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[プレイレポ]銃×カンフーのフリーロールアクションが熱い――キプロスのNekkiがおくる「Spine」
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印刷2025/06/12 22:00

プレイレポート

[プレイレポ]銃×カンフーのフリーロールアクションが熱い――キプロスのNekkiがおくる「Spine」

 キプロスに拠点をおくゲームスタジオNekkiが開発中の新作アクションゲーム「SPINE - This is Gun Fu」PC / PS5 / Xbox Series X|S)が,2025年6月7日から9日までアメリカのロサンゼルスで行われたSummer Game Fest: Play Daysに出展されていた。会場ではNekkiのDmitry Pimenov氏による案内で,アルファ版をプレイする機会を得たので紹介しよう。

本作を開発するNekkiのDmitry Pimenov氏
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 本作は,サイバーパンクの世界で,ストリートアーティスト「レッドライン」が背中に埋め込まれた謎のインプラント「Spine」の力で,カンフー映画の主役さながらの活躍を見せるフリーフローアクションゲームだ。


 Nekkiはアニメーションとその制作プロセスに並々ならぬ情熱を注ぐスタジオで,彼らはアニメーションソフトウェア「Cascader」を独自に開発するなど,そのこだわりはかなり強い。「Spine」では,アニメーションだけでなくカメラワークも徹底的につきつめ,映画のような演出を実現しようとしている。

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 Pimenov氏の説明によれば,本作は「プレイヤーがカンフー映画の主役になりきる」ことを目指して開発しているという。実際にプレイしてみると,その言葉の意味がよく分かる。流れるような動きで敵から敵へと移動し,次々と華麗な技を繰り出していく様は,まさに香港映画のアクションシーンを自ら演じているかのような感覚だ。

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 「Spine」の最大の特徴は,銃をカンフーの一部として扱う独創的な戦闘システムにある。主人公は銃を単なる射撃武器としてではなく,フリーフローコンボ,回避,そしてパリィにまで使用する。Pimenov氏が「銃はもっとも力を注いでいる要素」と語るとおり,銃撃とカンフーが見事に融合した戦闘は,これまでにない新鮮な体験を提供してくれる。

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 例えば敵の肩の上に乗り脚で首を絞め,そのまま体重をかけて相手の頭を地面につけ,銃撃でとどめを刺すなど,通常なら「そんなことできないだろう」と思うようなアクションをあっさりと決められるのだ。香港のアクション映画にも通じる外連味たっぷりの戦闘シーンは見ているだけでも痛快で,実際に遊んでみると気持ちいい。

 興味深いのは,主人公が銃を携帯するのではなく,敵の銃をそのまま攻撃に使用するという点だ。戦闘中に敵から奪った武器を即座に使い,弾薬が尽きれば別の敵から新たな武器を奪う。この流れるような武器の取り回しも,カンフーの一部として組み込まれている。

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 操作系は「バットマン アーカム」シリーズをプレイしたことがある人なら馴染みやすいとのこと。基本攻撃は□ボタンと△ボタン,回避は○ボタンというシンプルな構成ながら,それらを組み合わせることで多彩なアクションが繰り出される。

 本作の主人公はストリートアーティストという異色の設定だ。そのため,ゲーム内にはグラフィティ要素が随所に散りばめられており,サイバーパンクの荒廃した街並みに独特の彩りを添えている。

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 彼女の運命は,背中に埋め込まれた「Spine」と呼ばれるインプラントによって大きく変わった。このインプラントこそが本作のタイトルの由来であり,英語で背骨を意味する「Spine」が,文字通り彼女の背骨となり,彼女を「スーパーヒーロー」へと変貌させるのだ。

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 戦闘では,ストリートアーティストらしい独特な技も披露される。スプレーで敵の視界を奪ったり,付近のオブジェクトを武器として利用したりと,周辺環境を巧みに活用する戦い方は,単純な銃撃戦とは一線を画している。

 試遊版では,ゲーム序盤にあたる4番目のミッションをプレイできた。比較的難度は抑えられており,独特の操作やゲームメカニクスに慣れるには十分な内容だ。

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 しかし,中盤のボス戦は一転して歯ごたえのある内容となっていた。特に印象的だったのは,ボス自身も主人公と同じく「Spine」インプラントを持っているという設定だ。そのため,ボスも非常に俊敏で多彩な攻撃を仕掛けてくる。プレイヤーと同等の能力を持つ敵との戦いは,まさに手に汗握る展開だった。

 また,照明が消えて暗視モードに切り替わるシーンも秀逸だ。緑がかった視界の中で敵を探し出し,暗闇の中で繰り広げられる戦闘は,通常の戦闘とはまた違った緊張感を生み出している。敵を捕らえてからのフィニッシャー技も,現時点では基本的なアニメーションのみの実装とのことだが,それでも十分な迫力がある。

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 なお,より歯ごたえを求めるプレイヤーのために「ハードコアモード」も用意されているとのことで,コアゲーマーへの配慮も忘れていない。

 現在のアルファ版では,カメラワークにやや粗さが見られたり,AIの挙動がまだ完全ではなかったり,アニメーションに若干の問題があったりと,開発途上であることを感じさせる部分も確かにある。Pimenov氏自身も「アルファ版なので『ジャンキーさ』があるかもしれない」と前置きしていたが,それらを差し引いても本作の持つポテンシャルの高さは十分に伝わってきた。

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 Nekkiは本プロジェクトを自己資金で進めており,「パフォーマンスの問題がない,本当に良い状態」でのリリースを目指しているという。目標とするリリース時期は2026年後半。妥協することなく,理想のゲーム体験を実現するまで開発を続ける覚悟のようだ。

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 「Spine」は,カンフー映画への愛と,アニメーション技術への情熱,そしてゲームならではのインタラクティブ性が見事に融合した作品といえる。銃撃をカンフーの一部として昇華させるという発想は斬新で,流れるような戦闘は,まさに「プレイヤーが映画の主役になる」という開発コンセプトを体現しているだろう。

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 サイバーパンクという定番の世界観に,ストリートアーティストという異色の主人公設定を組み合わせ,そこにカンフーという東洋的な要素を加えることで,本作は独自の魅力を生み出している。荒廃した未来都市の壁面に描かれたグラフィティと,ネオンサインが織りなす光景の中で繰り広げられる銃撃カンフーは,これまでのアクションゲームとは一線を画す体験になりそうだ。

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 2026年後半のリリースまではまだ時間があるが,今回のアルファ版で見せてくれた可能性は,十分に期待を抱かせるものだった。キプロスのスタジオが放つ,東洋と西洋,アートとアクションが融合した意欲作。ストリートアーティスト「レッドライン」が紡ぐカンフーの新境地を,製品版で体験できる日が楽しみだ。

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「SPINE - This is Gun Fu」公式サイト

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