
プレイレポート
[プレイレポ]「Deadpool VR」試遊レポート。アタマだけでゲームが始まる(?),VRで体感する俺ちゃんのアクション
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そんな本作を,アメリカ・ロサンゼルスで発表翌日の6月7日(現地時間)に開幕した関係者向けイベント「Summer Game Fest 2025 Play Days」にて体験してきた。
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「Deadpool VR」は,ジャンプやスライディング,壁走りといったパルクールをしながら,刀やハンドガンを使って戦う縦横無尽なアクションが特徴だ。
謎のポータルに吸い込まれた先にある異世界「モジョ・ワールド」を舞台に,デッドプールらしい破天荒な大暴れを繰り広げる,完全オリジナルストーリーが展開される。
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開発元は,ストーリーやアクション,その他もろもろの“デッドプールらしさ”をとにかく大切にしているようで,その姿勢はゲーム冒頭ですぐに伝わる。
プレイヤーの視界にまず現れるのは,首のない自分の身体。つまりデッドプールのボディだ。そしてそのそばには,デッドプールの身体を研究している科学者がいる。
プレイヤーがまずやることは,“頭”の視点で身体を操作して“ひとつ”になること。科学者に背後から忍び寄り,彼の鼻っ面をテーブルに何度も叩きつけて始末する。そして自分の頭を胴体に装着し,基本装備となる刀と銃を回収したら,施設からの脱出の始まりだ。
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ところが,部屋のドアには指紋認証が。もちろんデッドプールの手のひらでは認証されない。ではどうするかというと……先ほど倒した科学者の腕を切り取り,それを使ってロックを解除する。科学者をテーブルに叩きつけるシーンでは,普通なら手加減するところを容赦なく何度も繰り返し,指紋認証のためなら平気で腕を切り落とす。これはどっちが悪役なんだ?
このようにブラックユーモア満載の展開が続き,まさにデッドプールの真骨頂といえる。切り離された頭から自分の胴体を見ると,「こっちだよー」と手を振ってきたり,モデルのように脚を組んでポーズを決めたりと,シュールでコミカルな演出が満載。「これ,笑っていいのかな」と思いながらも口角が緩む。
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アクションのバリエーションも驚くほど豊富だ。2本の刀を交差させて敵の攻撃を受け流し体勢を崩した隙を狙って斬り込んだり,飛んでくるミサイルを弾き返したり。敵が落としたマシンガンやショットガンを奪って撃ちまくり,怯んだ敵にスライディングやジャンプで華麗にフィニッシュを決める。
さらにグラップリングフック機能を持つ電子銃を使えば,床から天井へ,壁から壁へと自在に飛び移れる。この立体的な移動の爽快感と,そのまま敵に急接近して一撃を加えたときの没入感は,まさにVRでしか味わえない体験だ。
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ダメージで千切れた腕を拾って武器として投げつけたり,刀に刺さったままの敵の頭部をさらりと振り払ったりと,演出の一つ一つが過激かつバラエティ豊かだ。
斬撃の角度によって断面の描写が変わったり,敵の倒れ方が多彩に変化したりと,細部まで作り込まれている。腕を失っても心配無用。手をかざすだけで瞬時に再生するのだが,この回復演出も見どころの一つ。ゲームオーバー時のリスタートもスムーズで,ストレスなくプレイを続けられる。
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そして,デッドプールの代名詞ともいえる「第四の壁」を破る語りも本作では健在だ。
ストーリーの進行から操作説明まで,ゲーム内外のあらゆる情報がデッドプールの独り言として違和感なく伝えられる。
考えてみれば,「次はあそこへ行く」「この操作はこうする」といったメタ的な説明をキャラクターに喋らせても違和感がないデッドプールは,ゲームというメディアと相性抜群のキャラクターなのではなかろうか。説明画面に添えられた落書き風のイラストも味があっていい。
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なお本作の英語ボイスは,映画でデッドプールを演じたライアン・レイノルズではなくニール・パトリック・ハリスが担当しており,現地ではそのあたりでもひと盛り上がりしている。
How I met a real mother f’er. pic.twitter.com/ARcMTDTr6X
— Ryan Reynolds (@VancityReynolds) June 7, 2025
そんな本作は,激しい動きだけではなく過激な描写があって人を選ぶゲームではある。
ただ,激しい動きが多い割にはフラフラになって酔うことはなく,普段はほぼVRゲームをやらない筆者だが,気がつけば40分ほどプレイしていた。残酷な描写も,ポップでマンガ的なビジュアルとゲームのテンポによって,あまり重たく感じずに楽しめた。
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近接戦闘では距離感がうまくつかめず,斬撃が思ったようにヒットしない場面もあったが,まだ開発中のゲームなのでそれは調整で改善されることを期待したい。
そのテンポのよさとユーモア,そしてバイオレンス&爽快なアクションは,たとえデッドプールというキャラをよく知らなくても楽しめるのではないだろうか。
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