「Hollow Knight: Silksong」試遊レポート。2つのステージで確認できた，変わらない楽しさと新しい手応え［gamescom］

　インディーゲームシーンを語るうえで欠かせない存在となった「Hollow Knight」の登場から約8年。その続編が制作中と発表されてから約6年――。
　Team Cherryが手がける探索型2Dアクションの新作「Hollow Knight: Silksong」（PC / PS5 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch 2 / Xbox One / Nintendo Switch）が，いよいよ2025年9月4日に発売される。


　発売を約2週間前に控えた8月20日，ドイツ・ケルンで開幕したヨーロッパ最大のゲームショウ「gamescom 2025」では，Xboxや任天堂のブースで本作のプレイアブルデモが公開され，連日長蛇の列ができていた。
　筆者も前作に夢中になったインディーゲームファンとして「どうしても早く遊びたい！」と初日から狙ったが，任天堂ブースのSwitch2版の試遊はアプリ予約が即埋まり，なかなかチャンスを得られない。それでも粘って3日目，ようやくXbox版で試遊に飛び込むことができ，待望のHollow Knight新作を時間の限り（およそ10分！）しっかりとプレイし確認してきた。

懐かしさに包まれる「Moss Grotto」，歯ごたえと新要素を味わえる「Deep Docks」

　試遊バージョンでは「Moss Grotto」と「Deep Docks」という2つのステージが用意されており，どちらでも好きなほうを（もちろん両方でも）プレイできた。
　まずは導入にふさわしいと感じた「Moss Grotto」を選択。捕らわれの身となっていたホーネットが，新たな舞台「Pharloom」に落ち延びるカットシーンから始まった。


　そこから立ち上がって探索が始まる流れは前作を思わせるもので，その瞬間「ああ，これだ，Hollow Knightだ」と当時の感覚が蘇ってきた。懐かしさのあまり，取材後にホテルでSwitch2にダウンロードした1作目を起動してしまったほどだ（原稿執筆のための確認という理由もあったけど）。


　苔むした緑の洞窟は雰囲気こそ前作と地続きだが，8年という時を経て手描き風グラフィックスやアニメーションは格段に美しく，滑らかに進化している。「うわぁ，きれいだあ」と思わず声が出るほどで，1作目は今遊んでも十分高水準な作品であるものの，さらにそれがより鮮やかで力強い表現になっていると感じた。
　探索もまた「これぞHollow Knight」と言いたくなる構造で，水たまりを進めることに気づいて先へ行けるなど，小さな発見の楽しさがあった。安心感と懐かしさに包まれるステージだった。


　続いて挑んだのは「Deep Docks」。試したではなく“挑んだ”とあえて表現したのは，溶岩地帯といういかにも難しそうな見た目で，実際にプレイしてもやっぱり難しかったからだ。


　ジャンプやダッシュを駆使して高所に登り，隠された通路を攻撃で切り開く。空から溶岩を落とす敵や，盾を構えた頑丈な敵など，厄介な相手が続々と現れる。手強い敵たちだが，動きはどこかコミカルでかわいらしくもあり，厳しい戦いの最中なのにふっと笑える瞬間もあった。
　難しい（って何回言うんだろう）のだが，アクションをうまくこなせると爽快で，少しずつ自分が対応できている手応えも感じられる。

　さらにこのエリアでは，クラフト要素を通じた「ツール」も確認できた。筆者は針をシュシュッと飛ばす遠距離攻撃を試したが，トレイラーでも確認されているニードルのような強力な溜め攻撃もある。どんな種類が揃っているのか，想像するだけでワクワクさせられる。


　そして最後に待ち受けていたのが，ホーネットのように素早い動きを見せる剣士タイプのボス（名前をちゃんと確認できなかった）。
　初見であっさり敗北し，その後も繰り返し挑んでは敗れる。「ああ，この感じ，前作でも味わったなあ。しかも相手は……」と，1作目の記憶がよみがえる感じだ。攻撃パターンを読みながらも，それだけでは勝てなさそうな戦いに夢中になるのは，やはり「Hollow Knight」らしい。


　試遊時間はわずか10分程度，ほんの“チラ見せ”に過ぎない。それでも「前作と変わらぬ楽しさ」と「新しい要素の期待感」の両方をしっかり感じられ，「早くフルに遊びたい！」という思いを強くさせる内容だった。
　何よりありがたいのは，リリース日発表から発売までの期間が短いこと！　この熱が冷めないまま9月4日の発売日を迎えられるのは，多くのファンにとって嬉しいサプライズだろう。

「Hollow Knight: Silksong」公式サイト