
インタビュー
流動的な戦闘のスリルを味わえる新作エクストラクションシューター「Exoborne」,その開発者が目指すゲーム体験とは[TGS2025]
![]() |
![]() |
本作は,SFな世界設定や毎回違った顔を見せる激しい気象,シームレスにつながる戦闘と移動要素を楽しめるエクストラクションシューターだ。
9月16日から10月7日まで第2回プレイテストが開催されている本作だが,どういった作品を目指しているのだろうか。Hultberg氏に話を聞いてきたので,その模様をお届けしよう。
![]() |
強化外骨格,ロボット,気象を操るタワーなど,SF感満載のエクストラクションシューター「Exoborne」の爽快な移動を体験[TGS2025]
![強化外骨格,ロボット,気象を操るタワーなど,SF感満載のエクストラクションシューター「Exoborne」の爽快な移動を体験[TGS2025]](/games/759/G075901/20250926012/TN/021.jpg)
Sharkmobが開発中の新作エクストラクションシューター「Exoborne」を,「東京ゲームショウ2025」のLevel Infiniteブースで試遊した。本稿では,移動の爽快感や,緩急のある緊張感を味わえる本作のプレイレポートをお届けする。
[インタビュー]開発者が語る「Exoborne」の挑戦――プレイヤーの体験を第一とする開発哲学とは
![[インタビュー]開発者が語る「Exoborne」の挑戦――プレイヤーの体験を第一とする開発哲学とは](/games/759/G075901/20250608004/TN/012.jpg)
Summer Game Fest: Play Daysで,「Exoborne」の開発者にインタビューする機会を得た。動的な天候システムが特徴的なエクストラクションシューターで,ディビジョンの元開発者たちが手がけているということでも注目されている本作。彼らはどんな哲学でこの作品を開発しているのだろうか。
4Gamer:
本日はよろしくお願いいたします。まず,Hultbergさんのこれまでの経歴について教えていただけますか。
Martin Hultberg氏(以下,Hultberg氏):
もちろんです。ゲーム業界に25年携わっていて,最初はUbisoft NordicでPR担当として働き始めました。その後,開発部門に移り,モントリオールでTom Clancyフランチャイズに関わりました。具体的には,「レインボーシックス」や「スプリンターセル」などですね。
その後,スウェーデンに戻り,Massive Entertainmentで働き始めました。最初に手がけたのは,「ワールド イン コンフリクト」です。
追って,Massive EntertainmentはUbisoftに買収され(関連記事),私の最後の仕事は「ディビジョン」のディレクターでした。
2017年に私とほか4人のメンバーで,Massive Entertainmentを離れ,Sharkmobを立ち上げた流れです。
4Gamer:
ディビジョンのディレクターとしての経験が,Exoborneに生かされた要素はありますか。また,ディビジョンではできなかったことで実現したいことはありますか。
Hultberg氏:
多くの要素があります。ゲーム開発に携わっていると,過去のタイトルから多くのものを次の作品に持ち込むのは自然なことです。
私たちが最初に話し合ったことの1つは,「ディビジョンではパンデミックの一環としてニューヨークを破壊したのだから,次のステップでは,世界全体を破壊しよう」ということでした。
つまり,ローカル的なシナリオから,世界的な災害へと規模を拡大しました。そういったつながりはありますが,ゲームプレイでは両作品は大きく異なっています。
![]() |
4Gamer:
ディビジョンではソーシャル的な要素がありましたが,今作ではほかのプレイヤーとの関わりはどうなりますか。
Hultberg氏:
最大の違いは,ディビジョンは協力型ゲームでした。一方で,Exoborneは対戦型ゲームとなっています。
Exoborneでは,セッション内でディビジョンよりも多くのプレイヤーと出会うことになると思いますが,プレイヤーのほとんどは,あなたを殺そうとします。友好的な出会いにはならないでしょう。
4Gamer:
なるほど。ほかプレイヤーに話しかけられるようなオープンボイスチャットなどは実装されるのですか。
Hultberg氏:
はい。VoIP機能があります。
4Gamer:
では,言葉でどうにか見逃してもらうことも。
Hultberg氏:
仲間になることもあり得ますね。実際,プレイヤーからはよく「なぜほかのプレイヤーを殺さなければならないのか」と聞かれるのですが,逆に問いたい。「なぜあなたたちは彼らを殺しているのでしょうか」と。
誰も殺すことを強制していませんし,望むなら彼らと協力することも可能です。
![]() |
4Gamer:
1マッチの想定時間はどれくらいですか。βテストをプレイした感じでは,ナラティブに力を入れていて,ミッションを達成してすぐに帰るパターンが多かった印象があります。
Hultberg氏:
ナラティブ要素は,ゲームの導入としての機能を持たせています。もちろんストーリーを伝えることを意図していますが,同時にゲームの遊び方を教える手段であり,プレイを続けていくと,ナラティブ要素も落ち着いていきます。
4Gamer:
1パーティの最大人数を3人にした理由は何ですか。
Hultberg氏:
とてもいい質問ですね。クリエイティブディレクターの完全なる好みです……というのは冗談でして。真面目にいうと,3人でも4人でも良かったのですが,3人に決めてゲームデザインを固めていきました。
4Gamer:
Exo-rigの種類は,主に3種類ですが,これは今後増える予定ですか。
Hultberg氏:
増やすことも可能ではありますが,現時点で確実なことは何もありません。3種類に固執しているわけでもないのです。
4Gamer:
それぞれのコンセプトを教えてください。
Hultberg氏:
実現したいプレイヤー体験を考えたとき,クラシックな要素として,タンク,ステルス,高機動というのを思いつき,この3つを設定しました。それぞれが明確に異なるプレイスタイルを持っています。
4Gamer:
バックパックの仕組みがかなりシンプルですが,この狙いを教えてください。
Hultberg氏:
ゲームデザイナーの代わりに回答すると,ほかのエクストラクションシューターよりもペースが速く,インベントリの整頓に時間を取られないようにしたかったからですね。
テトリスのようにアイテム移動/回転させる必要はなく,自動的にやってくれます。
4Gamer:
探索のモチベーションとして,ルートアイテムにはどういったものがありますか。
Hultberg氏:
基本的に貴重品,クラフト素材,消耗品の3種類があります。ここでいう消耗品は弾薬などです。
マーケット要素もあるので,貴重品でお金を稼いで,素材を購入するというのも可能です。
4Gamer:
道中で巨大なロボットと遭遇したのですが,これが非常に強くて……。これは通常の武器で倒せるのですか。
Hultberg氏:
はい。ただ,仲間を連れて行くのが大事かもしれません。ロボット用に特定の弾薬などもあれば簡単になりますが,必須というほどではありません。
ロボット狩りに行くなら,私ならヘビーマシンガンやスナイパーライフルのどちらかを持って行くでしょう。あとは,エアストライクや電撃を落とすガジェットもあるので,それらも活用します。
4Gamer:
最後に本作でプレイヤーにもっともアピールしたいポイントや,体験してほしい要素を教えてください。
Hultberg氏:
プレイヤーに本当に感じてもらいたいのは,流動的な戦闘のスリルです。これは,ほかのどのシューターとも異なる体験だと思います。ダイナミックに移り変わる環境で,常に周囲に注意を払う必要があります。
動いて流れるように戦うこのスピーディーな戦闘を,みなさんに味わってほしいです。
![]() |
4Gamer:
本日はありがとうございました。