
プレイレポート
[プレイレポ]「SHINOBI 復讐の斬撃」は高密度アクションと激しいバトル,やりがいのあるステージ攻略を詰め込んだ新世代の“SHINOBI”だ
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「SHINOBI 復讐の斬撃」公式サイト
1987年から展開されている「忍 -SHINOBI-」シリーズは,セガファンにはおなじみだろう。その名のとおり,忍者を主人公とするアクションゲームだ。14年ぶりの新作「SHINOBI 復讐の斬撃」は,「ベア・ナックルIV」を手がけたパリのスタジオ,Lizardcubeが開発を担当している。
なお,シリーズ最新作ではあるが,過去作との直接的なつながりはないようだ。
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今回は序盤の「朧の里」,そして中盤とされる「提灯祭り」のステージを1時間ほどプレイできたが,手触りと操作性の良さに驚かされた。初めてプレイしたにもかかわらず,思いどおりに操作でき,まるで熟練者であるかのような立ち回りが可能だったからである。
なお,今回はPS5版をプレイしているので,本稿のボタン表記もそれに準じている。
本作は,敵とのバトルとステージ走破に重点が置かれている印象を受けた。ゲームプレイを楽しくしてくれたのは,前述の手触りと操作性の良さではあるが,こうした部分を言語化するのは難しい。さまざまな補正,豊富なバリエーション,別の行動へとシームレスにつながっていくシステム,ゲーマーが「こんな動きが欲しかった」と頷く設計の良さ……といったところだろうか。
2Dアクションゲームを極論すると,ジャンプでギミックを乗り越えていくゲームだが,本作は2段ジャンプ中に空中制御が効き,着地がズレてもシステムの補正により崖に掴まってくれるし,ステージ外へ落下した際のペナルティも体力が少し減るだけで済む。踏み切り位置を完全に誤るといったミスでもない限り,2段ジャンプや回り込み/空中ダッシュの「飛燕」で立て直しを図れて,システムも崖に掴まるといったように助けてくれる。
だからといって,ギミックの難度がヌルいというわけではない。乗ると沈んでいく足場,切り立った崖,滑っていく斜面など,さまざまな仕掛けが用意されており,2段ジャンプ,三角飛び,壁に掴まる,飛燕といったアクションを組み合わせて突破していく。
失敗してもリカバリーが容易なうえにペナルティも軽いため,ステージ全体が練習問題の集まりにも見えてくる。作り手が多彩な練習問題を提示し,プレイヤーが解いていく。このやりとりが心地いい。
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[R1]ボタンで繰り出せる飛燕は,本作を象徴するアクションだろう。通常状態では前転回避,ジャンプ中は空中ダッシュ,障害物に対してはパルクール風に回転してから乗り越え,攻撃中に使えばショートジャンプ。状況に応じて横移動のアクションがさまざまに変化し,あらゆるアクションからスムーズにつながるため,ゲームのテンポが格段に良くなる。
とくに印象的だったのが,乗り越えと空中からの急降下キックだ。乗り越えはジャンプより素早く障害物をクリアし,急降下キックは素早く落下できる。2Dアクションゲームではスピード感と操作の密度を求めたくなるが,こうしたニーズに応えてくえる。
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こうした手触りの良さはバトルも同様だ。ムサシは刀と手裏剣を基本に多彩な攻撃方法があり,これらがスムーズにつながっていくため,いろいろな戦法を試したくなる。アートの良さ,アニメーションのキレも相まって,もはや何をしてもカッコいい。
バトルでも飛燕は重要だ。ショートジャンプ中も攻撃ができるため,アクションの密度が上昇する。敵の攻撃を前転で避けてから連続攻撃を仕掛け,攻撃をキャンセルしてショートジャンプ,空中で斬りつけた敵を吹っ飛ばし,ジャンプから追撃,さらにショートジャンプで追撃……といったように攻め続けられると爽快だ。
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「忍法」「手裏剣」「シノビ・エクスキューション」「忍術」といった要素が加わると,さらに戦いのバリエーションが増す。これらは相互に連結しているため,慣れれば指先と頭の双方を忙しく回転させて楽しめる。
忍法はいわゆる必殺技だ。炎を吹いたり,攻撃を受け止めてカウンター攻撃をしたりと,さまざまな効果がある。敵にダメージを与えると溜まる「忍法ストック」が必要で,ショートジャンプの連続攻撃を使うと効果的のようだ。
手裏剣は遠距離攻撃で,特定の敵を倒すと補充される。攻撃をキャンセルすると,扇状に投げつけることも可能だ。
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敵を攻撃して「処刑ゲージ」が溜まると,シノビ・エクスキューションが可能になる。発動すれば自動で敵の近くに急速移動し,必中の即死攻撃を仕掛けられるが,処刑ゲージが溜まった敵が複数いれば同時に仕留めるため,実に爽快だ。
敵を処刑すると,コインや体力回復といった追加報酬が出現する。もちろん終了後の硬直もなく,別の敵をスムーズに攻撃できる。
そして,超必殺技に相当するのが忍術だ。忍術の使用に必要な「忍術ゲージ」は,自分がダメージを受けるか,敵を倒したときに落とすアイテムによって上昇していく。
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敵を攻撃して忍法ストックを増やし,忍法や手裏剣で処刑ゲージを溜めたらシノビ・エクスキューションを発動し,一網打尽にすると忍術ゲージが増えていく。複数の要素がリソースによって相互につながり,さらに敵を叩き落すと一撃で倒せる湖,吹っ飛ばすと爆発を起こすドラム缶といった環境の要素も存在する。さまざまな手段を駆使すればするほど,バトルは有利かつ面白くなっていく。
襲い来る敵のあいだを蝶の如く飛び回り,蜂のように刺すノンストップバトルも実現できた。スクロール固定の状態で多数の敵が襲ってくる闘技場のようなシーンもあり,思う存分にバトルを楽しめる。「もっと敵を出してくれ,堅い敵も出てきてくれ」と願うほどに熱中してしまった。
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手描き風のアートワークは,和の雰囲気をこれでもかと漂わせる。朧の里ではススキがたなびく草原,うっそうとした竹林,雪の寺院,薄暗い建物内へと場面が移り変わる。提灯祭りでも郊外の沼から花火が輝く和風都市,建築現場,巨大な山車が群れなす街路といったように,ステージ内でも次々にロケーションが展開するため,プレイヤーをまったく飽きさせない。
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今回は約1時間しかプレイできなかったが,とにかく期待を抱かせる内容だった。忍者を主人公とする2Dアクションゲームの基本を継承しながらも,バリエーション豊富な攻撃,空中ダッシュやショートジャンプ,複数のリソースが相互に影響する忍術,忍法,シノビ・エクスキューションといった要素により,現代風のハイテンポな「SHINOBI」に生まれ変わっている。
なお,試遊後にはセガのスタッフによる合同インタビューが行われた。こちらもぜひご覧いただきたい。
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