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エイリアンが人類調査のためにガススタンドを経営。ベルギーの新興パブリッシャである,Oro Interactiveのゲーム3選[gamescom]
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同社は,現CEOのサム・デボエック(Sam De Boeck)氏により,5年以上前に起業されたパブリッシャだ。しかし,当初はコロナ禍の真っただ中となってあまり活動できず。いとこ関係にあるデスクイティニア氏が,会社の2人目の人材として参加したのが1年ほど前のこと。
以来,Oro Interactiveは精力的に動き出した。2024年3月にはホラー要素がふんだんなシミュレーション「Order 13」を,10月にはホラーADV「Daemonologie」をリリースし,着実に実績を積み上げてきた。
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デスクイティニア氏によると同社はこれまで,個人商店的な小規模なデベロッパとのビジネスにおいて,非常にフェアな価格帯で対応し,必要であれば最大5万ユーロの開発援助を行うなどして,ゲーム業界での信頼を築き上げてきたという。
そんな彼がgamescom 2025に持ち込んだのは,以下の3作である。
Roadside Research(PC)
「Order 13」でOro Interactiveとの関係を深めたCybernetic Walrusの新作「Roadside Research」は,地球にやってきたエイリアンとなり,田舎のガススタンドを経営し,訪れる客の人体や生活をこっそり調査していく,Co-op型のシミュレーションだ。
エイリアンは「人相を書いた紙を顔に張り付けただけ」という,どこからどう見ても怪しい風貌だ。見た目で察せるとおり,内容もかなりコミカルである。約1か月前にアナウンスされると,ゲーマーの間ですぐに話題となり,Steamではすでに15万のウィッシュリストを獲得している。
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プレイ中は,スタンドに立ち寄る客の車にガスを入れたり,売れ行きがいい商品を陳列したりと,経営シミュレーションとしてお金を稼ぐ側面が強い。新しい陳列棚を設置するなどのアップグレードもしながら,必要なデータをこっそり取得していく。
調査のために背後から近付いてバレそうになったら,いきなり人気のダンスムーブを披露して顧客を安心させることができる。だが,それでもヤバいと通報されて警察官が飛んできたり,さらに手ごわい“黒服にサングラス”の政府関係者がやってきたりもする。怪しい行動がバレてしまうと銃撃され,液体になってしまうこともあるので注意だ。
そんな「Roadside Research」は,Steamストアページによると近日中にはアーリーアクセス版が公開されることになりそうだ。
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Easy Delivery Co.(PC)
次は,Sam Cというハンドル名で活動する,アメリカの個人ゲーム開発者が開発中のシミュレーション「Easy Delivery Co.」だ。
プレイヤーは過疎ってしまった雪深い山間部の村で,自分の軽トラを使って宅配業を営んでいくことになる。しかし,この村の人々は風変りで不気味であり,どこか「サイレントヒル」的なホラー風味が漂う。
ただし,軽トラはもちろん,電線や自動販売機など日本的な要素の濃いワールドのキャラクターたちは,すべて擬人化された猫たちだ。
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ゲーム内では,軽トラの荷台に荷物を搭載して目的地まで運びつつ,この村に潜む謎を解き明かしていくことになるという。
自分のペースでのんびりとプレイすることもできるが,画面を4分割にして,ほかのプレイヤーと雪上レースを楽しむこともできる。
ともかく天候が不順で雪深く,軽トラがスリップしてしまうなど,時間通りに品物を運べないこともある。それでも日銭を得て生活費を稼ぎ,軽トラをアップグレードしていくことで,より安定感がありパワフルな運転での配達業が可能になっていくわけである。
本作はSteamで体験デモが公開されている。まだ日本語化されていないものの,気になる人はダウンロードしてみるといいだろう。
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Dead Format(PC)
この「Dead Format」も,前作「Daemonologie」でOro Interactiveとタッグを組んだ,スコットランドで活動するソロ開発者,Katanalevy氏による,一人称視点型のホラーアドベンチャーだ。
1990年代のスコットランド。「見てはいけない」というビデオカセット(VHS)のテープを見てしまったがために失踪中の兄の消息を追い,自らテープを見てしまう主人公の行く末が描かれる。
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VHSテープは,いわゆる“ファウンドフッテージ”と呼ばれる類のものだ。種類としては,1910年代のサイレント映画,イタリアのジャッロ(ホラーサスペンス)映画,ミニチュアを使ったSF映画,80年代のボディホラーといった,4つのテープ種が存在する。
プレイヤーは,手もとのテープで起こるさまざまな体験をくぐり抜け,新たな扉となるVHSを入手して,物語を追っていく。
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驚くのが,個人開発者ながらも質の高いグラフィックスに加えて,「自分で実写映画も作り上げている」という点だった。
白黒時代の映画の質感や演技にもこだわっているのが見て取れ,モーションストップや,糸に吊るされた宇宙船が飛ぶB級SF的な要素もあり,ビジュアル面にはかなりの作り込みを感じられた。
本作についてはSteamで近日中にはデモを公開したのち,年内をめどにフルリリースを見込んでいるとのことだ。
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