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最高年齢は94歳! 大阪万博で開催された高齢者向けゲーム大会「GeeSPORTS」は,これからのゲーマー高齢化の受け皿になるか?
「高齢者によるeスポーツ大会」と書くと大変に地味だが,6チームしかないのに参加者の年齢を全部足すと1751歳になるとか(1チーム平均291歳!),94歳の選手ってどんな人だろうと思ったら,想像をはるかに超えて元気で,かくしゃくとしていて驚かされるとか,なかなかに楽しい大会である。
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同委員会は,高齢化社会が抱える課題に対し,エンターテインメント分野からのアプローチによる解決を企図し,加齢に伴う身体機能の低下に関わらず楽しめるゲームをデザインして,それをシニアeスポーツ「GeeSPORTS」と定義。ゲームが持つ新しい可能性に着目し,高齢者がゲームをプレイすることで,わくわく感,生きがい,自信を持つきっかけとなることを目指すとしている。
それに加えて,今回の大会ではeスポーツ大会を通じ,多くの人々や団体と意見やアイデアを交換し,ゲームを楽しみながら健康維持や認知症予防に取り組む試みや,社会参加や多世代交流に対してゲームが持つ可能性を検証するのだという。
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もともと高齢者とゲームという括りで見ると,認知症予防の観点で話題に上がることは多い。事実,スマートフォンでシニア世代がツムツム系などを遊んでいるのを,最近ではよく見るようになった(というか,筆者の母親もまさにそれだ)。
そして,もはやこれは,いまシニア世代である人たちだけの話ではない。
1983年にファミリーコンピュータが登場し,1985年の「スーパーマリオブラザーズ」発売で,ゲーム機が家庭に一気に普及してから40年が経過している。当時は小学生をはじめ,子供へのプレゼントが中心であったと考えれば,そこでゲームに触れた人たちが今もゲームを遊んでいるのなら,50歳前後になるのである。もう10年もすれば,ゲームが趣味のシニア層が増加するのは想像に難くない。
高齢者が今からゲームを始めるのと,ゲーマーが高齢者になることは単純に比較できないが,そうした高齢者がゲームをテーマにして活躍する場は,間違いなく必要になってくるはずだ。今大会は,そのモデルケースの1つになるのかもしれないが,ともあれ,この大会の模様を取材したので,本稿でお届けしよう。
高齢者が分かりやすい専用のゲームタイトルを開発
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今回の大会で使用されたタイトル「Gerogue(ジェローグ)」は,GeeSPORTS専用に開発されたものだ。2072年のテクノロジーが人々の身体を支配する社会を舞台に,その支配を嫌い生身のまま老いを重ねてあらがう人々「Gerogue」として,テクノロジーに立ち向かうという作品になる。
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ゲームとしては,3対3のチームバトルを繰り広げるアクションシューティングになっており,プレイヤーは機能が異なる3種類のユニットのいずれかを操作し,敵陣の拠点破壊を目指す。
ユニット同士での戦闘もできるが,キモになるのはフィールドに存在する合体エネルギーを集め,「3人が息を合わせて,タイミングよく2つのボタンを同時押し」すると,「じゃんけん」的な相性が設定された3種類のロボットに合体できることだ。
ロボットは圧倒的に強く,敵拠点の防御壁を軽く破壊できる。そして,拠点の耐久度を削り切ると必殺技の発動が可能となり,再び3人がタイミングを合わせてボタンを押すことで敵拠点を破壊,勝利となる。
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操作に使うのは,レバーでの移動と,攻撃,特殊動作用ボタンの2つのみ。今回の参加者を考えれば,「分かりやすい」「遊びやすい」という大会専用のゲームを用意するというのは,理にかなっているだろう。
それでも,高齢者3人が息を合わせて,同時にボタンを押すというのは,なかなかに大変そうにも感じられる。声がけはもちろん,しっかりとチーム力が試される仕組みになっているわけだ。
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一方,ゲームに慣れた世代が高齢者になっていくと,加齢による反応速度や筋力,集中力の低下に影響が比較的に薄いであろう,例えば「グランツーリスモ」シリーズなど,現在eスポーツの場で活用されるタイトルも,大会用のレギュレーション(一般車に絞ったレースなど)を設定して,十分に競技で使われるのではないだろうかとも思う。なんなら,シニアプロが多く登場しても,おかしくはないはずだ。
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全員が90歳以上のチームも。下は65歳,最高年齢は94歳の類を見ないeスポーツ大会が開幕
今回のGeeSPORTSを戦うのは,本大会に賛同した事業者・団体から,65歳以上の3名1組による6チームとなる。
新潟県代表:Come on NIigata!(新潟県老人クラブ連合会)
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大阪府代表:学研グループ(学研ココファン,メディカル・ケア・サービス)
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大阪府代表:元気グループ(サンガジャパン 西日本支社)
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京都府代表:亀岡市福祉事業団
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栃木県代表:White Heron(上三川町社会福祉協議会)
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兵庫県代表:グランダ甲南山手(ベネッセスタイルケア)
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チームによっては,補欠選手として4人目の参加もあった。試合はトーナメント形式になっており,決勝は2セット先取の3セットマッチ,それ以外は1セット先取で勝敗を決める。
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1回戦は,最少年齢92歳,最高年齢94歳の最高齢チームという元気グループと,新潟県から参加のCome on NIigata!の一戦だ。いち早く合体に成功したCome on NIigata!が戦況を有利に進める。拠点での攻撃では,最後の必殺技で同時押しに1回失敗するものの,再度の挑戦で見事に成功して勝利した。
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続く,2回戦は学研グループvs.グランダ甲南山手。こちらも早々にロボットに合体した学研グループが,そのまま拠点破壊まで進めて勝利を収めた。ここまで,先にロボットになったチームが勝利していることから,いかに早くロボットになれるかが勝負を決めるように思えるが……?
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準決勝の第1試合は,1回戦の勝者Come on NIigata! vs. 亀岡市福祉事業団。さっそくロボットに合体して敵拠点を攻撃するCome on NIigata!だが,負けじと亀岡市福祉事業団も合体に成功。ここでCome on NIigata!のロボットを撃破して,攻守が入れ替わる。そのまま敵拠点に突入した亀岡市福祉事業団が試合を制した。
どちらもロボットになれた場合,やられた側は再び合体できるまでに,かなりの時間を要してしまう。そのことから,ロボットになったときこそ,敵への注意が必要になるのだろう。
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準決勝第2試合は,学研グループと,栃木県の代表White Heronの一戦だ。先に合体したのはWhite Heron。そのまま拠点を攻撃しつづけ,必殺技の発動も成功し,あっという間の速攻で勝利を獲得した。
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亀岡市福祉事業団とWhite Heronによる決勝戦。さすがにここまで勝ち上がってきたチームということか,互いにロボットを出し合い,一進一退の攻防を見せてくれる。1勝1敗で迎えた最終セット,White Heronが亀岡市福祉事業団の拠点を破壊し,「GeeSPORTS」初代優勝チームに輝いた。
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![]() 準優勝の亀岡市福祉事業団には,トロフィーと賞金30万円が |
![]() 優勝したWhite Heronには,トロフィーと賞金50万円が贈られた |
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大会の最後には,2026年秋にさっそく「第二回GeeSPORTS」が開催されることが発表された。今回は,大会そのもののお披露目の意味合いが強かったと思うのだが,次は日本各地から多くの高齢者が参加して,より盛り上がってくれることに期待したいところだ。
とはいえ,本件は(少なくとも現時点では)民間の会社が中心となって動いているプロジェクトであるため,なんらかの形でビジネススキームの成立が求められることは間違いない。いまの時点では影も形も見えないが,第2回,第3回と重ねることでビジネスプランも成立し,主催も選手も,施設の皆さんも観客も,みんながハッピーで,末永く続くプロジェクトになってほしいと思う。
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高齢者がこれからゲームを始めるには,社会的/社交的な場が必要?
会場で,「Gerogue」の開発において,プロトタイプの段階から見学していたという,公認心理士でもある滋慶医療科学大学大学院 医療管理学研究科の教授 岡 浩平氏に,高齢化とゲームの関係について聞いてみた。
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認知心理学的に見た場合,高齢者になるとほとんどの機能は衰えるが,一方で,それまでの知識や“いま使える技術/技能”はそこまで衰えないのだという。
車の運転で考えてみれば,確かに認知や判断能力の低下で,危険な運転になってしまうことはあるものの,交通ルールの知識や,根本的な運転技術そのものは失われていないように思える(だからこそ危険ではあるのだが)。それゆえに,いつ免許を返納すべきか……という問題にもなるのだろう。
一方,新しい技能を獲得する能力は,加齢で激しく低下してしまうそうだ。その点からすると,今大会に参加した高齢者の方々は,ゲームとは縁遠い人がほとんどだったはずで,ゼロから新しいゲームを学び,大会に出るということは,新しい発見とも呼べるものではないかとした。
というのも,先述のとおり新しい技能を得る場合,若ければ1〜2回の練習で習得できても,高齢になれば,極端な話で100回練習しないと習得できなくなる。しかし,ほとんどの人は100回も練習しようとしても,途中で飽きる,もしくは諦めてしまうものだ。
仮に,いま1〜2回で習得できる密度の内容を,100回繰り返して最後までできるかと問われれば,誰でもつらいはず。
ところが,ソーシャル,ここでは高齢者施設で練習すると,自分が嫌でも周りと一緒に続けられるので,結果として新しい技能を獲得できるという。単純にゲームを始めましょうではなく,ソーシャルな場で(一緒に)やりましょうが,今後のポイントになるのではないかと岡氏は話していた。
また,今大会で女性の参加者が多いことについて,その理由を推測してもらったが,偶然ではないかとしつつ,高齢者施設を利用する人に(平均寿命といった面もあり)女性が多いというのもあるのではないかとコメント。一方で,高齢者ゲーマーは,女性がメインになるのではないかとも予想していた。
なお,男女の力量差については,いまのプロゲーマーで考えれば存在するものの,高齢者になるほどその差は小さくなり,高齢者のeスポーツに男女差はなくなるのではないかと話した。
そんな会話から,高齢者向けタイトルを作っていくのであれば,女性のプレイヤーも気にしたほうが良さそうだという話題になったのだが,岡氏は「Gerogue」のプロトタイプをプレイする高齢者を見ていて,最初は「撃つ」という概念が伝わらず,「ビーム」だと伝えると「ビームか!」とボタンを押してくれるようになったというエピソードを教えてくれた。
これは,(世代間の)メンタルモデルがおそらく違うからだと推測しており,また男女でもこのメンタルモデルには差があるので,今後の開発にあたって,そのあたりがポイントになっていくのではないかとしていた。
これからのゲーマーが高齢化していくことについては,60〜70歳台のインベーダーゲームなどに触れた,ゲームフレンドリーな世代から始まり,50歳台からファミコンが当たり前にある世代になることから,これから10年後くらいを皮切りに,(ゲーム対する意識が)がらっと変わるのではと話す。そして,その10年でどれくらいのインフラを作るのかといったところが,すごく重要になっていくだろうと思いながら,今回の大会を見ていたそうだ。
生きてる限り,できることはみんな挑戦したい――合計370歳のチーム「学研グループ」にインタビュー
途中,チームのメンバー全員が90歳以上という,大阪府代表の「学研グループ」のみなさんにほんの少しお時間をもらうことができた。惜しくも2回戦で敗退してしまったが(しかし1勝した!),全員がかくしゃくとしてお元気そうだったのが印象的だ。大会の感想やそこに至るまでのお話を少しだけ聞けたので,その内容をお届けしよう。
4Gamer:
今日は,こんなにお疲れのところ,お時間いただきましてありがとうございます。まずは左の方から,軽くお名前と年齢をいただけますか。お名前は本名じゃなくて,大丈夫ですよ。
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ベンツ93さん:
はい,ベンツ93です。
4Gamer:
お歳は,名前のとおり93歳ですか?
ベンツ93さん:
そう。
4Gamer:
昭和のお父さん感ありますね!
キヨホさん:
キヨホです。94歳です。
4Gamer:
94!! 全然そんな風に見えないです……。
キヨホさん:
最近は物忘れが多くて,困っています。
4Gamer:
そのお歳で「物忘れ」と言える時点で,すごいですよ。僕も最近は物忘れがひどいというのに……。
アマリリスさん:
アマリリスです。私は93歳。
4Gamer:
ここまで93,94,93ですか。まったくというか,どこから見てもそんな風には見えないです。みなさん,えーと……1932年とかの生まれなわけですよね。まだ,太平洋戦争も始まっていないときです。素直にすごいです。
すごく正直に言うと,93歳というと,なんていうかもっとこう,立っているのも大変,みたいなイメージがあります。でも,皆さんは誰もそんな人がいなくて。ということは,もしかしてもう一人の方も。
キクヒナさん:
キクヒナです。90歳。
4Gamer:
お,一番お若い。
キクヒナさん:
ほんの少しね(笑)。
4Gamer:
ええと,93,94,93,90なので……4人で370歳。すごい……。
ところで皆さんはどういうご関係なのでしょうか。施設でのお友達同士とか,何か一緒にサークルをやってるとか。
アマリリスさん:
ここ3人(といって,女性3人を指す)はね,同じところに住んでるの。介護マンションね。
4Gamer:
お言葉ですが,皆さん介護必要なんですか……?
キクヒナさん:
うん,そうね(笑)。だからね,1日退屈してる人もいるし。
アマリリスさん:
だから,できたらこう,ため息をつかないような生活をしていきたいなと思っていてね。
4Gamer:
いい言葉ですねえ。
アマリリスさん:
そしたら副所長さんが,いろいろ考えてくださってね。川柳とか,コーラスとか。
キクヒナさん:
色鉛筆とか,お習字とかね。そういう会を最近になって作ってくださったので,時間的にはね,すごく忙しいの。
4Gamer:
やることがいっぱいで,素敵です。
キクヒナさん:
副所長さんはいろいろ考えてくださっていて,本当にありがたいなと思っています。
4Gamer:
でも,そんな中で,なぜわざわざコンピュータゲームを選んだのでしょう。みなさん,ゲームには慣れていないですよね。
アマリリスさん:
当然そうですね。
キクヒナさん:
でもせっかく選んでくださったんだから。ええ,それはもう頑張らなくちゃと思って,参加させてもらったんです。
4Gamer:
ポジティブです。ほかのチームの方を見ても,女性がけっこう多いですよね。
キヨホさん:
男性の方もいらっしゃいますよね? でも,確かに少ないかしら。
4Gamer:
少ないと思います。女性のほうが,新しいものに対する抵抗が少ないのでしょうかね?
キクヒナさん:
そうよお,まだ探求心はありますからね(笑)。
4Gamer:
でも探究心があっても,きっと最初は難しいですよね。
キクヒナさん:
最初は何が何やら分かりませんでした。でもね,3回目ぐらいからね,ちょっとこう,こういう風(といって,ボタンをバンバン押す仕草)になってきて(笑)。
ちょっと分かってくると,だんだん面白くなってきて,手が痛くなるのも忘れてね。
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4Gamer:
頑張って叩きすぎです(笑)。
いや,でもすごいですね。僕がいま50代中盤ですけど,僕たちのこの業界では,僕の年齢くらいだと一番上のほうで,もうすっかり年寄りレベルです。でもまだ全然いけますね!
アマリリスさん:
えー,でも今どきは男性もお若い方が多いですよ。皆さん,おしゃれもするし。
4Gamer:
が,がんばります……。
話を戻しますが,僕たちの世代が,たぶんゲームに抵抗がない最初の大きな世代なわけでして,皆さんは僕たちの親のさらに上です。コンピュータゲームなんて,おそらく見たことも,触ったこともない方たちですよね。
キヨホさん:
うん,そうですねえ。
4Gamer:
そういう状態なのに,「続けてみよう」と思えた原動力はなんですか。
キクヒナさん:
ほら,アレをやりだしてからよね。
4Gamer:
アレ?
キクヒナさん:
ほらアレ……なんていうんでしたっけ(笑)。
近くにいた関係者の方:
Switchですね。
4Gamer:
あー,Switch! Switchで何やってらしたんですか?
アマリリスさん:
テニスですね。
4Gamer:
なるほど,テニス。そう,テニスとかボーリングとか,あとカーレースとか野球とか,皆さんが知っているルールのゲームは,ゲーム機でも遊びやすいだろうな,というのは想像できるんです。
でも今回のこれは全然違いますよね。何か戸惑いとかありましたか?
アマリリスさん:
違うから面白かったのよお。
4Gamer:
なるほど。まさに飽くなき探求心。
キクヒナさん:
はい。探究心です(笑)。
4Gamer:
これからも続けたいなぁ,と思います?
ベンツ93さん:
思う。
キヨホさん:
はい,思いますねえ。楽しいですよ?
アマリリスさん:
もうね,100歳まではね……いや,100歳までっていうよりも,生きてるあいだは元気でね,ちゃんとした生き方をしたいと思うんです。終わるときにピタッと終われればいいんだけど,そういう意味でも寝たきりにならないように,とかね。
キヨホさん:
それに,やっぱり頭を使わなきゃ,って思って生きてますのでね。
4Gamer:
しかもこれチーム戦ですから,皆さんと一緒にしゃべって,作戦を決めて,手を使って,頭を使って。
キクヒナさん:
今日もね,3,2,1でドンってやって。(編注:ロボットに変形するときは3人同時にボタンを押さないといけない)
アマリリスさん:
そう。
キクヒナさん:
息が合っていないと,うまくいかないと思うんです。その点で言うとね,本当に1回勝てて,(みんなと)心をつなげたと思っていますよ。
4Gamer:
けっこう練習したんですか?
キヨホさん:
しましたよ。
キクヒナさん:
3日間くらいしましたよ。
4Gamer:
3日で息ぴったり。
ベンツ93さん:
あんまり長い時間やると手が痛くなるから,言うて。
4Gamer:
それもそうですね……。
キクヒナさん:
サロンパスを貼ってましたもんね,みんな。
4Gamer:
やる気がありすぎます(笑)。
アマリリスさん:
だけど近ごろは,いろんな新しいものが出てきてるから,すごいですねえ。テレビなんか見ててもね,うわーこんなのが出てきてる言うて。
キクヒナさん:
だから今回もね,生まれて初めてみたいな経験をさせてもらったからね。面白い体験ができたなぁと,思ってます。
4Gamer:
その好奇心と,受け入れる力がすごいです。
キヨホさん:
好奇心持ってないとね,元気が出てこない。
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4Gamer:
僕は男性だからちょっと分かるんですが,男の人のほうが,そういうのは受け入れられない人が多い気がするんですよね。
キクヒナさん:
どうして?
4Gamer:
今さらそんな子供の遊びなんかできん,みたいな。
アマリリスさん:
それこそほら,「為せば成る,為さねば成らぬ,何事も。成らぬは人の為さぬなりけり」(江戸時代 米沢藩主である上杉鷹山の言葉)で。やっぱりね,生きてる限りは,できることは,みんな挑戦していきたいなと。
4Gamer:
その調子なら,100歳どころか200歳まで生きられそうですよ。
アマリリスさん:
息子から嫌われちゃう(笑)。
4Gamer:
息子さんおいくつですか?
アマリリスさん:
66になります。
キクヒナさん:
わあ,うち(の子)と一緒やん。
4Gamer:
さすがに歳がお近い(笑)。
いやしかし,ゲームが皆さんの役に立ってるのを聞くと,業界にいる僕らとしてもちょっと嬉しいです。
キヨホさん:
業界の皆さんで頑張って,ぜひまた何か新しい道を開いてくださいね。
アマリリスさん:
ホントそうですよ。お願いしますね。
4Gamer:
ありがとうございます。主催にも伝えておきます(笑)。
皆さんも,ぜひこれを続けていただいて,来年にまた大会でお会いできれば嬉しいです。ありがとうございました!
しかしこれ,実際に目の前でお話していると,会話の打ち返しがとんでもない速さで,「本当にこの方,90歳超えてるの……?」と脳がバグる。僕ら50代が子供のころ/若いころに,「ゲームばっかりやって!」と怒っていた親の世代より,さらに上だ。足腰が悪いとか会話が困難とかボケが始まってしまうとか,そういうイメージを完全に払拭してしまう。
そんな90代の皆さんが,コンピュータゲームを理解し,楽しみ,大会にまで出場してくれるのが本当に驚きで,ゲーム業界人の端くれとして,ゲームが直接何か/誰かの役に立っている気がして,とても嬉しい。来年もまた元気な90代の皆さんとお会いできることを楽しみにしたい。(Kazuhisa)
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