つぶやく
2025/08/18 15:59イベント
かわいいものを見ると気絶する。親友の女の子に告白するため，危険な3日間を過すビジュアルノベル「Heartahce you」［BIC2025］
2025年8月15日から17日まで，韓国・釜山で開催されたインディーゲームイベント「BIC2025」（Busan Indie Connect Festival 2025）の会場で，かわいい女の子のビジュアルが目をひくノベルゲーム「Heartahce you」を見つけた。試遊している人のゲーム画面を覗いてみると，背景がすべてリアルで興味をそそられる。
試遊バージョンは韓国語のみ対応していたので，筆者の語学力ではプレイするのは難しそうだ。雰囲気で何かつかめるかな，と思っていたところ，開発者の홍 준서（ホン・ジュンソ）氏がどういうゲームなのかを教えてくれた。
現在，日本の専門学校に留学中でゲーム企画科に通っているらしく，韓国の企画職と日本の企画職のイメージの近いなども聞いてみた。
Heartahce youは，かわいいものを見ると気絶するという奇妙な病にかかった男子高校生が主人公だ。2年間の引きこもり生活をしていたが，自身が片思いしている親友の女の子から卒業したら引っ越すという連絡が届く。
卒業式を3日後に控えた冬，主人公はヒロインに思いを伝えるために，外の世界に再び踏み出す，という作品だ。
もちろん世界には，かわいいものがあふれている。選択肢を間違えて，かわいいものに遭遇してしまうと，その日の朝に「死に戻る」ような感じらしい。
卒業までの3日間の構成で，どうにか1日を無事に過ごしていくことを目指すようだ。
選択肢の例を挙げると，ぬいぐるみ店の店主を見つけて，久しぶりだし挨拶をしようと近づくかどうか。そのまま店主のもとに行くと，「久しぶりだからプレゼントをあげる」と言って，かわいいものを差し出されて即気絶するのだとか。
学校への道順で何に出会うかが変わることもあるらしい。死に戻りしながら，正しい選択肢を探していくのだ。
「ヒロインもかわいいのに，たどり着けたところで告白できるの？」とホン氏に聞くと，どうやらそのときは特殊な薬を使って症状を抑えるみたい。薬を取り出したり，使ったりするときには，ボタンを正しい順番で外していくといったミニゲームもあるそうだ。ミニゲームに失敗して，薬を使えないと，もちろん気絶する。
ヒロインのデザインは，ピンク色のカーディガンにツインテール，小さい手など，かわいい要素が詰め込まれている。彼女は，かわいいものを集めるのが大好きなので，クレーンゲームでそういったものをよく集めているという。
ここで面白いのが，実は彼女も主人公のことをけっこう気に入っているらしいということだ。
からかったり，ちょっと意地悪したりするのが好きな性格をしているのだが，そもそも主人公の病気のことを知らないので，無邪気にかわいいものを見せてしまう。
本作には，気絶を避けるだけでなく，ヒロインとの会話で好感度を上げていく仕組みもある。一定以上の好感度に達すれば，トゥルーエンディングにたどり着ける。
気絶を回避するアイテムも登場し，戦略的な要素もあるという。
試遊している人の画面を見ていて，気になった背景について聞いてみると，イラストレーターに依頼すると費用が高くなってしまうため，自身で撮影したデータを使用しているそうだ。
ほかのチームメンバー2人も現在，学校で映画を専攻しており，撮影がちょうど得意だったことも理由の1つだという。
なお，ホン氏が留学する今年4月を迎える前にすべての撮影を終えている。舞台設定が冬のため，現実の冬のうちに撮りきる必要があり，シナリオライターがイメージした場所を探し，学校にも撮影許可を得て屋内を撮影したそうだ。
ホン氏は興味深い体験談も語ってくれた。現在，日本の専門学校で企画職を学んでいるが，日本のプランナーはマネージャー的な側面が強く，かなり戸惑ったという。
韓国における企画職は，文字どおり企画に特化したクリエイター的な役割らしい（現地の通訳も「そうそう」と首を縦にしていた）。
ただ，スケジュール管理などの実務的な知識をチーム開発に応用してみると，かなりうまく回ったという。
本作の開発は2024年11月に始まっており，進捗としては折り返しを迎えたところ。プレイ時間は3時間から4時間程度の短編作品を予定している。
現在は韓国語のみの対応だが，ホン氏が日本語を話せることや，ビジュアルノベルが日本でも人気なことから日本語版も検討中だ。
開発のきっかけはインディーゲーム「Katana ZERO」に感銘を受けたからだが，開発難度を考慮してデビュー作はビジュアルノベルとなった。
ホン氏は，かわいいものを「見る」のではなく，「避ける」面白さをぜひみなさんに味わってもらえたら嬉しいです，と語ってくれた。
 |
STOVE「Heartahce you」（韓国語）
試遊バージョンは韓国語のみ対応していたので，筆者の語学力ではプレイするのは難しそうだ。雰囲気で何かつかめるかな，と思っていたところ，開発者の홍 준서（ホン・ジュンソ）氏がどういうゲームなのかを教えてくれた。
現在，日本の専門学校に留学中でゲーム企画科に通っているらしく，韓国の企画職と日本の企画職のイメージの近いなども聞いてみた。
 |
Heartahce youは，かわいいものを見ると気絶するという奇妙な病にかかった男子高校生が主人公だ。2年間の引きこもり生活をしていたが，自身が片思いしている親友の女の子から卒業したら引っ越すという連絡が届く。
卒業式を3日後に控えた冬，主人公はヒロインに思いを伝えるために，外の世界に再び踏み出す，という作品だ。
 |
もちろん世界には，かわいいものがあふれている。選択肢を間違えて，かわいいものに遭遇してしまうと，その日の朝に「死に戻る」ような感じらしい。
卒業までの3日間の構成で，どうにか1日を無事に過ごしていくことを目指すようだ。
 |
選択肢の例を挙げると，ぬいぐるみ店の店主を見つけて，久しぶりだし挨拶をしようと近づくかどうか。そのまま店主のもとに行くと，「久しぶりだからプレゼントをあげる」と言って，かわいいものを差し出されて即気絶するのだとか。
学校への道順で何に出会うかが変わることもあるらしい。死に戻りしながら，正しい選択肢を探していくのだ。
 |
「ヒロインもかわいいのに，たどり着けたところで告白できるの？」とホン氏に聞くと，どうやらそのときは特殊な薬を使って症状を抑えるみたい。薬を取り出したり，使ったりするときには，ボタンを正しい順番で外していくといったミニゲームもあるそうだ。ミニゲームに失敗して，薬を使えないと，もちろん気絶する。
 |
ヒロインのデザインは，ピンク色のカーディガンにツインテール，小さい手など，かわいい要素が詰め込まれている。彼女は，かわいいものを集めるのが大好きなので，クレーンゲームでそういったものをよく集めているという。
 |
ここで面白いのが，実は彼女も主人公のことをけっこう気に入っているらしいということだ。
からかったり，ちょっと意地悪したりするのが好きな性格をしているのだが，そもそも主人公の病気のことを知らないので，無邪気にかわいいものを見せてしまう。
 |
本作には，気絶を避けるだけでなく，ヒロインとの会話で好感度を上げていく仕組みもある。一定以上の好感度に達すれば，トゥルーエンディングにたどり着ける。
気絶を回避するアイテムも登場し，戦略的な要素もあるという。
試遊している人の画面を見ていて，気になった背景について聞いてみると，イラストレーターに依頼すると費用が高くなってしまうため，自身で撮影したデータを使用しているそうだ。
ほかのチームメンバー2人も現在，学校で映画を専攻しており，撮影がちょうど得意だったことも理由の1つだという。
 |
なお，ホン氏が留学する今年4月を迎える前にすべての撮影を終えている。舞台設定が冬のため，現実の冬のうちに撮りきる必要があり，シナリオライターがイメージした場所を探し，学校にも撮影許可を得て屋内を撮影したそうだ。
ホン氏は興味深い体験談も語ってくれた。現在，日本の専門学校で企画職を学んでいるが，日本のプランナーはマネージャー的な側面が強く，かなり戸惑ったという。
韓国における企画職は，文字どおり企画に特化したクリエイター的な役割らしい（現地の通訳も「そうそう」と首を縦にしていた）。
ただ，スケジュール管理などの実務的な知識をチーム開発に応用してみると，かなりうまく回ったという。
本作の開発は2024年11月に始まっており，進捗としては折り返しを迎えたところ。プレイ時間は3時間から4時間程度の短編作品を予定している。
現在は韓国語のみの対応だが，ホン氏が日本語を話せることや，ビジュアルノベルが日本でも人気なことから日本語版も検討中だ。
開発のきっかけはインディーゲーム「Katana ZERO」に感銘を受けたからだが，開発難度を考慮してデビュー作はビジュアルノベルとなった。
ホン氏は，かわいいものを「見る」のではなく，「避ける」面白さをぜひみなさんに味わってもらえたら嬉しいです，と語ってくれた。
STOVE「Heartahce you」（韓国語）
4Gamer「BIC2025」記事一覧
「BIC2025」公式サイト
- 関連タイトル：
Heartahce you - この記事のURL：
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
新着連載
新着レビュー
