,舞台がソウルに決まりました。ソウルを描くなら,オープンワールドにすべきじゃないか,多人数でプレイできるようにすべきじゃないかと要素が決まっていき,現在も開発を続けています。

4Gamer:
 発表当時は,2024年のリリースを目指しているという話があったような……。

ペ・ジェヒョン氏:
 理由はいろいろあるのですが,たくさんの壁があり,満足できるクオリティを目指していたら,時間がかかってしまいました。広大な世界で,数百人がプレイできるようにする技術的な面でも壁がありましたし,オープンワールド内での移動に乗り物も必要になりましたし,操作性やアート面も……。

 今回,あらためて2026年にリリースすると発表しましたが,いろいろな人から「本当に出るの?」と言われています(笑)。

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4Gamer:
 オープンワールドがウリですが,今回,会場で体験できたのはシングルプレイのキャンペーンでした。かなりしっかり作られていて驚いたのですが,キャンペーンはどういった立ち位置でしょうか。

ペ・ジェヒョン氏:
 実はもともと,小さな規模で実装する予定だったんです。ヒーロー(プレイアブルキャラクター)が5,6人いて,彼らの簡単な物語を描くチュートリアル的な立ち位置を考えていて。

 その規模が大きくなっていって,せっかくここまで作っているなら,もっと力を入れるべきでは? ということになり,オープンワールドに入る前にじっくり遊べるキャンペーンといった立ち位置になりました。そのぶん,難度もしっかりと歯応えが感じられるものになっています。

4Gamer:
 キャンペーンのプレイ時間はどの程度を想定しているのでしょう?

ペ・ジェヒョン氏:
 スムーズにいけば5,6時間。人によっては10時間ぐらいかかるかもしれません。
 キャンペーンは,例えば今回試遊できる「セブン」なら,娘を探す物語になっているのですが,キャンペーン中は娘を探すことができません。その結末は,オープンワールドで描かれることになります。

4Gamer:
 ストーリーがつながっているんですね。キャンペーンはヒーローごとに用意されるんですか?

ペ・ジェヒョン氏:
 はい。トレイラーを見ていただけると分かるとおり,ヒーローそれぞれで外見や能力が異なっていますので,新鮮なプレイが楽しめるかと思います。

4Gamer:
 では,本作はオープンワールドに乗り込むといっても,キャラメイクなどを行うわけではないんですね。

ペ・ジェヒョン氏:
 そうですね。キャラクターカスタマイズの機能はありますが,色や髪型,スキンなどになります。ビジネスモデルもお話ししておきますと,Pay to Winにはなりません。バトルパス的なものなどを用意することになると思います。

4Gamer:
 キャラクターの見た目といえば,先日のオープニングセッションでペさんがお話しされていたとき,うしろで流れている動画で,かなり露出の高いお姉さんが出てきてちょっと驚きました。

オープニングセッションの動画からキャプチャしたもの。右側の画面に,下半身がだいぶ丸出しなキャラクターがいるのが分かる
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ペ・ジェヒョン氏:
 あー,お姉さん(日本語で)。シューターなので,スピーディに動けるような格好にしました(笑)。ブースのコスプレイヤーは見ましたか?

4Gamer:
 新トレイラーの最後に出てきた人ですか?

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ペ・ジェヒョン氏:
 そうです,ああいった感じのキャラクターもいます。スナイパーやヒーラー,ドローンを操るキャラクターなど,さまざまなヒーローに出会えるでしょう。

4Gamer:
 トレイラーを見ていて気になったのですが,本作はどういった世界観なのでしょうか。クリーチャーが襲ってくるのは分かるんですけど,クリーチャーにもヒーローたちにも攻撃を仕掛けてきている,機械勢力はなんなのかなと。

ペ・ジェヒョン氏:
 ある事件により,時空が入り混じってしまった世界が舞台になっているのですが,巨大資本を持つ大企業はどこかに避難しています。そして,そこはさまざまな兵器や機械を作っていて,それらを横流しして武装勢力を支援しているんです。ヒーローたちは,武装勢力から人々を救うために,さまざまな任務に就いているわけですね。

 一方で,クリーチャーになってしまった人間もいて,彼らは光の当たらない屋内などに生息しています。必然的に,クリーチャーたちとは近距離戦になるので,ゲーム的にもまったく異なる対応が求められる存在になっています。

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4Gamer:
 なるほど。試遊の話に戻りますが,敵のAIがかなり賢くありませんか? 臨機応変に動いて,身を隠したり,スモークを投げてきたりと,厄介でした。

ペ・ジェヒョン氏:
 そこはかなり注力しています。単調なシューターが好きではなくて,決まりきった動きの敵と戦うようなゲームにはしたくなかったんです。ですから,AIはきちんと3D空間を認知して,敵がどこにいるのか,壁がどこにあるのかを認識しながら動いてきます。こうした作りが,開発が長引いてしまった理由でもあるのですが……。

4Gamer:
 敵を倒したとき,ヘッドショットで即死させないと,瀕死で倒れてうずくまりますよね。あれはどういった意図なんでしょう?

ペ・ジェヒョン氏:
 今回のキャンペーンでは入れていませんが,あの状態からグレネードを投げてくるなど,死ぬ前のアクションを行ってきます。とどめを刺すのに,銃を撃ってもいいですし,近寄って蹴り飛ばしたりしても倒せます。殺さなくても先に進むことは可能です。

4Gamer:
 今回の試遊でも,2年前のG-STARに出展されたときも,肝心のオープンワールド要素は体験できていません。あらためて,本作のウリになるこの部分がどうなるのかを教えてください。

ペ・ジェヒョン氏:
 直径8kmの広大な空間で,多人数が遊べるように作っています。歩いてもいいし,走ってもいいし,バイクや車,ヘリなどの乗り物を活用してもいい。どこにでも行けます。

 どのぐらいの人数が入れるかは,これから調整していきますが,数人ということにはなりません。数百単位は可能だと思いますが,1000人となると,現時点では分からないですね。グローバルでクローズドβテストを実施する予定ですので,そのフィードバックを見て決めていきます。

4Gamer:
 2年前のデモでは,マルチプレイが「たまたま出会ったプレイヤーと協力して敵を倒す。でも,それぞれ進行しているクエストは違うので,倒したらすぐ別れてやりたいことをやる」といった,一期一会の遊び方だった覚えがあります。本作は,そういった進行が基本のゲームなのでしょうか。

ペ・ジェヒョン氏:
 そういった遊び方もできます。敵によっては協力が必要になるので,出会ったプレイヤーと一時的に共闘することもあるでしょう。一方で,4人でパーティを組んで攻略するダンジョンのような場所もあります。

 まだお見せできていない部分が多いので,想像しづらいと思うのですが,イメージとしてはMMORPGに近い遊び方ができるシューターだと思っていただけると,分かりやすいと思います。

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4Gamer:
 MMORPGっぽいということは,キャラクターの育成要素もあるんですか?

ペ・ジェヒョン氏:
 あります。ですがRPGではないので,まったく同じではありません。キャラクターを育てるよりも,武器を強化していくほうがメインになります。

4Gamer:
 本作は,協力プレイにフォーカスしているようですが,PvPはあありますか?

ペ・ジェヒョン氏:
 はい。現在,いろいろな形でテストしているところです。アイデアベースではありますが,PvPが可能な地域を用意するといったことを考えています。ただ,まだどのようなPvPにするかは決まっていないので,現時点ではお答えしづらいです。

4Gamer:
 最後に,本作に注目しているゲーマーにメッセージをお願いします。

ペ・ジェヒョン氏:
 開発に時間はかかっていますが,そのぶん,ほかのゲームの良い部分を学びながら,本作ならではの面白さをお届けできるよう,日々努力しております。日本にも,シューター好きのゲーマーがたくさんいらっしゃいますが,いずれ行うクローズドβテストで,ぜひフィードバックをお寄せください。皆さんからいただいたご意見を,しっかり聞いていければと考えております。ご期待ください。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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