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我孫子武丸氏完全監修「RDの遠隔推理」プレイレポ。安楽椅子探偵となり,ネットスキルで真相に迫れ[TGS2025]
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本作は,失踪した妹を探す主人公が,ネットから情報を集めて真相に迫っていくミステリーゲームだ。ブースに貼られたポスターにも大々的に記されているとおり,「殺戮にいたる病」や「8の殺人」などの作品を手がける小説家で,名作アドベンチャー「かまいたちの夜」のシナリオも担当した我孫子武丸氏が完全監修している。
ミステリー作品には,探偵役が現場に赴かず,関係者から得た情報などから推理する「安楽椅子探偵」というスタイルがあるが,本作はまさに新しい安楽椅子探偵といえる。アドベンチャーゲームやミステリーファン注目のタイトルとなりそうな本作をレポートしよう。
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前述のとおり,本作の主人公は失踪した妹の行方を捜しているのだが,今回の試遊は「行方不明の男子大学生が遺体で発見された」というニュース映像から始まった。
それだけでは妹の失踪とは関係なさそうだが,主人公は男子大学生が妹と同じ大学に通っていたことに気づき,何らかの手がかりがつかめないか,ネットでの調査を開始した。
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まずは映像が流れていたニュースサイトの記事を読んでみる。ところどころに青く表示されているテキストがあるが,これはリンクではなく,真相への手がかりとなるワードだ。クリックすると,後述の検索エンジンで利用可能になる仕組みで,ここでは2つのワードを選択する。
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続いて,どこかで見たような検索エンジンのページが表示された。この検索ウインドウにさきほど選んだワードが表示されるので,2つのワードの検索結果からジャンプできるページでさらなる情報収集,そこから得たワードでさらなる検索……というのが基本的な流れとなる。おそらく4Gamer読者なら毎日のように行っている作業なので,手慣れたものだろう。
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だが,今回の試遊版には時間制限が設けられていた。時間は検索の回数によって過ぎていくので,回数制限ともいえる。的確なワードで検索しないと,手がかりをつかめないままタイムオーバーになってしまう。
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検索に使うワードの候補は多いほどいいと思うかもしれないが,ピックアップしたワードが検索ウインドウにズラッと表示されるので,かえってノイズになる場合もある。また,「これとこれの組み合わせはさっき検索したんだっけ……?」といった混乱の元にもなり得るので,ワードは厳選したほうが良さそうだ。
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今回の試遊では調子に乗ってワードを追加しすぎたため,妹の行方につながる情報になんとかたどり着いたころには,時間ギリギリになってしまった。手順を振り返ってみると,最短なら3回ほどの検索でクリアできた気がするが,途中で見つけたワードに引っ張られて,間違った方向に進んでしまったようだ。
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ただ,失踪事件とは関係ないサイトのページも作り込まれていて,なんとなく読み込んでしまう面白さがある。主人公の妹が通っている大学は長野県にあるという設定なのだが,今回の試遊でいろいろ調べるうち,長野県の方言や文化に少し詳しくなった。
また,ゲームの時代設定は現在のようなのだが,インターネット黎明期風デザインのサイトもあって,ノスタルジックな気分も味わえた。
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試遊後,ブースにいたザクザクゲームの方に話を聞いたところ,製品版では今回のような検索エンジンを使ったものに加えて,SNS内で情報を集めるパートも実装予定だという。検索エンジンは主に公式の情報から,SNSは友人同士の会話などのプライベートな情報から真相に迫る,というコンセプトで,さらにその2つとは別のアプリを使うものも考えているとのことだ。
我孫子氏は本作の企画段階から関わっていて,シナリオを担当しているのはもちろんのこと,ゲーム部分についてもアイデアを出しているそうだ。
本作は,2026年春頃のリリースを目指して開発が進められている。ふだんからネットに親しんでいる人なら,その検索テクニックを存分に生かせる作品なので,ぜひ注目してほしい。
「RDの遠隔推理」公式サイト
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