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[インタビュー]脚本家を目指す人必見。「MILGRAM」「VS AMBIVALENZ」脚本家に聞く,創作に必要な力と作品を面白くするための心がけ
[インタビュー]山中拓也氏×毛利泰斗氏×村上一馬氏鼎談――「MILGRAM」「ビバレン」「フラメモ」から見るYouTube原作の今
![[インタビュー]山中拓也氏×毛利泰斗氏×村上一馬氏鼎談――「MILGRAM」「ビバレン」「フラメモ」から見るYouTube原作の今](/games/913/G091378/20250415035/TN/009.jpg)
アニメやゲームとは異なる形で人気を集める“YouTube原作”コンテンツ。「MILGRAM」の山中拓也氏,「VS AMBIVALENZ」の毛利泰斗氏,「フラガリアメモリーズ」の村上一馬氏が集い,その魅力や課題,制作の裏側を語る。
お互いの作品についてだけでなく,アニメなどの脚本制作エピソードや,これから脚本家を目指す人に向けたメッセージもいただいた。
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「MILGRAM」公式サイト
「VS AMBIVALENZ」公式サイト
当初は脚本家を目指していなかったという二人
なぜシナリオを書くようになったのか?
4Gamer:
本日はよろしくお願いいたします。前回は毛利プロデューサーに「ビバレン」のお話をうかがいましたが,関根さんも企画のスタート当初から関わられているんですよね。
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はい。毛利さんから,企画の立ち上げ時に「オーディションものをやりたい」とお声がけいただいたのが始まりです。ただ,オーディションをコンテンツとして再現すると,キャラクターや担当声優さんがどんどん減ってしまい,観ている側がつらくなってしまうんですね。
そのため,同じ声優さんで1人2役を演じていただき,その担当キャラクター同士が競い合うことにして,オーディションが終わるまでキャラクターや声優さんが減らない仕組みを考えました。
そこから内容を固めていき,現在はシリーズ構成と脚本を担当しています。
4Gamer:
ありがとうございます。ちなみに,お二人は以前から面識があったのでしょうか。
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以前,僕が「アイドリッシュセブン」(以下,「アイナナ」)のアプリのイベントストーリー「ダンスマカブル」を書かせていただいたとき,TVアニメを観て,シリーズ構成と脚本を担当している関根さんのお名前を知ったのが一番最初だったように思います。同じ作品に関わっているということでSNSをフォローさせていただいて,そこから仲良くさせていただいています。
僕は脚本家としてキャリアを始めたわけではないので,純粋な脚本家さんの知り合いが少なくて。脚本家界隈の慣習的なところで分からないことがあったら,真っ先に関根さんに頼って聞きにいってます。
今は別のお仕事でもご一緒していて,本当に足を向けて寝られません。
4Gamer:
なるほど。そもそも,山中さんはどのような経緯で脚本を書くようになったのですか。
山中氏:
僕の場合は,ゲームのプロデューサーで原作者という立場から始まっています。自分で立ち上げた作品の脚本を自分で書くという自己完結した形だったんですが,作品を見てくださった方から脚本だけのお仕事の依頼もいただけるようになりました。
アニメやゲームの脚本家だと,最初は小さな仕事から始まって,信頼と実績を積み重ねてメインを任されるという流れですよね。僕の場合は脚本家としてショートカットだったので,かなり特殊な例かもしれません。
関根さんのようにちゃんとした師匠にあたる方はいないんですが,ゲームでは里見 直さん(「ペルソナ」シリーズの脚本や設定を担当)アニメでは待田堂子さん(主にTVアニメのシリーズ構成や脚本を担当)とお仕事ご一緒するなかで,お二人のやり方を見て学ばせていただくような形でした。
4Gamer:
そうだったのですね。一方で,関根さんはTVアニメからスタートされたと。
関根氏:
そうです。最初はアニメの制作進行として制作会社に就職し,2社を3年半ほど務めました。その現場でプロデューサーに「師匠になってくれる方を紹介していただけませんか」とお願いして,出会ったのが高山カツヒコさんです。そこから2年ほど脚本会議の現場を見学させてもらい,その間議事録をとったり,予告や映像特典に関わる脚本を少しだけ書かせてもらったりして勉強させていただきました。
ただ,高山さんは仕事に関してとても厳しい方で,特にアニメ本編は現場が許さない限り無条件に他人に仕事を振ることはしないスタンスだったんですよ。そんななか,本当にたまたま現場のプロデューサーが「弟子に書かせてみたら」と言ってくださって。偶然が重なり,デビュー作となったのが「バカとテストと召喚獣 にっ!」(2010年)でした。
その後も,高山さんがいろいろな現場に連れて行ってくださったり,一緒にお仕事をした方が次の作品に呼んでくださったりして,今につながっている感じです。
4Gamer:
そうなると,お二人とも最初から「脚本家になりたい!」と明確に思っていたわけではなかったのですね。
関根氏:
実は,もともとはアニメの演出家になりたかったんです。宮崎駿監督,庵野秀明監督作品ど真ん中の世代なので憧れもあって(笑)。でも制作現場を見ているうちに,構成を考えてストーリーを書くのは脚本家の仕事だとあらためて気づいて,そこからシフトチェンジしました。もともと文章を書くのが好きだったというのも大きかったです。
山中氏:
僕も文章を書くのは昔から好きでしたが,脚本までやるとは思っていませんでした。僕はプロデュース脳なので結局総合的な“体験”を作りたいんですよね。自分が作りたい体験に対して,イラスト,音楽などは他に理想を叶えてくれる相棒がいるんですが,脚本に関してはやってみたら自分がたまたま自分好みのものを書ける人だったので,自分でやるようになったという感じです。
4Gamer:
皆さんが手掛けている「MILGRAM」と「ビバレン」で,構成やシナリオ面でのこだわりがあれば教えてください。
山中氏:
自分の作品で一貫して気をつけているのは,「キャラクターを属性で説明できる形にはしない」ことですね。例えばツンデレとかヤンデレとか,キャラを分かりやすく説明する言葉ってたくさんあるじゃないですか。
でも,一言で説明できるキャラにしないのが自分のルールなんです。存在する言葉でカテゴライズすると,どうしても記号的にテンプレートとして理解されてしまう。でも,その過程でこぼれ落ちるものもたくさんあるはずで,どちらかというとその割り切れない余りみたいなものがキャラクターにとって大事なんじゃないかなと思っています。
「MILGRAM」でも,言葉1つ取っても「こういう人かな」「ああいう人かな」と想像が広がるような,生きた言葉を話せるキャラクター作りを目指しています。
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4Gamer:
よりリアルな人間らしさを追求されているということですね。
山中氏:
はい。一定の態度とか,口調とか,説明セリフとか,そういうのは極力排除しています。人間特有のブレみたいなものを許容するというか,それはやっぱりキャラクターは分かりづらくなるんですけど,分かりづらいものほど分かったときに記憶に残るので。そこらへんはユーザーを信じて表現しています。
4Gamer:
そうしたキャラクター像を作る際に,実在の人物をモデルにすることはあるのでしょうか?
山中氏:
特定の誰かというわけではないですが,人生のなかで出会ってきた人は素材になっていると思います。きっとこういうタイプの人はこのとき,こう感じるんだろうなぁという発想が膨らんでキャラクターになるイメージですね。あまりに自分の人生から遠い立場や環境のキャラクターを作る場合はできる限り取材もします。
4Gamer:
よく分かりました。関根さんは,「ビバレン」についていかがでしょうか。
関根氏:
「ビバレン」は2人のうちどちらかに投票してもらうシステムなので,ユーザーの皆さんにはそこを一番悩んでほしいと思っていました。そのためには,どちらのキャラクターも好きになってもらう必要があるので,それを前提としたシナリオ作りにこだわっています。できるだけ接戦になるようにバランスを取る……と言ってしまうと夢がないかもしれませんが。
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4Gamer:
なるほど。では,具体的なキャラクター作りについてはどうでしょうか。
関根氏:
私の場合は山中さんとは逆で,まずは一目である程度どんな人か分かるキャラクターにしている場合が多いです。ただ,そこに対して必ず欠点を加えることで,ギャップや人間らしさを持たせるようにしています。
4Gamer:
「ビバレン」もそうですが,いわゆる“女性向け”とされる,男性キャラクターが多数登場するコンテンツでは,とくに近年,ギャップのあるキャラ設定が目立つ印象があります。
関根氏:
そういった作り方をしてほしいと依頼されたことはありませんし,私自身,仕事で関わるより以前に女性向け作品に触れることはあまりなかったんです。でも,なんとなく「こういう作り方がいいんじゃないかな」と思ってやっています。もしかすると,女性向け作品のユーザーが好む共通点のようなものがあるのかもしれませんね。
山中氏:
女性向け作品を手掛けている方と話していると,そういった作品のユーザーは「どのキャラクターを好きになるか」を早めに見極めたい方が多いのかなぁと感じたりしますね。
関根氏:
確かに。ほぼ一目惚れに近いというか,一度“推し”が決まったら,ずっと変わらない方が多いですよね。
山中氏:
ゲーム的なルート攻略の考え方に近いのかもしれません。どのキャラクターの攻略ルートに入るかを先に決めなければいけない。いざ長い時間をかけて攻略して「やっぱり好みじゃなかった」ってなるような体験は,コンテンツが多い現代ではあまり向いていないのかもしれないですね。
関根氏:
そうですね。私はTVアニメで女性向け作品に関わった際,そういった感覚を勉強させてもらったのかもしれません。その感覚をもとに「アイナナ」や「ビバレン」でも,お仕事をさせていただいていると思います。
山中氏:
今話していて感じたんですが,僕がこういう作り方をしているのは,ゲーム出身だからこそ,ゲームフォーマットへのカウンターというか,逆張りの意識があるのかもしれません。そういう作り方の作品で育ったからこそ,最適化されたものに違和感を持って,あえて別の楽しみ方を提案したいというか。
関根氏:
その気持ちはよく分かります。コース料理なのに最初から最後まで同じ味では,食べた甲斐がないと思うんです。だから私も,ユーザーが一番最初に見るキャラクター紹介で少しギャップを匂わせたり,本編でも,キャラクターのパッと見では分からない部分を描いたりすることを,かなり意識してやっています。
山中氏:
こうしてスタイルの違いについて話していたんですけど,関根さんと一緒にお仕事をしていて,表現で大事にしているものは近しいと感じるんですよね。そのうえで「最初の一口をどう食べさせるか」という部分には,大きな違いがあるのが面白いですね。
4Gamer:
プロデューサー対談では「相手のコンテンツのここがすごい」をお聞きしましたので,今回は「相手のここがすごい」をうかがってみたいです。
山中氏:
関根さんについては,僕はもう「この人,何でもできるな!」と思っています。やっぱりちゃんと師匠筋がいて,実力を高めてこられているし,出てくる知識やジャンルの幅がとても広いんですよ。これって,経験値の積み重ねだなと,いつも感動しています。
女性向けには明るくなかったとおっしゃっていましたが,基礎力が高いからこそ,どんな分野でもちゃんとしたものが出てくるんだと思います。とくにお仕事をご一緒してからは,現代の脚本家に求められる能力をバランス良く高水準で持っている方だなと感じています。
あと,僕らがやっているYouTube原作のドラマというジャンルについても,すごく早く感覚を掴んでおられますよね。プロデューサーの立場から見ても,「この人がいれば間違いないな」と思えます。こういうのって,一朝一夕では得られないものです。
関根氏:
ありがとうございます……! こんなに褒められたのは久しぶりです(笑)。
山中氏:
先ほどお話に出た「ビバレン」の一人二役でロスを避けるキャスティングの部分もそうですが,バランスを取ることに関して,きちんと客観的な視点を持たれていますよね。しっかり自分の書きたいものにのめり込みながらも,常に冷静な視点があるなと感じます。
4Gamer:
おっしゃるとおりだと思います。では,関根さんは「MILGRAM」や脚本家としての山中さんについて,どんな印象を持たれましたか。
関根氏:
私,「MILGRAM」は「ビバレン」のリリース後に存在を知ったんです。自分たちでもかなり大きな企画だと思っていたのに,すでに近いものを出されていてびっくりしました。「こんなことをする人がほかにいるのか!」と。
私たちもやろうとしていた“巻き込み型”――ユーザーを当事者にすることで,絶対に結果が気になるような状況を作ることなんですが,「MILGRAM」はどうすれば皆さんを巻き込めるかを,すごくしっかり考えて作られていることが分かって,本当に驚きました。さっきはたくさん褒めていただきましたが,山中さんこそ先駆者ですし,「MILGRAM」に限らず,バランス感覚とセンサーが本当にすごいと思います。
そういえば最近,マーダーミステリー(マダミス)をやる機会があったんです。マダミスは参加者自ら登場キャラクターになる“巻き込み型”の最たるジャンルだと思うのですが,プレイ後に,山中さんの作品を味わったときと同じ感覚になったのをすごく印象的に覚えていて……。あの感覚をゲームや体験型ではない作品で作れるのがすごいなと思いました。
4Gamer:
確かにそうですね。では,山中さんとお仕事をご一緒されたときはどう感じましたか。
関根氏:
ものすごく柔軟でした。「こういうことがやりたいです」と話すと,それを掴むのがとにかく早いんです。チームでも「山中さんくらい書けるようになりたいね」と話すくらい,シナリオも好評でした。本当にすごかったです。私の語彙力が追いつかないんですが(笑),尊敬しています。
山中氏:
ありがとうございます! 普段自分の好き勝手書いているんですが,やはりほかのチームに参加させていただくときはドキドキしますから。チームの皆さんに「いいね」と言っていただけたなら,自分の書いたものが間違ってなかったんだなと救われます。
僕は脚本家として修正をお願いされたときには,まず目的を聞くようにしています。「この修正は,こういう気持ちにさせたいからで合ってますか?」という確認なんですが,関根さんとはそういう進め方の相性がすごく良かったんだと思います。自分がプロデューサーとして発注側に立つときにも大事にしていることなので,そこがうまく作用したのかもしれません。それと……もう1つ,関根さんの“褒め”を追加してもいいですか?
4Gamer:
もちろんです!
山中氏:
関根さんって,その場の空気作りもすごく上手なんです。脚本家って究極いいものが書ければ良いという側面も確かにあるんですが,関根さんは人間関係をとても大事にされていて,メンバーが力を発揮しやすい空気を和やかに作ってくださるんです。もともとのお人柄がいいのは知っていたんですが,仕事になったときにもそれが作品のクオリティに対して効果的に働いていて,本当にすごい能力だと思います。
関根氏:
うれしいです。でも正直,人間関係はあまり得意じゃないんです。ただ,みんなが緊張しない空気感にはしたいし,上がってきた意見は全部受け止めたいと思っていて。意見が多ければ多いほど作品は良くなると思うので,話しやすい空気作りは意識しています。
4Gamer:
チームでの仕事において,空気感はとても大きいですよね。実は私も,今日初めて関根さんにインタビューさせていただいて,とても話しやすい方だなと密かに感動していました。では逆に,お二人はご自身の弱点を感じることはありますか。
山中氏:
仕事していてたまに「頭が良い人が書いた脚本」と評価されることがあるんですが,それは決して褒め言葉とだけ受け取っていいものではなくて。僕自身そこは今後の課題だとも思っています。論理的で流れがきれいなだけでは表現できないものもあるというか。
もっと「わけが分からないけど,気づけば心が動かされていた!」みたいな型破りなものを生み出すために,今の作り方を壊す日が来るのかもしれないなと感じています。
関根氏:
理屈で展開させるよりも,どうしても「人間」を描きたくなってしまうところでしょうか。一緒に仕事している方に「行動原理のオタク」と言われたことがあるんですが,行動原理が通らないとにっちもさっちもいかなくなって筆が止まることが多々あるので,もっともっと柔軟になりたいですね。
脚本家になりたい人は必見!
必要な能力や大切にすべきこととは?
山中氏:
関根さんはYouTube原作コンテンツとTVアニメの両方に関わっていらっしゃいますが,両者に“差”を感じることはありますか? 例えば,広がり方が違うなといったようなこととか。
関根氏:
そうですね……TVアニメのほうが,見やすさからくる“開かれ方”はありますよね。毎クールいくつか観る作品を決める層がいる一方で,ながら観もしやすいじゃないですか。逆にYouTubeは,観ようと思って観る方がほとんどなので,視聴者の“濃さ”にアニメとの違いを感じます。
山中氏:
確かに,お客さんの意識という点では違うかもしれませんね。TVアニメと違って,YouTubeは本当に好きなものを自分で探して観に行く感覚がありますし。
関根氏:
そうなんです。なのでイメージとしては,季節で変わる贅沢ビュッフェで食べるのがTVアニメで,「絶対にこれを食べに行こう」と目的を持ってお店に行くのがYouTubeという印象ですね。
山中氏:
たまたま流れてきたものに興味を持ってもらうのと,「これが好きだから観に行く」というのでは,やっぱりコンテンツの作り方も変わってきますよね。書く上で意識していることはありますか?
関根氏:
実はそこまで大きく描き方を変えてはいないんです。TVアニメでは,途中でチャンネルを変えられないようにする工夫をかなり意識してますが,これは動画で停止ボタンを押されないようにする工夫と同じだと思うんです。
4Gamer:
そもそもYouTubeのドラマって,「観るぞ!」とちゃんと向き合わないといけない感じがありますよね。少しだけハードルが高いというか。
山中氏:
そうなんですよ。前回の対談でも話題に出ましたが,YouTubeで長尺のドラマって本当に観られにくいんです。3分程度の動画にするというのが理論上正しいのは分かっているんですが,やはりしっかりと時間をかけて描くことでしか伝えられないものもありますし,そこは意地のような部分もあるというか。どう最適化するかは,このジャンルにとって今後の課題だと思います。
関根氏:
実は「ビバレン」でも,企画の段階で3分程度のストーリーにするかどうか議論がありました。でも「3分で楽しめるようになるのは,キャラクターを好きになってからなのでは」という結論になって。あのときの判断は,今思うと賭けでしたね。だからリリース後に,思っていた以上の方々に観ていただけたのは,とてもうれしかったです。
山中氏:
YouTubeは再生回数が見えてしまうのもシビアですよね。これも前に話しましたが,やっぱりMVが一番再生されて,ドラマになるとガクッと下がるんです。それが可視化されてしまうのもコンテンツとしての見え方が難しい部分です。
関根氏:
そうですよね。キャラクターのことがちょっと分かると,MVだけを観るようになる方も多いですし。ドラマも1話,2話あたりは再生回数が高くても,その後はどうしても落ちていくので,難しいなと感じます。
山中氏:
YouTubeで伸びやすいとされるサムネイルにすれば解消されるのかもしれないですが,それは一種作品にあったデザインを捨てることになってしまうので,やっぱりそれは作り手としての矜持が許さないというか。
誰もが投稿できるYouTubeだからこそプロワークとして譲ってはいけない部分だったりもするので……今回の対談に登場した3作品はどれもそこを譲れない“カッコつけ続けてる”ところがありますね(笑)。
関根氏:
確かに(笑)。少し話が逸れますが,インパクトという意味では「カリスマ」はすごいなと思いました。最初に「ちょっと観てみようかな」と思わせる力があるし,ユーザーが男性キャラを好きになることに対するある種の“照れ”, をコミカルな演出でうまく隠せている印象もあって。
山中氏:
「カリスマ」は最高ですね。企画もアートも一貫性があってめちゃくちゃハイレベルなんですが,お客さんが触る部分はコメディで何も考えずに楽しめる。YouTubeというメディアに合っているし,作ってる側も楽しいだろうなと。
4Gamer:
山中さんと関根さんはスタートこそ異なりますが,今では多数の作品を手掛ける脚本家としてご活躍されています。憧れている方も多いのではないでしょうか。
山中氏:
僕はちょっと特殊なルートなので例外ですが,1人の脚本家が有名になるって,めちゃくちゃ難しいことだと思っています。自分で作品を選べるわけじゃないし,作品が成功するかどうかも運の要素が大きいですし。だからこそ,ぜひ関根さんにそのあたりを聞いてみたいです。
関根氏:
私は,有名になることにはデメリットもあると思っていて。脚本家が売れてくると,ミーハーに見られてしまうというか……。私の話ではないのですが,Xのフォロワーが多いだけで「目立ちたいだけ」と厳しい目を向けられる方もいらっしゃって。
山中氏:
僕も良くありますよ。メディアに出る機会もやはり多いので,いわゆる職人タイプには見られないというか。プロデューサーもやってるから「本当に自分で書いてるの?」と思われたりもしてるんじゃないかな,と。
関根氏:
分かります。とくにオリジナル作品では,脚本家も作品を知ってもらうためにSNSで発信したりしますが,それも「目立ちたいだけ」と言われてしまったり。ただ,最近はSNSに慣れた方が増えてきているので,偏見は減ってきているのかなとは思います。
山中氏:
難しいですよね。かといって何も発信しなければ,ただ知られないで終わる時代なので。では今,脚本家になりたいという人がいた場合,どうすれば良いと思いますか?
関根氏:
おそらく,師弟関係で育つというのは,私が最後の世代じゃないかなと思います。最近の方は,シナリオ制作会社に就職して,修行して独立したりしなかったり……という流れが主流かもしれません。
山中氏:
僕はさっき言った通り師匠的な存在がいないので,よく打ち合わせで「うちの師匠が〜」っておっしゃるのを見て,「なんかカッケェ!」って思ってますよ。
関根氏:
私の場合,私の言葉では説得力がないのかも……と思った際に,師匠の名前を出すこともあります(笑)。私は感情をすくい上げるタイプのライターなので,論理的に話すのが得意そうには見えないみたいで。
同じことを言っても,私の言葉として話すより,師匠の言葉として話す方が相手の理解度が上がるんですよ(笑)。だから,伝えたいことをちゃんと伝えるために,自分のプライドを横に置いて,師匠の言葉を借りることもあります。もちろん,実際に師匠がおっしゃっていたことではあるんですが。
山中氏:
なるほど。僕,脚本を書く人って,ある程度“しゃべれないと”ダメだなってすごく感じているんです。面白さを言語化しなきゃいけないですし,脚本ってセリフとト書きしか書いていないじゃないですか。そこに「なぜ面白いのか」が書かれていないぶん,読む側が読み解く必要がある。
でも現場でその面白さが伝わらなかったとき,脚本家が言葉で説明する場面が必ず出てくるんですよね。
関根氏:
本当にそう思います。「こういう目的があって,こういう流れで,こういうオチになります」って説明できないといけなくて。ただ「面白くします」だけでは,周囲を納得させることができないんですよ。現場でやりたいことを実現しようとすればするほど,説得の機会は増えていきますし。
山中氏:
世の中が「面白い」か「面白くない」かの二元論なのであれば,そんなに複雑なことは起きないと思うんです。直そうとしている人も,別に“面白くなくしよう”としているわけじゃない。
いろいろな種類の“面白さ”があるなかで,脚本家が“Aの面白さ”を目指していたとしたら,直したい側は“Bの面白さ”を求めているだけ,みたいなことなんですよね。
4Gamer:
非常によく分かります。つまり脚本家には,説得力やコミュニケーション能力も求められるということですね。
山中氏:
そう思います。脚本会議でも,うまく説明できない人っていますよね。本当は描きたい面白さがあるはずなのに。もしかしたら言葉を尽くせば理解してもらえて,より良い話し合いになるかもしれない。
関根氏:
若いうちはとくにそうかもしれません。私自身も,「君がやりたいのはこういうことだよね?」と気づいて助けてもらったことがありました。だからこそ今は,自分もそういうふうに気づいてあげられる存在でありたいなと思っています。ただ,いつまでも誰かに頼り続けるわけにはいかないのが,プロの世界の厳しいところですね。
山中氏:
さっきも言いましたが,この対談が脚本家を目指している人たちに届いたらいいなと思っているんです。だからこういう話ができるのは,すごくうれしいです。
それに,TVアニメって放送枠が存在して,話数が限られているぶん,物理的に関われる脚本家の数に限界がありますよね。でも,YouTubeのような場所で僕たちが作っているようなコンテンツがどんどん増えれば,物語を考える人の出番も増える。つまり,脚本家になりたい人にとってのチャンスも広がっていくと思うんですよね。
4Gamer:
書き手として,個人的にもぜひ参考にさせていただきたいのですが,脚本を書くうえで,どうしても流れや設定を変えられないプロットがある場合や,時間やさまざまな制限によって,面白さを十分に引き出せないと感じることがあります。そうしたときには,どのように工夫すれば良いのでしょうか。
山中氏:
例えば原作ものをアニメ化する場合,単に内容をなぞるのではなく,視聴者に支持されている要素を拾ったり,会話だけのシーンなら視覚的に面白く見せたりする工夫が必要だと思います。シチュエーションを変えたり,小物を追加したり,別のシーンをカットバックで挿入して深みをもたせたりといった,アニメならではの演出で,できるだけ原作の感動を再現する方法を考えますね。
関根氏:
ちなみに,私の師匠がよく「自分を数に数えるな」とおっしゃっていました。TVアニメの現場において,脚本家は監督と密に連携しながら,作品の意図を共有し,物語をより面白くするために尽くす立場だと。自分のアイデアや脚本が修正されたり否定されたりして,プライドが揺らぐこともありますが,「悔しい」と感じるのは,まだ自分を“数に入れている”からなのだと教えられました。
経験を積んだ今では,作品をより良くするために,自分の意見をすべて押し通すのではなく,本当に必要なことだけを,必要なときにきちんと伝えるようにしています。極稀に,どうしても自分の印象が悪くなるようなことを伝えなければならないこともありますが,作品のために精一杯誠実に言葉を尽くすようにしています。
原作ものの場合,そのままやると媒体が違いからか,原作では気にならなかったストーリーが,アニメではなぜかキャラクターの知性が下がって見える展開になってしまうことがあります。現場にはどうしてそうなってしまうのかを伝えて,アニメとしてどう見せていくべきか,どうすれば良くなるかを精一杯話し合うようにしています。
そういうことを何度か経験していると,目立たないようにこっそりフォローする“技”みたいなものが自然と増えていくので,積極的に提案したりもしますね。
山中氏:
関根さんの現場からはそういう良い空気感をすごく感じますよね。僕も最近は良くない方向性にいきそうなときは,バッサリ「こっち側に金脈はないと思います!」と言うようにしています。
関根氏:
新人の方にはあまりおすすめできないかもしれませんが,毅然としていることも,ときには必要ですよね。
4Gamer:
昨今では,漫画のドラマ化や映画化において,原作改変が話題になることが増えていますよね。その点については,どうお考えでしょうか。
山中氏:
僕は自分の作ったゲームがアニメ化しているのですが,そのときはかなり変えました。例えば原作が漫画だった場合,漫画は漫画に適した見せ方をしているからこそ名作になるのであって,良いアニメ化を目指すなら,アニメというメディアに最適化するための修正や変更は必要だと思っています。
問題になるのは,原作が描こうとしていたことを無視してしまうケースです。原作のメッセージや登場人物の行動原理が変わってしまうような修正を安易に行うことが問題であって,修正そのものが悪いわけではありません。そこはきちんと分けて考えなければいけないと思います。
関根氏:
まったくもってそのとおりです。私が原作ものを手掛ける際には,すでに存在するファンの方々を裏切らないことを第一に考えています。ただし,原作をそのままトレースするということではなくて,「読んだときの感動を再現する」ことが,私の中での「原作どおり」です。違うメディアで表現する以上,いくら忠実に再現しようとしても,原作そのものにはならないんですよね。
4Gamer:
それは,設定そのものを変えることも含まれますか。
関根氏:
何を変えてはいけないのかという点は,現場でしっかり話し合う必要があると思います。「この展開に関わるこの部分だけは絶対に変えられないよね」といったポイントは守りますが,話数の中だけで消費されるような設定であれば,必要に応じて見直すことも視野に入れています。「変える」というよりも,結局は“見せ方”なんですよね。
山中氏:
僕は,自分のゲームをアニメ化したときに「変える必要がある」と思ったのが,主人公の設定でした。プレイヤー=主人公という形式だったので,選択肢以外は喋らないんですよ。
でもそれが面白いのは,自己投影できて,余白を想像で補えるインタラクティブなゲーム体験だからこそ成立するもので,アニメでそれをガワだけ倣っても,単なる無口主人公になってしまい,同じ体験にはならない。だからこそ,アニメとして成立させるためには,アニメならではの“見せ方”が必要になると感じました。
4Gamer:
なるほど,とても納得できました。それと,先ほどの「有名になることのデメリット」の話にも通じるかもしれませんが,作品の評価がそのまま脚本家の評価につながってしまうことってありますよね。ゲームやアニメに限らず。
関根氏:
そうですね。作品が評価されたときは監督の手腕が注目されて,逆にうまくいかなかった場合は,脚本に対する目が厳しくなる……という都市伝説を聞いたことはあります(笑)。
山中氏:
そうなんですよね。TVアニメはそれでもまだ,制作のフォーマットがある程度整備されているほうだとは思いますが,YouTube原作の場合,良し悪しを正確に判断できる人がいないまま,作品が世に出てしまうこともある。だからこそ,自分の名前を守る意識も必要なのかもしれません。
4Gamer:
確かに。脚本家って,小説家や漫画家と違って,1人で完結する仕事じゃないですもんね。
山中氏:
その意識は本当に大事だと思います。脚本家1人の力で作品を面白くすることはできませんし,そもそも1人で作っているものでもない。だからこそ,コミュニケーション力がすごく大事になる。脚本は,総合芸術の中の一部分を担っているに過ぎませんから。
関根氏:
TVアニメだと,脚本家が「こうしてほしい」と思っても,作画の都合で実現できないことも多々ありますしね。そうした前提を踏まえたうえで脚本を書く必要があると思います。映像作品では,「どんな演出がつくか」をある程度想定しながら書くべきだと,私の師匠もよく言っていました。
山中氏:
脚本を書いたときに自分の頭の中にあるセリフや間が,絵コンテによって大きく変わることって,本当によくあるんですよ。仮に素晴らしい脚本があってもコンテの過程で良さがスポイルされてしまうこともあれば,コンテによって脚本の魅力が何倍も引き出されることもある。
それがTVアニメの面白さでもあり,難しさでもあるなと感じます。逆にYouTube原作は望めば自分でどこまで責任を持つかコントロールしやすいという良さがありますね。僕の場合は脚本と共に,お芝居も自分で演出したいので自作品では音響監督も自分で担当するようにしています。
脚本家になりたい人へアドバイス
創作の原点と,将来やってみたいこと
4Gamer:
前回も話題に出ましたが,本当にYouTube原作コンテンツをジャンルとして確立させたいですよね。ジャンルとして発展していけば,「ゲームの脚本家になりたい人」「YouTube原作ドラマの脚本家になりたい人」で,なり方や取り組み方も変わってくるんじゃないかなと感じます。
山中氏:
そうですよね。YouTube原作のいいところって,場合によっては1人で全部できちゃうところなんですよ。その気になれば明日にでも脚本家デビューできてしまう。
関根氏:
そうですね。TVアニメは基本的に打ち切りもほとんどなく,視聴者は受け身のまま楽しめますが,YouTube原作は「応援しないと終わってしまうかも」という緊張感があるというか。
ある意味では,手作り感のようなものが伝わるジャンルでもあると思います。ゆえに,心から応援したいと思ってもらえるように作ることが大切なのではないかと。もちろんそれは,アニメでも同じなのですが。
山中氏:
前回もお話ししたとおり,ジャンルに名前がついて文化として定着すれば,「YouTube原作のシナリオの書き方」みたいな形で学問として継承しやすくなりますよね。今はまだフォーマットもバラバラで,「どういうシナリオが適しているのか」が感覚的にやられている状態なので。
4Gamer:
ではあらためて,こうしたジャンルの脚本家を目指す人に向けてアドバイスをするとしたら,まずはコミュニケーション能力でしょうか。
山中氏:
コミュニケーションについては,脚本家に限らず,どんな仕事でも身につけて損はないですね!
関根氏:
本当に,自戒を込めてそう思います(笑)。それと,やっぱり行動力ですね。
山中氏:
行動力さえあれば何でもできますしね。あと,若いときって「作品が完璧な状態じゃないと世に出せない」と思いがちなんですが,最初は拙くて当たり前だし,その状態で評価されないと成長できないんですよ。
「うまくできるようになったら」「恥ずかしくなくなったら」出そうと思っていると,スタートがすごく遅れてしまうんじゃないかなと。
関根氏:
フットワークの軽さは本当に大事ですね。「今の自分には足りない」と思うのであれば,それをどう埋めるかをしっかり考える必要があります。
私はアニメーション制作会社で働こうと思ったのが始まりでしたが,専門学校に通うでもいいですし,世の中にある動画を研究してみるでもいい。自分の作品のクオリティを高めるためには,努力を惜しまないでほしいと思います。
山中氏:
あとアドバイスできることは……アニメからアニメを作ったり,キャラクターからキャラクターを作ったりというのは程々にしたほうがいいなと感じることが多いです。ルーツもリファレンスも広く,多様に持っている方が有利だと思います。
関根氏:
本当にそうです! アニメを作るにしても,アニメだけに限らず,映画でも音楽でも舞台でも,知識として吸収できるものってたくさんあると思うんです。なんでもたくさん触れておいたほうがいいし,それによって差が出ると思いますね。
山中氏:
キャラクターを参考にキャラクターを作って,そのキャラクターを参考にまたキャラクターが作られて……という流れになると,どんどん抽象化して記号化していってしまう。それを止められるのは,自分しか触れていない体験であり,そこにオリジナリティが宿ると思うんですよね。そういうものが世に溢れると嬉しいなぁと思います。
4Gamer:
先ほどは山中さんから関根さんへの質問がありましたので,今度は関根さんから山中さんにお聞きしたいことがあればぜひお願いします。
関根氏:
ちょっと主語が大きくなってしまうんですが……創作の原点って何ですか? どんなことがきっかけで,山中さんに「作品を作りたい」という欲求が生まれたのかを聞いてみたいです。
山中氏:
うーん,たぶん怒りとか不満ですね。「自分だったらこうするのに」っていう気持ちの積み重ねが背中を押しているのかなと思います。
関根氏:
「自分だったらこうするのに」は,すごく分かります(笑)。
山中氏:
例えばなんですが,漫画とかアニメでなんでも受け入れてくれる聖母みたいな女子高生キャラクターがいたとき,「そんなわけなくね?」って思うんですよ。そこまでの人格を獲得するには何かがあったはずで,そうやって人間性が作られる過程を世に出して,「このほうが納得するでしょう」と訴えたくなる。
みんなはこれが好きなのかもしれないけど,野暮なのかもしれないけど,「こうしたほうがグッとくるじゃん」っていう気持ちの積み重ねから来ているんだと思います。
関根氏:
すごく分かります。原作ものを映像化する際によく起きる現象です。漫画や小説は2次元なので書かれている情報だけで成立するし十分面白いのですが,映像は3次元なので,奥行きが生まれたことで書かれていない部分が突如露わになって感じるんですよね。
山中氏:
最近「見事だな」と思ったのが,「ウソ婚」というWeb漫画原作のTVドラマです。原作では重要視されていなかった行動原理や心の押し引きみたいな要素が,ドラマには完全に整理された上で提示されていて。「ここまでやれるんだ,すごいな」と思いましたし,夢があるなとも感じました。
4Gamer:
それはぜひチェックしてみたいですね! では,今度は山中さんから関根さんに聞きたいことはありますか。
山中氏:
はい。「将来何をやりたいですか?」を聞いてみたいです。
関根氏:
そうですね……死ぬときに「ああ,これを作れてよかったな」と思える作品を残したいです。
山中氏:
なるほど。僕もよく「脚本家のゴールって何だろう?」って考えるんですよ。オリジナルを作りたいという欲求はありますか?
関根氏:
もちろんあります。ただ私は,漫画が本当に大好きで死ぬほど読む漫画ファンなんです。だから,好きな漫画がアニメ化されたときに自分が関われていないと,「やりたかった!」ってすごく思ってしまう。それはオリジナルを書きたいという欲求と同じくらいの強さです。
山中氏:
分かります。好きな作品がアニメ化されたりするとき,「なんで自分は呼ばれるくらい有名じゃないんだ!」って思っちゃいます(笑)。
4Gamer:
やっぱりお二人とも,アニメ化が1つの理想なんですね。ちなみに,実写ドラマや映画にはご興味はありますか?
関根氏:
私はアニメからキャリアが始まっているので,まず最初にアニメ化を考えてしまうんですが,そうじゃない作品だったとしても,もしお声がけいただけたら挑戦すると思います。実際,「ビバレン」もそうでした。
山中氏:
僕もメディアにはこだわっていないです。やっぱり「体験を作ること」が目的なので,与えたい体験にとって最適なのであれば,マンガでもアニメでも実写ドラマでも構わないです。「MILGRAM」はWebが最適だと思ったからそうしましたしね。
やりたいことを思いついたときに,それを一番適した形で実現できるよう,今いろいろな経験を積んでいるのかもしれません。だから実写ドラマとかも凄く興味があります。できるようになりたい。
関根氏:
やっぱり山中さんの強みって,自分から動けるところだと思います。私は基本的にオファーをいただいてからやらせていただく形なので,その立ち位置は本当に羨ましいです。
山中氏:
意外と自分でやったらできますって! 関根さんがやりたいことがあるなら,いつでもお手伝いします!
関根氏:
えっ,本当ですか? じゃあ,ちゃんと考えておかないとですね(笑)。
4Gamer:
新しいプロジェクトがスタートするかも……! それでは最後に,読者の皆さんにメッセージをお願いします。
関根氏:
いつも「ビバレン」を応援してくださり,本当にありがとうございます。名前のないコンテンツとしてスタートしましたが,こうして見つけてくださって,応援してくださって,さらには投票というアクションまでしてくださる方がいることに,感謝の気持ちしかありません。
どちらかが選ばれるという構造上,最後には皆さんがショックを受けるような展開もあるかもしれませんが,彼らの輝く瞬間を逃さず届けられるよう,これからも努めてまいりますので,引き続きよろしくお願いいたします。
山中氏:
「MILGRAM」を楽しんでくださってありがとうございます……というのは前回もお伝えしましたので,今回はこの対談企画について少しお話しします。
僕が「MILGRAM」5周年にかこつけてこの対談を企画したのは,新しいメディアで活躍するクリエイターたちが,どのように自分の技術や能力を使って面白いものを生み出しているのかを伝えたかったからです。今日ご一緒した関根さんも素晴らしい脚本家なので,この対談がその魅力を知ってもらうきっかけになればと思っています。
僕自身は人を直接育てる立場ではありませんが,こうした機会を通じて新しい才能が世に出るきっかけになればうれしいです。YouTube原作コンテンツは,何か思いついたことを形にするのにとても適した場所だと思うので,皆さんもぜひ,そういった創作に挑戦してみてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました!
ーー2025年4月28日収録
「MILGRAM」公式サイト
「VS AMBIVALENZ」公式サイト
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