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[インタビュー]「プラグマタ」は難しそうに見えて,遊ぶと分かる心地よさ。ゲームの根本にあるヒューとディアナの関係とは[gamescom]
ドイツ・ケルンで開催されたgamescom 2025では「バイオハザード レクイエム」と並び,ブースのメインとして展示されていた。
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「プラグマタ」は,近未来の月面を舞台にしたSFアクションアドベンチャーだ。物語の中心となるのは,宇宙服をまとった男性「ヒュー」と,アンドロイドの少女「ディアナ」。2人は月面の研究施設で出会い,敵対する人工知能に支配された場所から脱出し,地球への帰還を目指す。
ヒューとディアナという2人を軸に,シューターとハッキングパズルを融合させた意欲作は,長い開発期間を経てどのように進化したのか。gamescom現地でプロデューサーを務める大山直人氏に話を聞いた。
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4Gamer:
6月のSummer Game Festでいよいよ本格的に動き出し,gamescom 2025のブースでもメインの1つとして印象的でした。
そんな本作ですが,発表から5年という長い開発期間の中で,どういう部分を磨き上げて今の形に至ったのでしょうか。
大山直人氏(以下,大山氏):
端的に言えば,「ゲームを面白くすること」を目指してきました。
2020年に公開したアナウンストレイラーは世界観を示すものでしたが,そのあとは実際にプレイできる部分を作りながら,「どうすれば長く楽しめるゲームになるか」を徹底的に検証しました。
その過程でゲームシステムを根本から見直すこともあり,アクションとハッキング要素の再構築にも取り組みました。
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4Gamer:
最初にシューターとパズルの組み合わせを見たとき,正直なところ「すごく忙しそうなゲームだな」という印象を持ちました。
ところが実際に試遊すると「意外とどうにかなる」というか,やりごたえと達成感が絶妙なバランスだなと。
アクションとパズルがそれぞれしっかりあって,それらが別々ではなく一体化しているのはすごいことですよね。やはり調整も大変だったのではないでしょうか。
大山氏:
調整自体はもちろんおっしゃるとおりですが,その前段階で「アクションとどのような要素を組み合わせるか」の検証も大変でした。
最初期は今とはまったく違うゲームシステムで,パズル以外にもさまざまな仕組みを試しました。その中で今のスタイルに落ち着き,そこからは楽しんでもらうためのバランス調整にかなりの時間を費やしました。
第一印象では「難しそう」「忙しそう」と思われるかもしれませんが,少しプレイすれば自然にマルチタスクを楽しめるようになります。そしてその先で“楽しみたい”と思ってもらえるように,ハッキング成功の1回1回が小さな達成感につながるよう工夫しました。
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4Gamer:
試遊版ではアクションとして歯ごたえがある一方,「ちょっとやってみてよ」と気軽に勧められるバランスにもなっていました。
難度調整はどのように考えていますか?
大山氏:
今回の試遊版はかなり優しめにしています。より多くの方々に楽しんでいただけるようにしたためですね。
ただ,製品版ではコアゲーマーにもしっかり歯応えを感じてもらえるよう,難度のバリエーションを設けます。カジュアルゲーマーとコアゲーマーの両方が満足できる幅を持たせることを目指しています。
4Gamer:
ヒューとディアナの関係性が,物語にもゲームシステムにも反映されていると感じました。バディものの雰囲気もありますよね。
この2人の設定はどの段階で生まれたのでしょう。
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大山氏:
本作は,ヒューとディアナの関係性がすべてのベースにあります。
「2人が協力して物語を進める」というコンセプトは最初からあり,それも単に守る側と守られる側ではなく,「互いに助け合う関係」です。
最終的にシステムをパズルに決めたときも,そのゲーム性はもちろんですが,「ディアナの能力をどう表現するか」の考えが重要でした。
4Gamer:
実際にプレイしてみて,ディアナの仕草や表情など,細かい動きに強いこだわりを感じました。
大山氏:
キャラクターの設定や動きは初期からしっかり固めていました。
ディアナのかわいさは,アンドロイドらしさを持ちながらも,人間味のようなものを自然と感じてもらえるよう作り込んでいます。
例えばハッキング時の力強い表情も,守られる立場ではなく「自分も戦う立場」であることを示しています。
これも2人のドラマを描くうえで大切な部分でした。すべては「ヒューとディアナの関係性をどう描くか」をベースに置いています。
そのうえで注目していただきたいのは,ディアナの長い髪の表現と挙動ですね。サラサラと自然に動く毛髪の描写は,ほかのゲームでもなかなか見られないものだと思います。
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4Gamer:
アクションの操作感は良好ですが,不自由ではないものの,どこか重力を感じさせるのがよかったです。
大山氏:
重力表現は非常にチャレンジングでした。
本作はアクションやパズルの面白さに加えて,ヒューとディアナの関係を描くアドベンチャーとしての側面が重要です。2人が置かれている状況をプレイヤーに体験してもらうえでも,重力の感覚は欠かせません。
場所により重力の強さも異なるため,その変化も大切にしています。
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4Gamer:
プレイ時間はどのくらいを想定していますか。
大山氏:
はっきりとしたことはまだ申し上げられませんが,弊社タイトルでいえば“最近のバイオハザード”に近いボリュームを想定しています。
4Gamer:
しっかりと時間をかけて遊べそうですね。
ただそうなると,ハッキングのパズル要素が単調にならないか気になります。
大山氏:
その点はもちろん考えています。
新しい能力のアンロックや,敵の防御を崩す手段の追加など,プレイヤーが慣れるにつれて複雑さと幅を増す仕組みを設けます。
ゲーム全体の流れはすでにできているので,そこにどう段階的に新要素を入れていくかを考えながら,現在も調整を続けています。
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4Gamer:
最後に,この記事を読んでいるファンにメッセージをお願いします。
大山氏:
まずは長らくお待たせしてしまい,申し訳ありません。そして待ってくださって本当にありがとうございます。
「プラグマタ」は,映像だけを見ると難しそうに思われるかもしれませんが,実際に遊ぶと爽快感や達成感を強く感じられる作品です。
ヒューとディアナの関係性を通してしか体験できない,本作ならではの物語とゲームプレイを用意しています。
2020年のアナウンスからトレイラーを見てくださった方々は,その要素の一部がゲーム内でも登場するので楽しみにしてください。
今後はさまざまなイベントで試遊いただける機会も増えると思いますので,ぜひ触れていただけるとうれしいです。
4Gamer:
ありがとうございました。
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「プラグマタ」公式サイト
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