
インタビュー
選択肢を選ぶだけでゲームが作れる「ワイワイワールドCraft(仮)」は,KONAMIのゲーム作りのノウハウが詰まったUGCゲームだ[TGS2025]
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KONAMIが「ワイワイワールド Craft(仮)」を発表。ゲームづくりの“みんな化”を目指した新プロジェクト[TGS2025]
![KONAMIが「ワイワイワールド Craft(仮)」を発表。ゲームづくりの“みんな化”を目指した新プロジェクト[TGS2025]](/games/999/G999905/20250926018/TN/010.jpg)
KONAMIは本日(2025年9月26日),TGS 2025のステージイベントで新作「ワイワイワールド Craft(仮)」を発表した。誰でもKONAMIの歴代キャラクターを使い,手軽にゲームを制作・公開できるUGCプラットフォームだ。対話形式などの簡単な機能で「ゲームづくりの“みんな化”」の実現を目指すという。
「ゲームづくりの“みんな化”」を掲げる本作は,選択肢だけでゲームが作れたり,収録された定型のゲームを改良したり,地形・ルール・演出などを手軽に作れたりするなどの機能を備え,それをアップロードしてユーザーにプレイしてもらえる,カジュアルなUGC(User Generated Content)ゲームとして開発が進められている。
発表当日には,本作のエグゼクティブディレクターを務める,コナミデジタルエンタテインメントの谷渕 弘氏と,ゲームクリエイターの一面も持つ芸人の野田クリスタルさん(マヂカルラブリー)が登壇し,本作の内容について紹介した。
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本稿ではイベントで披露されたゲームの内容を踏まえつつ,発表後に行われた谷渕氏への合同インタビューの模様をお届けする。
KONAMIのキャラクターも使える,手軽にゲームを作れるプラットフォームを基本無料で提供
――「ワイワイワールドCraft(仮)」の開発経緯を教えてください。
谷渕 弘氏(以下,谷渕氏):
本作はユーザーにゲームを作って遊んでもらう,いわゆるUGCゲームのようなサービスとなります。弊社のゲーム開発の歴史を生かして,さまざまなジャンルのゲームをユーザーが自由に作れるようにするために,KONAMIのキャラクターを活用するためのプラットフォームとして思いついたのが,ファミコン時代にリリースした「コナミワイワイワールド」です。
多様なIPを1つのゲームに集約して,「コナミワイワイワールド」の魅力をうけ継いだゲームにしたいと思っています。
――ユーザーのターゲットは,どのあたりを見込んでいるのでしょうか。
谷渕氏:
タイトルはファミコン時代のものですが,実際には10〜20代の創作意欲のある若い層から,子供のころからゲームを作りたいと思っていた大人まで,想像力が豊かで,ゲーム制作に興味を持っている幅広い層の方です。
ゲームというものは,ただでさえ作るのに時間がかかるうえに,調整やバグ取りといった二次作業もすごく大変です。そういった部分もシステム的にサポートができるよう,公式のゲームをベースとして作る道筋を提示し,誰にでもゲーム作りのノウハウが掴めるような内容を考えています。
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――オリジナルの「コナミワイワイワールド」に関連したキャラクターはだれが登場しますか。
谷渕氏:
ステージでもご覧いただいたとおり,現状は「魂斗羅」と「悪魔城ドラキュラ」2タイトルのキャラクターで,あとはオリジナルとなります。ゆくゆくは新しいキャラクターを入れていこうと考えていますが,過去のものにとらわれず,新しい遊びを提供するためのキャラクターや世界観を積極的に提供していくつもりです。
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――収録された公式のゲームはアクションゲームのようですが,RPGやテキストアドベンチャーのようなものも作れたりするのでしょうか。
谷渕氏:
最初は基本的なアクションゲームが主要になると思いますが,単純なアクションがアクションRPGへと進化していったように,ゲームの歴史をたどっていくようなジャンル分けをしていきたいという構想はあります。
――プラットフォームがスマートフォンとPC(Steam)とのことですが,それらを選んだ理由はありますか?
谷渕氏:
まずは,多くの方に触れていただきたいので,スマホとPCを選びました。成功すれば,いずれは別のプラットフォームへ拡大していくことがあるかもしれません。
――課金形態はどうなるのでしょうか。
谷渕氏:
基本は無料です。あとはサブスクのような形態と,アイテム購入のような課金形態になる予定です。
サブスクの場合は,ゲームを作りやすくなる,あるいはゲームが遊びやすくなるといったサービスを受けられるといったもので,アイテム購入はゲーム作りのためのアイテムを買って,それを活用するような仕組みになります。ちなみにガチャはありません。
――ゲームを作らずに遊びたいだけの人は,課金などは必要ないのでしょうか。
谷渕氏:
はい,遊ぶだけでしたら,アプリを入れるだけで遊べるようにしています。
――作ったゲームを別のところに持ち出したり,保存したりはできるのでしょうか。
谷渕氏:
作ったゲームは,基本的に専用のサーバーにアップされまして,その中で完結する形ですので,持ち出しなどはできません。
――「コナミワイワイワールド」というと,サウンドが印象的なゲームでしたが,本作のサウンドはどのような扱いになりますか。
谷渕氏:
サウンドは,弊社の過去の楽曲や新曲を使用できます。ユーザーはゲームのシーンに応じてBGMを設定できて,例えば「ピンチのときにこの曲を流す」といったカスタマイズが可能です。
――画面を見る限りは3Dのゲームのようでしたが,2Dでドット打って作ったキャラクターを,ゲームの中に置くみたいなことはできますか。
谷渕氏:
ドット絵には対応していません。キャラクターは基本的にすべて3Dで作られています。ただカメラ視点はトップビューやサイドビューにも設定できるので,2D風のゲームを作ることは可能だと思います。
――キャラクターやサウンドのエディットなどは,どこまで対応されるのでしょうか。
谷渕氏:
先ほどの話と被るのですが,原則としてキャラクターをいちから作ることはできないようにしています。何でも作れてしまうと著作権を侵害してしまう恐れがあるからです。できるだけクリーンな体制で運営するために,自由に作れるような仕組みにはしておらず,すべてこちらからが提供したもので完結するようにしています。サウンドに関しても同様ですね。
――本作でとくにこだわったポイントはどこですか。
谷渕氏:
KONAMIが長年培ってきたゲーム作りにおけるいろいろなノウハウが詰まっています。ユーザーはそれをあまり意識せず,理論は分からないけど,操作がしやすいとか手触りがいいといったものを手軽に作れるようになっています。
ヒットストップとか,先行入力/後方入力,あるいはコントローラの振動とか,普通にゲームを遊んでいると気付かないような,細かな要素も入っています。
――それらを自分で設定できるのでしょうか。
谷渕氏:
できるものもあります。なので,作る人によって,手触りもけっこう変わるのではないでしょうか。
――谷渕さんが携わるということで,スポーツゲームが作れるような仕組みはありしますか。
谷渕氏:
スポーツゲームを作れるようになったとしても,それはかなり先のことになるかもしれません(笑)。というのも,スポーツはルールがありますし,簡単なホームラン競争みたいなゲームを作ってもきっと面白くないので(笑)。ちょっと難しいですよね。
――ゲームを作ることが分からないような人でも,簡単にゲームが作れる「マジックポッドくん」という仕組みがあるそうですが,あれはどのようなものなのでしょうか。
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谷渕氏:
選択肢を選ぶだけでゲームが完成するシステムなのですが,作っているユーザーの傾向など見て,それを反映させるような仕組みを導入することを考えています。「この人は,こういうジャンルのゲームでよく遊んでいるから,こうなるだろう」みたいなロジックを,今ひたすら作っています。
――それは生成AIとは違うのですか?
谷渕氏:
違いますね。生成AIとなると,もっと大規模にデータを集めて何かを作り出すんですけど,そういうものではなく,純粋に本作内のデータだけを使ったロジックから導き出すものです。純粋にスタッフの汗と涙の結晶が成果につながるということですね(笑)。
――マジックポッドくんの具体的な選択肢は,どのようなものになるのでしょう
谷渕氏:
「どのゲームをベースにして作りますか」とか,「どんな雰囲気のゲームを作りたいですか」といった質問に答えていくことで,それに基づいたゲームが完成します。しかし,そこに先ほどのロジックが反映されるので,同じ選択肢を選んだとしても,必ずしも同じゲームになるとは限らないんです。
――マルチプレイには対応していますか。
谷渕氏:
はい,最大8人まで対応しています。当然それも1人で遊ぶとか,協力プレイとか,対戦プレイといった遊び方はユーザーが作り出してくれるのではないかと思っています。
――作ったコンテンツを,拡散するような仕組みはあるのでしょうか。
谷渕氏:
多くの作品は,最初は人の目に止まらないので,本作には地域のような概念を用意して,その中で作ったものが,同じ地域の人の目に止まるようにしています。そこから始めていくような流れですね。
地元のアイドルが地域の中で少しずつ売れていくような感じで(笑),作ったものが面白ければ,クリエイターとプレイヤーの間に“推し”の関係が生まれて,互いに育っていくみたいなイメージです。
――最後にリリースに向けてメッセージをいただけますか。
谷渕氏:
「ワイワイワールド」という冠がついた本作では,KONAMIのいろいろなゲームのシステムやキャラクターが登場し,そこに新しいものも加わって,手軽にゲームを作れます。それに対する反応をもらって,ものづくりの喜びみたいなものを,できるだけ多くの方に味わっていただけるよう頑張って作っています。引き続き応援していただければ嬉しいです。
――ありがとうございました。
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- ライター:稲元徹也

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