
インタビュー
ゲーム版「キャッ党忍伝てやんでえ」の開発資料が東京ゲームショウ2025に登場。開発元のCEOにゲーム化の経緯や制作秘話を聞いた[TGS2025]
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「キャッ党忍伝てやんでえ」は,動物型ロボットたちが暮らす“エドロポリス”を舞台に,街の平和をおびやかす悪の忍者軍団「カラカラ一族」と,それを取り締まる秘密忍者隊「ニャンキー」との活劇を描いたSF時代劇ギャグバトルアニメだ。名称について補足しておくと,「Samurai Pizza Cats」とは本アニメの海外版タイトルにあたる。
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今回資料が展示された「Samurai Pizza Cats: Blast from the Past!」は,エドロポリスを舞台に,ニャンキーのメンバーを切り替えながら,各々が持つ能力を駆使して戦闘やパズルに挑戦する2DアクションRPGだ。対応機種はPCのほか,複数のプラットフォームへの展開が予定されている。
なお,ゲーム化そのものは初めてではなく,ファミコン向けソフトや,ベルトスクロールアクション「ジツ・スクワッド」とのコラボ作である「ジツ・スクワッド×キャッ党忍伝てやんでえ」などがリリースされている。
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東京ゲームショウ2025では,手描きによる背景が展示されたほか,キャラクターの猫耳を模したカチューシャも配布されて話題を呼んでいた。
原作サイドも驚いた「手描きのアートワーク」がウリ
2027年初頭頃のリリースを目指し開発が進行中
2025年はアニメの放送から35周年の節目となるが,このタイミングで新作を手がける経緯や制作秘話を,開発元であるオランダのゲームスタジオ「BLAST ZERO」でCEOを務めるデイヴ・バルジョン氏に聞いてみた。
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4Gamer:
本日はよろしくお願いします。「キャッ党忍伝てやんでえ」の放送35周年というタイミングで新作ゲームの制作が決定したことに,大変驚かされました。原作の海外人気はどのようなものだったのでしょうか。
デイヴ・バルジョン氏(以下,バルジョン氏):
海外での人気も大きなものでした。さまざまな場所で放送されていたので,ゲーム化を発表して以降,原作を知っている人の多さに驚いています。
4Gamer:
ゲーム化を発表してからの反応はどうでしたか。
バルジョン氏:
我々の国はもちろんのこと,日本では特に大きな反響がありました。トレイラーの再生数も凄くて,「発売を楽しみにしている」というコメントをたくさんいただきましたね。
4Gamer:
そもそも,なぜ「キャッ党忍伝てやんでえ」をゲーム化することになったのでしょうか。
バルジョン氏:
「キャッ党忍伝てやんでえ」のIPと弊社でコラボをした際,とても楽しかったんです。そこから,「いっそゲーム化しちゃおうよ!」という話になりました。原作サイドさんも快くOKをくれたので,ゲーム版の制作を始めたんです。
4Gamer:
キャラクターや背景が昔のアニメ制作のように手描きであることに驚きました。制作の苦労話があれば教えてください。
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バルジョン氏:
原作に思い出があるので,1990年代の雰囲気を再現したアートワークにしようと考えました。今はアニメ制作もデジタル化が進んでいますよね。本作はしっかりと手描きで作っているのですが,これはなかなかに大変な作業でした。
4Gamer:
1990年代の絵柄を再現できて,しかも手描きに対応できるとなると,人材の確保は難しそうですが。
バルジョン氏:
そうですね。描ける人を探すところからのスタートで,とても難しい仕事でした。
また,ゲーム制作のために原作をリサーチしていく必要もあり,こちらも大変でしたね。
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4Gamer:
完成したアートワークを原作サイドに見せたときの反応を教えてください。
バルジョン氏:
我々のアートワークを見た原作サイドの皆さんが,「これって自分たちが描いた絵じゃないよね?」と驚いてくださったのが嬉しかったです。おかげで,ゲーム化の許可もスムーズにもらえ,声優さんや脚本家も当時のオリジナルスタッフに参加していただけることになりました。
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4Gamer:
アートワークの再現度が高いうえに,当時のオリジナルスタッフが参加されるのであれば,原作ファンも納得できる品質になりそうですね。東京ゲームショウの来場者の反応はいかがでしたか。
バルジョン氏:
皆さんトレイラーをご覧になったうえで,とても楽しみにされているというお声をいただきました。カチューシャなどの特典アイテムも喜んでいただけて何よりです。
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4Gamer:
発売時期はいつ頃になりそうでしょうか。
バルジョン氏:
2027年の初頭あたりには発売したいと思っています。
4Gamer:
そうなると,東京ゲームショウ2026への出展にも期待したいです。
バルジョン氏:
はい。デモ版をもっと大きなブースで出展したいですね。
4Gamer:
楽しみにしています。本日はありがとうございました。
日本で制作されたアニメが海外でも人気を呼び,長い時を経てゲーム化されることになった。当時のスタイルを再現した手描きのアートワークは,オリジナルスタッフの心にも届いたというわけで,これは愛の深さがなしえた成果ともいえるだろう。今後の続報を楽しみに待ちたい。
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