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SBI北尾氏と堀江氏はWeb3をどう扱っていくのか。「<特別対談> メディア×金融 革命前夜:情報とマネーはどこへ向かうか」レポート[WebX]
ここではSBIホールディングスの代表取締役会長兼社長である北尾吉孝氏と実業家の堀江貴文氏によるトークが繰り広げられた。そのレポートをお送りしよう。
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本セッションは,北尾氏が「もし過去にフジテレビを買収できていたらどうするつもりだったのか?」と質問を投げかけるところからスタート。
堀江氏はそれに対し,「テレビを見ている人たちをサブスクの会員にしたかった。さらに,ゆくゆくはインターネットで動画配信を行うなどして,テレビ局の収益構造を変えたかった」とコメント。
堀江氏は「今のテレビ局はスポンサーに依存しすぎていて,面白いコンテンツを作れなくなっている」と主張する。
吉本興業の新配信サービス「ダウンタウンチャンネル」を例に挙げつつ,「有料チャンネルにすればやりたいことができてコンテンツも面白くなる」という持論を展開した。
「うまくいっていれば,今のNetflixやAmazon Prime Videoぐらいは余裕で成長していたと思います。そして,そこにクリプトの要素を加えた会社になっていたと思う」と堀江氏は語った。
また,「組むなら村上さんじゃなくて北尾さんだったことに20年かけて気づいた」とも語り,会場の笑いを誘った。
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話題はWebXの話へと移る。
北尾氏は8月22日に大阪で開催された「WebX EXPO」に言及し,「さまざまな会社からインタビューを受けたが,素晴らしい会社が集まってきていた。投資先を考えるなら,わざわざ探すより来てくれた会社の中から選ぶほうが効率がいい」と話す。
それに対し,堀江氏は「こういうイベントに来ている人たちは尖っている人が多い。僕も10年以上クリプトの業界に関わっているが,10年前はもっと尖っていた」と述懐した。
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堀江氏が進めているロケット事業の話題もあり,Web3に関連した話として堀江氏はDePIN(※)に言及する。
氏は,「通信衛星を,今後10数年間でたくさん打ち上げていきたいと思っている。それの資金調達に,DePINのような形でイーサリアムなどのガバナンストークンなどを使いたい」と話した。
※ブロックチェーン技術を活用した,現実世界の物理的なインフラを分散型で管理・運営する新しいアプローチ
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暗号資産の話題では,北尾氏がSBIグループの金融インフラを活用し,ステーブルコイン(※)を用いた決済システムを検討している旨を述べた。
こちらについては,JPYCなどの既存のサービスを例に挙げつつ,それらとは異なる独自のアプローチをしていく旨を語った。
※価格を安定させることを目的として設計された暗号資産
それに対し,堀江氏はステーブルコインによって決済手数料を大幅に安くできる点に触れつつ,「今がステーブルコインの決済事業サービスに参入する“ラストチャンス”」だと主張した。
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そのほか,インバウンドを生かした事業などにも話題が及び,「日本の“お祭り”を外国人にアピールすれば儲かりそう」というユニークな提案も話題に挙がった。
事業の話題は多岐にわたったが,ステーブルコインの決済事業をはじめ,今後Web3を用いたビジネスがどのような形で台頭してくるのかには注目したい。
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