
インタビュー
LightSpeed Japan代表の伊津野英昭氏にインタビュー。オリジナルIPのAAAタイトルを開発する新設スタジオの現状は?
LightSpeed Studios自体も「Original IP Initiative」を戦略として掲げており,日本はその開発において重要な役割を担っている。
「ドラゴンズドグマ」「デビルメイクライ」などを手がけた元カプコンの伊津野英昭氏,テンセント傘下の「ライトスピード・ジャパン」代表に就任

Tencent Games子会社のLIGHTSPEED STUDIOSは2024年11月12日,ゲーム開発スタジオ「ライトスピード・ジャパン」の設立を発表した。日本オフィスはAAA級タイトルの開発に特化し,東京と大阪に拠点を置く。代表には,カプコン在籍時に「ドラゴンズドグマ」「デビルメイクライ」などを手がけた伊津野英昭氏が就任する。
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- 編集部:Chihiro
元カプコンの伊津野英昭氏が率いる新スタジオ,新作AAAアクションゲーム開発を本格始動。LIGHTSPEED STUDIOSはオリジナルIPに注力する

LIGHTSPEED STUDIOSは米国時間2025年3月20日,新たな戦略を発表し,オリジナルゲーム開発の本格的な取り組みを表明した。注目すべきは,昨年カプコンを退社した伊津野英昭氏が新スタジオ,ライトスピード・ジャパンを率い,新作AAAアクションゲームの開発を開始したことだ。
大阪オフィスを新設し,AAAタイトル開発も加速するなか,LightSpeed Japanの代表である伊津野英昭氏に,スタジオの状況やゲーム開発における理念,新作に関することなどの話を聞いた。
4Gamer:
よろしくお願いします。
さっそくですが,大阪オフィスを開設されましたが,その背景を教えてください。
伊津野英昭氏(以下,伊津野氏):
私が前職を退職して,LightSpeed Studiosに合流するときに,日本のゲーム開発とノウハウを使って,日本人を中心としたチームでコンシューマゲームを作っていきましょう,と話していました。
LightSpeed Japanのオフィス自体は既にあり,モバイル系のゲームなどの仕事をしていたので,新たにコンシューマゲームを作る大規模なチームを作るためのメンバーを集め,スタジオを再編成しましょう。というところから始まっています。
私自身が大阪の会社で働いていたこともあり,大阪に拠点を持つ開発者の知り合いも多いんです。新規タイトルを立ち上げる際は,まずシニアメンバーから集めていく必要があるのですが,そういった人材は家庭を持っていたり,お子さんが学校に通っていたりして,生活拠点を移すのが難しいケースが多い。
だったら大阪と東京に拠点を用意して,働きやすい環境を選んでもらおう――そういう考えから,大阪オフィスを開設しました。
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4Gamer:
大阪と東京の2拠点には,役割の違いなどはあるのでしょうか。
伊津野氏:
ゲーム作りのパートごとに役割を分けられたら運営上は楽なので,そういった可能性があるかなと考えていました。人を集める過程で拠点ごとに部署や役割を変えることは難しく,両方にすべての部署あるという形になっています。
4Gamer:
伊津野さんは普段はどちらの拠点にいるのでしょうか。
伊津野氏:
私は奈良に家があるので,基本的には大阪にいることが多いですね。月に1回から2回,多ければ3回ほど東京のオフィスに出張しています。
じつは大阪オフィスの立地はすごく良くて,大阪駅直結で,ありとあらゆるものが徒歩圏内にあるのでとても便利なんです(笑)。
4Gamer:
それはすごく便利ですね。東京オフィスから大阪オフィスに移りたい! というスタッフはいないのでしょうか?
伊津野氏:
東京のメンバーを研修という形で週1人ずつほど,拠点間交流もかねて大阪オフィスで1週間ほど働いてもらっているんですが,ご飯が美味しくて安いことに喜んで,家庭の事情がなければ大阪に行きたいという人はけっこういますね(笑)。
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4Gamer:
やはり(笑)。
LightSpeed Studiosはグローバルに展開しているわけなのですが,そのなかで日本が担う役割はどういったものになるのでしょうか。
伊津野氏:
LightSpeed Studiosは,世界中に大きな開発拠点があるんですが,オリジナルIPが少なく,その立ち上げが大きな課題になっています。日本スタジオは世界中の拠点のなかでも,とくにコンシューマのオリジナルIPを作ることが大きな目標になっています。
4Gamer:
伊津野さんがオリジナルIP開発の期待を一身に受けている,という状態ですね。
伊津野氏:
そうですね。オリジナルのタイトルを作ってきた経験もありますし,AAAクラスのコンシューマタイトルも数多く「完成」させているというところもあります。大事なことなんですが,ちゃんと「完成」させている経歴に期待されているんだと思っています。
4Gamer:
新たに合流したメンバーがいるとのことですが,どういった人たちなのでしょうか。
伊津野氏:
アートディレクターの池野大悟が合流してくれました。前職の同期入社で,一緒に仕事をすることが多かったんですが,最近もずっと同じプロジェクトで,アートディレクターもしくは,それに近い仕事をしてもらっていました。LightSpeed Japanで一緒に仕事できることになったので,非常に頼りにしています。
もう一人はナラティブリードの森橋ビンゴです。あるタイミングでフリーランスになったのですが,僕が開発するタイトルのシナリオは彼に発注していました。それ以外にも多数のタイトルのシナリオに参加していたり,大き目のAAAタイトルにも参加していたり,モバイルタイトルでもヒット作を作ったりしていて,さらに漫画の連載もあってすごく多忙だったんです。「俺と一緒にIP作ってよ」ってお願いして,強引に入社してもらいました。
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4Gamer:
心強いメンバーですね。チーム構成としてはどのような形になっているのでしょうか。
伊津野氏:
現在の開発チームの構成は,過去に僕と一緒にゲームを作ったことある人が3分の1くらいで,残りの3分の2が他社でゲーム開発をしていた人たちです。海外の人が3分の1ほどいて,もともとLightSpeed Japanに所属していた人などもいます。
僕には僕のやり方があって,やり方とかテイストの作り方など,「ここ大事ですよ」ってところで,「どのくらい大事なのか」をなんとなく分かってくれるかどうかが,けっこう重要なんです。そこを理解してくれる中心メンバーを揃えられたのが非常に大きいですね。
今までの僕の仕事のやり方をベースに,新しい考え方が入ってくるという,安心できるチームになりましたし,僕自身も刺激をもらっています。僕の作り方はけっこう独特なので,新しく入ってきた人の刺激になって,さらに新しいものを作っていければと思っています。
4Gamer:
会社のコアメンバーはおおよそ揃えられたと。
伊津野氏:
一部まだ足りてないパートはあるんですけど,メインどころは揃っています。
4Gamer:
新しいオフィスを立ち上げるには,相当な努力や苦労があったと思います。具体的には,どのような点で大変でしたか。
伊津野氏:
やはり人集めがすごく大変ですね。今も継続中で,現在は最終目標人数の3分の1くらいが集まっています。
新しいスタジオとなると,実績もなくて安定度はないんです。僕の知り合いだと,大手のゲームメーカーに勤める人も多いので,そうなってくると,踏ん切りがつけられなかったり,家族の理解を得られにくいというところもあったりして,なかなか人集めには苦労しています。とはいえ,現状の目標のメンバーは集まっているので,苦労しながらも必要な人材は集まってきているという状況です。
あとは,スタッフは20年選手が多いので,皆さんこれまでの経験やベースがあって,しかもシニアばかり集めているので,開発する上で全部「どうぞどうぞ」とはならないんです(笑)。みんな大人なので,そこまで「俺が俺が」とはならないですけど,意見を持っている人が多いので,その辺の折り合いのつけ方とか,気を使うレベルの差の調整とかも苦労しています(笑)。
4Gamer:
東京と大阪で拠点があって,やはり物理的な距離があると,コミュニケーションを取りづらいかなと思うのですが,そのあたりはいかがでしょうか。
伊津野氏:
問題点はわりと明確になってます。テキストだけのやり取りだと,真意が見えなかったり,ちょっときつい言い回しになったりと,表情が見えない分,そういったコミュニケーションエラーが起こりがちなんです。
そこをいかに無くすかというところで,大きいディスプレイを両方のオフィスに配置して,常に通信をつなげています。お互いの席が見渡せる状態で,話し声も聞こえるので,大事そうな話をしていたらすぐに参加できますし,人を呼ぶのも容易にしています。実際に顔を合わせていないことへのギャップを,できるだけ減らすよう心がけているんです。
あとは,まだ一回しかできてないんですけど,年に何回か,みんなで集合する機会をつくろうと思っています。やはり実際に顔を合わせないと,どうしてもコミュニケーションエラーが起こりがちなので。
4Gamer:
大阪と東京に開発拠点があると,シニアスタッフやマネージャークラスが多くいる拠点といない拠点で,仕事のやり方に差が出る気もするのですが,そのあたりはいかがでしょう。
伊津野氏:
そうですね。なるべくリーダーとサブリーダーを,すべてのセクションで東京と大阪に置くようにしています。東京のリーダー,大阪のリーダーという形です。例えばプログラムのリーダーは東京にいるんですけど,サブのリーダーは大阪に配置するように,採用するみたいな感じで,なるべく両方でリーダーを配置できるように,採用の方でバランスを取れるようにはしています。
ですが,一部それができていないセクションもあって,多めに出張行ってもらうなど,工夫をしているところです。
4Gamer:
リーダーの有無で,かなり差が出そうですよね。
伊津野氏:
そうなんです。多拠点開発をしているチームはそういうのでお悩みの人が多いんじゃないかなと思いました(笑)。
4Gamer:
現在,開発中のプロジェクトがあると思うのですが,話せる範囲で教えていただけないでしょうか。
伊津野氏:
すでにいろいろなところで発表はしているのですが,AAA規模のアクションゲームであることは最初から決まっています。僕がこのスタジオに合流したのが9月で,まだ1年経っていない状況なんですが,そこから人集めを始めています。
ただ,なかなか会社を辞めて合流するには難しい時期だったので,本格的に人が増え始めたのは年明けからですね。今の人数に近くなったのは4月くらいです。
そのあたりから,開発のワークフローを固めつつ,機材,採用するソフトウェア,何をするかという準備を進めて,春くらいからやっとプロトタイプを作り始めたところになります。
4Gamer:
AAAタイトルの開発するという話で代表に就任されたと思うのですが,どういうものを作るか,というのはどの段階で決まっていたのでしょうか。
伊津野氏:
僕が移籍したらこういうゲームを期待されているんだろうなという部分と,僕の作りたい新しいゲームを合わせたような感じで,そのプランとセットで入社させてもらっています。
4Gamer:
グローバル市場を見据えて,新しいAAAタイトルを開発していると思うのですが,どういった体験を想定していますか。
伊津野氏:
僕はゲーム開発において,LightSpeed Studiosかどうかは関係なく,新しい遊び,この面白さは今までになかったよね,というものを必ず取り入れるようにしています。それは大きいものだったり,小さいものだったりあるんですが,今回に関してもプレイヤーが感じる,今までのゲームになかったような新しい遊び,新しい喜びを,ゲームの企画の柱のところに入れています。
4Gamer:
僕自身,伊津野さんが開発に携わられているタイトルをプレイしたとき,かなりの衝撃を受けたので期待しています!
伊津野氏:
ありがとうございます。これまで作ってきたタイトルも自分のテイストがかなり入っているので,そういうゲームを作ってきた伊津野が次を作るということで,期待してもらっている人に,「なるほど,こう来たか」って思ってもらえるようなものになると思います。
4Gamer:
自分もかなりの期待を直接伝えてしまったのですが,そうした期待がプレッシャーになることはありますか。
伊津野氏:
そういうことで悩んでいたのはもう十何年前ですね(笑)。自分が面白いと信じているものに対する自信というか,開き直りなんですけど,自分が面白いと信じているものを作って,売れなくなったらもう終わりだと思っているので。
逆にいうと,昔は悩んでいたんです。自分が面白いと思っているものが本当に売れるのか,投資に見合うだけのファンがついてくれるのか,すごく不安な時期もありました。
今はもう自分を疑うことはなく,自分を信じて作りきれば結果がついてくると思って作っています。今回もそうですね。
4Gamer:
モノづくりのあるべき姿と感じます。
伊津野氏:
ラッキーだと思っています。好みのところもあると思うので,この年齢になってもお客さんがいてくれるというのは,非常に励みになっているし,まだもうちょっと行けるかなと思っているところですね。
4Gamer:
LightSpeed Studiosでの開発にあたって,日本とグローバルでの関わりはあるのでしょうか。
伊津野氏:
もちろんあります。LightSpeedはいろいろな国にスタジオがあるんですが,一番たくさん人がいるのは中国の深センで,高い技術力を持っています。
今回,Unreal Engine5を使って開発しているのですけど,その技術やツールもたくさんありますし,専門分野である通信やAIという面でも豊富な蓄積があります。
クリエイティブなところは日本のスタッフを中心にやりつつ,技術的なところはうちの技術班とかアート班にも協力を求めながら,日本で集まりきらなかった,メンバーや技術の面では,そちらに協力してもらいながら進めています。
そこがLightSpeed Studiosを選んだ,ひとつの大きな要因でもあるので,有効に使わせてもらっています(笑)。
4Gamer:
クリエイティブな内容について,本社から意見を伝えられることはあるのでしょうか。
伊津野氏:
開発を進めるにあたって承認を得ながら開発していくので,意見や要望をいただくことはあるんですが,クリエイティブに関しては基本的に自由にやらせてもらっています。ただ,放置されているという感覚もなく,一緒に成功していくために協力していく,といった体制といえば分かりやすいでしょうか。
4Gamer:
現在のチームメンバーについて,先ほど目標の3分の1くらいが集まっているとありました。今後,採用していくにあたって,どんな人を求めていますか。
伊津野氏:
新規IPを作っていくことはリスクのあることなので,そこを楽しんでやってもらえる人に来てもらいたいですね。逆に,言われたことを確実にこなしていればいいという気持ちだと,最初はちょっとしんどいかもしれません。
ただ,AAAの新規タイトルを作れることの貴重さを理解してもらえる人には,すごく過ごしやすい環境だと思っています。0から1を作り出す場面では,当然苦しみがあって,それこそ言い合いになることもあります。その苦しみも含めて楽しんでもらえる人にとってはやりがいがある仕事環境だと思っています。
新しいAAAタイトルを立ち上げるときにしか味わえない経験というか,そこを楽しめる人が,今は,入ってくれると嬉しいですね。面倒くさいことは多いし,ベースがまだ出来上がってないので,ダメ出しもめちゃくちゃあります。モノが決まるまでにボツになるものも多いです。その部分を逆にチャンスと考えてもらえれば,楽しめるかなと思います。
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4Gamer:
開発経験などで求める部分はあるんでしょうか。
伊津野氏:
今はシニアメンバーもだいぶ集まってきたので,新人とまでは言わないのですが,経験値を伸ばしていきたいとか,シリーズ作品をけっこう作ってきて,新規タイトル開発を味わってみたいとか,そういう若手の人もこれから採用していきたいと思っています。
業界でめちゃくちゃ経験のあるベテランがたくさんいるので,その気になれば学び取れることが非常に多いと思います。
1作目を作ったあとは,ライン数も増えていく計画があるので,この先どんどんチーム内でのポジションを上げていきたい。そんな野望のある若手は大歓迎ですね。
4Gamer:
なかなか見つけるのが難しい人材ですね。
伊津野氏:
ほんとに難しいです。そもそも野望のある若手は独立したりしてあまり会社に入らないので。
4Gamer:
ジャパンスタジオとしての中長期的なビジョンはどうでしょうか。
伊津野氏:
まず今作っているタイトルをしっかりと全員で作り上げましょう,というのがここ数年のビジョンです。それが完成に近づいた段階でライン数を増やしていこうと思っています。今のプロジェクトが成功すれば,それの派生タイトルも作るでしょうし,また別の新規タイトルも作るでしょうし。というふうに考えています。
4Gamer:
日本発のAAAタイトルを開発していますが,グローバル展開を見据えて気を付けている部分はありますか。
伊津野氏:
僕は対戦格闘ゲームを作っていたんですけど,対戦格闘って最初からグローバルに訴えられるものを持ち合わせていたんですよ。面白さの根本にグローバルとのズレがなくて,キャラクターや世界観もグローバルで嫌われるようなデザインでもなければ,キャラクター性でもないというバランスの良いタイトルでした。
そのあとに日本に特化した格闘ゲームも作りましたが,それ以降も世界で好き嫌いに差が出ないものが多かったんです。
デビルメイクライを作っているときの話なんですが,当時は「西洋の人が作ったゲーム」だと思ってもらいたくて,すごくハリウッドチックに作ろうと意識していました。でも3を出したあとくらいに「このテイストは日本人にしか出せないファンタジーだ! すごい!」って言われてしまったんです(笑)。
半分ショックだったんですけど,開き直った部分もあって,「世界で受けるために西洋チックに寄せて作らないといけない」ではなく,そのつもりで作ったら,いい感じの日本オリジナルテイストが出て,グローバルで売れるテイストになるんだって逆に納得できました。
今回もハリウッドチックに,ワールドワイドに売れようと思って作っていますが,無理に方針転換はせずに作ろうと思っています。勝手にいい感じに日本テイストが入って,世界で売れるテイストになるんじゃないかなと思ってます(笑)。
4Gamer:
ああ,根底に日本の文化や常識があるので,どう寄せたとしても日本テイストが入っちゃう。逆に言えばそれは日本人にしか作れないものであると。
伊津野氏:
そうです。余計なことしなくてもいいんだなって。
無理に和風テイストとかを入れない方が逆に日本っぽさがでるなあという実感ですね。
4Gamer:
過去に世界で売れているタイトルで,衝撃を受けたタイトルはありますか。
伊津野氏:
「Ghost of Tsushima」はショッキングでしたね。「ドラゴンズドグマ」を作るとき,「これって日本人が作ったの? ヨーロッパの人が作ったんじゃないの?」って言われようと思って作ったんですけど,めちゃめちゃ天気のいいファンタジー世界を描いたので,「こんな天気のいいファンタジー世界は見たことない。日本独特だ」って言われて,「ああ,そうか……」って思ったんです。
その点,「Ghost of Tsushima」は,日本人が作るより和の心の部分などを大切に作っていたんです。日本人が作ると,押しつけになってしまうかもと気を使う部分がたくさんあると思うんですが,そこを気にせず「そこがいいところなんだ」って。海外の人が自信を持ってやってくれたのは目から鱗でした。
4Gamer:
たしかに日本人が作ると,ちょっと押しつけがましさが出るもしれませんね。
伊津野氏:
あれは逆に日本人に作れないんです。たぶん寄り添っちゃうと思うんですよね。
4Gamer:
海外から「日本はこれがいいんじゃないか」って言われたようなゲームでした。
伊津野氏:
そう,そうなんですよ。ショック,というか日本から生まれなかったのが残念だなと思いましたね。
4Gamer:
LightSpeed Japanで挑戦したいと考えていることはありますか。
伊津野氏:
今まで遅延や発売中止などなくやってこられたんですけど,それが前職の大きな会社の恵まれた温室育ちの環境の中でしかできなかったことなのか,別の会社,世界に入ったところでも同じような理屈で同じようなことがちゃんとできるのか。その部分が僕としては大きなチャレンジになります。
人を集めるのも,企画力で引っ張っていくしかないんですよ。ブランドを作らないとダメなので,中身で引っ張っていくしかない。しかも,その中身って完成品を見せられない。完成品を予想してもらって引っ張っていかなきゃダメなので。後ろ盾がないなかでやるのはすごく大変ですが,それも楽しみながらやらせてもらっています。
4Gamer:
ゲームファン,あるいは未来のスタッフに対してメッセージをお願いします。
伊津野氏:
30年間ゲームを作ってきて,とにかく新しい遊び,新しい刺激っていうものをなんとか作ってきたなと思っています。ゲーム業界も常に景気がいいわけではないので,なかなか新しいもので勝負するのも難しい中,我々のスタジオは新しい遊びを提供していくチャレンジをしていきますので,そんなに時間をかけないつもりではいますが,期待して待っていただけると非常にうれしいです。
そして,一緒にチャレンジしたい人はぜひ採用窓口に応募してください。
今まで僕が作ってきたゲームをご存知で,少なからずプレイしている人や興味がある人にとっては,今回のゲームは非常に楽しめるゲームになると思います。
4Gamer:
ありがとうございました。
「LightSpeed Japan」公式サイト
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