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家づくりを楽しみながら,毎回ランダムな12人とふれ合うライフシム「ハートピアスローライフ」をこっそり試遊[TGS2025]
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タスクのない“一期一会”なオープンワールド生活シム「ハートピアスローライフ」,2026年上半期にリリース

XDは本日(2025年9月8日),中国でサービスを提供している「ハートピアスローライフ」について,2026年上半期に日本でリリースすることを発表した。11月にはCBTも予定している。
心安らぐ生活シミュレーションと題する本作は,ステキな世界で第二の人生を楽しみながら,ログインするたびにランダムな12人のプレイヤーとの一期一会を楽しめる,オープンワールド型のライフシムだ。
こちらは現在,中国でのみ配信中で,日本では2025年11月にクローズドβテストが実施され,2026年上半期をめどにリリースされる。
ただし,今回のTGSに試遊出展はなかった。そこで尋ねたところ,関係者の実機(繁体字版)を使わせてもらえることになった。
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ゲームにログインすると,まず「ランダムな12人のプレイヤーが集まる町」に到着する。概念としては,オンラインゲームのクイックマッチで毎回顔ぶれが違う,みたいなものだ。そのうえでアイテムやオブジェクト,つまり自分の家などは持ち込みで世界に反映される。
この世界でやるべきことは,ない。正しくは「ゲーム側に要求されることはない」という。そのため,プレイヤーは自由な性別や外見で,料理に音楽に釣りにガーデニングに,自分だけの家を設計したり,猫と「にゃーん」と言い合いながら時間をつぶしたりと,なんでもできる。
このゲームでは「やらないといけないプレッシャー」をなくすことが,コンセプトを体現するために必要だったという。
また,他者と争う要素も存在せず,タイトル名のとおりハートピアなスローライフを堪能できるのがウリとのことだ。
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とはいえ,スマホゲームではプレイの導線作り,もしくはDAU(デイリーアクティブユーザー)を意識して,プレイヤーに毎日のログインを促す仕掛けを設けるのが主流,どころか当たり前の構造である。
そこを省いているのが挑戦的であり革新的だが,もちろんログイン時のお得な要素として,ファッションショップが毎日更新されるなどのフックは存在するとのこと。仕事はないが出社するとうれしいよ,といったところだ。いや申し訳ない。うれしい要素がない例えだった。
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正直,日々のタスクの存在は“良くも悪くも”だが確かな機能性があるため,こうした仕様がどちらに転ぶかは分からない。
しかし,中国では7000万人近くのプレイヤーを獲得しているというのだから,あちらの人口比を持ち出しても大層な成果といえる。
そして,その原動力となっているのが上記の衣装更新だけでなく,前述した“ログインするたび,いろんな人と出会える”ところにある。この期待感をうまく作用させた結果が,今日の状況なのだろう。
なお,ランダムな相手と気が合ったならフレンド登録もできるという。やろうと思えば「12人のフレンドで集まる町」もできるようだ。
ゲーム業界でたびたび聞く“ゆるいマッチングシステム”だけで完結せずに,より遊びやすい仕組みを目指したのだろう。
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ゲーム内にはさまざまなアクティビティのほか,季節などを題材としたシーズンイベントも用意される。だが,メインコンテンツとして強いのはやはり「ファッション」と「家づくり」の気配がした。
ファッション要素は先にも触れたとおり,ショップが毎日更新される。アバターは衣服もアクセサリーもいろいろとカスタマイズできたり,こうしたゲームが運営を続けるためのメインウェポンたる,気合の入った有償ファッションも提供されていたりするようだった。
衣服の方向性も千差万別で,追求のしがいがありそう。
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家づくりのほうは資源集めからはじまり,レンガを一つずつ積み上げるなどして,イチからマイホームを設計していける。
室内も床や壁紙を変えたり,花瓶を飾ったり,壁かけの絵画をまっすぐにかけることにこだわったりしてもいいらしい。
ちなみに,以下の写真はブース内に展示されていた模型である。これを見るだけでも創造性が刺激される人はいるだろう。
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なお,ログイン時はランダムな12人のさまざまな家を見回ることも楽しいらしい。なかには「プライベートは分けたいんです」と鍵をかける人もいるらしいが,そこも込みで見知らぬ隣人のお家探検は楽しそうだ。
しかし,一点だけ本作に似合わぬ感情を刺激させられる要素を見いだしてしまった。冒頭に,このゲームは争う要素がないと書いたが,「わあ,あの人のドレスすごい!」「まあ,なんてステキなお家なの!」といったシチュエーションが発生すると,ときには競争心が湧きそうだ。
そうなっても隣人の家を破壊するなんてことはシステム的に絶対起きえないだろうが。のんびりほのぼのほんわかだけがスローライフじゃない,なんて観念的な教えも学べそうではある。
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TGS会場には本作の試遊こそないが,かわいらしいグッズ類が手に入るブースイベントや着せ替えゲームコーナー,オーダー似顔絵コーナーにフォトスポットなどが用意されている。
とくに似顔絵コーナー(小さな紙にササッと書いてくれる)は大行列を作っており,ブース施策としてはかなりの人気が集まっていた。
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タスクなし。かつ一期一会。それでいて遊ぶのに不便になるような部分はしっかり手入れされた,理想を形作るスローライフ体験。
最近は「ガチャなし衣装課金のみ」や「キャラクターは無料ですべて提供」といった文言も増えている。過去にほとんど聞かなかった新たな試みに見えるのは,それが小規模なカジュアルゲームの類いでなく,大手メーカーの大作級から聞こえてくることだ。
ハートピアスローライフもまた,次代のサービス構造を生み出すためのチャレンジと考えると,実に興味深い1作になりそうである。
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