業界動向
中国国家新聞出版署が2025年12月分のゲーム版号を公開。年間1771本に増加し,審査ペースは安定フェーズへ
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今回の発表は,2025年における最後の版号発行にあたる。これにより,2025年に発行された版号の累計は1771本となり,中国産タイトルが1676本,輸入タイトルが95本を占めた。参考として,2024年は合計1416本(中国産1306本,輸入110本)が発行されており,2025年は年間を通じて数量面で明確な増加が確認できる。
数年前に見られた厳格な管理体制と比べると,現在の版号審査は安定し,発行ペースも一定の予測が立てやすい段階に入っている。こうした変化は,政策面における不透明感が徐々に後退していることを示すものと言えそうだ。
263日を経て,中国ゲーム業界が待ちこがれた版号(ライセンス)の発行が再開される
今をさかのぼること4年。2018年に起きた中国ゲーム版号(ライセンス)の発行中止は,計265日間続き,業界に大打撃を与えた。昨年2021年7月から,版号(ライセンス)の新規発行は再び凍結状態に入り,263日が経った2022年4月11日に,中国ゲーム業界はようやく,版号の新規発行承認リストを目にすることができた。
この落ち着いた環境を背景に,ゲーム企業の事業戦略にも変化が見られる。かつては「いち早く版号を取得すること」に重きを置いてきたが,今では作品の完成度や品質そのものに注力する動きが強まっている。この流れは,市場競争の軸をゲームプレイやコンテンツ,運営といった本質的な要素へと引き戻すと同時に,大手企業による寡占構造を緩和し,中小規模のメーカーにとっても参入や成長の余地を広げるものとなっていると考えられる。
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一方で,輸入ゲームを巡る動向も注目される。2024年1月から10月にかけては,輸入タイトルの版号はおおむね隔月で発行されていたが,2025年は年間を通じて毎月発行が行われた。発行数自体は前年を下回ったものの,時期が均等化された点は大きな変化といえる。これは,従来の不定期なバッチ方式から,より常態化した供給体制への移行を意味するかもしれない。
こうした傾向は,海外パブリッシャーにとっても中国市場への参入判断を行いやすくする材料となる。版号発行が特定の時期に集中しないことで,中小規模の海外企業にも機会が生まれ,結果として市場に投入されるタイトルのジャンルや内容が多様化することも期待される。
2025年の中国ゲーム産業報告公開,市場規模は前年比+7.68%で過去最高を更新。海外展開も引き続き好調
2025年12月19日,中国音像・デジタル出版協会ゲーム出版工作委員会は「2025年中国ゲーム産業報告」を発表した。2025年の中国ゲーム市場は堅調な成長を維持し,7兆7173億円の規模とYoY+7.68%の高成長で過去最高を記録。
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- 編集部:haruka
総じて見ると,2025年の版号発行状況は,中国のゲーム市場が量的管理の段階を越え,質や持続性を重視するフェーズへ移行しつつあることを示している。政府がゲーム産業を経済戦略の一環として位置付けている点も踏まえると,今後の版号発行数は,政策動向を読み解く指標となりそうだ。
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