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[インタビュー]AWSが語る,日本のゲームのグローバル展開を支える開発 / 運営支援――生成AIとクラウドがもたらす可能性
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印刷2025/06/24 17:00

インタビュー

[インタビュー]AWSが語る,日本のゲームのグローバル展開を支える開発 / 運営支援――生成AIとクラウドがもたらす可能性

写真は「AWS Summit Japan 2024」
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 アメリカ・サンフランシスコで2025年3月に開催されたゲーム開発者会議「GDC 2025」で,「Amazon GameLift Streams」をはじめとしたクラウドや生成AIを活用したゲーム開発・運営支援の最新ソリューションを積極的にアピールしていたAmazon Web Services(AWS)。6月25日と26日には,日本最大の“AWSを学ぶイベント”である「AWS Summit Japan 2025」が開催される。

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写真は「AWS Summit Japan 2024」
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AWS Summit Japan 2025公式サイト


 4GamerではGDC 2025の現地取材を通じて,そうした技術やサービスの概要をいち早く紹介してきたが,今回はさらに一歩踏み込んだメールインタビューを実施。さまざまな形で展開されるサービスの背景にあるAWSの考え方や,日本のゲーム産業に向けた姿勢についてGDC現地でもインタビューに応えてくれたAJこと今井篤人氏が,今回も詳しく答えてくれた。
 ゲームを含む幅広い分野でのクラウド活用が注目されるなか,本稿ではその一端となる取り組みに焦点を当ててお届けする。

写真右が,今回メールインタビューに応えてくれた日本のゲーム業界の支援を統括するAJこと今井篤人氏(GDC 2025のインタビューより。写真左はAWSゲーム事業開発リーダーのShayan Sanyal氏)
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Amazon Web Services(AWS)公式サイト

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 2025年春にAWSが発表した「Amazon GameLift Streams」は,ゲーム開発元が独自の料金体系やプレイ環境を設定できるクラウドゲーミング基盤だ。プラットフォームに依存しない柔軟性が,クラウドゲームの未来をどう変えるのか。GDC 2025会期のサンフランシスコでAWSのキーマン2名に話を聞いた。

[2025/04/18 18:00]

[GDC 2025]AWSによるゲーム開発とサービスを変える最新ソリューションを体験――目玉はクラウドゲームサービスAmazon GameLift Streams【PR】

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 GDC 2025のAmazon Web Services(AWS)ブースでは,ゲーム開発から配信,収益化までを支える最新ソリューションが紹介されていた。本稿ではブースやセッションの取材を通して,注目のクラウドゲームサービス「Amazon GameLift Streams」を中心としたAWSの最新技術を紹介しよう。

[2025/03/26 12:00]

アイデアを形に,ゲームを世界に。AWSが考えるゲーム開発 / サービスの支援とは


4Gamer:
 「日本のゲームを世界へ / Go Global」というキーメッセージについて,AWS Japanとしてどのような支援策を具体的に講じているのでしょうか。成功事例や具体的な取り組みの一端をご紹介いただけますか。

AJ氏:
 AWS Japanでは,日本のゲームを世界に展開するための包括的な支援を行っています。
 現在AWSは,245の国と地域でサービスを提供しており,37のリージョン(広域データセンター群)にまたがるグローバルなクラウドインフラストラクチャを展開しています。さらに4つの新しいAWSリージョンの追加も計画されており,このグローバルな基盤を活用することで,世界中のどの地域においても高品質なサービスの提供が可能となっています。

 まず,全世界のゲームユーザーが快適に遊べる環境を提供することが重要です。
 この点で,AWSの独自のグローバルネットワーク網が大きな強みとなっています。例えば,最近のカプコン様の「モンスターハンター ワイルズ」の発表でも触れられていましたが(関連記事),AWSの低遅延ネットワークにより,世界中のプレイヤーに対して高品質なゲーム体験を提供することが可能になっています。

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 アマゾン ウェブ サービス ジャパンは2025年5月26日,記者説明会を都内の同社オフィスで開催した。カプコンの「モンスターハンターワイルズ」において,同時接続プレイヤー100万人以上を実現した舞台裏やAWSの概要などが紹介された。

[2025/05/27 20:07]

 次に,グローバル展開において非常に重要なのが,各国のユーザー特性の把握です。
 文化や興味関心,課金傾向など,世界中のユーザーを深く理解するためには,その前提として,堅牢なID/アカウント基盤が不可欠です。AWSを活用したID/アカウント基盤の構築により,クロスプラットフォームでのシームレスなユーザー体験や,地域ごとの規制に対応したデータ管理が可能になります。
 このデータを基に,AIや機械学習を活用したリアルタイム分析など,最先端技術を駆使したデータドリブンなゲーム運営に必要な意思決定が可能になります。

 グローバル展開に伴い重要となる高度なセキュリティ対策,効率的なオンラインゲームの運用など,さまざまな視点での支援を可能にしているのが,世界中のゲーム企業に対して16年間にわたって蓄積してきた知見と,Amazon Bedrockなどの最先端AI技術です。
 これらを活かし,日本のゲーム企業の皆様が世界で成功を収められるよう,技術面だけでなく,戦略面でもサポートを提供しています。

写真は「GDC 2025」内GDC EXPOのAWSブース
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4Gamer:
 日本発のタイトルがグローバルで成功を収めるうえで,開発・運用面における共通課題はどのようなものがあると考えていますか。

AJ氏:
 多くのゲーム会社様との対話を通じて,グローバル展開における最も大きな共通課題は,開発期間の長期化とコストの増加です。この背景には,いくつかの要因があります。

 まず,ユーザーからの高まるクオリティ要求への対応があります。グローバル市場では,より高度なグラフィックや複雑なゲームシステムが求められる傾向にあります。また,複数プラットフォーム対応の必要性も課題の一つです。PC,コンソール,モバイルなど,さまざまなプラットフォームに対応することで,開発の複雑性が増大します。
 さらに,各国のカルチャーや言語への対応,地域ごとのコミュニティ戦略の確立も重要です。これらは単なる翻訳にとどまらず,文化的な文脈を考慮した深いローカライゼーションが必要となります。
 グローバル展開に伴い,セキュリティ面での課題も増大します。特に,チート対策はより高度化し,常に進化する脅威に対応する必要があります。

 これらすべての要素を考慮しながら,一貫したユーザー体験を提供するためには,おのずと開発期間は長くなり,コストも増加してしまいます。
 これらの課題は,日本に限ったことではなく,AWSが世界中のゲーム会社様から耳にする共通の課題です。グローバル市場で成功を収めるためには,これらの課題に効果的に対処することが不可欠です。

写真は「GDC 2025」内GDC EXPOのAWSブース
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4Gamer:
 それらの課題をAWSはどう解決しようとしているのでしょうか。

AJ氏:
 AWSでは,ゲーム開発・運用・成長のライフサイクル全体を通じて,Build(開発),Run(運用),Grow(成長)という3つのフェーズでの包括的なサポートを提供しています。

 Build(開発)フェーズでは,Amazon BedrockやAmazon Q Developerなどの生成AI技術を活用した開発効率の向上を支援しています。例えば,ローカライゼーションの効率化や,QAなどの開発プロセスの自動化が可能になります。
 また,グローバルなマルチプラットフォーム開発を見越した効果的な開発プロセスの自動化支援や,クラウドを活用したセキュアで堅牢なゲーム開発環境の構築支援も行っています。

 Run(運用)フェーズでは,グローバルでの低遅延運用の実現や,運用効率を見据えた効率的なサーバー設計とスケーリングをサポートします。さらに,チート対策を含めた高度なセキュリティ対策の実装も支援しています。

 Grow(成長)フェーズでは,データ分析に基づくユーザー理解やAIを活用した分析,グローバルな収益最適化をサポートします。特に重要なのが,Acquisition(獲得),Engagement(維持),Monetization(収益化)という3つの観点からの支援です。地域ごとに異なるユーザー特性や市場動向に応じた戦略の立案と実行を可能にします。

 これらの包括的なサポートにより,日本のゲーム企業が直面するグローバル展開の課題に効果的に対処し,世界市場での成功を支援しています。

写真は「GDC 2025」内GDC EXPOのAWSブース
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4Gamer:
 「Build / Run / Grow」における「Grow」フェーズで提唱されているAEM(Acquisition/Engagement/Monetization)の概念について詳細を教えてください。
 AWSが提供するサービスやソリューションがどのようにゲーム運営に貢献しているのか,事例を交えてご紹介いただけますか。

AJ氏:
 AEMは,ゲームの持続的な成長を実現するための重要なフレームワークであり,ライブサービスゲームを運営していくうえでのKPIとしても使われる三要素です。それぞれがデータドリブンな意思決定を可能にし,ゲームの長期的な成功を支える基盤となります。

 まずAcquisition(獲得)では,質の高いユーザーを効率的に獲得することが重要です。
 データ分析に基づくユーザー獲得戦略の策定,地域特性を考慮したマーケティング展開,そして離脱率の少ない効果的なオンボーディング設計を支援しています。
 重要なのが,初回ユーザーエクスペリエンス(First Time User Experiences / FTUE)の設計です。例えば,あるお客様では,AIを活用したユーザー獲得最適化により,獲得コストを40%削減しながら,質の高いユーザーの獲得率を25%向上させることに成功しています。

 Engagement(維持)においては,プレイヤーの長期的な継続率向上が鍵となります。
 リアルタイムのユーザー行動分析により,個々のプレイヤーの好みや行動パターンを理解し,AIを活用したコンテンツのパーソナライゼーションやレベルデザインの最適化を実現します。
 さらに,離脱予測モデルを活用した予防的施策の実施や,グローバルコミュニティの形成支援も行っています。例えば「Call of Duty」では,機械学習を活用してユーザーの滞在時間が短くなる傾向を分析し,効果的な改善を実現しました。


 Monetization(収益化)については,データとAIを活用したより高度な最適化を提供しています。各国の市場特性に応じたユーザーセグメントごとのマイクロトランザクションやバトルパスなどの価格設定,AIを活用した購買予測に基づく最適なアイテム提供,そしてライブオペレーションと連動した収益化施策の展開をサポートしています。

 別の例として,バンダイナムコエンターテインメント様の「ガンダムメタバース」では,Amazon Anywhereを活用し,メタバース空間内でのシームレスな商品購入体験を実現しています。米国のガンダムファンは,メタバース空間を離れることなく,最新のプラモデルを含む商品を直接購入できるようになりました。

※2025年4月21日から5月20日まで期間限定で公開された企画。詳細はこちら(AWSのプレスリリース)

 これらの要素は相互に連携し,継続的な改善サイクルを形成します。例えば,獲得したユーザーの行動データは,より効果的なエンゲージメント戦略の立案に活用され,それが結果として収益化の最適化にもつながっていきます。
 このように,AEMフレームワークを通じて,データに基づいた戦略的なゲーム運営を支援し,グローバル市場での持続的な成長をサポートしています。

写真は「GDC 2025」内GDC EXPOのAWSブース
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4Gamer:
 昨今注目されている生成AI技術は,ゲーム開発プロセスやその効率化においてどのような形で取り入れられつつあるとお考えでしょうか。
 またAWSとして,生成AIの導入による開発期間の短縮や品質向上をどう支援していますか。開発初期フェーズでの活用事例などがあればお聞かせください。

AJ氏:
 生成AI技術は,ゲーム開発において新たな可能性をもたらしています。重要なのは,この技術がクリエイターの創造性を支援し,より価値の高い創造的な業務に時間を費やせるようにすることです。

 まず,生成AI技術の活用において重要なのは,日々進化し続けるAIモデルを,さまざまなユースケースに合わせて適切に選択することです。AWSでは,Amazon Bedrockを通じて,Anthropic,Cohere,AI21 Labs,Stability AI,Meta,そして私たちが開発したAmazon Novaなど,業界をリードする企業の最先端AIモデルを,単一のAPIで利用できる環境を提供しています。これにより,お客様は用途に応じて最適なAIモデルを選択し,活用することができます。

 現在,主にゲーム開発プロセスにおける生成AI活用は,以下の3つの領域で進んでいます。

 1つ目は,開発プロセス全体の効率化です。
 開発初期フェーズでは,Amazon Bedrockを通じて,コード生成だけでなくアセットやBGMなど用途に応じた最適なAIモデルを活用することで,アイデアをプロトタイプに落とし込み,ゲームの手触り感やコアとなる面白さを少人数で高速に検証することができます。
 また,開発中期以降では量産化が必要となり,関連する仕様書もConfluenceなどのナレッジベースに散逸していくことが多いのですが,Amazon Q Businessを使ったEnterprise RAGの構築により,必要な情報をすぐに得ることができます。ここでは,ゲームのIPといった重要資産を,AWSの堅牢なセキュリティ基盤の上で安全に管理することが重要なポイントとなります。

 2つ目は,非技術者向けの開発支援ツールとしての活用です。
 ここで重要なのは,クリエイティブな部分については慎重なアプローチが必要であるということです。Amazon NovaやStability AIなどのモデルを活用することで,プロトタイプやサンプル制作段階でのアセット生成,ローカライゼーションの自動化支援など,クリエイターの意思決定を支援する形での活用が進んでいます。
 企画職のプランナーも生成AIを活用することで,仕様書の表記揺れをチェックし,実装を担当するエンジニアとのコミュニケーションを円滑に行うことが可能となります。

 3つ目は,ゲーム体験の拡張に向けた研究開発です。
 各AIモデルの特性を活用し,NPCの行動パターンの最適化や,プレイヤー体験のパーソナライズ化など,ゲームの本質的な部分をより豊かにする可能性を探っています。
 ここで重要なものとして,生成AI技術が日々進化しているという点があります。そのため,特定のAIモデルに依存するのではなく,常に最適なモデルを選択できる柔軟性が重要になります。Amazon Bedrockは,この課題に対する解決策を提供しています。

 AWSでは,これらの活用を安全かつ効果的に実現するための基盤を提供しています。
 とくに,責任あるAIの実現を重視しており,データのセキュリティやプライバシーの保護,著作権の考慮はもちろん,AIシステムの公平性,説明可能性,透明性を確保するためのガードレールを提供しています。
 Amazon Bedrockに実装されているこれらの保護機能により,企業は安心して生成AI技術を活用できるようになります。

写真は「GDC 2025」内GDC EXPOのAWSブース
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4Gamer:
 クラウド環境におけるコスト最適化について,ゲーム開発・運営においても極めて重要なテーマだと思います。
 AWSではどのようなアプローチやツールで最適化を支援していますか。また,ゲーム業界において効果的だった最適化の事例や,導入時の課題とその解決策などがあれば教えてください。

AJ氏:
 オンラインゲームの運営において,コスト最適化は極めて重要なテーマです。これが世界規模でのサービス展開となると,より戦略的なアプローチが必要となります。

 世界中の多くのゲーム会社様が,AWSのサービスを活用しながら,私たちとディスカッションを重ね,創意工夫のうえで,それぞれの状況に最適なコスト最適化を実現されています。
 例えば,DeNA様の事例では,オートスケーリングやスポットインスタンスを効果的に活用することで,需要の変動に応じた柔軟なリソース調整を行い,60%のコスト削減を実現されています。
 また,バンダイナムコ様の「BLUE PROTOCOL」では,AWSが開発したGravitonプロセッサを採用することで,従来のワークロードと比較して最大40%以上の高いコストパフォーマンスを実現しています。
 このように,多くのお客様が最新のテクノロジーを活用してコスト最適化を進めています。

 ここで重要なのは,単にクラウド利用料金の削減だけを目指すのではなく,トータルコスト(TCO)の観点から最適化を図ることです。
 具体的には,Amazon GameLiftのようなフルマネージドサービスや,AMazon ECS,Amazon EKSといったマネージドコンテナサービスを活用することで,インフラやサーバーエンジニアの方々の運用負荷を大幅に軽減できます。これにより,エンジニアの方々がより創造的な業務に注力できる環境を実現し,長期的な視点でのコスト削減と効率化を達成しています。

 注目すべきは,こうした最適化が単なるコスト削減ではなく,お客様のクリエイティブな活動をより活性化させることにつながっている点です。
 リソースの効率的な管理と運用の自動化により,開発者やエンジニアの方々が本来注力すべき,ゲームの品質向上や新機能の開発により多くの時間を割けるようになっています。

 AWSとしては,このようなお客様の創造的な活動を支援することこそが,真の意味でのコスト最適化だと考えています。技術的なソリューションの提供だけでなく,お客様のビジネス目標達成に向けた包括的なサポートを提供していきます。

写真は「GDC 2025」内GDC EXPO
画像ギャラリー No.016のサムネイル画像 / [インタビュー]AWSが語る,日本のゲームのグローバル展開を支える開発 / 運営支援――生成AIとクラウドがもたらす可能性



 最後にあらためて,AWSが日本のゲーム産業に対してどのような姿勢で取り組んでいくのかを語ってもらった。

 私たちAWSは,単なるクラウドプロバイダーとしてではなく,日本のゲーム産業の発展に貢献するパートナーとしての役割を担いたいと考えています。
 特に,生成AI技術の活用において,私たちはいま,重要な変革期にあると捉えています。

 技術の進化により,データとAIを活用したユーザー理解の深化,グローバルでのシームレスな展開,効率的な運用基盤の実現など,これまで課題とされてきた多くの領域で新たな可能性が広がっています。
 Amazon Bedrockを通じて提供している柔軟なAIモデル選択の環境は,お客様が常に最適なソリューションを活用できるようにするための重要な基盤となっています。

 またAmazonには,私たちAWS for Gamesのほかにも,Amazon EC,Prime Video,Twitch,Amazon Adsなど,多様なコンシューマビジネスがあります。さらに,Amazon Gamesでは2012年からゲーム開発・パブリッシング事業も展開しており,「New World」や「Lost Ark」といった大規模オンラインゲームの開発・運営を通じて得られた知見も蓄積しています。
 こうした幅広い経験を基に,ゲーム開発,コンテンツ配信,ユーザーエンゲージメント,マーケティングなど,多岐にわたる領域での知見をAWSのサービスに生かしています。

 一方で,ゲーム開発の本質は,クリエイターの方々の創造性にあります。私たちが提供する技術やソリューションは,あくまでもその創造性をより豊かに表現するための支援ツールです。

 今後も,蓄積された知見と最先端技術を組み合わせることで,日本のゲーム企業の皆様の成功を,グローバル向けタイトルに限らず,あらゆるゲームの変化やユーザーの要望に応えながら,新たなビジネス機会の創出を支援してまいります。

写真は「AWS Summit Japan 2024」
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[2025/03/26 12:00]
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