
企画記事
日本で販売されているゲーム,実は北米やEUより割安? 世界中の国や地域での価格を調べてみたら,いろいろ気になった
日本でも,多言語対応版Switch 2の価格は6万9980円(税込み)なので,それを基準にすれば同等の価格と言えるかもしれないが,多くの人が購入するのは日本語・国内専用版だと思われるので,なぜ日米での価格にここまで差が出るのか,気になってしまう。
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ところで,読者のみなさんは「ビッグマック指数」(Big Mac index:BMI)なる単語を聞いたことはあるだろうか?
ビッグマックと言えば,100以上の国と地域で約4万もの店舗を世界に展開するマクドナルドのハンバーガー。そして,ビッグマック指数は,各地域でのビッグマックの価格から,そこで流通する通貨の価値,つまり貨幣1単位でどれだけのモノやサービスが買えるかについて,為替レートとは少し異なる角度から推し計るものなのだという。
ビッグマックが調査対象に選ばれているのは,さまざまな地域で,ほぼ同一品質のものが販売されていることや,働く人々の賃金や店舗の土地代,材料費などを考慮したうえで価格が定められていることなどが大きな理由になっているようだ。
もともとは,イギリスの経済誌「The Economist」が考案し,1986年9月に発表したもので,同誌は毎年1月と7月に,最新のビッグマック指数を公開している(外部リンク)。2025年1月のデータでは,54の通貨のうち,ビッグマック指数が最も高かったのはスイスフランで,日本円は44位だった。
一般的に,ビッグマック指数が高い通貨(地域)は“購買力が高い”と見なされる。長期的な視点では,日本円のビッグマック指数は徐々に下がってきているので,近年,「日本は以前よりも豊かでなくなった」などと語られる際,ビッグマック指数が引き合いに出されることも少なくない。
そんなビッグマック指数のことを知って,「それなりに多くの国で,かつほぼ同じクオリティを保って販売されているゲームでも同じような指数,いわば“ゲーム指数”を割り出すことができるのでは……?」と急に思い立ってしまうのが,ゲーマーの性というもの。
ビッグマック指数と同じような結果になるのか,それともゲームならではの特徴が出てくるのか……? 経済音痴であることもすっかり忘れて,無謀にも進めた調査の結果を紹介しよう。
ビッグマック指数をもう少し詳しく
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実際にゲーム指数を計算していくにあたって,元となるビッグマック指数の考え方をもう少し詳しく紹介しよう。
2025年1月28日付けで公開された「The Economist」のビッグマック指数に関するページによると,私たちが普段食べているビッグマックは480円,アメリカのビッグマックは5.79USドルとなっており,ここから1USドル=約82.90円という数字が導き出せる。
しかし,このときの実際の為替レートは1USドル=154.35円。レート通りなら,日本のビッグマックは154.35×5.79≒893.68円となるはずだが,実際はそれよりもかなり低い価格となっているわけだ。
ビッグマックが1個893円だったら,今より倍近い価格になるので「高すぎる!」と感じ,お店から足が遠のく人は多いだろう。マクドナルドは,そういった事情など踏まえたうえで価格を決定しているのだと思われる。
このように,為替レートと実際の購買力にはズレがある。これを示すのがビッグマック指数なのである。
続いて計算方法を紹介するが,一般的にビッグマック指数の基準となるのはUSドルなので,この記事でもそれに従うことにする。計算式は以下の通りだ。
(対象国のビッグマックの価格÷アメリカのビッグマックの価格÷1USドルいくらの為替レート−1)×100=ビッグマック指数(%)
そして,上で紹介した2025年1月のデータを当てはめると以下になる。
(480÷5.79÷154.35−1)×100≒−46.28
こうやって導き出した「−46.3(%)」という数字が日本円のビッグマック指数となる。
この場合,指数がマイナスの日本円はUSドルより「購買力が低い」「割安」「過小評価」とされ,スイスフランのように指数がプラスの通貨は「購買力が高い」「割高」「過大評価」とされる。
というわけで,この指数の概要を理解していただけただろうか。応用としては,この指数を為替レートの予測に使うこともできるという。上の日本円の場合,過小評価の状態にあるので,今後の為替レートは実態に寄せていく形で154.35円から82.90円に近付く(円高が進む)という考え方もできるのだとか。ただし,当然ながら為替レートはビッグマックの価格をもとに動いているわけではないので,参考資料の1つとして見るべきだろう。
説明が長くなってしまったが,この考え方にならって,“ゲーム指数”的なものの算出にチャレンジしようと思う。
まずは世界の国や地域におけるゲームの販売価格を調べる必要があるが,そこで思い当たったのが,PCゲームの販売プラットフォームであるSteamの情報をデータベース化したサービス「SteamDB」(外部リンク)だ。非公式ではあるものの,ゲームの売り上げランキングや評判などを確認できる便利なサイトとして知られており,国や地域ごとの販売価格も閲覧できる。
しかも「Current Price」(現行価格)だけでなく,「Converted Price」(換算価格)「Lowest Recorded Price」(現在までの最低価格)といったデータも公開されている。
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この「Converted Price」の数値は,ビッグマック指数と同じ計算式から導き出されるものに近く,“ゲーム指数”と呼んでも差し支えなさそうなのだが,どうも詳細が分からない。ゲーム指数を出すならビッグマック指数と同じ方法で計算し,比較してみたいという気持ちもあり,次のスタイルで進めることにした。
●ゲーム指数の計算方法
SteamDBの「Converted Price」は使わず,「Current Price」(原稿執筆時点の2025年4月半ばのデータ)と,「The Economist」のページで公開されている為替レート(2025年1月28日付け)から,3つのゲームタイトルの指数を算出する。計算式は前述した以下の通り。
(対象国での価格÷アメリカでの価格÷1USドルいくらの為替レート−1)×100=ゲーム指数
例として,日本の“「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」指数”を出してみよう。販売価格は日本が9680円,アメリカが69.99USドルで,為替レートは1USドル154.35円なので,式は以下のようになる。
(9680÷69.99÷154.35−1)×100=−10.4
●調査対象の通貨
公開中のビッグマック指数が出ている54の通貨,SteamDBに掲載された41の通貨のうち,合致した35を対象にUSドル基準で比較する。
●ゲームタイトル
最新のビッグマック指数が出された2025年1月からなるべくリリースが近く,似たような価格帯で,ジャンルの異なるもの,広い地域でプレイされていそうなもの,などといった点から次の3作品を任意にチョイスした。
「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」
国内向け価格:9680円(税込み)
ジャンル:アクションアドベンチャー
「Kingdom Come: Deliverance II」
国内向け価格:8090円(税込み)
ジャンル:RPG
「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」
国内向け価格:8800円(税込み)
ジャンル:ストラテジー
なお,Steamでの販売価格は,当然ながらそのゲームタイトルのパブリッシャが決めるのだが,Steamが「推奨価格」を設定していることは覚えておきたい。パブリッシャが通貨ごとの事情を踏まえていちいち価格を設定していくのは非常に煩雑なため,Steam側で目安となる価格を提案しているのである。
そのため,パブリッシャがこの推奨価格のままで販売するケースが割とある。一時期は,ある通貨の推奨価格がどういう理由からか非常に低くなっており,それを見つけた目ざといゲーマーが,その通貨でゲームを購入しまくる事態も発生していた。
つまりSteamでの価格は,パブリッシャとSteamという2者の意向が反映されたものと言えるかもしれない。マクドナルドが単独で決めた価格から算出するビックマック指数とは,その部分で違いがある。
ビッグマック指数でも,把握しておきたい事情はある。為替レートが経済危機や政治情勢の影響を即座に受けて短期で変化するものであるなら,それよりも長期で眺めることができるとされているのがビッグマック指数なわけだが,実際のところその品質は完全に同一ではない。
例えば,地域によってボリュームに差があったり,ビーフではなくチキンが使われていたり,高級品という位置づけで提供されていたりするからだ。
その点,ゲームの場合は,ビッグマック以上に趣味・嗜好に左右される商品となるが,特にダウンロードタイトルの品質については,ローカライズを除けば同一といっても差し支えなさそうではある。
このように,条件にいろいろな差異はあるが,どんなデータになるのか,見ていくことにしよう。
ゲーム指数でもトップはスイスフラン
一方で,指数が低い地域の背景は……?
まず,ビッグマック指数と,上で紹介した3タイトルのゲーム指数を比べてみたい。
並べてみると,ビッグマック指数においても,ゲーム指数においても,USドルより低い指数の通貨のほうが多いことが分かるだろう。
通貨 | ビッグマック指数 | 「インディ・ジョーンズ」指数 | 「Kingdom Come」指数 | 「シヴィライゼーション VII」指数 |
---|---|---|---|---|
スイスフラン | 38.0% | 26.8% | 25.8% | 11.0% |
ウルグアイペソ | 19.3% | -1.0% | -19.1% | -10.9% |
ノルウェークローネ | 15.3% | -11.1% | -12.4% | 5.4% |
ユーロ | 2.8% | 5.3% | 5.3% | 5.3% |
コスタリカコロン | 1.9% | 21.3% | 20.1% | -15.4% |
USドル | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
イギリスポンド | -1.1% | 7.1% | 4.2% | 7.1% |
カナダドル | -6.2% | -10.7% | -7.4% | -10.7% |
ポーランドズウォティ | -10.0% | 6.5% | 5.4% | 6.5% |
コロンビアペソ | -10.6% | -5.5% | -11.4% | -9.0% |
シンガポールドル | -10.7% | 6.5% | -3.0% | 5.6% |
サウジアラビアリヤル | -12.5% | 13.9% | -0.4% | -0.9% |
UAEディルハム | -15.4% | 4.7% | -7.3% | 1.2% |
オーストラリアドル | -15.9% | 7.8% | -5.7% | 7.8% |
ニュージーランドドル | -17.5% | 5.5% | -4.4% | 5.5% |
イスラエル新シェケル | -18.6% | 18.3% | 10.4% | 10.4% |
メキシコペソ | -20.5% | -3.2% | -23.3% | -17.7% |
チリペソ | -21.5% | -13.2% | -24.0% | -8.8% |
クウェートディナール | -21.5% | -3.2% | -3.2% | -3.2% |
ペルーソル | -21.8% | -4.6% | -33.0% | -15.7% |
カタールリヤル | -28.8% | 2.1% | 2.6% | 2.1% |
ブラジルレアル | -30.5% | -16.1% | -16.1% | -15.8% |
タイバーツ | -30.8% | -2.5% | -29.6% | -24.1% |
韓国ウォン | -33.6% | -20.1% | -29.2% | -17.1% |
中国元 | -39.2% | -31.2% | -47.6% | -41.3% |
日本円 | -46.3% | -10.4% | -12.6% | -18.5% |
香港ドル | -46.8% | -8.7% | -3.9% | 0.5% |
ベトナムドン | -47.7% | -7.1% | -33.6% | -31.1% |
マレーシアリンギット | -48.1% | -22.0% | -28.5% | -22.0% |
フィリピンペソ | -50.0% | -14.7% | -32.0% | -28.6% |
ウクライナフリヴニャ | -50.7% | -16.7% | -36.5% | 2.0% |
南アフリカランド | -52.0% | 6.9% | -15.3% | -0.7% |
インドルピー | -54.8% | -17.3% | -35.1% | -33.8% |
インドネシアルピア | -56.2% | -11.7% | -33.9% | -29.4% |
新台湾ドル | -58.8% | -13.1% | -10.6% | -8.8% |
そうした中,4つの指数すべてがUSドルよりもプラスとなっていたのは,スイスフランと欧州連合の公式通貨であるユーロの2つ。同じプラスでも,ユーロが5%台なのに対し,スイスフランは「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」と「Kingdom Come: Deliverance II」の指数がともに20%台という高さにあることが確認できる。
スイスフランは,2000年以降のビッグマック指数で常に3位以内にあり,2015年から現在までは不動の1位となっている。ゲームも含めて全般的に割高,という様子だ。
スイスは中立国であるため,国連やWTOといった国際機関の拠点が多く,スイス銀行に代表されるような発達した金融機関もあり,さらには福祉が手厚く税率が低い。このような状況のため富裕層が集まりやすく,それが購買力の高さにつながっているとする説もあるようだ。
そして,スイスの周辺国で使われるユーロも,その影響を少なからず受けていると思われる。
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意外だったのが中米にあるコスタリカのコロン。「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」を除く2作品のゲーム指数が,スイスフランと同じ20%台となっている。
コスタリカは常備軍を持たず安定した民主主義体制下にあり,中南米の周辺地域と比べると比較的治安がよく穏やかとのこと。国連の発行する「世界幸福度報告書 2025」(PDFファイルへのリンク)では6位にランクインしている(日本は55位)。
主要産業は農業で,経済大国とされることは少ない国だが,ゲームの購入意欲は高いのだろうか。
一方で,3つのゲーム指数すべてが35番目,つまり最下位の購買力だったのは中国の元。ビッグマック指数こそ日本より上の42位ではあるものの,3つのゲーム指数は−30〜−40%台となっている。目覚ましい経済成長を見せ,ゲーム業界においても存在感を高めている国だが,これはどういうことだろうか。
気になったので,4Gamer編集部にいる中国出身のスタッフに話を聞いてみた。それによると,いろいろな推測はできるが,個人的な印象としては「ゲームを買う」という行為が日本ほど浸透していないからではないか,ということだった。
中国では現在,「スプリット・フィクション」が大人気らしいのだが,そのプレイスタイルは「2人で遊びに行った先で,ちょっとした空き時間にプレイする」という感じが多いという。中国では最近,ゲーム機とディスプレイ,2人がけのソファなどを置いたスペースがショッピングモールの一角やさまざまな店舗などに増えていて,時間制料金でプレイできるそうだ。
こういった事情を踏まえてか,Steamは2025年3月に,中国元の推奨価格をさらに引き下げたとのこと。前述のスタッフによると,「黒神話:悟空」の大ヒットなどによって,ゲームの購入に対する中国の人々の意識も変わりつつあるとのことだが,少なくともSteamではしばらくこの傾向が続くと思われる。
なお,中国では2021年に「Steam China」がオープンしたが(関連記事),販売されているゲームタイトルが極端に少ないため,中国のプレイヤーはもっぱら本家Steamを使っているとのこと。ネットでは「中国のプレイヤーはVPNを使って本家Steamにアクセスしている」という話を見かけるが,通常はVPNなしでアクセスできるのだという。
中国元以外にも,ベトナムのドン,ブラジルのレアル,ウクライナのフリヴニャ,インドのルピーといった通貨のゲーム指数が低くなっている。それぞれの事情があるとは思うが,1つの要因として考えられそうなのは,海賊版の横行だ。
コンテンツ海外流通促進機構がまとめた資料(PDFファイルへのリンク)には,データ関連の法律が緩い,あるいは海賊版サイトがあるといった場所として,前述の国や地域が挙げられている。
もちろん理由はそれだけではないだろうが,これが購買力の低さにそれなりの影響を与えている可能性はありそうだ。
ビッグマック指数との差が際立った日本円のゲーム指数
中東やアフリカの通貨にも注目
さて,気になる日本はというと,円のゲーム指数はUSドルよりも低く,「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」は−10.4%,「Kingdom Come: Deliverance II」は−12.6%,「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」は−18.5%となった。
実際の価格(SteamDBのCurrent Price)と,為替レートから計算した金額とともにこれらの指数を見てみよう。
タイトル | 実際の価格 | 為替レートから計算した価格 | ゲーム指数 |
---|---|---|---|
インディ・ジョーンズ/大いなる円環 | 9680円 | 1万802円 | -10.4% |
Kingdom Come: Deliverance II | 8090円 | 9259円 | -12.6% |
シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII | 8800円 | 1万802円 | -18.5% |
ゲーム指数がマイナスになっているということは,アメリカ(USドル)での販売価格よりも割安ということになる。「日本で販売されているゲームの価格は高く設定されているのでは?」と,これまで邪推することもあった筆者だが(すみません),こうして見る限り,少なくともアメリカやEUより割安な価格に設定されているタイトルは案外と多いのかもしれない。
興味深かったのは,日本円のビッグマック指数が−40%台なのに,ゲーム指数はどれもが−10%台と,数字に開きがあった点である。円のビッグマック指数が極端に低いのは,日本はファストフードのチェーン店が多く,他国より競争が激しいからだともいわれている。
しかし,それだけではなく「日本では日常的に消費する商品やサービスよりゲームにお金を使う傾向がある」と捉えることもできるのではないだろうか。
日本円と似たような傾向を持つ通貨もいくつかあった。なかでも印象的なのは,カタールのリヤルとイスラエルの新シェケル。ビッグマック指数はマイナスなのに,ゲーム指数はいずれもプラスでUSドルより購買力が高い。そして,日本円のようにビッグマック指数との差も大きい。
カタールを含む中東(アラブ)では,近年ゲーム開発やeスポーツに注力している地域が目立つ。加えて人口における若年層の割合が大きいので,ゲームへの関心度は高いようだ。
[CEDEC 2023]「なぜサウジアラビアはゲームに5兆円超を投資するのか?」アラブ諸国のゲーム市場の現在と将来が語られたセッションを紹介
![[CEDEC 2023]「なぜサウジアラビアはゲームに5兆円超を投資するのか?」アラブ諸国のゲーム市場の現在と将来が語られたセッションを紹介](/games/999/G999905/20230824049/TN/032.jpg)
2023年8月23日,「CEDEC 2023」にてアラブ諸国のゲーム市場・産業について知ることができるセッション「アラブ諸国のゲーム市場・産業,2023年の現状と将来 〜何故サウジアラビアは日本のゲーム会社の株を買い,ゲームに5兆円超を投資するのか?〜」が行われた。
また,イスラエルは軍事技術から派生したIT産業を多く抱える国であることからゲームとの相性もいいようで,実際に政府機関がスポンサーになって開発されているゲーム作品もあると聞く。
スマートフォンが急速に普及し,複数キャリア持ちが増加中という南アフリカの通貨ランドは,日本の傾向を更に強めたような印象。ビッグマック指数が−52%にもかかわらず,2タイトルのゲーム指数は日本より高く,うち1つはプラス指数となっていた。
ほかにも興味深いデータはある。スイスフラン,ウルグアイペソ,カナダドルといったあたりは,ビッグマック指数のほうがゲーム指数より高く,日本円とは逆の傾向に。
また,ノルウェークローネや香港ドル,ウクライナフリヴニャといったところのゲーム指数は,「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」「Kingdom Come: Deliverance II」がマイナス2桁にもかかわらず,「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」のみプラスになっていて,なぜこの価格設定になったのか,興味が湧いてくる。
……といったように,3つのゲームタイトルを単純に比較しただけでも,気になることがあれやこれやと出てきてしまった。今回はユーロでひとくくりになっていたが,IT先進国エストニアの指数なども手段があれば見てみたかったところだ。ほんの一部ではあるが,それぞれの国や地域のゲームとの向き合い方のようなものを覗くことができた気がする。
こうした指数には,他にも「トール・ラテ指数」や「iPhone指数」といったものがある。ゲームなら,もっとたくさんのソフト,あるいはハードやサブスクのようなサービスの指数を出して比べてみるのも面白そうだ。
もしかしたら,値上げや値下げを予測して上手な買い方ができるかもしれないし,ゲーム分野における発見・探究につながることもあるかもしれない。
そんなことをぼんやりと考えながら,仕事終わりにダブルワッパーチーズをもぐもぐと頬張る筆者なのであった。
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