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  • A440
  • 発売日:2026年内
  • 価格:未定
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傷ついた動物を治療するVRゲーム「WILDLIFE DOCTOR」を会場でプレイ。没入感と感情移入を促す工夫が光る意欲作[TGS2025]
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印刷2025/09/29 20:38

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傷ついた動物を治療するVRゲーム「WILDLIFE DOCTOR」を会場でプレイ。没入感と感情移入を促す工夫が光る意欲作[TGS2025]

 傷ついた動物を治療するVRゲーム「WILDLIFE DOCTOR」が,東京ゲームショウ2025に出展されていたのでインプレッションをお届けしよう。
 バトルもののタイトルが多い中,動物を助けるという内容の本作は,VR空間における動物の存在感とブースに敷かれた人工芝が没入感を高める,印象的なタイトルとなっていた。

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 「WILDLIFE DOCTOR」は,AR/VRコンテンツの制作を手がけるA440が生み出した“動物治療シミュレーションVR”だ。プレイヤーはサバンナの野生動物を保護する獣医となり,傷ついた彼らに治療を施していく。対応機種はPICO4Ultraで,発売は2026年内を予定している。

「東京ゲームショウ2025」のA440ブースの様子
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出展バージョンにはガゼルと象が登場
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「WILDLIFE DOCTOR」公式サイト


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 ヘッドセットを身につけると,サバンナの光景が眼前に広がる。足元には傷ついた動物が麻酔で眠っており,プレイヤーは注射器や薬といった治療器具を使って,彼らの治療を進めていく。
 当然ながらプレイヤーは立っていて,動物は横たわっている。傷などに触れるためには自然とひざまずく/しゃがむ必要があるわけで,まるで自分がドキュメンタリーなどで見る獣医になったかのような気分になる。とくにシステムから指示されるわけではなく,特殊な操作も必要ないのが,没入感をさらに高めている。

 まずは動物の身体を観察し,土で汚れた負傷部分を探そう。ポリの洗浄瓶を掴み,鶴の首のようなスポイト(ストロー)から水を出して土を洗い落とすと傷口が露わになるので,今度は色に応じた薬剤を注射していく。そのためにはまず注射器を掴んで,瓶から薬液を吸い出さなくてはならない。この手順がまたリアルで……注射器を動物の身体に突き立てるときは,「ちょっとだけチクっとするけど我慢してくれよ」などと声を掛けたい気分にさせられた。

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 注射のあとは軟膏の出番だ。トレイからチューブを取り,人差し指に軟膏を絞り出し,傷口に塗り込んでいく。人間相手ならこれで「お大事に」となるのだが,ここはサバンナだ。眠っている動物を放置したのでは肉食動物に食われてしまう。これを防ぐには,麻酔の効果を打ち消すリバース剤を注射しなければならない。
 リバース剤が効くと動物は起き上がるが,その大きさと横たわっていたときのギャップにまた驚かされる。そこまで大きくないガゼルでもビックリしたので,象のときは思わず後ずさってしまうほど迫力があった。

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 またブースに敷かれた人工芝の感覚が,ひざまずく動作をしたときに足に伝わってきて,これがまた没入感の強化に一役買っている。PICO4Ultraには足首用のトラッカーもあるが,本作はヘッドセットを被ってコントローラを手に持つだけでプレイ可能だ。特殊な操作もなく,リアルにひざまずいてコントローラを握った両手で器具を掴んで作業を進めるだけである。
 それでいて,この没入感と感情移入の度合いはすさまじいものがある。時間経過で動物のライフゲージが減っていく要素はあれど,プレイ中はほぼ意識することもなく,ただ治療に没頭するだけで試遊時間が尽きてしまった。没入感と動機付けはVRゲームでとくに重要なポイントだが,本作の場合はこの舞台設定こそが成功の理由だろう。

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 「WILDLIFE DOCTOR」を手掛けるA440は,観光案内やイベントの演出といったVR/ARコンテンツを手掛けているデベロッパだ。
 Xboxのローンチタイトルや「GENJI」に携わった金丸義勝氏「AFRIKA」をプロデュースした佐藤文昭氏,PS4の商品企画を担当した松岡賢次氏といったベテランも在籍しているものの,本作の企画はゲーム業界の経験がない若手たちが立ち上げたものだそうだ。サバンナのVRゲームというお題こそベテランによるものだが,動物を治療するというアイデア,またブースに人工芝を敷くアイデアも動物を守るレンジャーの存在や,密漁による個体数の減少といった問題を知った若手たちが出したものだという。

 当初は銃を持って密猟者から動物を守る戦闘的な要素も考えていて,ゲームに明るい社員からは「ある程度はゲーム性があったほうが」といった意見もあったそうだが,幅広い層にアピールしたい狙いから,現在の形になったそうだ。治療そのものがシンプルなのも,同様の理由だという。

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 さすがに低年齢層がプレイすると大きな動物を怖がってしまう可能性はあるが,動物と関わるリアルさを表現するという意味で,敢えて過度なデフォルメは施さなかった。動物とのふれあいと聞くと,なんとなく牧歌的なもの――言い換えれば人間にとって好ましく,分かりやすい動物のリアクションを期待しがちだが,本作はそうではない。治療を終えた動物が人間にお礼をすることも,好意をハートマークで示したりもしないが,それがかえって本作をユニークなものにしている。

 バトルを楽しむゲームがあってもいいし,お礼すら言わない動物を治療するゲームがあっていい。題材がなんであれ,コンセプトがしっかりしていればゲームは面白くなりえる。そうしていろんなジャンルがあるからこそ,ゲームの表現は豊かになっていくのだ。そういうことを考えさせれた一作だった。

舞台となるサバンナは周囲を見渡せるほどの広さがあるが,VR酔いを防ぐために,瓶を不透明にするなどの工夫でフレームレートの向上が図られている
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