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印刷2025/09/08 23:00

プレイレポート

「デジモンストーリー タイムストレンジャー」試遊会&合同インタビュー。今回のミレイは,状況によって姿が変わる?

 バンダイナムコエンターテインメントは「デジモンストーリー タイムストレンジャー」PS5 / Xbox Series X|S / PC)を2025年10月2日に発売する(PC版の配信日は10月3日)。

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 本作はバンダイの液晶玩具から生まれた「デジタルモンスター」を題材にしたRPG「デジモンストーリー」シリーズの最新作で,「デジモンストーリー サイバースルゥース」から約10年振りの完全新作となる。

 今回近日配信予定の体験版に先駆けて,メディア向けの体験会が開かれた。物語序盤に加え,ゲーム中盤のアビス・エリアをプレイできたので,本稿で詳しく紹介しよう。また記事の後半では,プロデューサーとディレクターのメディア合同インタビューの内容を掲載している。

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 バンダイナムコエンターテインメントは,「デジモンストーリー タイムストレンジャー」を2025年10月2日に発売する。本稿では発売に先駆けて行われた,メディア向けの試遊会で体験できた内容と,プロデューサーへのインタビューをお届けしよう。

[2025/06/20 16:45]


“きぼうの壁”の内側で起きる異変。そして8年前へのタイムスリップ


 物語の舞台は東京。主人公(プレイヤー)は,超常現象(アノマリー事象)の調査,解決を行う秘密組織“ADAMAS”のエージェントだ。日本ではここ数年,社会的な不安の高まりに呼応するかのように,超常現象の発生が活発化している。
 また8年前には,西新宿で大規模な爆発事故が起きており,それに伴い政府は“きぼうの壁”と呼ばれる西新宿を隔離するような大きな壁を築いていた。プレイヤーは増え続けるアノマリー事象と封鎖された西新宿エリアの関連性を調べるべく,“きぼうの壁”の内側へ潜入することになる。

結城ダンと結城カナン(名前変更可)の2人から選択できる。選ばなかった主人公はオペレーターとして,プレイヤーのサポート役になる
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超常現象の増加により,ADAMASはその活動が目立つようになり,存在が明るみに出始めているらしい。街の大型ビジョンでは,ADAMASの活躍をモチーフにしたと思しき映像が流れている
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閉鎖された“きぼうの壁”の前では,群衆が西新宿封鎖の説明を求めてデモを行っている。出どころはオカルトーキョーTVというメディアのようだ
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 “きぼうの壁”の中にはいわゆるデジモンが生息している。この世界ではアノマリー事象が観測される地域に出現する存在として,ADAMASから認知されている。

この世界では,これまで人々が“幽霊や妖怪と呼んでいた何か”は,デジモンだったのではないかという認識らしい。このあたりの解釈は2022年に発売された「デジモンサヴァイブ」とも共通する
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ADAMASからは戦力としてデジモンを1体転送してくれる。パートナー候補のデジモンは,パタモン,ピコデビモン,ゴマモンだ
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 戦闘について軽くおさらいしておこう。本作はオーソドックスなターン制のコマンド形式を採用している。プレイヤーは最大6体(バトルメンバー3体,リザーブメンバー3体)のデジモンをパーティに編成し,敵対するデジモンを倒しながら,冒険を進めていく。

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 詳しくは前回の記事を参照してほしいが,基本的には前作「デジモンストーリー サイバースルゥース」のシステムを発展させたもので,敵の種族と属性耐性を確認しながら,相性の良いデジモンで弱点を突いて展開を有利にしていくのがセオリーだ。

プレイヤーはアイテムの使用や,デジモンの交代などで戦闘をサポートする。プレイヤーの行動はターン消費がないため,気兼ねなく使っていける
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ゲージを溜めると主人公のスキル「クロスアーツ」が放てる。相手にダメージを与えるものや味方を強化するものなどがあり,こちらもターン消費なく放てる
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 また,ランダムエンカウントからシンボルエンカウントに変わったことによって,マップ探索にも少し変化が生じている。
 シンボルエンカウントの大きなメリットの1つに,戦う相手を選べることがあるが,前述の通り本作は,デジモンの種族・属性相性が大切になるため,この点が有利に働く。例えば,ワクチン種のデジモンが多くいる場所であれば,バトルメンバーをデータ種で固めることによって戦闘がラクになるし,明らかな強敵との戦闘は避けられる。

究極体のカオスドラモンに遭遇。こちらの手持ちは幼年期〜成長期なので,勝ち目はまずない。避けて通るのが無難だ
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ちなみに挑んだらしっかり返り討ちに遭った
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手持ちのデジモンで「デジアタック」を仕掛ければ,先制攻撃のチャンスを掴める。デジアタックは,マップの敵を自動でサーチして攻撃してくれるうえ,効果範囲もかなり広い。積極的に活用したいところだ
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デジヴァイスのアナライズ機能は索敵やマップ内のアイテム発見に役立つ
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 冒頭のプレイ範囲では,本編の始まりから世界が崩壊し,そして8年前へ主人公たちがタイムスリップするまでが体験できた。ヒロインの御園イノリや世間を賑わせていたオカルトーキョーTVの配信者,鷺坂ヒロコなども登場しており,物語がこれからどう展開していくのだろうか。

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エージェントスキルやデジファームなど育成関連の要素を確認


 試遊の後半では,デジタルワールド・イリアスの「アビス・エリア」での冒険も体験できた。ここでは,バトル以外にもデジモンの成長要素やミニゲームなどを楽しめたので,そちら中心に紹介していこう。

アビス・エリアは,海やサンゴ礁が広がるエリアで,住処とするデジモンが生息している
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集落には多くのデジモンが集う。どうやらマリンエンジェモンがアイドル的な存在らしい
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タイタン族が根城とする水中へ潜る場面も
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・デジライド

 デジライドはデジモンに乗れる機能で,本作における目玉の1つとして事前情報で大きく扱われている要素の1つだ。


 今回の試遊では,レオモン,キュウビモン,グラウモン,カブテリモンなど,デジライドできるデジモンがかなりの数用意されており,デジモンに乗ってのマップ探索を楽しめた。
 ライドモーションも凝っており,ガルルモンやキュウビモンといった四足歩行のデジモンは主人公が背中に乗るが,レオモンなどの二足歩行デジモンの場合は,デジモンが主人公を肩に乗せて移動したりする。移動速度もデジモンごとに異なるので,いろいろと試してみたくなる。

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 デジライドは徒歩よりも移動が速くなる以外のメリットも確認できた。アビス・エリアには,徒歩で移動すると足をとられてしまい,移動速度が遅くなる場所が存在するのだが,デジライドを使った場合は速度を落とすことなく,マップを移動できた。

徒歩なら足をとられる浅瀬も,デジモンに乗っていればへっちゃら。無用なエンカウントを避けられるため,デジライドはかなり重要だ
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・カードバトル

 手持ちのカードでNPCたちと対戦できるミニゲームで正式名称は「ジョグモンアルティメットカードゲーム」。プレイヤーの所持カードの中からランダムに5枚のカードが手札として配られ,ラウンドごとに1枚ずつカードを出し合い対戦を行う。

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 1回の対戦は5ラウンドで構成されており,5ラウンド終了後に多くラウンドを取った場合,プレイヤーの勝利となる。勝敗を左右するのは,種族相性とカードに書かれた数字で,数字が大きく相性の良いカードを出すと,勝率が高まる仕組みだ。

ジョグモンアルティメットカードゲームでは,出したカードが中央の端末に読み込まれ,ドットで描かれたデジモン(ジョグモン)たちが戦う
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 種族相性や数字の大きさなどは,あくまで勝率を高める要素でしかなく,圧倒的に有利な組み合わせで負けることもあるし,その逆も発生する。このあたりは往年の携帯玩具での対戦を思わせる。

相手が出してきたパワー6のヴァイクモンにパワー5のシャウジンモンが勝利。数字の大きさはあくまで目安で一発逆転もあり得る
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・時の狭間劇場

 この空間では,バトルメンバー以外のデジモンを育成する「デジファーム」やダウンロードコンテンツなどへアクセスできる。前作におけるデジラボに近い存在だと思ってもらえばいいだろう。

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 デジファームとアウター・ダンジョン(DLCダンジョン含む)の案内人は,シリーズでおなじみの御神楽ミレイ。前作ではデジラボでデジモンの管理役として登場しつつ,ストーリーにもガッツリ絡んできた彼女だが,今回はオープニングで幼い容姿で登場するなど,謎が多い。

オープニングで幼い姿で登場したミレイだが,ストーリーが進行したときの狭間劇場では,いつもの姿に戻っている? この辺りの設定もゲーム中で明かされるのだろうか
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 デジファームは,球状の惑星を模したフィールドにデジモンを配置して,ステータスや性格を変更できる施設だ。ヘックスで区切られたマスにデジモンを置き,トレーニングを行ったり食事を与えたりすることで,ステータスを変動させられる。

 本作のデジモンは,個体ごとに性格を持っており,それによって伸びやすいパラメータや特性が変わる。後述するエージェントスキルにより,特定の性格を持つデジモンを進化しやすくしたり,パラメータを強化したりもできるので,デジファームで性格変更をするのも1つの手だ。

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デジファームに預けたデジモンは,特訓によって性格を変えることができる
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性格は「頭脳〜心」のパラメータから成るX軸と「愛〜友」のパラメータから成るY軸の値で決定する。性格は16種類あり,傾向によって4つのカテゴリ(勇壮,博愛,知啓,友好)に分けられている
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 今回の試遊では,オープニングから物語冒頭にあたる部分とゲーム中盤のアビス・エリアの冒険を約3時間にわたりプレイできた。プレイを終えて前作との大きな違いとして感じたのは,やはりバトルバランスの向上だ。

 原プロデューサーは本作について「バトル体験を非常に重視している」と前回のインタビューで語っていたが,今回の試遊では改めてそれを感じさせる内容になっていた。
 ボスバトルにはギミックがあるだけでなく,前作における貫通攻撃のような突出して強すぎる技がないため,“戦っている感”はかなり増しているように思えた。

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 「試遊では,あらかじめ用意されたデジモンを使ってるから,バランスがいいのは当然では?」というごもっともな指摘もあると思う。
 ただ本作では,本編を進めたり,サブクエストをクリアしたりすることによって上がる「エージェントランク」がデジモンの進化条件に組み込まれている。ゲームの進行具合とパーティのパワーバランスが大きく崩れないように調整されているため,製品版でもバトルバランスの向上が期待できるだろう。

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エージェントスキルの取得画面。スキルは,本編を進めたりサブクエストを実行したりすることでもらえるアノマリーポイントを消費して取得する。これまで消費したポイントの合計によってエージェントランクが上がり,これがデジモンの進化条件になっている
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プロデューサー&ディレクター合同インタビュー。長い時間を共にするアイギオモンは“いて嬉しい”デジモンを目指した


 試遊終了後,本作のプロデューサーである原 良輔氏とディレクターの友野祐介氏への合同インタビューが行われた。試遊の中で気になった点やゲームシステムのことを聞いた内容となっているので,最後まで目を通してほしい。

左からプロデューサーの原 良輔氏(バンダイナムコエンターテインメント)と,ディレクターの友野祐介氏(24Frame)
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――本日はよろしくお願いします。本作の開発において原さんからどのようなオーダーがあったのか,それを実現するためにどのような苦労があったのかを聞かせてください。

友野祐介氏(以下,友野氏):
 まず原さんからはいわゆる「キャラゲーであることに頼らない,遊びごたえのあるゲームにしよう」という話がありました。
 ほかのゲームが当たり前にできていることはやれるようにし,品質を保ちながらシリーズとしての特色を出していくというのが,大きなミッションでした。

――遊びごたえのあるゲームという点では,やはりバトルの改良が大きなポイントになっていたのでしょうか。

友野氏:
 そうですね。原さんからも,今回は戦略が必要な本格的なバトルにしたいという話はありました。
 本作は,オーソドックスなコマンドRPGではあるんですが,ボス戦ではしっかり戦略を考える必要があるし,普通のバトルでもある程度考える必要があるものを目指して作っています。昔のRPGのような「もう1回やったら勝てる」みたいなバトルを目指して,ギリギリまでバランスの調整を行いました。

 開発の初期は「今の時代にこんなにオーソドックスなコマンドRPGを作って大丈夫なんだろうか」と思ったこともあったんですが,スタッフのアイデアなどにも助けられ,結果として,古き良きJRPGの要素も持った納得感のあるものに仕上がったと思います。私もコマンドRPGってまだ可能性があるなと個人的に感じた部分もあるので,そこは楽しみにしていただければと思います。

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――アイテムやクロスアーツでターンを消費しないのは,本作の特徴として入れているのでしょうか。

友野氏:
 そうですね。オーソドックスコマンドバトルではありますが,今っぽさみたいなものを入れる必要はあると思っていて,クロスアーツやアイテムの使用でターンを消費しないというのは,それに対する一つの切り口になったところはあります。

原 良輔氏(以下,原氏):
 あとデジモンゲームのようなモンスターテイム系は,戦闘中に「主人公って何をしてるの?」と疑問に思う側面があると思うんです。アイテムの仕様やクロスアーツは,主人公が一緒にデジモンと戦っているというのをより強めたいという気持ちがあって入れている部分もあります。
 アイテムについては,使い放題でヌルくはならないように調整はしていますので,ご安心ください。

――今回スキルアタックで敵を攻撃すると,ストライクプラスという追加アタックチャンスが発生することあります。こちらの導入意図を教えてください。

友野氏:
 ストライクプラスは,サークルの収縮に合わせてボタンを押すと追加攻撃が発生するシステムですが,導入はかなり迷った部分です。これについては,今後を考えてアクションの要素を部分的にでも取り込む実験的な側面もありますね。
 基本的には,判定はそこまでシビアではなく,何かボタンを押せば,どんなに外していようが1回は攻撃がプラスされ,大成功なら2回攻撃や特殊な行動がプラスされるようになっています。

原氏:
 初見で反応するのはなかなか難しいと思うのですが,慣れてくると対応できるようになってくると思います。大成功の効果はデジモンの性格によって変わりますが,敵にデバフがかかったり,全体回復効果があったりと強力なものも多いです。

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友野氏:
 最初は2〜3回も殴るなんて強すぎだろうと思っていたんですが,バフやデバフってプレイヤーによってはまったく使わない人もいるんですよね。本作のバフ/デバフは重ねがけもできて効果も大きいので,ゲーム的な気づきにつなげる要素として期待して取り入れてもいるんです。

――前回,今回とアイギオモンがゲストキャラクターとして同行していましたが,ストーリーを攻略するうえで離脱することもあるのでしょうか。

原氏:
 はい。アイギオモンについては,離脱するタイミングもありますが,基本的には一緒だと思っていただいて大丈夫です。

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――アイギオモンはシナリオ的にもキーキャラクターなので,ゲストキャラクターとしての扱いが難しいように感じます。強すぎても弱すぎてもいけないといいますか。

友野氏:
 それについては,我々も悩みながら調整したところです。足を引っ張っているなと思われると,プレイヤーから嫌われてしまいますし,強くし過ぎるとバトルがアイギオモンを中心にした戦術一辺倒になってしまいます。
 アイギオモンはワクチン種なので,データのボスが出てくるところでは,そこまで活躍しないこともありますし,逆に大活躍することもあります。キャラクターを愛してもらうために,見せ場も用意していますし、そのあたりは時間をかけて作り上げています。

原氏:
 アイギオモンは,「いて嬉しい,いないと寂しい」というキャラクターを目指して調整しています。システム的にもアイギオモンが倒されたらゲームオーバーみたいなこともありませんし,自分のパーティに加えて1体仲間がいるという認識でいただけると。

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――試遊では,バトル中にハイブリッド体であるアグニモンが技を使用した後にヴリトラモンに姿を変えるようになっていました。このほかにも戦闘中にモードが変わるデジモンはいるのでしょうか。

原氏:
 はい。今回アグニモンのようなハイブリッド体のほか,戦闘中に姿を変えるデジモンを何体か用意しています。
 これまでの作品では,進化画面で選択して,姿を切り替えていたと思いますが,今回はわざわざそれをせずとも,モードチェンジをさせたいよねということで導入しています。こちらは,従来通り進化画面でも変えられますので,選択肢が1つ増えたという形になりますね。

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――今回「エージェントランク」がデジモンの進化条件に組み込まれています。こちらを導入した理由を聞かせてください。

原氏:
 主人公の心の成長がデジモンの強さ,成長に紐づいているという考えをベースにして,エージェントスキルとエージェントランクというシステムを導入しています。
 エージェントスキルは,アノマリーポイントというメインクエストの進行,サブクエストのクリアで取得できるポイントを使いますが,シナリオの進行とデジモンの成長がリンクすることで,より強くシナリオにも没入できるのではないかと思っています。

――シナリオ上でのバトルバランスをとるという意図もあるのでしょうか。

友野氏:
 そういう側面もありますが,私たちが一番重視しているのは,「物語への没入感」というところで,バトル体験もそれに紐づく1つの要因だと思っています。
 バトルのバランスを調整したいから段階的に開放しているというよりは,没入感を損ねないためにこの形を取っているという感じです。

――エージェントスキルはスキルツリーを開放していく形式ですが,スキルの振り直しはできるのでしょうか。

原氏:
 ここはかなり議論した部分ではありましたが,今回は振り直しできない仕様になっています。エージェントスキルは性格ごとにデジモンを進化させやすくしたり,ボーナスを付与したりするものが用意されています。
 これにスキルの振り直しがあると,特定のスキルに全振りしてボーナスを付与した後にデジモンを進化させ,進化が終わった後に別のものに振り直すということができてしまうんです。それを防ぐために今回はあえて振り直しができないようにしています。

友野氏:
 振り直しの機能をつけると,今度はエージェントスキルがすごく無難なものばかりになってしまうんです。今回は振り直しができない代わりにスキルの内容や効果値を少し尖らせることで,エージェントランクを上げていく段階で,「こんなこともできるのか」という驚きみたいなものを感じていただけるかなと思っています。

――シリーズではおなじみの御神楽ミレイですが,オープニングでは今までにない幼い姿で登場していました。今回彼女はどのような立ち位置で関わってくるのでしょうか。

原氏:
 立ち位置としては,「サイバースルゥース」に近いです。彼女は時の狭間劇場という場所にいるんですが,あの空間はいろいろな世界の時空の狭間にあって,時間が安定していないんです。
 あまり詳しく話してもネタバレになってしまうんですが,ミレイがあの姿になっている理由としては,一旦この段階では,そんな感じに捉えていただければなと思います。

友野氏:
 ミレイは,私が最初にディレクションした「デジモンワールド リ:デジタイズ」から登場しているキャラクターなんですが,いろいろなことができるようになって,いろいろな目に合うキャラになりましたね。
 幼い姿だけでなく,普通の姿のときもあるんですが,なぜこうなっているのかは,原さんの発言をヒントにいろいろ考えてもらえると楽しいんじゃないかなと思います。

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――ミレイが管理するデジファームについては,今回惑星にデジモンを配置していくというものになっていました。

原氏:
 「サイバースルゥース」は,いくつかに分かれた島にデジモンを配置していくというものでしたが,今回はもう少し自由にカスタマイズできないかということで,惑星型のデジファームにしました。
 前作は島ごとに配置できるデジモンの数が限られていましたが,本作は大量のデジモンを1つの惑星に配置できますし,地形のグラフィックス変更やオブジェクトも自由に配置できます。オブジェクトごとに特殊な効果があるわけではないんですが,自分の思い描く理想のファームに好きなデジモンたちを配置して,アクアリウムのように眺めているだけでも楽しめるようなものにしています。

友野氏:
 デジファームでは,配置したデジモンにご飯を与えて友情値を高めるほかに,特訓をさせて特定のステータスを上げたり,性格を変えたりすることに特化した施設にしています。
 経験値は,今回ボックスにいるデジモンにも割り振られる仕様なので,デジファームは個性のある尖ったデジモンを育てたいという人向けの施設ということですね。

――先日新デジモンとして,マスターブリンプモンがSNSで発表されていましたが,現在発表されているもの以外にも新デジモンはいるのでしょうか。

原氏:
 たくさんいるわけではありませんが,存在します。ブリンプモンも物語の中でフィーチャーされるデジモンの1体かつ,進化系統がすべて登場しているわけではないデジモンだったので,進化形のマスターブリンプモンを登場させることにしました。
 今回は「時間移動」という要素があるので,時間経過した際にブリンプモンってどうなっているんだろうというところがマスターブリンプモンの出発点になっています。


――YouTubeのデジモン公式チャンネルで,テリアモン助手がゲーム内に登場するという話がありましたが,アニメキャラクターやほかのデジモンタイトルからキャラクターがゲスト参戦することはあるのでしょうか。

原氏:
 こちらに関してはテリアモン助手が特別で,急遽実装したものになります。なので,ほかのタイトルからのゲストは今回いないと思ってもらえればと。ちなみにテリアモン助手は,セントラルタウンのどこかにいるので,探してみてください。

――9月25日から9月28日まで開催される東京ゲームショウにも試遊台が設けられるそうですが,プレイ内容はどのようなものになるのでしょうか。

原氏:
 東京ゲームショウの試遊ビルドは,セントラルタウンを探索できるモードと,ボスのパロットモンを倒すチャレンジバトルの2つを用意しています。

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[2025/08/25 20:11]

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