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令和の世に蘇る,懐かしの「鉄騎」コントローラ。学生たちの協力でコクピット型筐体が会場に降臨[TGS2025]
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専門学校国際理工カレッジ 公式サイト
さまざまなタイトルが出展されていた専門学校国際理工カレッジブースだが,中でも目を引いたのがロボットシューターの「Mars Cavity」だ。
注目すべきポイントは二つあり,一つは「懐かしい『鉄騎』コントローラを使って,現代の学生がゲームを作った」こと。そしてもう一つは「コクピット型筐体を学内で自作した」ことである。
プレイヤーはロボットに乗り込み,立ちふさがる無数の敵ロボットを撃破していく。敵の残骸からはアイテム「フレンジーパック」が出現し,取れば一時的に攻撃力と火器の発射レートがアップする。自機に積まれた武器が轟々と唸りを上げ,敵を粉砕する様は迫力の一語に尽きる。
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ブースには複数の試遊台が並んでいて,通常のコントローラでも遊べたのだが,一つだけ「鉄騎」コントローラを使ったコクピット型筐体が用意されていた。
4Gamer読者にはいまさら説明するべくもないが,「鉄騎」は初代Xbox用タイトルとして2002年に発売されたロボットアクションシューターだ。なにより操縦席を模した大型の専用コントローラが同梱される形で発売されたことで,今でも語り草となっているタイトルでもある。
幅88cmの操作パネルには40個以上のスイッチと3本のレバーが並び,これに3種のペダルを併用して操作するというこだわり。コクピットハッチの開閉ボタンや,通信機の周波数を変えるダイヤル,酸素供給装置のスイッチまで用意されていて,人型兵器を動かすというリアリティが体験できた。
当時,筆者は購入後,一刻も早く遊ぶために持ち帰りを選択したものの,その規格外の重さと大きさから,店から最寄り駅に運ぶだけでも一苦労だったと記憶している。
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「Mars Cavity」は,さすがにすべてのボタンとスイッチが使えるわけではなかったが,レバーとペダルを使った操縦は感慨深いものがあった。レバーの手応えとペダルの感触は実に武骨であり,3つのペダルを踏み分けて自機をジャンプ,ブースト,高速巡行させるギミック感は,リアルな操縦を思わせるものがある。難度は控えめで,前述のフレンジーパックのトリガーハッピー感と併せて,爽快に戦えるタイトルとなっていた。
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「鉄騎」の発売は23年前なので,今の学生たちが知る由もない。東京ゲームショウの出展に「鉄騎」コントローラを使うというアイデアは,教師側からの提案だったそうだが,学生側が乗り気だったこともあり,「自分たちの好きなものを詰め込みたい」と考えたゲームクリエイター科の学生たちが制作を進めたという。
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機械部分は,デザイン科の学生が3Dプリンタを使って制作を担当した。パーツの中には大きなものもあり,出力するために4分割した上で,15時間を費やしたものもあるという。教室に落ちていたペットボトルのフタを装飾に使ったり,ダクトにエアコンの部品を使うなど,さまざまな工夫も盛り込まれている。
最後に椅子をセッティングして完成となったが,筐体サイズをギリギリにし過ぎたため,なかなか椅子が入らず苦労したそうだ。
完成した筐体は学生たちが人海戦術でトラックに運び込み,会場でのセッティングを行ったという。学生たちの士気は高く,夏休み期間にもかかわらず,毎日登校して作業を進めたとのことである。
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懐かしい「鉄騎」コントローラが学生たちによって令和に蘇るとは,筆者のようなオールドファンには嬉しいサプライズだった。また取り組みがゲームクリエイター科だけで終わらず,建築設計科とデザイン科まで巻き込んで,「コクピット型筐体でロボットゲームを遊んでもらう」という目標に向けて団結したのもすばらしい。学生たちにとっては思い出に残る,貴重な経験だったのではないだろうか。
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