Microsoftが9000人におよぶリストラを実施。ゲーム部門ではThe Initiativeが閉鎖され，新作「Perfect Dark」は開発中止に

　Microsoftは本日（2025年7月3日），全従業員の4％，約9000人におよぶリストラを実施したことをアナウンスした。その中には経営が好調とされているMicrosoft Gaming/XboxやAzure部門も含まれており，5月の6000人に加えて，2025年度は1万5000人を超える人員が削減されている。

　Xbox Game Studiosでは，「トゥームレイダー」リブートシリーズの成功で知られるダレル・ギャラハー（Darrell Gallagher）氏が率いるThe Initiativeが閉鎖され，これに伴い，2000年にNINTENDO 64向けに発売されたFPS「パーフェクトダーク」をベースとしたアクションゲーム「Perfect Dark」の開発が中止となった。多くのゲーマーに期待されていたタイトルだけに，その決断を残念に思うゲーマーコミュニティも多そうだ。


　また，大きなところでは「Forza Motorsports」シリーズのTurn 10 Studiosが50％の人員を削減されているほか，Activision Blizzardの一角をなす「キャンディークラッシュ」のKing.com，そして「コール オブ デューティ」シリーズの開発スタジオの1つであるRaven Softwareも大規模なリストラが行われたという。
　これに加えて，Zenimax Online Studiosでは，「The Elder Scrolls Online」の後継になるべく開発が進められていたという未発表のプロジェクト，コードネーム「Darkbird」も開発中止となった。さらに，Rareが2019年に公表していた「Everwild」も開発が中断されていると，ゲームメディアVGCが報じている（リンク）。


　今回のリストラをいち早く報じた海外エンターテインメントメディアVariety（リンク）は，Microsoft GamingのCEOであるフィル・スペンサー（Phil Spencer）氏が社内向けに送ったというメールを公開している。
　それによると，「ゲーム事業を永続的な成功へと導き，戦略的な成長分野に注力するために，特定の事業分野の業務を終了または縮小し，Microsoftのリードに従って管理階層を廃止し，機敏性と効率性を高めます」としており，Microsoft側の判断によりリストラが実行されたことをうかがわせている。
　また，「今回の変化は，プレイヤー，ゲーム，そしてゲーム時間がかつてないほど増加している時期に起こるものであると認識しています。当社のプラットフォーム，ハードウェア，そしてゲームロードマップは，かつてないほど力強くなっています」としており，ゲームビジネスが好調な中での無念の決断となったようだ。