NCSOFTの新作シューター「CINDER CITY」は，ソロプレイのキャンペーンも期待できそう［G-STAR 2025］

　韓国・釜山で2025年11月13日から16日まで開催されているG-STAR 2025にて，NCSOFTは新作シューター「CINDER CITY」をプレイアブル出展している。


　NCSOFTの開発スタジオであるBigFire Gamerが手がける本作は，AAA級のストーリーが楽しめることをアピールするオープンワールド形式のマルチプレイシューターだ。プラットフォームはPC/コンソールで，リリースは2026年を予定している。
　2年ぶりのプレイアブル出展ということで，G-STAR会場では人が少ないはずの平日開催の初日から，1時間待ちの行列ができていた。


　イベント開幕に合わせて行われたオープニングセッションでは，新トレイラーも公開されたので，まずは本作の世界観を掴めるこちらをどうぞ。

動画の最後に出てくるヒーラーっぽいキャラのコスプレイヤー

　本作の舞台となるのは，21世紀の現代ソウルと，23世紀の未来技術が共存する歴史改変された世界だ。
　オープニングセッションに登壇した統括プロデューサーのペ・ジェヒョン氏によれば，もともとはさまざまな都市を出したかったという。しかし，開発が難航していたところ，TJことNCSOFT CCOのキム・テクジン氏から「ソウルはどう？」との提案があり，Kカルチャーの発信地として世界的な人気があることからも，ソウルを題材にすることに決まったそうだ。
　3Dマップを活用した測量と写真スキャンにより，江南にあるCOEXや奉恩寺など，実在するソウルの象徴的な場所を再現している。

統括プロデューサーのペ・ジェヒョン氏

　広大なオープンワールドで，バイクや自動車，ヘリなどの乗り物を活用して移動し，ほかのプレイヤーと協力してさまざまなコンテンツを楽しめるのが，本作の大きなウリだ。

　一方で，本作はキャンペーンにも注力している。キャンペーンは最大4人の協力プレイでも，シングルプレイでも進行可能で，しっかりとストーリーが描かれるようだ。

　今回，筆者は会場でこのキャンペーンをソロで体験した。試遊は，英雄（プレイアブルキャラクター）の1人である「セブン」の物語で，破壊されたソウルへ仲間と共にヘリで向かったセブンだが，対空砲による迎撃にあってしまう。そこで，仲間が作戦地域に着陸できるよう，対空砲を止めるために単独で先行するといった内容だった。


　こうした背景設定がカットシーンで描かれてミッションスタートといった流れなのだが，冒頭に限らず，カットシーンは非常に多い。お世辞ではなく，パッケージゲームのシングルプレイを遊んでいるような感覚だ。

　戦闘用のスーツを身にまとったセブンは，アサルトライフルやスナイパーライフル，ハンドガン，グレネードといった基本的な装備のほかに，前方からのダメージをある程度防いでくれるうえに，手を塞がないシールドや，敵を追尾して飛んでいくミサイルのような武装など，特殊装備も使える様子だった。敵対する武装勢力（テロリストやギャングっぽい雰囲気の，人間勢力だった）を倒しながら，ルートを進んでいく。

さまざまなタクティカルギアを駆使して戦う

　試遊といえど，難度はそれなりに高く，敵の数が多いうえに容赦なく殺しにかかってくる。印象的だったのが，敵がかなり臨機応変に動いてくることだ。本作のAIは，空間を認知，判断して行動するようになっているとのことで，こちらの状況に合わせて身を隠したり，スモークで視界を塞いできたりと，いやらしい動きをしてくる。
　一本道の作りとはいえ，戦闘のシチュエーションも工夫されており，高台から撃たれたり，ロケットランチャーで吹っ飛ばされたりと，いろいろな攻撃を仕掛けてくるあたりも厄介だ。


　ヘッドショット以外で敵を倒すと，瀕死状態で地面に倒れてうずくまっていた。殺すかどうかはプレイヤーに委ねるということなのだろうか。まぁ，敵だし殺すけど。

　ボス戦の相手は，全身に重厚な装甲をまとい，巨大なハンマーを装備した「アイアンスマッシャー」だ。ここまで，割と硬派なシューターといった雰囲気だったのだが，ボスは対空してからの派手なハンマー攻撃を繰り出してくるという，アクションゲーム感マシマシな挙動だった。分厚い装甲には，銃弾があまり効かないようで，頭を使った攻略が求められそうな気配だ。


　筆者は，道中で拾ったロケットランチャーをすべて温存して，全弾こいつにたたき込む脳筋スタイルで強引に倒したが，試遊後に聞いた話では「近接攻撃で背中のタンクを攻撃する」が正解だったらしい。実際，撃破後のカットシーンではナイフでタンクを破壊するシーンがあり，これがヒントなのだとか。


　「攻略後にヒントが出る意味，ある？」と思うかもしれないが，本作の場合，ここで得たヒントを元に，オープンワールドでの戦闘で有利に立ち回れるため，キャンペーンの体験が攻略情報として生きる。
　ある意味，ものすごく豪華なチュートリアルといった作りになっていて，手触りはかなりよかった。


　あとは，やはりオープンワールドでのプレイ感が気になるところだが……2026年下半期のリリースに向けて，さらに情報が出てくることに期待したい。

試遊では，2つから1つのステージを選択できたのだが，筆者が選ばなかったほうではクリーチャーとの戦闘があったようだ