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高校最後の日を迎えた3人の友情を描いたアドベンチャー「Mixtape」をチェック。音楽とスケートボードで結ばれた彼らの冒険はいかに?
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「Mixtape」は,ハチャメチャな高校生活を送ってきたロックフォード,スレイヤー,モリノの音楽とスケートボードで結ばれた3人の仲間が,高校生活最後の夜にアドベンチャーに出かける。その中で,自作の音楽テープで思い出を蘇らせていく。リーダー格のロックフォードは「ミュージックスーパーバイザー」の仕事に就きたいという夢を持っており,そのために近くの町のコンサートにやってくるという音楽業界の大御所,ベラ・デルトーンに自分が作ったミックステープを渡して,自分の選曲センスを評価してもらうというのが旅の目的となるようだ。
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若い読者にはピンとこないかもしれないが,録音用媒体としてカセットテープが主流だった頃は,別のカセットテープやラジオなどから自分の聞きたい曲だけを選んでコピーし,ムードに合わせて取り換えながら聞いたり,友人とシェアしたりという文化があった。本作では「CDという新しいものが出てくる」ことを批判するようなセリフもあり,誰もがミックステープを作っていた1980年代が舞台となっている。
今回ブースで公開されていたデモはゲームの序盤からプレイするもので,ロックフォードの語り口でそれぞれ3人のキャラクターが解説されるなど,映画的な表現で溢れている。やがて,丘の下にある自分たちの家に向かってスケートボードで駆け抜けていくが,どんなジャンプでスキルを見せつけてもポイントは加算されないし,コントロール操作を間違って対向車にぶつかっても,しばらくゲームが巻き戻されてやり直しするだけのペナルティで,ゲーム的な部分はかなり簡略化されたインタラクティブストーリーのような雰囲気だった。
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こうして,ロックフォードの自室と思われる家の2階にやってきた3人だが,壁にはポラロイドカメラによる写真が飾られており,高校生活の彼らの楽しかったひと時が収められている。それが思い出となり,例えばいたずらしたために警察に目を付けられて,ショッピングカートで坂を下って逃げるも高速道路まで突っ走ってしまい,テレビニュースでライブ中継までされてしまった過去の“大事件”にフラッシュバックする。この間,警察車両をすり抜けていくカートの操作が,インタラクティブ化された状態でプレイできるが,やはりペナルティなどはほとんどなく進行していった。
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今回のプレイアブルデモは,その後にスレイヤーが運転する車に乗り込み,テープから流れる曲に合わせて目を瞑ってヘッドバンギングしながら町のコンサートに行くというシーンで終わったが,この後も現在のストーリーと,過去の思い出が交差するようなストーリー構成になっていると思われる。大きな目的もなくダラダラした生活,気分を晴らすためのいたずら,熱中した音楽,思春期ならではの感情の起伏,さらには彼らの成長と心の変化,卒業することの不安など,ほろ苦い青春ドラマが描かれていくようだ。
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開発を行うBeethoven & Dinosaurは,ギタリストの少年を主人公にした2021年の「The Artful Escape」でデビューしたメルボルンのメーカーだ。「Mixtape」でも音楽は最重要テーマになっており,Joy Division,DEVO,The Smashing Pumpkins,Iggy Pop,Portishead,Lush,The Cure,Siouxsie and the Banshees,Stan Bush,The Jesus and Mary Chainといった,1970〜1990年代に活躍したミュージシャンやグループの楽曲をライセンスし,実際にゲームの中で利用されている。
そんな「Mixtape」は,インタフェースとテキストが日本語にローカライズされる予定で,2025年中にはリリースされるとのこと。Steamストアページでウィッシュリストに追加して続報をチェックしておこう。
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