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[インタビュー]「Football Manager」シリーズのディレクターが語る,2年の開発期間を経て作り上げられた最新作「FM26」の進化
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印刷2025/10/03 08:00

インタビュー

[インタビュー]「Football Manager」シリーズのディレクターが語る,2年の開発期間を経て作り上げられた最新作「FM26」の進化

 セガから2025年11月5日の発売が予定されているサッカーマネジメントゲーム「Football Manager 26」PC / Mac / PS5 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch。以下,「FM26」)。東京ゲームショウ2025の開催に合わせて,同作のディレクターを務めるMiles Jacobson(マイルズ・ジェイコブソン)氏が来日していた。
 「FM26」の新要素はもちろん,日本市場や発売中止になった「Football Manager 25」(以下,「FM25」)の話題など,幅広くシリーズにまつわる質問に答えてもらった合同インタビューの模様をお伝えする。

開発元Sports Interactiveでディレクターを務めるMiles Jacobson氏
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 セガから2025年11月5日の発売が予定されているサッカーマネジメントゲーム「Football Manager 26」。本稿では,9月下旬に行われたメディア向け試遊会のインプレッションをお届けする。ゲームエンジンを一新して,マニアックにもカジュアルにも遊べるようになったシリーズ最新作を紹介しよう。

[2025/10/03 18:30]

「Football Manager 26」公式サイト



――本日はよろしくお願いします。

Miles Jacobson氏(以下,Jacobson氏):
 よろしくお願いします。まず最初に言っておきたいことがあります。去年は「Football Manager」シリーズの新作を出せず,本当に申し訳ありませんでした。
 去年に新作を出しても,プレイヤーに満足していただけないことが想定されたため,出さないほうがいいという判断になりました。
 ただ,ある意味すごくラッキーといえるのは,そのあいだも「Football Manager 2024」(以下,「FM24」)をずっとプレイしてくれる方が多かったことです。全世界で約200万人,ずっとプレイしていただいていました。
 2年間のプレイヤー数も2000万人を記録しました。これは累計ではなくて,純粋なプレイヤー数です。「FM24」が出てからしばらく数字的な情報を調べていなかったので,我々もびっくりしました。

――「FM26」の開発期間が延びた結果,例年のバージョンより変化した点はありますか。

Jacobson氏:
 「FM26」は全体を通して,かなり新しくなっています。そもそも「FM24」は従来の自社エンジンで作った最後のゲームで,「FM26」はUnityを採用しています。その結果,グラフィックスやUIを全面的に刷新しています。
 メインメニューの構成が分かりやすくなり,遊びやすくなっていると思います。グラフィックスの向上は試合を見てもらえれば,はっきりと分かるでしょう。
 ゲーム画面は90年代のゲームっぽいと言われてきましたが,ようやく卒業できたんじゃないかと思います(笑)。

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 「FM26」は従来の機能を残していくのか,それとも新しくするべきかの検討をずっと続けてきたタイトルです。今まで「Football Manager」シリーズをプレイしていただいた方には,いろいろ変わったなって感じてもらえると同時に,新規のプレイヤーもとっつきやすいゲームになるように心がけました。

――確かに遊びやすくなったと思いました。「FM24」のコンシューマ版をコントローラで遊ぶと,画面の切り替えなどが窮屈に感じることがありました。

Jacobson氏:
 「FM26」ではコントローラでも遊びやすいように,専用のチームを作って研究しています。非常に多くの新規プレイヤーが参入してくると思われるので,コントローラの操作性は非常に重視しています。

――「FM24」は初の日本語対応を謳うタイトルでした。日本市場の反響はどのようなものでしたか。

Jacobson氏:
 率直な感想としては,非常に好評なリアクションが多かったです。当初想定していたよりも多くのプレイヤーに遊んでもらえましたし,「FM24」からの新規プレイヤーも多く入ってきたかなと思っています。
 やはり日本の市場においては,Jリーグの追加が非常に大きかったですね。とくにJ3まで収録していることが非常に評価してもらえました。
 「FM26」では女子リーグが追加されますが,同じような効果を期待しています。

 「Football Manager」シリーズが日本語対応していなかったこともあり,以前の日本市場は大きなマーケットではありませんでした。トータルで4万人くらいのプレイヤーがいてくれればいいな,という感覚でした。
 しかし「FM24」が発売されると,その数は618%ほど増えました。平均プレイ時間も約113時間とかなり良好で,日本語版のリリースは大成功だったと思っています。それでいて,まだまだ成長できる余地がある市場だと捉えています。
 こうしたポジティブな数字の情報はどんどん知っていただきたいので,ぜひ記事にしてください(笑)。

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――「FM24」の発売前からシリーズに親しんでいる熱心なファンがいる一方,サッカーの知識が必要とされるマニアックなシリーズであるとも思います。「FM26」では初心者向けに導入したものはありますか。

Jacobson氏:
 ゲームのチュートリアルとサッカーに関するチュートリアル,両方を入れています。今回注目してもらいたい点を1つ挙げると,後者のサーチエンジン機能ですね。
 これは「FMペディア」という名称で,調べたいワードを打ち込むと検索エンジンやWikiのように,ワードに対応した情報が出てきます。関連している情報も同時に検索できるようになっていて,プレイ中に「これはどういう意味なんだ?」と疑問に感じたことはすぐに解決できます。

――それはかなり便利そうですね。

Jacobson氏:
 多くのプレイヤーに「Football Manager」シリーズを遊んでもらえるようになったのですが,いろいろなデータを見ていくと,結構早くゲームから離れてしまう人も多いことが分かりました。その理由を聞いてみると「サッカーがあまり分からない」「ゲームを立ち上げてから,何に手をつけていいのかが分かりづらい」という声が少なくなかったのです。
 そこで「FM26」を出すにあたり,世界中のプレイヤーの声を聞き,UIを筆頭にとっつきやすいものを作ろうと努力しました。

――話を聞いていると,FMペディアのテキストは膨大になりそうです。どういったデータや記述をもとに,誰が書いているのでしょうか。

Jacobson氏:
 まあまあサッカーに詳しい自信はありますから(笑),スタジオにいるサッカーマニアを中心に自分たちで書きました。実際にサッカーの単語を調べても出てこないものも多かったりするので,だったら自分たちで作ろうと。長年の経験,サッカーの知識や愛情も込めて書きました。
 そもそも「Football Manager」シリーズは実在のクラブでも,スカウティングに活用されていたりするんです。そういうこともあり,FMペディアも真剣に書いています。

――初心者向けの施策というと,「FM26」は委任の要素が充実しています。わりとなんでも委任できるようにしているのは,意識しているポイントなのでしょうか。

Jacobson氏:
 そうですね,おっしゃるとおりです。「FM」シリーズは100時間以上も遊んでくれる熱心なプレイヤーがいる一方,途中でドロップアウトしてしまうプレイヤーもいる。どのタイミングでドロップアウトしているかは,データとして把握しています。
 これを防ぐために,委任の要素を入れているとも言えますね。

 実は私も,選手のトレーニングや調整を細かく設定することはあまり好きではなく,それぞれのプレイヤーが好きなプレイスタイルで遊べるように,委任できる項目が増えてきています。

――実際のサッカークラブでも,監督が全部やっているわけではないですよね。練習メニューはアシスタントコーチが作ったり,年俸の交渉はフロントの仕事だったり。

Jacobson氏:
 そのとおりではありますが,「FM」シリーズはプレイスタイルの自由度が高いところが魅力です。監督として細部にいたるまで管理することも,非常に楽しく遊べるように作っています。
 監督としての評価を上げよう,クラブを勝たせようと思ったら,おそらく全部をプレイヤーが管理したほうがうまくいくとは思います。サッカーにまつわる要素をリアルに再現しつつ,ゲームとして遊んで楽しいか,そのバランスにはとても注意しています。

――女子サッカーの導入も「FM26」のポイントだと思います。

Jacobson氏:
 今回,女子サッカーを実装できたことは本当に嬉しいです。世界中のリーグから協力が得られたこと,そして独占ライセンスを持っているElectronic Artsが快く協力してくれたことが大きかったですね。

――女子選手の動きはモーションキャプチャなどを活用して再現されていると思います。男子サッカーの試合と異なる点があれば教えてほしいです。

Jacobson氏:
 やはり体型や構造自体が男性とかなり違うので,1からモーションを作っています。それに加えて,「FM26」ではゲームシステムに,相手の身長を意識してプレイスタイルが変わるという選手思考が盛り込まれています。
 たとえばゴールキーパーの背が低かった場合,シュートを打つ選手はゴールの上側を狙う傾向が強くなるんです。この仕様は女子サッカーのほうが色濃く影響を受けることになるかもしれません。

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 移籍や契約のルールも男子サッカーとは違うため,これも1から作っています。
 そして「FM26」では入れられなかったのですが,将来的には女子選手の妊娠による休場,出産からの復帰といった要素を検討しています。
 やはり「FM」シリーズは,できるだけリアルの世界を尊重して再現していくことがテーマになっています。なるべく早く実装したいところですね。

――従来のプレイヤーが知りたい変更点があれば教えてください。

Jacobson氏:
 まだ世には出せていないのですが,タクティクス関連のシステムはだいぶ強化されています。前作と比べて,できることが倍くらいに増えているんじゃないかと思います。

――「FM26」では「ポゼッション時」「非ポゼッション時」のフォーメーションを設定できるだけでなく,各ポジションの役割もそれぞれ変えられるようになりました。

Jacobson氏:
 プレイヤーの役割というか,コーチとしてできることは毎回確実に増えています。「FM26」ではポゼッション時に17種類,非ポゼッション時に8種類のスタイルがあります。
 なぜこのような作りになったかというと,ハードコアなプレイヤーもいれば,これから遊んでくれる方,カジュアルに遊んでいる方もいる中で,いろいろなことができるようにしたいと思っているからです。

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 このシステムを掘り下げていくと試合の結果に影響してくるので,ぜひ活用してほしいのですが,難しくしすぎるとついていけないところもあるでしょうから,今回の形で実装させてもらっています。
 ただ,あくまで監督の「指示」なので,ピッチ上の選手が従ってくれるかは別の話です(笑)。

――ポジションに応じた役割,ロールも増えていますか。

Jacobson氏:
 そうですね。「FM24」にはなかった役割が増えています。これは実際のサッカー関係者,プレミアリーグの監督を呼んで,現場で行われている最新のサッカー情報を教えてもらっているからですね。
 普段,選手やコーチと行っている戦術指導を再現してもらい,新しく見聞きしたことはゲームにも入れているので,どんどん要素は増えています。

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――「FM26」のUI(メインメニュー)には「ポータル」画面があります。これは以前のUIにおけるホーム画面と受信トレイをまとめたようなものですね。

Jacobson氏:
 もともと「FM25」の時点では,従来のeメールを読んで情報を得るというプロセスを削り,WhatsAppのようなチャットシステムで情報をやりとりすることを考えていたんです。実際の監督はメールをいちいちチェックするより,チャットで連絡事項を確認しています。
 ただ,ゲームとしてよろしくなかったんです。「FM25」のキャンセル(発売中止)に至った理由の1つでもあります。「Football Manager」シリーズらしくなかったというのが,正直な感想です。

 そこで「FM24」はもちろん,世には出なかった「FM25」も含めて,これまでのあまり良くないと思われるところは新しく作り直す,という考えからスタートしています。ずっと続いてきたものであっても,不便な点や間違いはちゃんと反省して次に活かさなければならないということですね。
 ポータルに話を戻すと,「Football Manager」らしさを表現するためにもメールボックスを見るような従来の形に戻しつつ,新要素を入れています。

――ポータルでは受信トレイも試合日程も同じ画面で確認でき,欲しい情報にアクセスしやすいと思いました。

Jacobson氏:
 情報の見やすさは,気をつけているポイントです。
 ポータルでは基本的に自分のまわりの情報がすごく出てくる形になるので,ほかのクラブや地域の情報を集めるには自ら探しにいく必要があります。それを補うために,ロード中にも情報が出てきたり,ほかのクラブで起きていることが分かったりするようにしています。

――先日,試遊したバージョンでは表示されていませんでした。

Jacobson氏:
 日本に向かう飛行機に乗る直前に実装の指示を出したので,間に合わなかったみたいです(笑)。

――自分のクラブに悪影響を与えそうなネガティブな選択を続けていくと,それに応じてマイナスなイベントが起こるのでしょうか。

Jacobson氏:
 「Football Manager」シリーズをRPGとして考えてもらうと分かりやすいですね。約50万人のNPCが存在している世界で,プレイヤーは監督としてロールプレイを行う。いい監督であろうとしてポジティブな言葉を選手に投げかけてもいいし,常に怒り続けている監督を演じてもいい。
 ポジティブな言葉だけを続けていても,中には監督に不信感を抱く人もいます。本当に自分の好きなようにプレイしてもらいたいですね。
 監督として会話をする際,毎回いろいろな選択肢が出るようにしているのは,そのときのプレイヤーの感情を率直に表せるようにしたいと思っているからでもあります。

――最後に日本のプレイヤーにメッセージをいただければと思います。本日はありがとうございました。

Jacobson氏:
 まずは数百時間もプレイしていただいている熱心なプレイヤーの皆さん,本当にありがとうございます。そして「FM24」をいまだにプレイしてくれている方々,この2年間にも多くのゲームが登場していますが,私達のゲームを選んでいただけることを本当に嬉しく思います。
 もうすぐ「FM26」が発売されます。初めてシリーズをプレイする方にも,ぜひ遊んでいただきたいです。日本のプレイヤーも増えていますので,「FM26」のコミュニティを作って楽しんでください。

「Football Manager 26」公式サイト

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