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よみがえるHDリマスター版「R-TYPE DELTA」をプレイ。ようやくΔ(デルタ)が現代環境で遊べるようになった[TGS2025]
本作は,1998年にリリースされたPlayStation用ゲーム「R-TYPE Δ(デルタ)」のHDリマスター版で,2025年11月20日に発売される。
基本的に“オリジナル素材をそのままキレイにする”の方向性で整えられており,原作の雰囲気を損なわず美しく仕上げられている。
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西暦2163年。異層次元戦闘機「R-9 アロー・ヘッド」が悪のバイド帝星をやっつけたぞ! という初代「R-TYPE」の物語から約1年後。
西暦2164年。地球上に謎の落下物が観測される。同時に,戦後に封印されていたはずの殲滅兵器の自己防衛システムが暴走しだした。
そこで人類は,自らの手が生み出した驚異に対抗すべくR戦闘機を……アロー・ヘッドの系譜を継ぐ「R-9A2 デルタ」を出撃させた。
この事件に端を発した,人類の新たなる未曾有の危機は後年,「サタニック・ラプソディー」事件として語り継がれることになる――。
というのが本作の物語だ。R-TYPEの名だけで思わずクリックしたような人たちは,「R-TYPE FINAL」などで散々復習したことだろう。
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私にとって「R-TYPE Δ」は,PS用シューティングゲームの名作三選に数えられる。残りの二選は意見が割れそうなので,あくまでお祭り中の個人的気分で選んだと強調するが,「アインハンダー」と「オメガブースト」だ。
なんて閑話はさておき。原作Δはここ十数年ほどアーカイブスでのプレイなども長らくかなわず,遊ぶには原盤の実機プレイが求められた。私と同様,自前で持っている人だろうと,初代PSを押し入れから引っぱり出してまで遊ぶ気概を持てた人は,そう多くはいないだろう。
しかし,それがようやく,しかもHD版で遊べるようになった。この点,うれしさの反面の寂しさは,大事に抱えておくほどの価値はないと言っておく。プレミアDiscとは価値をなくしてこそ意義があるのだ。
といった自己主張も済んだところで,試遊の感想に移ろう。
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本作はオーソドックスな横スクロールシューティングだ。プレイヤーは自機を上下左右に操作し,ショットで生物と兵器が融合したおぞましき地球外生命体「バイド」を撃ち滅ぼしていく。コミュニケーションの取れぬ凶悪な異性体に慈悲など不要だ。人類のために片っ端から滅ぼそう。
R-TYPEシリーズの特徴として,自機はショット長押しでエネルギーをためると「波動砲」を放てる。本作では選べる3つの自機(+α)のR戦闘機でそれぞれ波動砲の特性が異なり,なかには波動エネルギーになど頼らぬ先端技術を活用した最新鋭機体も存在する。
道を切り開いていく力とはすべて,新しき技術が成すことだ。
さらにR-TYPEでは,無敵の兵器「フォース」で機体前方・後方の被撃を防げる。フォースはオプションアイテムの獲得で特性が変化するほか,機体から射出するフォースシュートでバイドに大打撃を与えられる。
また,フォースに敵機や敵弾をぶつけて吸収させると,シューティングゲームにおけるボム相当の画面攻撃「Δ-ウェポン」を発動できる。
これらをうまく活用して,悪のバイドを完全殲滅していくのだ。
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本作で選べる自機は,オーソドックスなR戦闘機「R-9A2 デルタ」や,新型フォースのテスト機「RX アルバトロス」とあるが……。
選ぶなら当然,最新鋭の技術が満載な「R-13 ケルベロス」だ!
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この黒を基調とし赤のアクセントカラーが映える同機は,バイドを自動サーチする最強の雷撃にして,いっさいの隙がないライトニング波動砲を備えている。人類に対して献身的な科学者たちが,クロス・ザ・ルビコン(ルビコン川を渡る)の心構えで結実させた,偉大なる次世代機だ。
バイドを倒すためにバイドの破壊衝動を利用した,生物感と野性味の強いかぎ爪状アンカーなどは,まるで暗黒の森の番犬を思わせる。
R-Type Deltaを遊ぶうえで,彼ほど頼れる愛機はない。巨悪のバイドたちをひとかけらも残さずせん滅し,栄えある凱旋を果たしたい者こそ,このR-13 ケルベロスを選ぶべきだと,キミもそう思わないか?
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原作「R-TYPE Δ」のよさは,ここまで書いてきたような設定面もそうだが,個人的には操作感や挙動,ショットの手応えにある。
申し訳ないことに,私はこの感触を長いこと言語化できていない。そのため,バッファ多めな作品比較,かつ心がおもむくままの擬音表現という信じがたい下策で語らせてもらうことにするが。
「R-TYPE Δ」はそれ以前のシリーズ作品とは違い,挙動がサクサクキビキビしている。ただ,初期のPS向けのポリゴンシューティングゲームチックとあって,軽快というよりは質量が伴わぬ軽さが良くも悪くな感じではある。
それでも初代「R-TYPE FINAL」と比べると,シューティングゲームとしての爽快感が段違いであり(初代FINALもラストフィナーレまで満喫したが,満喫したからこそあえて言うし,分かってくれる人も少なくないと確信している),2000年〜2010年台のR-TYPE最高峰はΔのままであった。なんかこう,サクサク感がいいのだ。バイドを撃つときの感覚も優れている。
その点,HDリマスター版はどうかというと。やっぱり言語化できなかったのだが,「おお,Δだ,たぶん」と思えた。そもそも原作のほうを長いこと遊んでいない身なので信憑性は皆無だが,でもΔを感じた。
ただし,ゲームスピードが速くなった気もした。これは加齢による錯覚だろうが,一部ステージでは「かつては処理落ちしてしまっていたシーンを,処理落ちなしで構築している」とのこと。
なので,人によっては「前は処理落ちしてて楽だったのに!」と思うかも(シューティングゲームはだいたい,遅くなることが恵み)。
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機能面は,ステージ中に自機の速度変更をできるのはそのまま。最高速で動かしても,地形接触ミスが存在しないのでリスクは少なめだ。ゴリゴリに地形をなぞって遊べる,Δならではの操作感を堪能できる。
グラフィックスはその名のとおりHD化され,60fpsに対応している。オリジナル版の映像品質にも切り替えられるし,画面比率を維持したまま画面左右の黒枠を取っ払える「EXPANSION」モードもある。
さらに,自機の強化状態などを細かく設定して,ステージの任意の場面から練習できる「PRACTICE」も搭載されている。こちらはクリア済みステージのみが対象だが,「ボスだけ練習」も可能だった。
この機能はシューティングゲーム初心者はもちろん,上級者にとっても最高のものだろう。
ただし,通しクリアならではの緊張感を鈍くする可能性はあるため,一部のクリアラーやスコアラーは封印する人もいそうではある。
もちろん憎き人類の害敵バイドや,ステージ1の顔役で,気合の入った演出が好ましい「モリッツG」,シリーズのアイコン的な存在「ドプケラドプス」などが,HD相当のお化粧をして登場する。
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にぎにぎしい会場とあって音にまで気を使うのは不可能だったが,本作では「R-TYPE II」「イメージファイト」の楽曲を手がけた石田雅彦氏や,原作のサウンドを担当したサウンド制作会社USP,Amiga/C64版「R-TYPE」を手がけたChris Huelsbeck氏が参加しているという。
また,BGMはアレンジ版とオリジナル版が切り替え可能とのことで,往年のファンたちも一安心だろう。
さらに現地ブースでは,9月27日にプロデューサーとディレクターによる特別トークショーが実施されるとのこと。壇上では開発秘話や制作のこだわりを,原作の開発メンバーと共に紹介していくという。
なお,4Gamerでは,本作の豪華版などに付属する公式ファンブックに収録される,「原作PS版R-TYPEΔ 開発者インタビュー」の一部内容も先行公開しているので,興味がある人は目をとおしてみよう。
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私はR-13 ケルベロスが好きだ。ケルちゃん,ケロちゃんなどと呼んで愛する人も多いだろう。まあ「R-9/0 ラグナロック(アールナイン スラッシュ ゼロ ラグナロック)」のほうが好きだが。
いずれにせよ,R-TYPEシリーズにおいて,最強無敵万能な人類の希望,R-13 ケルベロスの活躍が残した爪痕は大きい。後年まで,それこそはるか未来まで語り継がれる英雄の姿は,人々に強い感情を与える。
そんなR-13 ケルベロスと,技術に劣る普通の波動砲を備えたR-9A2 デルタとRX アルバトロスと,東京ゲームショウで再会しよう。本作がまた1人,誰かを悪夢と言う名の鎖につなぎ止めるであろうと信じて――。
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