
プレイレポート
[プレイレポ]カプコンの新作「プラグマタ」を初試遊。ハッキングパズルが生み出す,これまでにない戦闘アクションの緊張感
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メディア向けに公開された試遊版をプレイする機会を得たので,その感想をお伝えしよう。
カプコン新作SFアクションアドベンチャー「プラグマタ」,2026年リリース

本日(2025年6月5日)配信された「State of Play 2025.6.5」で,カプコンは新作タイトル「プラグマタ」を2026年に発売することを発表した。カプコンの新規IPで,2020年に発表され,2023年に延期が発表されていたものだ。
「プラグマタ」公式サイト
「プラグマタ」は近未来の月面世界を舞台とするSFアクションアドベンチャーだ。物語の中心となるのは,宇宙服をまとった男性ヒューとアンドロイドの少女ディアナ。彼らは月面の研究施設内で出会い,敵対的な人工知能(AI)に支配された施設から脱出し,地球への生還を目指すことになる。
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2020年の初公開トレイラーは強烈な印象を残す内容だったので,覚えている人も多いだろう。無人の近未来都市を宇宙服姿の男が歩き回り,ホログラムの猫や長い髪の少女が登場,突如として重力の乱れのような超常現象が発生する―――そして最後には,主人公と少女が宇宙空間から青い地球を見上げる場面で締めくくられた。
カプコンの新作タイトル「プラグマタ」がPS5 / Xbox Series X / PCで2022年に登場予定

カプコンは本日,映像イベント「PS5 - THE FUTURE OF GAMING SHOW」にて,新作タイトル「プラグマタ」を2022年に発売することを発表した。トレイラーでは,宇宙服姿の男と謎の少女が,落ちてくる衛星に立ち向かう様子や,ふたりが宇宙空間から惑星を眺める姿が確認できる。
最新トレイラーでは,デルファイ社(Delphi Corporation)という謎の企業が登場する。この企業は「ルナフィラメント(Lunafirament)」なる製品で「夢と現実の境界を再定義する」と謳っており,月面施設で起きている異変や幻覚的な現象の鍵を握っている可能性が示唆されている。
なぜヒューとディアナは月面に取り残されたのか。一見無人だった施設で何が起きているのか。地球への帰還を阻む敵対AIの目的は何か―――物語の核心は依然ベールに包まれており,プレイヤーは2人の冒険を通じて謎めいた月面世界の真相に迫っていく。
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開発はPlayStation 5,Xbox Series X|S,そしてPCといった現行機に特化して進められている。リアルタイムレイトレーシング機能が効果的に活用されており,敵ロボットはもちろん,基地内の壁や床までもがピカピカで,周囲の環境が美しく映り込む。
月面の低重力環境下での物体挙動や陰影表現,ホログラムのエフェクトなど,現行機の性能を最大限に生かしたリアルタイム描画で緻密に再現された世界には,「Dead Space」的なハードSFの雰囲気も漂う。しかし本作はホラーではなく,あくまで「ストーリー重視のアドベンチャー」であり,ヒューとディアナの絆やドラマに焦点が当てられているという。
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今回のデモは,主人公の宇宙飛行士ヒューが気絶しているシーンから始まる。なぜこんな場所で倒れていたのか,何が起きたのか―――そうした説明は一切ない。ただ目覚めた彼の前に現れたのは,アンドロイドの少女ディアナだった。
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状況を把握する間もなく,突如として機械兵器に襲われる。そのロボットは,こちらの顔が映り込みそうなほどテッカテカに磨き上げられ,まるで工場から出荷されたばかりの新品のような輝きを放っている。このあたりも描画技術の高さが実感できる,印象的なデザインだ。
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ヒューは持っている銃で応戦するが,弾丸はロボットの装甲に弾かれ,まったく効果がない。絶体絶命かと思われたそのとき,ディアナが「私が助けられるかも」と提案する。彼女はヒューの背中におぶさり,ロボットへのハッキングを開始した。
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ここで本作の最大の特徴である「ハッキングシステム」が登場する。ディアナがハッキングを始めると,敵のすぐ脇に四角いマスで区切られたパズル画面が現れる。カーソルを操作して,緑色のマスまでカーソルを到達させることでハッキングは完了。敵の装甲を解除できる。
操作は直感的だ。PlayStation 5のコントローラでは[△]ボタンが上,[×]ボタンが下,[□]ボタンが左,[○]ボタンが右に対応している。ボタンの配置がそのまま方向に対応しているため,日頃ゲームをプレイしている人なら,迷うことなく操作できるだろう。
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パズル画面には青いマスも存在し,それを経由してから緑のマスに到達すると,装甲解除の時間が延長され,与えるダメージも増加する。しかし重要なことは,ハッキング中も敵は容赦なく攻撃してくるという点だ。
最初に登場したロボットは近距離攻撃のみだったため,距離を保ちながら落ち着いてハッキングすればなんなく対処できた。しかし遠距離攻撃を仕掛けてくる敵が登場すると,状況は一変。ハッキングに集中していると敵の攻撃を受けてしまうが,かといって回避に専念していてはハッキングが進まない。
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このジレンマこそが,本作の戦闘の醍醐味である。余裕があれば青マスを踏んで大ダメージを狙い,危険が迫れば即座に緑マスへ直行する―――瞬時の判断が求められる,緊張感あふれる戦闘システムだ。
デモの舞台は謎の基地内部,最初のミッションは「ここからの脱出」。敵を倒しながら進んでいくと,やがて複数のロックがかかった行き止まりに突き当たる。
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ハッキングは戦闘だけでなく,探索においても重要な要素となっている。ファンタジーゲームで鍵を探すような場面が,本作ではすべてハッキングに置き換わっているといえばイメージしやすいだろうか。施設内を探索し,それぞれのロックに対応したデバイスを見つけてハッキングする必要がある。
施設のハッキングには時間制限付きのパズルも登場する。画面に表示された[△,□,○,×」を正確かつ時間内に入力するというもので,ミスや時間切れはダメージにつながる。戦闘中のハッキングとはまた異なる緊張感があり,プレイヤーを飽きさせない。
また,ゲームを進めていくと「ノード」と呼ばれるアイテムを取得できる。これを所持していると,敵をハッキング中に黄色のマスが出現し,それを踏むことでハッキング効果がさらに高まる仕組みだ。武器も方向キーで切り替え可能で,状況に応じた戦術の選択肢も用意されている。
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本作最大の特徴は,能力の異なる2人のキャラクターを同時に操作する「デュアル主人公システム」だろう。
ヒューは屈強な宇宙飛行士として銃火器による射撃やパワフルな近接戦闘を担当し,ディアナは高度なAIを備えたアンドロイドとして敵や機械装置へのハッキング能力を発揮する。「ヒューが前衛で戦い,ディアナがハッキングで支援する」という基本スタイルは,本作に戦略性をもたらしている。
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近距離型と遠距離型の敵が同時に襲いかかってくる場面では,どちらを先に対処すべきか瞬時の判断が求められるだろう。アクションのスピード自体はそれほど速くないため,落ち着いて対処すれば切り抜けられるが,ハッキングパズルに集中しているとおのずと焦りが生まれる。
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3Dアクションゲームの戦闘は,慣れてくると「攻撃と回避の繰り返し」という作業感のあるものに陥りがちだ。しかし「プラグマタ」は,パズル要素の存在によってザコ敵との戦闘にも常に緊張感があり,最後までドキドキしながらプレイできた。
今回プレイしたのは本作のほんの序盤とのことで,まだ隠された要素も多いだろう。ヒューはなぜ基地で気絶していたのか,ディアナとは何者なのか,デルファイ社の「ルナフィラメント」とは何なのか―――物語の謎も気になるところだ。
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カプコンが度重なる延期を経てもなお本作の開発を続ける理由が,このデモをプレイして垣間見えた気がする。ハッキングシステムを軸とした独創的なゲームプレイと,月面を舞台にした重厚なSFストーリーは,確かに時間をかけて磨き上げる価値のあるものだ。
2020年の発表から5年,ファンは待たされてきた。しかし今回の試遊を通じて,その待ち時間が無駄ではなかったことを確信できた。さらなる情報公開に期待しつつ,来年の発売を楽しみに待ちたい。
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「プラグマタ」公式サイト
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