ダイスをジャラジャラ，揃えてドカン！ ド派手な対戦ダイスゲーム「DICE THRONE」をゲムマ会場で遊んできた

　2025年11月22日と23日に開催された「ゲームマーケット 2025秋」のDexker Gamesブースで，新作タイトル「DICE THRONE」の日本語版が先行販売されていた。


　DICE THRONEは，カナダのRoxley Gamesが2018年から展開している対戦型のダイスゲームシリーズだ。海外では大量の追加キャラクターがリリースされているが，日本では英語版がコアなファンに楽しまれるにとどまっていた。そんな本作が初めて日本語化されたとのことなので，さっそく会場でプレイしてみた。

日本語版が発売されたのは「燃えさかる闘志」と「力と意志」の2種類。各パッケージに4種類のヒーロー（キャラクター）が収録されており，合わせて対戦も楽しめる

シンプルなシステムで“運”の心地よさを味わう，ダイスジャラジャラ系対戦ゲーム

　ゲームのコンセプトは非常にシンプルだ。各プレイヤーが交互にダイスを振りあって攻撃を行い，先に相手のHPを削り切れば勝ちとなる。

　各キャラクターは固有の6面ダイスを5つ持っており，それぞれ8つの「アビリティ」を備えている。各アビリティは，対応した出目を揃えることで効果が発動する仕組みである。ダイスは2回まで振り直せるので，出目や状況に応じて狙うアビリティを考えていこう。


　ダイスゆえに運の要素が絡むが，これは手札にある各種カードである程度操作できる。出目を変えたり，体力を回復したりといった強力な効果が揃っているものの，使用するにはコストとしてCP（コンバットポイント）を支払わなくてはならない。CPはターン開始時に1点ずつ得られるのみなので，当然毎ターンカードを使うことは不可能である。


　ユニークなのは，手札カードに含まれる「アップグレードカード」の存在だ。これらはキャラクターのアビリティと対応しており，CPを支払ってプレイすることで効果を上書きできる。大抵の場合，アップグレード後は効果が大幅に強化されるので，戦闘が続くほどキャラクターが強く，展開が派手になっていくこととなる。

　毎ターンジャラジャラとダイスを振って，その中からリスク/リターンを鑑みながら振り直しするダイスを選ぶのは，シンプルに悩ましく楽しい体験といえるだろう。

フェイズ	概要
アップキープ	ステータス効果などを適用する
収入	CP1を得て，デッキからカードを1枚引く
メイン1	・「M」アイコンのカードをプレイ ・アップグレードカードをプレイ ・手札1枚を捨ててCP1を得る
攻撃ロール	・ダイスロールを行う -2回まで振り直しが可能 -振り直すダイスは自由に選択可能 -1回目に振り直さないことを選んだダイスも，2回目で振り直せる ・出目が確定した後，アビリティを発動する -発動可能なアビリティが複数あるなら，その中から選択 -発動可能なアビリティがない場合，効果が発揮されない
対象ロール	※3人以上でプレイしている場合のみ ダイスで攻撃対象を決定する
防御ロール	攻撃対象になったプレイヤーは，防御ロールを1回だけ行う
メイン2	メイン1と同様の処理を行える
ディスカード	手札が6枚以下になるようにカードを捨て，捨てた枚数に等しいCPを得る

　ベースとなるメカニクスは「キング・オブ・トーキョー」シリーズと同じだが，目指せる出目が常に複数ある関係上，本作では意外な展開が起きやすい。

　例えば今回のプレイで使用したバーバリアンのダイスは，1〜3が攻撃に使う「剣」，4〜5が「回復」，6が特殊アクションに使う「パワー」である。剣とパワーの絵柄を組み合わせれば，相手に強烈なデバフを与えられるのが特徴だ。

　基本的には同じ絵柄を揃えれば強力なアビリティを発動できるが，各絵柄に付与された“数字の並び”が発動条件になっていることもある。「剣」を並べて攻撃力を高めようとダイスを振り直したところで，予想外に1〜4までの数字が揃い，突然大ダメージの攻撃が成立する……なんてことが起こり得るのだ。この瞬間の気持ちよさは，ほかではなかなか味わえないものがある。


　また，ダイスの6にあたる絵柄は各キャラクターの特性を示しており，5つのダイスがすべてが6になれば，超強力な必殺技「アルティメット」が発動できる。

　運任せで発動するのは至難の業で，狙って出そうとすると“役なし”に陥ってしまうハイリスクなアビリティだが，CPと手札を溜めて出目を操作すれば，絶妙に現実的な確率で狙えるようになるのも面白いところ。実際今回の試遊でもでも，アルティメットで一気に体力を削り取り，勝利を掴むことができた。

アルティメットが成功した場合，それ以外のすべてのアビリティに置き換えるために，出目を自由に変更してよいことになっている。つまりすべての出目を6にすれば，あらゆる行動が可能になるのだ

　ちなみに，本作は多人数での対戦にも対応している。感覚としては「マジック：ザ・ギャザリング」の統率者戦に近いが，攻撃対象がランダムに決定されるため，特定のプレイヤーに狙いを集中させて倒すのは難しい設計である。

　それを鑑みても，本作の多人数戦は，これはこれでなかなか楽しそうである。攻撃，防御，成長のすべてが運に左右され，ダメージのやり取りも直線的なため，ダメージが来ないことを祈りながら手番を待つ多人数戦のほうが，パーティーゲームとして盛り上がるかもしれない。

相手ターン中に，相手のダイスを操作するカードを出すこともできる。このように，運に左右されない立ち回りも可能なので，カードを切る機会が増える多人数戦のほうが，実力差が出やすい可能性もありそうだった

　今回は「燃えさかる闘志」と「力と意志」の2種類（各税込4500円）が発売されたが，本国ではもっと多くのパッケージが発売されている。どんなキャラクターが登場しているのかが気になる人は，英語版公式サイトをチェックしてみよう。

Dexker Gamesでは「ウィッチャー3」内で遊べる「グウェント」のボードゲーム版を国内向けにリリースする計画をたてているという。これらの詳細は，今後Xアカウントなどでアナウンスされるとのこと