千葉・幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2025。
KONAMIブースのメインといえる賑わいを見せているのが,2025年11月13日発売予定の
「桃太郎電鉄2 〜あなたの町も きっとある〜」(
Nintendo Switch 2/
Nintendo Switch 以下,桃鉄2)と,開幕日の9月25日にリリースされたばかりの
「SILENT HILL f」(
PC/
PS5/
Xbox Series X|S)だ。
メインストリートに面した大きなステージを挟んで両サイドに配置されたコーナーはどちらも大盛況だが,漂う空気はまったく違う。華やかでお祭りムード全開の桃鉄2に対し,「SILENT HILL f」の展示コーナーからなんだか怪しげな雰囲気が漂ってくる。
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TGS 2025のKONAMIブースでお祭り? 華やかな雰囲気で来場者を迎えていた桃鉄のコーナーで,「桃太郎電鉄2 〜あなたの町もきっとある〜 東日本編+西日本編」をプレイしてきた。シリーズ最新作は,旅行気分も“地元最高!”もより一層味わえる?
[2025/09/26 11:05]
「そもそも桃鉄とサイレントヒルって時点で雰囲気違うじゃん!」という感じではあるが,「SILENT HILL f」コーナーの空気の正体……それは第四境界の「残置物展」とコラボした
考察型展示イベント「SILENT HILL f 残置物展」だ。
「残置物展」は,コインロッカーに放置された考察型のアートイベント。ロッカーを開けて,初めて中に何があるか分かる仕掛けになっていて,何も入っていないこともあるし,そもそも入っていても「これはなに?」「なぜこれが?」と正体が分からないものがほとんどだ。
そこで来場者は,イベントのため用意された
データベースのサイトにそのものに関連しそうなキーワードを入力し,検索で引っかかった文章や言葉を手掛かりに考察していく。
今回ブースに設置されているのは,本作の舞台となる
山間部の寂れた田舎町「戎ヶ丘」で発見された(という設定の)残置物たち。参加者はロッカーを前に足を止め断片から世界に触れていくわけだが,残置物展とサイレントヒル初の日本舞台作品である「f」との相性は非常に高い。
体験の中で特に印象的なのは,大阪・関西万博でも展示されたことでも知られる
“震える石”を応用した仕掛けだ。
村田製作所(ミライセンス)の位置検出技術とハプティクス技術を活用して制作された
「ある██の█が染み込んだ石ころ」を手に取ると,不確かなものに反応してぶるぶると震えて赤く光る。その感触はただの演出ではなく,得体の知れないものに触れてしまったような錯覚を呼び起こし,空気全体に漂う不安をさらに煽ってくる。
展示は撮影可能で,体験後にはオンラインにアクセスして現地での体験の続きを楽しめる「196X年からの招待状」と特製ステッカーが配られる。
そしてコーナーの周辺では,クリーチャーの
「アヤカカシ」がノートを配布している。……ん? クリーチャーが?
アヤカカシはゆらゆらと歩いており,「ノートをちょうだい」という感じで手を差し出す,ふらふら〜と歩いてきたと思ったら突然サッ! とノートを突きつけてくる。その仕草は不気味でありながらどこか健気さもあり,ちょっとシュールでもある。
SILENT HILL×第四境界×ミライセンスによる特別なコラボが作り出す“日常の侵蝕”は,ほかではなかなか味わえない貴重なものだ。時折,ステージをまたいで隣の桃鉄コーナーから明るく楽しい「目的地到着」のBGM音が響いてきて,その明るさと不穏さのギャップもまたゲームショウならではの特別なスパイスになっていたと個人的に思う。
ビジネスデイ初日の開場から1時間もたたないうちに
整理券は80分待ちとなっており,一般公開日にはさらに列が伸びそうな雰囲気だが,体験自体は10分弱と短めなのでチャンスがあればぜひ飛び込んでみてほしい。
東京ゲームショウ終了後の9月29日から10月13日までは,
オンライン版が期間限定で無料公開される予定だ。会場に足を運べなかった人も,体験したけれどもう一度あの感覚を味わいたい人もチェックしよう。
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コナミデジタルエンタテインメントが,2025年9月25日に発売を予定している「SILENT HILL f」は,シリーズ初の日本が舞台だ。ストーリーは竜騎士07氏,クリーチャー&キャラクターデザインをkera氏,音楽を山岡 晃氏と稲毛謙介氏が担当している。
[2025/09/22 16:00]
KONAMIブースは「桃鉄2」と「SILENT HILL f」だけではなく,ほかにも多彩なゲームやコンテンツの企画で構成されている。
パワプロやプロスピといった野球ゲームのコーナーは,KONAMI野球ゲームアンバサダーである
大谷翔平選手を存分に「感じる」「楽しむ」をテーマに,今年も大谷選手を全面に押し出して展開。
「パワフルプロ野球2024-2025」(
Nintendo Switch/
PS4)や
「プロ野球スピリッツ2024-2025」(
PC/
PS5)の試遊や,記念写真が撮れるフォトスポットも用意されている。コーナーの壁面には日本代表とロサンゼルス・ドジャースのユニフォーム姿が描かれており,この2つの姿がひとつのアートとして収まっているのはなかなか貴重な光景かも。
「幻想水滸伝」シリーズの展示では,新作
「幻想水滸伝 STAR LEAP」(
iOS/
Android/
PC)をはじめ,30周年を記念した展覧会やアニメ,舞台関連の展示が展開されている。
さらに正式発表されたばかりの新サービス
「きゅん♡Tube VR Live」では,アイドルコンテンツをMeta Quest 3で体験できる。スペシャルVRステージやショートドラマが用意されており,こちらも注目度が高い。
学生クリエイターによる
ゲーム制作コンテスト「Indie Games Contest 学生選手権 2025」のコーナーでは,最優秀賞1作品,優秀賞2作品を含むベスト12作品がプレイ可能だ。学生らしい発想力あふれるタイトルを実際に体験できるのは貴重な機会。なお受賞作や表彰式の様子については,
こちらにレポートを掲載している。
そのほかにも,日本ファルコムやブシロードといったパートナータイトルの出展があり,メインステージでは,KONAMI作品に加えてパートナータイトルのステージイベントが連日実施されている。いろいろな新情報や新たなコンテンツなどが発表されているので,現地に行かない人も公式サイトの配信スケジュールを確認しておこう。
自社タイトルだけでも15以上の関連コンテンツを出展やステージで披露しているKOANAMIブース。それだけに見どころ満載で出展タイトルに関連したノベルティの配布もあるので,TGS 2025に訪れる際にはぜひチェックしておきたいブースの一つだ。