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「モンスターハンターアウトランダーズ」のプロデューサーにインタビュー。モバイルゲームで,より多くの人に楽しんでもらいたい[TGS2025]
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本イベントでは,TiMiのプロデューサーである黄 冬(ホァン・ドン)氏と,カプコンのプロデューサーである砂野元気氏が登壇し,新作スマートフォンアプリ「モンスターハンターアウトランダーズ」(iOS / Android。以下,MHO)の最新情報を公開した。
スマホで「モンハン」のアクションを楽しめる。「モンスターハンターアウトランダーズ」の最新情報が発表されたステージをレポート[TGS2025]
![スマホで「モンハン」のアクションを楽しめる。「モンスターハンターアウトランダーズ」の最新情報が発表されたステージをレポート[TGS2025]](/games/667/G066758/20250926016/TN/010.jpg)
TiMi Studio Groupは9月25日,TGS 2025のLevel Infiniteブースで,ステージイベント「プロデューサーと見る!狩猟の島の最前線」を開催した。本イベントでは,TiMi Studio Groupの黄 冬氏と,カプコンの砂野元気氏が登壇し,新作スマホアプリ「モンスターハンターアウトランダーズ」の最新情報を公開した。
発表のあと,さまざまな気になったことについて,黄氏と砂野氏に話を聞く機会を得たので,本稿ではその模様をお伝えしよう。
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開発チームのビジョンは「これまで以上に多くの人にモンスターハンターを楽しんでもらう」
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは,開発を担当するTiMiについて聞きたいです。
非常に大きな中国のスタジオというイメージですが,沿革や特色を紹介してもらえますか。
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TiMiの発展の歴史は非常に複雑で,細かく説明するとゲームの紹介ができなくなってしまいます。そのため,簡単に説明します。
TiMiはTencent Gamesの主要スタジオであり,中国・深圳を本拠地としています。いくつかのスタジオが前身として存在し,それらが合併する形で2008年に設立されました。
MHOを開発するJ1スタジオは,アクションゲームを得意としていて,過去には「Pokémon UNITE」などを手掛けています。
4Gamer:
カプコンは,MHOにどのように関わっていますか。
砂野氏:
カプコンからTiMiに「モンスターハンター」(以下,モンハン)のライセンスを提供し,開発主体はTiMiとなっています。そして,カプコンはシリーズの方向性に合っているかどうかを監修する立場です。
4Gamer:
もともとは,どちらの会社の企画だったんですか。
砂野氏:
発端はTiMiからの提案です。プランニングや実装はTiMiが担当し,各フェーズでカプコンがチェックするような開発体制となっています。
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4Gamer:
スマートフォンでのモンハンタイトルは,企画開発,運営面などで難しい課題も多いかと思いますが,MHOではどのようにアプローチしたのでしょうか。
黄氏:
スマートフォンでのモンハンの展開は大きな挑戦でした。開発チームが掲げたビジョンは,「これまで以上に多くの人にモンハンを楽しんでもらう」です。
世界中で使われているスマートフォンは,性能もブランドも千差万別です。常に変化が激しく,本格的なアクションゲームを,より多くの人に,より高い品質で提供することは,決して簡単ではありません。
これをどのように克服するかといいますと,やはりいろいろなプレイヤーの声を聞いて,彼らが何を一番重視しているのかを聞く姿勢が重要だと思います。
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4Gamer:
クローズドβテストが11月から始まりますが,プレイヤーにはどのようなフィードバックを期待しますか。
黄氏:
遊び方に関するアドバイス,ゲームの品質や性能に関するフィードバックをいただきたいです。また,今後遊んでいくうえで,どのようなコンテンツが欲しいかというご意見もありがたいです。
砂野氏:
せっかくの機会なので,モンハンの単なるスマホ版にするのではなく,TiMiのオリジナリティを盛り込んでもらっています。
クラフトをはじめとする新要素が面白いかどうか,どこをどう伸ばしていけばいいか,そういった部分に真っ直ぐなフィードバックをいただけると,最終的に目指すべき場所が明確になると思います。
4Gamer:
試遊版では,移動に使う3種類のクラフトを体験できましたが,正式版でもクラフトは移動に使うものですか。
黄氏:
正式版では,今回お見せした移動用のクラフト以外にも,さまざまなクラフトが登場します。
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4Gamer:
これまでのモンハンでも,武器を作ったり,罠を作ったりと,生産要素自体はあったと思いますが,それらとクラフトは何が違いますか。
黄氏:
「フィールドを探索するときに,さまざまなメリットを提供する」というのがクラフトのコンセプトです。従来の生産要素はもちろん,キャラクターの育成やオトモなど,さまざまな要素と関連するので,今後の情報公開にご期待ください。
砂野氏:
クラフトは,フィールドに設置するため,環境インタラクションのような,新しい体験が提供できると思います。
とくに,オトモルタコンを連れて行くと,狩猟にもクラフトが関係してきます。これまでも罠を設置する要素はありましたが,より自由に,自分の想像する形で出せれば,モンスターとの駆け引きに変化が生まれます。
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4Gamer:
従来のモンハンとは違い,MHOはモンスターの移動先がマップに表示されます。
そのため,試遊版ではモンスターの移動をクラフトで直線的に追いかける形になり,豊富な移動手段があるにもかかわらず,一本道だという印象を受けました。これについては,どう考えますか。
黄氏:
モンスターの探し方も,プレイヤーによって自由に選択できるようにしています。試遊版は時間の関係もあって直線上にクラフトを設置していますが,実際には自分でクラフトを設置して自由に探索ルートを作っていけます。
4Gamer:
1回のプレイ時間はどのくらいを想定していますか。
黄氏:
相手にするモンスターや難度によって異なりますが,モバイルゲームなので,気軽に遊べるようなプレイ時間を想定しています。
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4Gamer:
また,これまでのモンハンよりもキャラクターの美男美女感が強く,TiMiの代表作「Honor of Kings」に寄ったような印象を受けました。デザインの方向性について,なにか話し合いはありましたか。
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モンハンの範疇から大きく外れる場合はデザインの修正を依頼しますが,MHOはいろいろな冒険者キャラクターが出てくることも大きな特徴です。キャラクターを目立たせるためのデザインや設定について,いろいろと提案していただいています。
4Gamer:
「ハンター」から「冒険者」に名称を変更したのは,「TiMiがオリジナリティを発揮できるように」という意図もありますか。
砂野氏:
これまでの作品では,基本的にハンター自身が装備を作ることはありません。しかし,MHOではクラフトなどの新要素が登場するため,ハンターとは違う職業,違う技能を持っている人たちとして冒険者を定義しました。
4Gamer:
冒険者キャラクターとの会話などで,ストーリーの割合は増えますか。
黄氏:
ストーリーは,これまでの作風を維持し,伝統的なモンハンらしいものになります。
4Gamer:
では,冒険者の登場によって,PvP要素が導入されることはありますか。
黄氏:
こちらも,伝統的なモンハンのイメージに合わないため,導入しないつもりです。
4Gamer:
ビジネスモデルについて,なにか決まっていることはありますか。
黄氏:
基本プレイ無料にすることは決まっています。それ以外は,正式リリースまでにプレイヤーの声を聞き,どのような形式にするか考えていこうと思っています。
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4Gamer:
PCやコンソールなど,マルチプラットフォーム展開は予定していますか。
黄氏:
モバイル限定のタイトルになる予定です。
4Gamer:
では,タッチ操作のみで,モバイル向けゲームパッドでの操作に対応する予定もありませんか。
黄氏:
もともとはなかったですが,プレイヤーからの声で,ゲームパッドへの強いニーズを感じています。そのため,真剣に検討していくつもりです。
4Gamer:
最後に,11月からのクローズドβテストを控えて,読者へのメッセージをお願いします。
黄氏:
このプロジェクトを進めていくなかで,「より多くの人にモンハンの魅力を知ってもらう」というビジョンを持ち続けています。そのため,多くの人にテストに参加していただき,積極的にアドバイスをしていただきたいです。それによって,私たちはより良い作品を制作できると思います。
砂野氏:
MHOには,これまでのモンハンになかった要素をたくさん詰め込んでいて,ようやく皆さんに遊んでいただける段階になりました。
一方で,開発チームのやりたいことを押し付けるのではなく,こうした新要素をプレイヤーが楽しんでいるかどうか見極め,より良いゲームにしていかなければならないと考えています。
ぜひ,クローズドβテストに参加して,いろいろなご意見を聞かせてください!
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「モンスターハンターアウトランダーズ」公式サイト
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